サムライうさぎ

サムライうさぎ

15歳のまだ若い武士の夫婦が開いた道場を中心にした時代劇。農民や下級武士からの視点で、江戸末期の武家のプライドや、武士としての生き方、武士道への懐疑を描いている。

正式名称
サムライうさぎ
ふりがな
さむらいうさぎ
作者
ジャンル
バトル
 
時代劇
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概要・あらすじ

江戸末期。上下関係の厳しい武家社会で理不尽に父と兄を失った15歳の宇田川伍助。まだ若い彼は、武士道のあり方に疑問を感じ、正々堂々、剣術も、自分の心も強くありたいと願い、同い年の妻宇田川志乃と「うさぎ道場」を開く。最初は下流武士として全く他の道場に相手にされない二人。しかし門下生と交流して心通わせ、試合相手も増えていくうちに、宇田川伍助と門下生たちはそれぞれの信念を固めていく。

登場人物・キャラクター

宇田川 伍助 (うだがわ ごすけ)

15歳。父と兄が理不尽な上級武士の命令によって切腹させられたため、宇田川家の当主となる。摂津正雪の紹介により宇田川志乃と結婚することになるも、最初はどうすればいいかわからずうまく夫婦生活を送れないでいた。上級武士の持つプライドや武士道、序列に疑問を感じ、人としての心の強さと剣術の強さをシンプルに追求するようになる。 自ら「うさぎ道場」を開設。門下生を集めるも、この思想が受け入れられず、わずかな人数しか残らなかった。しかし彼の思いの強さにより、門下生との絆は深まり、手助けした多くの人と心を通わせていく。剣術の才能は非常に高く、何十人もの相手をあっさり倒したり、建造物を刀で切り崩したりすることができるほど。

宇田川 志乃 (うだがわ しの)

15歳。宇田川伍助の元に、兄の摂津正雪の紹介で嫁いできた妻。伍助のことは「ごっちん」と呼んでおり、まだまだ幼い一面を見せる。家事は一流の腕前で、特に料理は美味しいと評判。武家の妻女として強くあろうと、伍助が剣術に勤しむ間も努力しつづけている。うさぎが好きで、うさぎのお面を作る内職で生計を立てている。 かつて幕府と密接な関係がある講武館の一人を夫としていた。しかしそれは相手の見栄のための結婚で、常に殺されそうになっていた。これがトラウマが残っており、離縁。伍助と結婚してからも、時々夜に泣いており、伍助が彼女を守らんとする力の源になっている。

摂津 正雪 (せっつ まさゆき)

22歳で、宇田川志乃の兄。宇田川伍助にとっても兄貴分のようなところがあり、門下生の少ない「うさぎ道場」に残ることになる。チャラチャラした性格と、この時代においては最先端をいくイケメンで、常にモテており、いつも遊里に通っているプレイボーイ。あまり剣術の才能には長けてはいない。 しかし人情は人一倍厚く、約束は絶対守るため、対戦相手にすら信頼を置かれる人物。

千代吉 (ちよきち)

農家出身の「うさぎ道場」の門下生。七菜村の出身で、七菜は最高の野菜だと信じて疑わない。実際は七菜は単なる雑草。七菜村を救うため宇田川伍助の手を借り、以来「うさぎ道場」の中心メンバーの一人になっている。刀は使わず、鍬で戦う。

本間 魯山 (ほんま ろざん)

他のキャラとに比べて一人だけ頭身が違う。「うさぎ道場」の門下生。ある理由でしゃべるのが苦手で、ほとんど言葉を口にしない。手紙をしたためることは多いが、文字が汚くて読めない。一見戦うことすらままならないほどの体型だが、その小ささを活かし、回転殺法を得意とし、集団の敵をものともしないほどの強さを見せる。

本間 良成 (ほんま りょうせい)

本間魯山の弟で、常にメガネをかけている重度の近眼。本来は魯山を連れ戻すために「うさぎ道場」にやってくる。兄に跡継ぎのコンプレックスを抱いていたが、魯山の思いを知るうちに、彼に力を貸し、共に「うさぎ道場」に手を貸すようになる。

穂波 多助 (ほなみ たすけ)

幕府とつながりのある講武館の元門弟だった。しかし講武館のやりかたに納得がいかず抜けたところ、摂津正雪の頼みで「うさぎ道場」に入門することになる。「神速の居合い」と呼ばれる居合い抜きの達人で、一瞬で多数の傷を相手に負わせるほどの剣術を身につけている。

風間 反蔵 (かざま はんぞう)

摂津正雪に誘われて、「うさぎ道場」に入門する。筋肉質の大柄な男性で、刀は持っているものの素手でのケンカの方がはるかに強い。豪快ながらも天然な性格で、非常に情に厚い人物。

清木 清左衛門 (きよき せいざえもん)

幕府と密接なつながりを持つ道場「講武館」の師範。極めて生真面目な性格で、巡回を行って、武家に生まれたものが恥ずべき行いをした場合、刀で切り捨てるほど厳しい人物。若い感性を持つ「うさぎ道場」には複雑な感情を抱いている。

華屋 加四郎 (はなやか しろう)

メガネをかけてそろばんを肌身離さず持っている、金貸し。とんでもない高利貸しで、一度借りた宇田川伍助たちを苦しめる。しかし高利貸しなのには理由があり、その夢を果たすまで信念を曲げることはない。華屋キクという気の強い娘がおり、彼女もまた父の夢を手助けしたいと願っている。

鰐淵 鉄叉 (わにぶち てっさ)

江戸幕府大番頭。幕府の人間としては変わり者で、「うさぎ道場」のことを気に入っている。おおらかながらも思慮深い性格で、「講武館」師範の清木清左衛門とも問答をしている。「大天下御前試合」の主催者で、武士の上流下流に関わらない公平な判断ができる人物。

清比人 (きよひと)

宇田川伍助の「うさぎ道場」の門下生、穂波多助の知り合いの刀鍛冶。紙切れで刀を切るほど並外れた腕を持った刀匠で、宇田川伍助たちの腕前も一瞬で見抜く。普段は極太の竹林に囲まれた小屋に住んでいる。竹を火にくべて、破裂したすべての竹をかいくぐったら、見合った刀を打つ、という約束をする。

場所

うさぎ道場 (うさぎどうじょう)

15歳の宇田川伍助が師範となり、妻の宇田川志乃と切り盛りしている。名前の由来は「うさぎは月まで飛ぼうとがんばってるヤツラだから」。剣術が好きな人だけを集めようと考えており、特に理念はない。

講武館 (こうぶかん)

『サムライうさぎ』に登場する道場。江戸幕府とつながりの強い巨大道場で、師範は清木清左衛門。厳しい武士道理念、「武士道といふは死ぬ事と見つけたり」を掲げている。「巡回」と称して、武家のものが恥ずべき好意を行っている時に刀で斬りつけるなど、横暴な行為も多い。「うさぎ道場」には目をつけている。

その他キーワード

流人 (るにん)

『サムライうさぎ』の用語。罪人として島流しにあい、侍から差別を受けてきたことで武士を恨んでいるものたち。数多くの侍を殺し、罪を他に着せる機転で闇をかいくぐってきた。鎖鉈の女性の使い手スズメ、両足に仕込んだ刀を駆使する4刀流の百舌九、毒針を使いこなすメガネをかけた鶴屋などがおり、「大天下御前試合」では「うさぎ道場」と戦う。

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