概要・あらすじ
ある朝、九江洲中学校は一陣の雷鳴とともに、異世界「泡の中央界」へと転位してしまう。右も左もわからない状態で、モンスターの襲撃を受ける九江洲中学校の面々だったが、1年生の百地王太が、異世界のユーリナ・タ・カラのテレパシーを受けて神の武器であるダイ・ソードを目覚めさせ、モンスターの撃退に成功する。
九江洲中学校の総勢550名は、もとの世界へ帰るため、テルテ・ウイタスへ向かう。その旅の中で、この世界を支配しようとする強大な北国や、他の神の武器との戦いに巻き込まれていくことになる。
登場人物・キャラクター
百地 王太 (ももち おうた)
九江洲中学校1年B組の赤い髪の男子。学校ごと異世界「泡の中央界」に転位させられた。その際、ユーリナ・タ・カラの近くにいて、テレパシーのような魔法「心伝」を聞きとった。そのため、ダイ・ソードの弱まっていた封印を解き放ち、魂の主となった。サッカーが得意で、戦う際には物を蹴り飛ばして攻撃したり、ダイ・ソードに乗っている時も、当初は足技を主体として戦った。 ダイ・ソードの魂の主として気負っていたが、千導今夜の励ましなどもあり、徐々に開き直って、戦いに臨むようになっていく。
千導 今夜 (せんどう こよい)
九江洲中学校3年生の女子。生徒会長で、教師のいなくなった九江洲中学校の生徒たちをまとめ上げている。適応力が高く、泡の中央界に転位したばかりで右も左もわからない状況の中、北国の襲撃に対して反撃の糸口を作った。また、戦闘だけではなく、泡の中央界での生活や、他国、他種族との外交でもリーダーシップを発揮。ダイ・ソードの魂の主として、学園の命運を左右する立場になってしまった百地王太に対して、初めは生徒会長として、その負担を和らげるべく世話を焼いていた。 しかし、だんだんたくましくなっていく王太自身に、惹かれていくようになる。
金子 良雄 (かねこ よしお)
九江洲中学校1年生で、百地王太の親友の男子。ぽっちゃりとした体型で、メガネをかけている。アナ島で北国の手先に捕えられ、強制労働に従事させられる。密かに脱出のための穴を掘ったり、九江洲中学の女子生徒が捕らわれている部屋へのルートを調べるなど、逆境に負けないたくましい性格。また、過酷な強制労働により身体が鍛えられ、いつしか北国の兵士を殴り飛ばして気絶させるほどの戦闘力を身につける。 女性にモテるかどうかを基準に行動することが多く、泡の中央界で言語を勉強し始めた頃も、口説き文句を真っ先に覚えていた。
一峰 ユージ (かずみね ゆーじ)
九江洲中学校剣道部の主将を務める男子。千導今夜に想いを寄せており、今夜のそばについて、何かとサポートしていた。今夜には、その気持ちにまったく気づいてもらえずにいる。今夜と仲良くなっていく百地王太を恨めしく思いつつも、仲間としては信頼している。危なっかしい人を放っておけない世話焼きな性格で、今夜がいない時には、積極的に九江洲中学校の指揮を執るなど、リーダーシップにも優れる。 王太や今夜とはぐれた際に、ウ・ツボカ・ズラと仲良くなり、互いに意識し始める。
岩田 (いわた)
九江洲中学校3年生男子で、ボディビルダー。ホモではないかとの噂がある。泡の中央界で、九江洲中学校の生活基盤が整い始めた頃、男女間の問題として「無理エッチ(強姦)」が起きるのではないか、と懸念した一峰ユージの提案で、新たな秩序を作ることになった。その際、千導今夜に制裁役として抜擢された。制裁の具体的内容は明かされなかったが、男子たちは、ホモとの噂がある岩田を恐れて、女子への過度な接触を自粛するようになった。 なお本人は同性愛者ではなく、この役に起用した今夜に誤解を解くよう泣きついたが、全校の女子生徒のため、と慰められるに留まった。
二葉 春夏 (ふたば はるか)
