あらすじ
第1巻
ゲシュタルトという島には、どんな願いも叶える超獣がいるという伝説があった。しかし、禁忌とされたその島は名前を口に出す事を禁じられ、「G」と呼ばれていた。ヴァサリア教団の司祭を務めるオリビエは、どうしても叶えたい願いのためにゲシュタルトを目指し、教団を抜け出す。一方、オリビエの行動を知ったメサイアは、彼を連れ戻すためにダークエルフのスズを派遣する。そんな中、港町バルバロスに来たオリビエは、宿屋の女将から奴隷の少女・王理を預かる。王理は声を封じる魔法「サイレス」をかけられており、声を発する事ができなくなっていた。王理を哀れに思ったオリビエは、魔法を解こうとするもののうまくいかず、そこにスズが現れる。無理にでもオリビエを連れ戻そうとするスズは二人を攻撃するが、攻撃魔法を持たないオリビエは苦戦してしまう。王理は応戦するためにオリビエに解呪を促し、どうにかサイレスが解かれた王理は声と本来の魔力を取り戻すのだった。協力してスズを撃退した二人は、その場から逃げ出す事に成功。そしてオリビエは、ゲシュタルトの出身だと名乗る王理と共に、ゲシュタルトを目指す旅を続ける。
第2巻
ゲシュタルトを目指してオリビエと旅立った王理は、何者かに命を狙われていた。王理は王位継承権を巡るゲームに参加しており、命を狙っているのは彼女の実のきょうだい達だった。王理とオリビエは襲って来るきょうだいや追っ手と戦いながら、シャザーンとスズを仲間に加え、旅を続ける。一方、王理を真っ先に狙う宝は、月白から王理の仲間の情報を得てジンガの町で待ち伏せをしていた。ジンガで宝と再会した王理は、不意打ちを食らってオリビエをさらわれてしまう。囚われたオリビエは目覚めるが、それは彼の中に眠っていたもう一つの人格だった。宝は雷鳴を戦わせて対抗するが、オリビエの邪悪な黒魔法になすすべもなく、宝を守ろうとする雷鳴に危機が迫っていた。宝の悲鳴を聞いた王理はオリビエを助けようとするが、彼が別人になっている事に気づいて攻撃を開始する。その後オリビエは正気に戻るものの、それまでの事を覚えておらず、正体不明の邪悪な人格の存在に、王理達は不安を覚えるのだった。
第3巻
アリマとディオハーンの境界にある温泉地帯に来ていた王理達は、温泉を楽しみながら束の間の休息を楽しんでいた。そんな中、女湯にいたカーマインを通して王理達が来ている事を知った蒼子は、王理へのリベンジのためにゴールドとシルバーを差し向ける。実はゴールドとシルバーはスズの姉でもあり、姉妹の末っ子であるスズは、落ちこぼれのダークエルフだった。二人の姉と久々に再会し、王理の提案で姉達と戦う事になったスズは、湯煙の中で激しい召喚バトルを繰り広げる。一方、温泉宿で蒼子と再会した王理は、リベンジを仕掛けて来た蒼子と魔法バトルを繰り広げていた。龍神を召喚され苦戦する王理は、強力なボルケーノを召喚して対抗し、戦いに勝利。そこにレフェリーが現れ、王位継承権争奪ゲームの真の目的を探すよう、王理に告げるのだった。その頃、オリビエを連れ戻せないままでいるメサイアは、新たな刺客を送り込もうとしていた。
第4巻
オリビエの中に眠るもう一つの人格であるブラックオリビエが、王理の前で再び目覚めた。ブラックオリビエは王理を試し挑発するために、王理の目の前でオリビエの両腕に毒を浴びせる。王理はオリビエを救うために、毒に冒された彼の両腕を切り落としてしまう。オリビエの命を守り抜いたものの、彼の腕を切り落とした事に罪悪感を覚えた王理は、逃げるようにその場を去る。こうして仲間達と離れた王理は、エミリと出会い、山賊の仲間として過ごすようになる。その後、新たな出会いや生活の中で自分を振り返った王理は、オリビエのもとへ帰ろうと決意する。そんな中、腕を失ったままのオリビエは王理の帰りを待ちながら、仲間と共に領主の館に身を寄せていた。しかし裏で人体売買をしている領主は、オリビエの顔を売ろうと狙うようになり、彼には新たな危機が迫りつつあった。オリビエのピンチに帰還した王理は、領主を倒して館を焼き払うものの、不穏な笑みを浮かべていたロクサーヌを取り逃がしてしまう。さらに新たな敵・天子と流香のコンビが、王理に襲いかかるのだった。
