概要・あらすじ
田舎道場で剣の修行に明け暮れていた金野鈴之助は、道場破りと立ち合うが敗れてしまう。道場破りの名は横車押之助。じつは鈴之助の亡父・鉄之助の親友だった。横車は鈴之助を江戸の千葉道場へ修行にやるよう提案。道場の先生も賛成し、鉄之助の形見である赤胴を渡して送り出すのだった。日本一の剣客を目指す鈴之助の厳しい修行が、江戸の千葉道場で始まった。
登場人物・キャラクター
赤胴 鈴之助 (あかどう すずのすけ)
日本一の剣客を目指して修行する少年剣士。正しい心と何事にも屈しない根性を持つ。父・鉄之助を亡くし、みなしごとなる。父の形見である赤胴が特徴。父の親友・横車押之助に連れられ、江戸の北辰一刀流千葉道場に入門。厳しい修行に耐え、めきめきと腕を上げる。1年後、江戸を後に修行の旅に出発。 箱根・強羅の大鳥赤心斎のもとで2年の修行の後、飛鳥流真空斬りを会得する。
横車 押之助 (よこぐるま おしのすけ)
江戸の千葉道場の師範代。赤胴鈴之助の父・鉄之助の親友。鈴之助を見込み、千葉道場に連れ帰る。
千葉 周作 (ちば しゅうさく)
北辰一刀流の創始者。江戸で千葉道場を開く剣の達人。赤胴鈴之助の師匠で、鈴之助を愛情と厳しさで鍛え上げる。実在の剣術家・千葉周作がモデル。
お鈴 (おすず)
江戸で仕立て屋をして生計を立てる。赤胴鈴之助の実の母だが、鈴之助の修行の邪魔にならないようにと正体を隠す。後に日記を鈴之助に見られたことが原因で正体を明かし、感動の再会となる。
竜巻 雷之進 (たつまき らいのしん)
千葉道場の門下生。赤胴鈴之助の兄弟子でライバル。剣に天賦の才を持つ。昇段試合で鈴之助に敗れ、ヤケを起こして酒を飲み、真剣試合をしたことで千葉道場を破門される。破門後は道場あらしや、毎夜武士を襲い刀を奪うなどの乱暴をはたらく。兄の岳林坊と結託して、鈴之助を呼び出し決闘するが、鈴之助の正々堂々とした戦いぶりに負けを認め、江戸を去り修行する決意を固める。 2年の旅修行でいなずま斬りという必殺技を体得。鈴之助との正々堂々の勝負で目が覚め、親友となり、千葉道場に戻る。
さゆり
千葉周作の娘。美少女だが剣術の腕も確かで、道場破りに来た鬼面党の一人に薙刀で勝利するほど。
岳林坊 (がくりんぼう)
竜巻雷之進の兄で宝蔵院流の槍の使い手。江戸中の剣術道場を打ち破り、最後に千葉周作を待ち伏せるが、周作には敵わなかった。赤胴鈴之助とも因縁があり、旅に出た鈴之助を付け狙う。後に鬼面党に入党するが、雷之進の説得で正しい道に目覚める。
青竜刀の中国人 (せいりゅうとうのちゅうごくじん)
千葉道場に道場破りを仕掛けるが、赤胴鈴之助に敗れる。修行の旅に出た鈴之助を追いかけ、短刀を投げて襲う。鈴之助がかわした短刀は通りがかりの大木弾正の命を奪う。
大木 松之助 (おおき まつのすけ)
大木弾正の息子。赤胴鈴之助を父殺しの犯人と間違えて、叔父・大木蛮洋軒と共に鈴之助の命を狙う。誤解が解けてからは鈴之助の親友となる。
大木 蛮洋軒 (おおき ばんようけん)
大木松之助の叔父。鉄火流くさりがまの達人。松之助から兄弾正が殺されたとの報告を受け、鈴之助の命を狙う。
大鳥 赤心斎 (おおとり せきしんさい)
箱根の強羅で道場を開く剣の達人。千葉周作から赤胴鈴之助に飛鳥流真空斬りを授けるよう頼まれる。2年後、鈴之助の真空斬り完成を見る前に、火京物太夫の凶弾に倒れる。
火京 物太夫 (ひきょう ものだゆう)
つぶて流くさりがまの達人。岳林坊の助っ人で赤胴鈴之助と大鳥赤心斎を襲うが、赤心斎の真空斬りに敗れる。赤心斎を恨みに思い、2年後、鉄砲で命を奪う。
鬼面党の首領 (きめんとうのしゅりょう)
鬼面党のボス。赤胴鈴之助の母を人質に鈴之助をおびき出し仲間に入れようとする。鈴之助との戦いで真空斬りを破る。また、催眠術を使い、鈴之助を眠らせてしまう。
桃井 春蔵 (もものい しゅんぞう)
鬼面党に追われていた鈴之助の母・お鈴を救う。剣の達人。実在の剣術家・桃井春蔵がモデル。
鬼面党の副首領 (きめんとうのふくしゅりょう)
鬼面党の副首領。巨大な鉄の棍棒を振り回す怪力の巨漢。投げ縄の名手でもある。首領が捕まったのを見て、手下を連れて逃げる。千葉周作と赤胴鈴之助を恨みに思い復讐を誓う。
集団・組織
鬼面党 (きめんとう)
『赤胴鈴之助』に登場する組織。江戸幕府を打ち倒し天下を取ろうと企む悪の組織。党員は全員鬼の面を被っている。目的のためには手段を選ばない卑怯な連中。腕の立つ赤胴鈴之助と竜巻雷之進を仲間に引き入れようと画策する。
千葉道場 (ちばどうじょう)
『赤胴鈴之助』に登場する組織。神田お玉が池にある北辰一刀流の道場で剣豪千葉周作が開いた。主人公赤胴鈴之助や竜巻雷之進、横車押之助などの手練れが大勢いる江戸一番の道場。ちなみに史実では玄武館と呼ばれていた。
その他キーワード
飛鳥流真空斬り (ひちょうりゅうしんくうぎり)
『赤胴鈴之助』に登場する必殺技。飛鳥流・大鳥赤心斎が編み出した技。2年の修行の末に赤胴鈴之助もこれを会得する。刀あるいは素手を回転させ、つむじ風を起こし真空状態をつくることで相手を切り裂く。
いなずま斬り (いなずまぎり)
『赤胴鈴之助』に登場する必殺技。竜巻雷之進が2年の旅修行で編み出した技。電光石火の居合抜きで相手の体を稲妻型に斬る。
クレジット
- 作者
- SHARE
-
-
- EC
-