九江洲中学校2年D組の生徒。校内で一番魔法の飲み込みが早かった少女。憶病な性格で、兵士に攻撃されたり暗闇でモンスターに襲われた際は、四方八方に魔法を飛ばしていた。ヨゴが味方になった後は、学園一の魔法使いとして、ユーリナ・タ・カラと交互にヨゴを使用することになった。初めは無口でおどおどしていたが、旅を続けるうちに、だんだんと明るく強気な性格になっていく。 いつの間にか仲良くなった不良の十勝力をも、尻に敷くようになる。
十勝 力 (とかち ちから)
九江洲中学校3年E組の生徒。腕っ節が自慢の不良男子。実践格闘技部のキャプテンを自称している。海辺国ジトで、王であるジオナスの言いなりになるのが嫌なので、生徒会長の座とダイ・ソードの使用権を奪おうと、校内でデモ活動を開始。千導今夜の提案で、ジオナスに要求されたモンスター退治を、百地王太とどちらが先に達成するかで、勝負することになる。 この時の条件は、十勝側が勝てば、十勝が生徒会長になってダイ・ソードを使用できるが、負ければ、校内にこっそり持ちこんでいたエロ本を、今夜に差し出すというものだった。勝負に敗れ、ダイ・ソードの使用を諦めた後は、王太を鍛える役目に回る。旅を続けるうちに、二葉春夏に惹かれていく。
仲島 英児 (なかじま えいじ)
九江洲中学校の商い部の生徒。商店「仲島ストアー」の息子。自分に不利な取引はしたことがない、と自負している。海辺国ジトで、エロ本を利用して兵を動かし、援軍の船を呼び寄せるなど、戦略家としての一面を持つ。玩具の「バーコードバトラー」が好きで、泡の中央界での生活が落ち着くにつれ、「バーコードバトラー」を遊べないため、バーコードに飢えるようになる。
七瀬 咲笑 (ななせ さきえ)
九江洲中学校の女子で、生徒会長である千導今夜の親友。百地王太を勇気づけるためキスをしてしまった今夜に、相談を持ちかけられ、今夜を励ましたりしていた。強気な性格の持ち主で、アナ島で北国の手先に捕えられた際には、北国の兵士相手に真っ先に怒りをぶつけていた。その後は、意外に快適な軟禁生活にすっかり順応し、王太たちが助けに来た頃には、体重が2キロ増えていた。
ユーリナ・タ・カラ (ゆーりなたから)
泡の中央界の常魔の国、テルテ・ウイタスの魔法学院に通っていた少女。北国の軍隊に包囲されたテルテ・ウイタスを脱出し、ダイ・ソードの封印を解くため、彼女たちにとっての異世界である地球を経由して、ダイ・ソードの眠る「黒き森の城」を目指していた。しかし、その作戦は北国に読まれており、地球での「黒き森の城」の座標にある九江洲中学校の上空に到達した時、九江洲中学校ごと泡の中央界へ引き戻されてしまう。 その際、彼女はほとんど行動不能だったため、テレパシーのような魔法「心伝」を使って、校内の人たちに、ダイ・ソードの封印を解くようメッセージを送った。その時、たまたま近くにいた百地王太が、ダイ・ソードの封印を解いたこともあって、旅の中で王太と次第に親しくなっていく。 普段は人間の姿を取っているが、羽の生えた精神体のような状態に変身し、飛行したり、壁をすり抜けることも可能。神の武器の1つであるタ・カラの復活の鍵を握っている。
コボス
北国の王。神の武器であるガバリオーグを発見し、その力を利用して他国を武力制圧しようと考えた。しかし、逆にガバリオーグに利用され、北国を乗っ取られて死んでしまった。なお、北国の民は、コボスが死んだことには気づいていない。このことについて、ガバリオーグを復活させる際に、大賢者デクショナリから忠告を受けていた。 それを無視して復活させたばかりか、デクショナリを地下牢へ生き埋めにしている。なお、コボスは白骨死体となり、現在もガバリオーグに搭乗している。
ジオナス