第5巻
王理達はオリビエの両腕を取り戻す手段を求め、一度メサイアのもとに戻る。しかし、危険な目に遭いながらもゲシュタルトを目指そうとするオリビエの前に、メサイアが立ちはだかる。戦いの末、オリビエを大切に思っている事を再認識したメサイアは、彼の旅立ちを許すようになる。再び旅立った王理一行はタイタニア国に立ち寄り、そこでオリビエの腕を取り戻す方法を見つける。それは「破壊と再生の神」であるタイタニア神に願う「再生の儀式」を行うというものだった。しかし、願いを叶えるためには代償として、オリビエの持つ仲間の記憶を消す必要があった。オリビエに忘れられる事を恐れた王理がショックを受ける中、再生の儀式は実行され、オリビエは仲間の記憶を代償に両腕を復活させる。だがオリビエは同時に、王理と出会った最初の町バルバロスまで飛ばされてしまう。オリビエと離れて落ち込んでいた王理は、シャザーンの助けで元気を取り戻し、オリビエとの再会を目指すようになる。
第6巻
オリビエと会うために旅立った王理は、無事バルバロスにてオリビエとの再会を果たす。自分を忘れたままのオリビエに対し、王理は自分がかつての仲間であった事を明かさずに、一からやり直すように彼と接する。しかし、いざオリビエの前に立つと、王理はかつてのオリビエとの思い出がよみがえり切ない気持ちになっていた。そんな中、再びエンダーに襲撃されたオリビエは、メサイアが生死不明である事と、それに関する嫌疑が自分にかかっている事を知る。メサイアの危機にショックを受けたオリビエは、眠っていたブラックオリビエを再び目覚めさせてしまう。一方で、王理達と離れ単独行動をしていたシャザーンは、探していたPの書を見つけるものの、それは死の翼によって守られていた。死の翼を倒してPの書を手に入れたシャザーンは、王理達との合流を目指し出発する。その後、オリビエは仲間達と合流し、ヴァサリア教団の教会に戻るのだった。
第7巻
メサイアの死を知ったオリビエは、彼を生き返らせるために、再びゲシュタルトを目指すようになる。大陸を離れたオリビエ達は、王理に案内されてゲシュタルトまでの航路にある精霊の島に辿り着く。しばらく精霊の島に滞在する事になったオリビエ達は、王理の口から語られるゲシュタルトの伝説を聞くが、それはオリビエの知る伝説とは異なる内容だった。その夜オリビエの前に、突如ゲシュタルト神が現れる。ゲシュタルト神の言葉を聞き、彼の象徴である青い麦を受け取ったオリビエは、ゲシュタルトに行って自分の願いを叶える事を改めて誓う。そしてオリビエ達は、ついに伝説の島ゲシュタルトに辿り着く。ゲシュタルトはオリビエが抱いていたイメージとは異なる、美しく豊かな島だった。さっそく王理に案内され城に向かった一行だったが、王理は道中に違和感を覚え、仲間に警戒を促す。その頃、帰郷していた月白は城内に現れた侵入者と対峙していた。ようやく城に辿り着いた王理達が見たものは、死んだはずのメサイアの姿だった。
第8巻
