概要・あらすじ
普通の人間よりも遥かに多くの幸運に恵まれ、人間界の「幸」と「不幸」のバランスを乱す存在桜市子。世間の幸運バランスを保つべく、貧乏神紅葉が派遣されたことで桜市子の生活は大きく変化していく。傲慢だが孤独だった市子は、紅葉との出会いをきっかけに人付き合いを変化させ、多くの友を得る。そして彼女の幸福エナジーをめぐって巻き起こる戦いの中で、市子と仲間たちは次第に絆を深めていく。
登場人物・キャラクター
桜 市子 (さくら いちこ)
泰庵高校に通う女子高生。容姿端麗で頭脳明晰、プロポーションも良く、妬み混じりで「乳子」と呼ばれるほどの巨乳。人を幸せにする「幸福エナジー」が異常に多く、さらに他人のそれを吸い取る特異体質でもあるため、、幸と不幸のバランスを乱す存在として神界から派遣された貧乏神の紅葉に取り付かれる。 両親は大成功しており金銭面では不自由ない暮らしをしているが、気を許せる知人は諏訪野だけで、外面は良いものの性格はひねくれている。
紅葉 (もみじ)
桜市子の他人から幸福エナジー吸い取る体質を改善し、過剰な幸福エナジーをあるべき所へ戻すべく神界から派遣された女性の貧乏神。やる気が乏しく任務を面倒がる態度を隠さないが、市子をからかったり事態を面白い方向へ転がしたりといった行為には労苦を惜しまず、本心では市子を深く思いやっている。 市子のクラスに転校生として入り込む事もあり、その際は貧保田紅葉と名乗っている。貧乳。
石蕗 恵汰 (つわぶき けいた)
桜市子のクラスメイト。行方不明の父母に代わって四人の弟妹を夜間バイトで養っており、学校では殆ど居眠りしている。貧困生活を送っているため苦労知らずの市子とは最初衝突するが、和解してからは好感を抱きあうようになる。身体能力は高くサッカーが得意。
龍胆 嵐丸 (りんどう らんまる)
市子のクラスに転校してきた女子高生。幼い頃から父に空手を叩き込まれ、人間離れした戦闘能力や頑丈さを持つ。普段は学ランを着ており性格も男勝りだが、密かに可愛らしい服装に憧れていた。市子とは最初衝突するが後に友情を結んだ。石蕗恵汰に好意を抱くが、市子への友情を重んじて自らは一歩引いた立場を保つ。
艶光路 撫子 (あでのこうじ なでしこ)
大財閥の一人娘だが、幼少期に石蕗恵汰に救われたことがきっかけで彼に好意を抱く。以後、陰から密かに恵汰を監視し、彼に近づく異性を排除してきた。このストーカー行為の積み重ねにより忍術のような技能に長けている。恵汰への想いから市子や嵐丸と対立するが、許婚との結婚にまつわる騒動がきっかけで徐々に友情が芽生えていく。 市子たちと同学年だが小学生に間違われるほど小柄で幼児体形。
諏訪野 菊之進 (すわの きくのしん)
桜市子が幼少の頃から仕えていた、初老の執事。滅多に帰らない市子の両親に代わり、彼女の面倒を見てきた。市子の一番の理解者で唯一心を許せる存在だったが、彼女の特異体質により幸福エナジーを奪われ、病に倒れる。その身を気遣った市子は彼を解雇し田舎で静養させた。静養先で出会った女性と結婚するが市子への連絡は欠かさず、市子に近づく異性には強い敵意を示す。 夫婦共に格闘技は相当の腕前。
スターチス・ボビー
日本全国を巡り悪霊退治をしているという黒人の仏教僧。本来は神にも引けを取らないほどの強い霊力を備えているが、非常に好色で煩悩に塗れているため、実力を発揮できないでいる。悪神悪霊を退治する道具蘇民将来を作り、市子に与えた。市子と紅葉の対立に関わったことをきっかけに仏女津市へ住み着く。
犬神 桃央 (いぬがみ ももお)
紅葉を「お姐様」と呼んで慕う犬神で、少年またはチワワの姿をとる。マゾヒストであり、苦痛を受けることに快感を覚える。紅葉の命令で市子を陥れようとしたが、彼女が聞いていた程の悪人でないと知って認識を改めた。さらに、市子の打撃を受けているうちに快感に目覚め、市子にも「お姐さま」と呼ぶようになった。 犬神は主人の守り神となる反面、主人の害をなす者には容赦なく災いをもたらす悪神、と言われている。
大門 忍 (だいもん しのぶ)
艶光路撫子の幼少期から彼女に仕えている、容姿端麗な青年執事。人間離れした体術の持ち主。重度のロリコンであり、女児や年齢の割に体型が幼い撫子に対して密かな情欲を燃やしている。特に撫子に対しては、日頃から盗撮や盗聴といったストーカー行為も辞さない。執事としては優秀、かつ艶光路家への忠誠は保っており、ある程度の節度は保っている様子。
山吹 (やまぶき)
紅葉の上司にあたる貧乏神。神界からは黒電話で紅葉に連絡を取っている。真面目かつ大人しい性格で、更に上の上司と、言うことをきかない部下の板挟みになって、常に困惑している。長い年月を経て膨大なエナジーを抱えているため、その体は紅葉たちよりはるかに巨大。人間界のビジュアルバンドに目がなく、よく紅葉たちにグッズの購入を頼んでいる。
貧乏神 (びんぼうがみ)
『貧乏神が!』に登場する神の一種。人間に不幸を与える存在とされているが、実際は人間界の幸福と不幸のバランスを保つ調整役のような任務を請け負っている。人間界に現れる貧乏神は紅葉と同様女性の姿で、体のどこかに「貧」と書かれた衣類を着用しており、ほとんどが貧乳。概ね、動くヌイグルミのような使い魔をつれている。
たんぽぽ
大きな帽子を被り眼鏡をかけた、一見魔女のような服装の福の神。極端に無口だが、手にした人形による腹話術で会話し、その性格は冷酷かつ凶暴。人間の不幸を意に介さない異端の福の神として、他の福の神にはできない汚れ仕事を請け負っている。市子、紅葉と対立するが戦いを経て和解し、神界には戻らず同じ福の神の金色姫と共に人間界で生活するようになる。 彼女や金色姫など、福の神は概ね巨乳。
碇 (いかり)
桜市子の前世であるかんなを復活させるため、遠大な計画を密かに進めていた黒幕的存在。市子の異常な幸福エナジーや、他人のそれを吸い取る体質もその一環であった。元は数百年前の、異常な不幸エナジーに苦しむ人間の青年だったがかんなに救われ、彼女の最後の力で神となっていた。多数の悪神を従え、現代で市子を生贄としたかんな復活の計画を発動させる。
かんな
桜市子の前世。数百年前の日本で異常な幸福エナジーを持って生まれ、その力で他人を救うため各地を旅していた16歳の少女。いじょうに不幸エナジーを持つ碇と出会い、彼と幸不幸を中和して二人で幸せな生活を送っていた。だが碇を救うため命を落とし、碇が彼女を復活させようとする遠大な計画のきっかけとなる。
その他キーワード
蘇民 将来 (そみん しょうらい)
懋毘威が作った悪神・悪霊退治道具で、先端に三枚のお札を貼った木刀のような形状をしている。桜市子が振るうと、彼女の幸福エナジーが十二支の動物の形になって具現化する。その名は、スサノオから加護を賜った疫病・災厄除けの神から。