北国を構成する小国の1つ、海辺国ジトの王。長いヒゲを生やし、厳つい顔つきをしている。北国の言うことに従っている。九江洲中学校がジトを訪れて協力を要請した際も、「洞窟の怪物を倒したら協力する」と言って、神の武器であるド・ライアムとヨゴが待ち構える洞窟へ、百地王太たちを生身で向かわせた。 しかし、もともと北国の言いなりになることを不本意にしており、ダイ・ソードがド・ライアムを打ち倒し、ヨゴが降参すると、北国を裏切って九江洲中学校の味方についた。九江洲中学校が北国の首都に乗り込む際には、自ら他国の協力を仰ぐため尽力し、一丸となって北国に立ち向かう。
ガブ・マオリ (がぶまおり)
アナ島に住むボビー族の技術師の老人。ボビー族ではあるが、アナ島に住む他のボビー族とは少し違う種族である模様。人間であるデクショナリと結婚して子供をもうけており、ウ・ツボカ・ズラは孫娘にあたる。大賢者デクショナリの指示もあって、神の武器に似せた魂の器であるシャイニィを製作した。昔、ある神殿の中で封印されたタ・カラを発見したことがあり、これがシャイニィの原型となっている。 アナ島が海に沈んだ後、九江洲中学校の面々とともに北国に立ち向かうため、タ・カラの眠る神殿へ百地王太たちを案内する。
ウ・ツボカ・ズラ (うつぼかずら)
アナ島に住む褐色の少女。ガブ・マオリとデクショナリの孫娘。ボビー族の血が4分の1混じっているため、人間の姿とボビー族の姿の両方に変身できる。ガブ・マオリの作ったシャイニィを操縦する。じっとしていられない性格で、危なっかしいことをしでかす。そのため、一峰ユージによく注意されているが、ほとんど聞く耳を持たない。 しかし、自分のことを気にかけてくれる存在として、一峰を少しずつ意識するようになる。
シズク
カラの隠れ里の第一神官。褐色の肌の女性。盲目ゆえ、常に目を閉じている。身体に神の武器の紋様が刻まれており、初めに立ちし者と八つの神の武器の戦いの記録を伝承する語部としての役割を担う。しかし長い歴史の中で、記録の詳細な部分は失われており、不明点も多い。北国に囚われている大賢者、デクショナリを訪ねるために、百地王太とともに隠れ里を出て旅に出る。 神の聖杯であるタ・カラの復活のための鍵を握る。また、自分とユーリナ・タ・カラが出会う時、どちらか一方が消えてしまうのではないかと予感している。
クルリ
カラの隠れ里にある神殿の巫女見習い。隠れ里を裏切ったイラードに襲われそうになった時、百地王太と千導今夜に助けられた。王太が樹脂で作ったサッカーボールを自在に操って敵を倒したため、王太のことを魔法使いだと思っている。シズクの世話係として隠れ里を出て、王太たちとともに北国の首都を目指す。弓が得意で、移動に便利な家畜であるポップ・スネークも、自由に乗りこなすことができる。 シズクを心から慕っている。
イラード
カラの隠れ里の村長の息子。川から流れて来たダイ・ソードを、シズクが秘匿しようとしたため、北国に密告した裏切り者。のちに北国の手先とともに里の仲間を襲う。また、北国の力で巨人のような化け物に変身する能力を身に着けた。変身後は口から溶解液を吐き出すが、ダイ・ソードには効かなかった。ダイ・ソードを自分のものにしようとしたが、駆けつけた百地王太がダイ・ソードに乗り込み、圧倒的な力の差で倒されてしまった。
ウサゾ
ニンジャ族の男性。ニンジャ族は外見はモンスターのようだが、泡の中央界では人に分類される。北国に捕まり、無理やり働かされているニンジャ族の仲間を救出しようと、機会をうかがっている。森の中で敵に襲われ酷くて出血していた百地王太たちを助けた後、北国への道のりの案内を買って出た。北国の中でも、王太たちに同行してサポートをし、王太に王の資質を見出す。
デクショナリ
「大賢者」として知られる老婆。カラの隠れ里の第一神官だったこともある。神の武器であるガバリオーグを復活させようとする北国の王、コボスに反対したため、出口のない地下室に幽閉されたまま、地中に生き埋めにされた。だが、いつか自分のもとに来るであろうユーリナ・タ・カラとシズクに、古の時代の秘密をひもとくための情報を授けるため、棺の中に籠り、魔法で仮死状態のような形となり生き長らえていた。 役目を終えた後は死ぬつもりでいた。しかし、タ・カラの復活により、かつての第一神官であるデクショナリにも再生の力が働き、若返って幼児の姿になってしまう。若い頃は美女として、ガブ・マオリと海辺国ジトの王、ジオナスとの間で、取り合いになっていたという。