故郷のゲシュタルトに戻って来た王理は、ジャングルの中で王理の父と再会を果たす。王理は父からゲシュタルトと超獣に関する伝説を聞き、自分の中に宿っていた「相棒」の正体がマリアであった事を知る。その後、王理と離れた父親は、城で反乱を起こしているメサイアに戦いを挑む。しかし、メサイアの体にはサルサローア神が乗り移っており、人間を超越したその力に苦戦した父親は、戦いに敗れてしまう。ゲシュタルト神を捜し続けているサルサローア神は、メサイアの体に乗り移ったまま、島に天変地異を起こそうとする。島だけでなく世界に危機が迫っていると悟った王理は、サルサローア神に対抗するため、自身の体にゲシュタルト神を降臨させようとする。サルサローア神と対峙するオリビエ達のピンチに駆けつけた王理は、降臨したゲシュタルト神とマリアの力を受けながら、最後の戦いに挑むのだった。
登場人物・キャラクター
王理 (おうり)
港町バルバロスで奴隷として売られていた、謎の少女。ゲシュタルト出身で、年齢は16歳。明るく大らかな性格の持ち主。魔法で声を封じられていたが、オリビエと出会って主従関係になり、彼に魔法を解いてもらって声を取り戻す。職業は魔法使いと召喚士で、頭にほっかむりをしている。かつては王家の七人きょうだいの長男で、王位継承権を巡るゲームに参加しており、ほかのきょうだい達から狙われている。 また魔力が強力なため、レフェリーからハンデとして魔力と声を封じられたうえに、性別を女性に変えられていた。オリビエに救われたあとも見た目は女性の姿のままになっており、彼を「ご主人様」と呼び慕っている。オリビエ達には本当は男性である事を隠していたが、振る舞いはがさつで男っぽく、時おり素が出て口調も荒々しくなる事がある。 ほっかむりの下に何かを隠しており、ほっかむりを取るとより大きな力を出す事が可能。また、時おり脳内で「相棒」と呼ぶ何者かと会話している。魔法使いとしても召喚士としても強力な力を秘めており、特に雷系の魔法を得意としている。また、自身の能力に見合わない強力な精霊も、相棒の力を借りる事で召喚できる。
オリビエ
ヴァサリア教団の司祭の男性。異教の都と呼ばれるタイタニア国出身。ウェーブのかかった長髪を後ろで縛り、メガネをかけている。ゲシュタルトに行き、伝説の超獣に願いを叶えてもらうため、師のメサイアに逆らって教団を抜け出す。バルバロスで王理と出会い、彼女にかけられていた声を封じる魔法を解く。以来、王理に懐かれるようになり、共にゲシュタルトを目指すようになる。 優しく温厚な性格で、自由奔放な王理にはいつも振り回されている。信仰心が厚く、教団を抜け出したあとも、神への信仰心は消えていない。ゲシュタルトを目指しているもののゲシュタルトを「G」と呼び、不吉な存在だと恐れている。治癒や解呪を中心とした白魔法が得意だが、攻撃魔法は使えない。 額に白い星型の紋様があり、これが黒くなるとブラックオリビエに変貌する。旅の途中でブラックオリビエが再び目覚めた際に、毒で両腕を失う事となった。腕を元に戻すための儀式を受けた際に仲間の記憶をなくすが、王理に関する記憶はかすかに残っていた。のちに教団の命令を受けたエンダーに、命を狙われるようになる。
メサイア
ヴァサリア教団の司祭の男性。まじめな性格で、ビン底メガネをかけている。幼い頃から強い力を持ち、その頃からヴァサリア教団の司祭をしていた。教団を抜け出した弟子のオリビエを連れ戻すため、スズを派遣する。のちにスズが任務を放棄した事を知り、坂田を派遣する。オリビエが赤ん坊だった頃にタイタニア国で拾って育てた、彼の育ての親でもある。 オリビエの額にある黒い星(ブラックスター)が不吉な黒い魔力の象徴とされていたため、「Wの書」を使って白い星に書き換えた。オリビエの事は心から大切に思っており、ゲシュタルトを目指している彼を心配している。
スズ
はぐれダークエルフの女性で、職業は召喚士。タイタニア国の辺境出身。オリビエを連れ戻すためにメサイアに雇われた。当初は命令通りオリビエを連れ戻そうと王理と戦い、その後も追い続けていたが、一向に帰ろうとしないオリビエに流され、仲間に加わっていっしょに旅をしている。教団を出たあとも自由の身に慣れていないオリビエに同情し、何かと危険な目に遭いがちな彼をつねに心配している。 幼少期に母親から貰った角笛を使って、サラマンダーを召喚できる。アイテムを使わないと強力な精霊を召喚できないなど、ダークエルフとしては落ちこぼれだが、体が丈夫で体力がある。実は三つ子姉妹の末っ子で、蒼子に仕えるゴールドとシルバーの妹。
