東京サラダボウル ―国際捜査事件簿―

東京サラダボウル ―国際捜査事件簿―

「クロサギ」シリーズで知られる黒丸の連載作品。現代の東京を舞台に、警視庁国際捜査係の女性刑事、麻里と警察通訳人の有木野が、外国人関連の犯罪事件を解決する物語である。外国人被疑者や被害者が関わる事件をきっかけに物語は動き出し、破天荒な麻里と冷静な有木野が、ときに対立しながらも協力しあい、事件の背後にある人種差別や文化摩擦といった社会問題に直面していく。本作は、国際捜査係の捜査官と警察通訳人のバディによる警察漫画である。従来の警察物と異なり「言語の壁」を軸に、マイノリティーをテーマとして扱う。東京都の外国人居住者の割合3.98パーセントという現実を背景に、言語や文化が多様に混在する「サラダボウル」のような社会における、警察通訳人の通訳業務や外国人被疑者・被害者への対応手続きをリアルに描く。講談社「Palcy」にて、2021年6月20日から2024年2月25日まで連載。テレビドラマ化され、2025年1月から3月まで放送された。

正式名称
東京サラダボウル ―国際捜査事件簿―
ふりがな
とうきょうさらだぼうる こくさいそうさじけんぼ
作者
ジャンル
警察官・刑事・検察官
レーベル
KCデラックス(講談社)
巻数
既刊5巻
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作品の概要

基本情報

「クロサギ」シリーズで知られる黒丸の連載作品。

要旨と舞台設定

現代の東京を舞台に、警視庁国際捜査係の女性刑事、鴻田麻里と警察通訳人の有木野了が、外国人関連の犯罪事件を解決する物語である。東京都の外国人居住者の割合3.98パーセントという現実を背景に、言語や文化が多様に混在する「サラダボウル」のような社会で発生する事件を扱う。

ストーリー展開

物語は外国人被疑者や被害者が関わる事件をきっかけに動き出す。麻里は破天荒な性格の女性警察官として事件の捜査にあたり、有木野は冷静な警察通訳人として言語の壁を越えたコミュニケーションを支援する。二人は対照的な性格から対立することもあるが、協力関係を築きながら事件の背後にある人種差別や文化摩擦といった社会問題に直面していく。

ジャンル的特徴と位置づけ

本作は、国際捜査係の捜査官と警察通訳人のバディによる警察漫画である。従来の警察物と異なり「言語の壁」を軸に、マイノリティーをテーマとして扱う。外国人犯罪の背景にある過酷な現実や、異文化間のコミュニケーション問題を具体的な事件を通して描写している。

世界観の構築と設定

「サラダボウル」と比喩的に表現される、東京の多文化社会を背景に、警視庁の「国際捜査係」と警察通訳人が所属する「通訳センター」の仕組みが描かれる。警察通訳人の通訳業務の描写や、外国人被疑者・被害者への対応手続きがリアルにストーリーに反映されている。

連載状況

講談社「Palcy」にて、2021年6月20日から2024年2月25日まで連載。

メディアミックス情報

テレビドラマ

2025年1月から3月まで放送。

あらすじ

日中英の3か国語ができる警察通訳人の有木野了は、次の取り調べのために公園でサンドイッチを食べながら、中国語メールの下訳をしていた。髪の毛がミドリでメガネをかけた女性、鴻田麻里が、向いのテーブルでサソリの入った弁当を嬉しそうに食べ始めた。有木野は気が散るからと反対側を向いて彼女に背を向けた。その時、泣きながら中国語で電話をしていた女性に鴻田が「大丈夫? 何か困っているの?」と英語で話しかけた。中国語がわからない鴻田はスマホを探すが、すぐに見つからず、有木野に「おにーさん、ちょっとスマホ貸してもらえません」と厚かましくお願いした。仕方なくスマホを差し出した時、下訳をしようとしていた中国語のメール画面を鴻田に見られてしまう。鴻田に強引にお願いされ、仕方なく泣いている女性の通訳をする有木野。その女性の名は沈一諾(シェン・イー・ヲォ)。21歳の中国人留学生。SNSで知り合い、日本に遊びに来ていた中国人の友達「キャンディ」が失踪してしまったのだと言う。沈一諾の家に滞在していたキャンディは、昨日出かけたきり、全く連絡がとれなくなってしまった。スーツケースは家に置いたままだし、キャンディは日本語が話せない。なにか事件に巻き込まれているのではないかと心配し、沈一諾は何度もキャンディの留守電にメッセージを入れていた。鴻田は通訳してくれた有木野にお礼を言い、ウチの通訳人として働かないかと名刺を差し出した。彼女は東新宿署組織犯罪対策課国際捜査係の巡査部長。ミドリ頭の女が警察官だったとはと驚く有木野。鴻田は失踪した、本名もわからない「キャンディ」の捜査を開始し、有木野に協力を求めるのだった。

登場人物・キャラクター

有木野 了 (ありきの りょう)

警察通訳人の男性。警視庁通訳センター第二係に所属。日中英の3か国語ができる。捜査に感情移入せず、無表情に淡々と通訳する。意訳はせず、一言一句丁寧に翻訳する。元警察官で、2年ほど前までは上麻布警察署で巡査をしていた。太く整った眉で、髪は短髪。前髪を少し立たせている。15歳まで中国の大連で育った帰国子女で、ゲイ。あまり感情をオモテに出さない。何かトラウマを抱えている。鴻田麻里からは「アリキーノ」と呼ばれている。

鴻田 麻里 (こうだ まり)

ミドリの髪色でボブカットの女性警察官。東新宿署組織犯罪対策課国際捜査係の巡査部長。背は小さく、メガネをかけている。破天荒、オープンで明るい性格。不安を抱える在日外国人側の気持ちになって捜査をする人情派で、固定観念にとらわれず、自分の眼で見たことしか信じない。大物の臭いがしない訪日・在住外国人がらみの案件ばかり担当していることから、国際捜査係のこぼれカス担当とも呼ばれている。好きな食べ物は食べたことがないもの。

クレジット

監修

一般社団法人 関西司法通訳養成所 代表 清水 真

書誌情報

東京サラダボウル ー国際捜査事件簿ー 5巻 講談社〈KCデラックス〉

第1巻

(2021-11-22発行、978-4065257968)

第2巻

(2022-01-21発行、978-4065265246)

第3巻

(2022-06-22発行、978-4065282007)

第4巻

(2023-09-22発行、978-4065330463)

第5巻

(2024-04-23発行、978-4065346686)

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