冬の鳥 (ふゆのとり)
古の時代に生きた戦士の男性。タ・カラの結界に守られた小さな村に暮らしていた。千導今夜に似た妻を持つ。神の武器の破片で作った剣で、当時はまだ初めに立ちし者の命令に従っていたダイ・ソードと戦った。ダイ・ソードの片目を破壊し、ダイ・ソードに戦士として認められた。しかし、村の人間の裏切りによってタ・カラの結界が破られてしまい、ダイ・ソードのいないうちにガバリオーグとド・ライアムに襲われ、村の仲間ともども死亡した。 その後、冬の鳥の魂は、初めに立ちし者が作った新しい神の武器であるサン・ジュオウの中に埋め込まれることになる。
初めに立ちし者 (はじめにたちしもの)
泡の中央界を造った者。泡の中央界における神のような存在。その風貌は、九江洲中学校の面々をして「悪魔」と言わしめるほどおどろおどろしいもの。世界を造ったのも、絶え間ない破壊と混乱を望んでのことであり、人々が豊かになると、神の武器で世界に混沌をもたらしていた。カラの神殿に、いずれこの泡の中央界へ初めに立ちし者が帰って来ることを予言した文章がある。
ダイ・ソード (だいそーど)
剣の神の武器。「ダ・イスォウド」とは、主たる者の力という意味を持つ泡の中央界の言葉。これを百地王太の聞き間違いで、「大(ダイ)ソード」と勘違いされ、以降九江洲中学校の生徒からは「ダイ・ソード」と呼ばれる。古の時代、他の神の武器を打ち倒し、初めに立ちし者に勝負を挑んだが、その際、初めに立ちし者が新たに作り出した神の武器であるサンジュ・オウに敗れた。 またその時、「300年に1度目覚め、その度に7回人に仕える。そしてその後再び眠りにつく」という古の契約を結ばされた。以降は契約通り300年に一度目覚めてきたが、多くの場合、扱う者が自らの欲望ゆえに自滅してしまうことが多かった。王太に目覚めさせられる前の魂の主も、その力で森の中に城を構えていたが、最終的にはダイ・ソードの力で、自国を焦土に変えることとなった。 王太に目覚めさせられてからは、当初は気だるげだったものの、次第に、ともに戦う友として王太を認めるようになる。「剣」ということもあり、高い破壊力やパワーを持つが、7種類の魔法も使うことができる。
ガバリオーグ
戦斧の神の武器。北国の王であるコボスに目覚めさせられたが、現在はコボスにとって代わり北国を支配している。ダイ・ソード、タ・カラを除く神の武器の中で初めに目が覚めたため、北国にそろった神の武器のリーダーということになっている。神の武器随一の破壊力を誇るが、魔法は一切使えない。ダイ・ソードを警戒している。
ヨゴ
盾の神の武器。神の武器随一の高い防御力を誇る。魔法障壁、回復、めくらまし、防御力増加の魔法を使える。ド・ライアムとともに、海辺国ジトの洞窟で百地王太たちを迎え撃った。ダイ・ソードに敗れてからは、北国を裏切って九江洲中学校陣営に付く。古の契約を結ばされたダイ・ソードと違って、使用回数に制限がなく、九江洲中学校の旅に大きく貢献した。 戦闘面では、主に九江洲中学校の校舎や生徒たちを護るように動いている。主にユーリナ・タ・カラと二葉春夏が交互に乗っている。
ド・ライアム (どらいあむ)
三又の矛(トライデント)の神の武器。ヨゴとともに、海辺国ジトの洞窟で百地王太たちを迎え撃った。素早さに優れるが、戦闘では卑怯な手段を用いる。古の時代にダイ・ソードに負けたことがあり、現在もそれを根に持っている。12種類の魔法を扱うが小技が多く、ド・ライアム自身も魔法に対して苦手意識がある。
サンジュ・オウ (さんじゅおう)