シャザーン
砂漠の首都ダンガイで王理達が出会った青年。冷静な性格で、メガネをかけた知的な雰囲気を漂わせている。職業は占い師だが魔法使いでもあり、炎系の呪文を得意としている。ダンガイでの戦いのあと、オリビエに興味を持ち、彼と王理の旅に同行するようになる。旅の途中でオリビエを占い、彼の中に眠るもう一つの人格の存在を感じ取る。 実はアリマ王宮に仕えていた元聖騎士で、本名は「ランスロット」。病に冒され余命が迫っていた王妃ギネビアと密通するが、騎士道を汚したとして追放され、聖騎士を辞めた過去を持つ。占い師に転職後も聖騎士としての能力は健在で、剣術も得意としている。
ハラオウン
ビルモルにて王理とオリビエが出会った男性で、職業は戦士。筋肉質な体型でいかつい風貌をしている。出会ったばかりの王理とケンカして危うく殺されそうになるものの、共通の目的のために協力するようになる。ビルモルで行われた武術大会の不審を解明するべく、王理と共に武術大会に参加する。亡くなった騎馬王ビルモルを敬愛していた。
月白 (つきしろ)
王理の妹で王家の長女。職業は死霊使い(ネクロマンサー)。王理の居所を探り、宝に王理の情報を提供した。ゲシュタルトにかけられた呪いを解くために、王位継承権争奪ゲームの勝者を目指している。王理とは敵対しているものの、誰よりも王理を信頼している。
天子 (てんし)
王理の弟で王家の次男。職業は召喚士。流香といっしょに行動しており、彼女には甘やかされている。気が強いが、少々間の抜けた性格の持ち主。流香とコンビを組んで王理と戦うものの、敗北してしまう。
蒼子 (そうし)
王理の弟で王家の三男。職業は召喚士で、水系の魔法も得意とする。王理と同じ16歳だが、彼よりも157日あとに生まれた。王理に対しては幼少期から個人的な恨みがあり、真っ先に潰そうとしている。カーマインを手下にして共に行動しているが、彼女とは恋人関係でもある。一度は王理に敗れるが温泉地帯で再会し、ゴールドとシルバーを使ってリベンジを果たそうとする。
カーマイン
ビルモルの国王・騎馬王ビルモルの妻。正体はダークエルフの女性で、夫を殺害し王国の実権を握った。蒼子とは恋人同士で、いつも共に行動している。蒼子が王位継承権争奪ゲームに敗れたあとは、彼と共に世界中を旅するようになる。
ゴールドとシルバー
ダークエルフの姉妹で、スズの姉。職業は召喚士。蒼子に仕えており、彼の命令で王理を襲い、いっしょにいたスズと再会する。三姉妹の末っ子で落ちこぼれのスズの事は見下している。
流香 (りゅうか)
王理の妹で王家の次女。職業は召喚士。天子に対して密かに思いを寄せており、彼が気になって王位継承権争奪ゲームにおいても、いっしょに行動している。ゲシュタルトに呪いがかかっている事を知り、故郷ではなく自分のために戦う王理には、強い敵対心を抱いている。天子とコンビを組んで王理と戦うが、敗北してしまう。
砂絵 (さえ)
王理の妹で王家の三女。呪符(タリスマン)を使って異性を呪縛し、あやつる事ができる。きょうだいの中でも王理が一番苦手としている女性。ボディガードとしてナサニエルを雇い、アリマで王理を待ち伏せしていた。ナサニエルを愛しているが、彼が従うのはタリスマンの力によるものだと思い込み、複雑な感情に悩んでいる。しかし王理との戦いの中で、ナサニエルが心から自分を愛してくれていると悟り、王位継承権争奪ゲームを辞退する。
ナサニエル