刀の神の武器。古の時代、ダイ・ソードを倒した最も新しい神の武器。その魂は冬の鳥であり、村が滅びた原因はダイ・ソードの裏切りにある、と信じているため、ダイ・ソードを倒すこと以外に興味はない。ガバリオーグの指示に従わず、勝手に行動することも多い。
タ・カラ (たから)
聖杯の神の武器。神の武器を修繕する能力や、結界を張る魔法を持つ。性別は女。古の時代、非戦闘系の能力であった彼女は、いち早く人の心に目覚め、結界を張る魔法で、ダイ・ソードとともに小さな里を守っていた。しかし、ド・ライアムの罠で結界が破られ、里は滅んでしまった。その後、ダイ・ソードに破壊されることとなったが、古の時代が過ぎた後、神の武器を修繕する能力のおかげで、いち早く復活を遂げた。 その際、自らを「精神」と「鍵を握る神官」と「器」の3つに分けたといわれている。
コ・ズー (こずー)
籠手(ガントレット)の神の武器。神の武器の中で最も魔力が高く、「大爆炎(フレイム・ストーム)」など、46種の魔法を扱うことができる。ダイ・ソードに真っ二つに切られてしまったが、何とか生き延びる。しかし身体が半分になったためか、魔法を使用するための詠唱が半分しか思い出せなくなっていた。のちに、ブロンブルに自分の身体を収縮させる魔法を教わり、なんとか戦えるようになる。 ブロンブルに好かれており、その気持ちを知ってからは相思相愛となった。
ブロンブル
とげ付き鉄球(モーニングスター)の神の武器。土偶のような形をしており、性別は女。実はコ・ズーに想いを寄せており、何度か窮地を救っている。自身の身体を人の拳ほどの大きさに収縮させる魔法と、地震を発生させる魔法の使い手。神の武器同士の戦いでは最も弱いが、人々を苦しめる時には、地震の魔法で力を発揮する。
集団・組織
ボビー族 (ぼびーぞく)
西の熱き島、アナ島に暮らすペンギンのような種族。金や宝石類に目がなく、アナ島に移り住んだのも、溶岩の中の貴金属目当て。簡単な言語ならしゃべることができる。北国に従属しているため、定期的にメスを生贄に差し出す決まりになっている。ボビー族の存続に関わるほどメスが減ってしまったため、アナ島に来た九江洲中学校の面々を、生贄にするために襲い始める。 ダイ・ソードとサン・ジュオウの戦いでアナ島が海に沈むと、他に行くあてがないからか、腹をくくって九江洲中学校の面々に協力するようになる。
場所
泡の中央界 (あわのちゅうおうかい)
九江洲中学校が転位した世界。地球とは表裏一体の関係にある。初めに立ちし者の口から放たれた呪詛の言葉によって形造られたと言われており、泡の中央界に住む者は未来永劫争う運命にある。この世界のものは、元来異世界である地球の物質を反発する性質があり、校舎やグラウンドごと転位した九江洲中学校は宙に浮いている。また、九江洲中学校の生徒も反発の力を利用し、普段よりほんの少し高くジャンプができる。
九江洲中学校 (くえすちゅうがっこう)
日本にあるごく普通の中学校。泡の中央界では、ダイ・ソードの眠る黒き森の城と同じ座標だった。そのため、地球を経由してダイ・ソードのもとへ向かっていたユーリナ・タ・カラとともに校舎、敷地、グラウンド、中にいる生徒や教師全員が、泡の中央界へ転位することになった。転位の際、ダイ・ソードのあった座標の関係で職員室が崩壊しており、これに伴い、教職員は全員亡くなっている。 転位した時点では遅刻、欠席者を除く全校生徒550名がいたが、旅の中で酷い怪我を負った者などは、ユーリナによって一時的に石化されている。また、海辺国ジトでは、船員や魔法の教師を、ジトの王であるジオナスに派遣してもらったり、アナ島では、ほとんどの女生徒が生贄として連れ去られたり、その後ボビー族たちを加えるなど、人員は増えたり減ったりしている。 泡の中央界にとって異世界の物質である地球のものは物理的に反発する性質があり、グラウンドや校舎といった敷地ごと転位した九江洲中学校は、その大きさから反発の力も強く、大地に反発して常に空中に浮遊している。初めは行き先のコントロールができなかったが、グラウンドに巨大な帆を張ることにより、ある程度舵をとることが可能になり、空を飛ぶ船のような役割を担うことになった。