アリマでボディガードをしている男性で、砂絵に雇われている。剣術が得意。砂絵の事はタリスマンの力とは関係なく、心から愛している。王理との戦いを通して砂絵に思いが伝わり、両思いとなる。その後はアリマで道場を開いている。
宝 (たから)
王理の妹で王家の四女。末っ子でメガネをかけた少女。戦いでは情報収集を最優先する戦略家タイプ。ジンガで王理と再会し、月白から得た情報を利用して王理を貶めようとする。パートナーの雷鳴を大切に思っている。王理に勝つためにオリビエを連れ去るが、ブラックオリビエを目覚めさせてしまい失敗に終わる。
雷鳴 (らいめい)
宝に尽くす謎の少女。精霊や妖精のような姿をしているが、元は宝が飼っていた子犬だった。幼い宝をモンスターから守るために命を落とし、宝の復活の儀式で生まれ変わる。生まれ変わったあとも宝に忠実で、懸命に彼女を守ろうとしている。
レフェリー
王位継承権争奪ゲームの審判を務めている謎の女性。王理達の戦いの前に、突如現れる事がある。ゲームの裏に隠された真の目的など、王理達でも知らないゲームの秘密を隠している。また、魔力の強い王理にハンデを課すためため、王理の性別を変えて魔力を封じた張本人でもある。
坂田 (さかた)
メサイアが放った、第二の追っ手の青年。ヴァサリア教団に戻ってこないオリビエを連れ戻すために、彼らの一行を追う。当初は忍者のような風貌で、覆面で顔を隠していたが、のちに素顔で行動するようになる。メサイアの命令を最後まで守ろうとしたもののオリビエ達の仲間に加わり、スズとなかよくなる。
領主 (りょうしゅ)
タイタニア国で領主をしている男性。オリビエ達を館に招き、滞在を歓迎する。一見穏やかで優しそうな老人だが、裏では人間の腕や顔を売る人体売買をしており、本性は残虐で冷酷。オリビエの顔を売ろうと狙うようになるが、帰還した王理に館を焼き払われ財産を失う。
ロクサーヌ
領主の孫。口がきけずいつも無表情な少年で、紙に文字を書いて会話する。一時的に家庭教師となったオリビエを気に入り、王理から奪おうと狙っている。普段は少年のふりをしているが、真の姿は長髪の青年。実はタイタニア国出身の呪術師で、さまざまな呪いに精通している。呪術だけでなく知略にも長けた策略家。
王理の父 (おうりのちち)
ゲシュタルトの王家の当主で、王理とそのきょうだい達の父親。職業は魔法使い。穏やかそうに見えるが実力主義で、七人の子供のうち最も強い者に王位を継がせるために、彼らに王位継承権を巡るバトルロイヤルゲームを命じた。王理以上の実力を持つが、メサイアに乗り移ったサルサローア神には敗北してしまう。
エンダー
ヴァサリア教団本部直属の僧兵で、金剛騎士団の団長を務める男性。邪悪な人格を秘めたオリビエを危険な存在として抹殺するよう、教団から命じられており、オリビエの命を狙っている。
ゲシュタルト神 (げしゅたるとしん)
サルサローア神話に登場する七人の神の一人。象徴は豊穣や希望を意味する「青い麦」。遥か昔に、ほかの神々に反逆した事で南の島・ゲシュタルトに去り、その島を治めているという伝説がある。大陸の人々からは不吉な禁忌の神とされ、名前を呼ぶ事は禁じられている。
タイタニア神 (たいたにあしん)
サルサローア神話に登場する七人の神の一人で、タイタニア国で崇められている神。破壊と再生を司る神ともされる。タイタニア神に願う「復活の儀式」では、代償を支払う事で失ったものを復活させる事ができる。
サルサローア神 (さるさろーあしん)
サルサローア神話に登場する七人の神の一人で、世界を作り出した全能の創造至高神でもある。また、ヴァサリア教団が崇めている神。ゲシュタルト神を大切にしていたが、マリアと共に去ってしまったため、以来ゲシュタルト神の事を捜し続けていた。のちに死亡したメサイアの体に乗り移る形で、ゲシュタルトに姿を現す。
マリア
サルサローア神話に登場する女性。ヴァサリア教団に伝わる神話ではサルサローア神の妻とされている。しかし、王理が知っているゲシュタルトに伝わる伝説では立場や生い立ちが異なり、ゲシュタルト神の妻であったとされている。
エミリ
王理が山賊に身を置いていた時に出会った少女で、家事手伝いをしている。二つのおだんごで髪をまとめている。王理の事は「オーちゃん」と呼んでおり、オリビエから離れたばかりの彼女となかよくなる。何者かに故郷の村を滅ぼされた過去を持ち、その際に助けてくれたボスの事を慕っている。
ボス
王理がオリビエ達から離れた時に、身を置いていた山賊のボスを務める男性。自分に甘く他人に厳しい性格。故郷を襲われたエミリを助けて以来、彼女に慕われている。実は彼女の故郷を襲った張本人で、その本性を知った王理と敵対する。
死の翼 (しのつばさ)
Pの書を守っている、無限の死と破壊を司る、タイタニア国の魔人。タイタニア国にある館に封印されていた。封印される前はミーファと愛し合っていた。Pの書を手に入れようとするシャザーンと戦う。
ミーファ
タイタニア国で巫女をしている少女。巫女(神子)になった事で共に暮らしていた家族とは離れるが、死の翼と出会って愛し合うようになる。しかし死の翼と密通している事が知られ、神子の資格を失い自殺する。死亡後は霊となってPの書を見つけたシャザーンと出会い、死の翼を救ってほしいと願う。
集団・組織
ヴァサリア教団 (ゔぁさりあきょうだん)
オリビエとメサイアが司祭をしている教団。創造至高神サルサローア神を崇めており、サルサローア国に本部がある。また、「金剛騎士団」という騎士団を抱えている。
場所
ゲシュタルト
7つの海を越えた先にあるとされる、大陸から離れた謎の島。あらゆる願いを叶える超獣が住んでいるなど、さまざまな伝説がある。しかし、その名前には呪いがかかっているため、口にする事は禁忌とされ、頭文字を取って「G」と呼ばれる事が多い。オリビエが目指す地でもあり、王理の故郷でもある。かつて島の民は不死であったが、現在は呪いがかかっているため、不死の力を失っている。
タイタニア国 (たいたにあこく)
大陸にある大国の一つで、タイタニア神を崇めている国。邪神国や異教の都とも呼ばれている。オリビエやスズの出身地でもある。人間を生贄として捧げるなど、死を恐れない儀式や風習が、昔から盛んに行われている。また、国民はよそ者を嫌う傾向にある。
サルサローア国 (さるさろーあこく)
大陸にある大国の一つで、ヴァサリア教団の本部がある国。国教神であるサルサローア神を崇めている。
精霊の島 (せいれいのしま)
ゲシュタルトからもっとも近い南の島。名前の通り精霊が住んでおり、肉食を嫌う精霊の影響で、訪れた人も肉を食べる事ができない。また、大陸からたくさんの人が押し寄せると、精霊が嵐を起こす事もある。アリマの南にあるリンクロ港から月に一度専用船が出ており、さらにゲシュタルトへの乗り継ぎ券(トランスファー)も売られている。ただし、紹介状がないと乗り継ぎ券を買う事はできない。
その他キーワード
Pの書 (ぴーのしょ)
世界に8冊存在する赤い表紙の本のうち、謎の多い1冊。オリビエの記憶を取り戻す鍵を秘めたアイテムとして、シャザーンが探していた。再生と復活について書かれている。タイタニア国の館に、守護者の死の翼と共に封印されている。
スピードマスター
呪文の詠唱を高速化するための、刺青のような紋様。皮膚に刻む事であらゆる呪文を高速で詠唱できるようになり、超高速呪文として発動できる。ただし、皮膚に刻む際は出産に匹敵するほどの激痛に耐えなければならない。
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