テルテ・ウイタス (てるてういたす)
ユーリナ・タ・カラが生まれ育った国。「白き常魔の国」と呼ばれることもある。魔法に秀でており、北国に対抗できる唯一の国とされている。北国との間には広大な海が広がっている。初めに立ちし者へ対抗するため、ダイ・ソードの古の契約を解除する方法や、ダイ・ソードの複製を作る方法を研究していた。
北国 (ほっこく)
泡の中央界で近年、勢力を増している大国。さまざまな種族の国を神の武器であるガバリオーグの武力をもって制圧し、吸収している。王はコボスであるが、実はすでにガバリオーグの中で白骨化しており、現在はガバリオーグこそが北国の真の支配者となっている。
ジト
海辺にある小国で、北国の属国の1つ。北国の属国の中には、武力で無理やり他国の制圧をする北国に敵意を持っている国も多く、ジトはその筆頭である。九江洲中学校の面々が北国の首都へ乗り込む際にも、先んじて周辺の諸国と一緒に、北国に攻め込んでいた。
アナ島 (あなとう)
北国の属国の1つ。特殊な植物の影響で、海面より下に存在する島。鉱石が採掘できるため、金や宝石類に目がないボビー族の住処となっている。北国への生贄として、ボビー族のメスが連れて行かれるため、最近はメス不足が深刻な問題となっている。
その他キーワード
神の武器 (ごっどふぉーす)
初めに立ちし者が作った武器。大型ロボットのような機械。剣のダイ・ソード、斧のガバリオーグ、盾のヨゴ、三又の矛(トライデント)のド・ライアム、刀のサンジュ・オウ、聖杯のタ・カラ、籠手のコ・ズー、トゲつき鉄球(モーニングスター)のブロンブルの8つの神の武器があり、それぞれが人型、武器型、ビーストモードの三種類に変形することができる。 総合的な性能としては、ほぼ互角であるが、破壊力や防御力、魔法など、それぞれに得手不得手な分野がある。また、神の武器には「魂」が込められており、その魂の質によって、神の武器同士でも性能以上の差が生まれることがある。サンジュ・オウには、魂として冬の鳥のものが込められている。 古の契約を結ばされたダイ・ソード以外は乗り手を必要とせず、独立して行動するが、人を搭乗させて操縦を任せることもできる。
魂の主 (そうるますたー)
ダイ・ソードと契約した者のこと。今は百地王太がそれにあたる。古の時代が終わり、ダイ・ソードが300年に一度目覚めて、魂の主と契約し力を貸していた。百地王太以前の魂の主はダイ・ソードの力に溺れ、結果的には自滅してしまうことも多かった。
魂の器 (そうるゔぇする)
神の武器に似せて造られた機械。神の武器とは比較にならないほど弱いが、モンスターよりは人間の自由になるので、重宝されている。他国との戦争などに使われる。
ナマクラ
神の武器に似せて造られた機械。性能はそれほど高くなく、神の武器の足元にも及ばないが、家畜よりも簡単に乗りこなすことができる。海辺国ジトの王、ジオナスの計らいで、九江洲中学校は2台のナマクラを手に入れた。通常の攻撃では神の武器に対抗できないため、ド・ライアムの欠片を使って作った武器を用いる。主な乗り手は一峰ユージと十勝力。
シャイニィ
神の武器であるタ・カラに似せて造った魂の器。ガブ・マオリが妻であるデクショナリに言われて製作した。同じ魂の器であるナマクラとは性能が桁違い。飛行も可能で、こちらの言葉も少しならば理解可能なうえ、無人状態でも行動できる。しかし所詮は魂の器であり、神の武器には傷一つつけられなかった。普段はガブ・マオリとデクショナリの孫娘であるウ・ツボカ・ズラが操縦する。 タ・カラに似せて造ったものであるため、聖杯と深い関わりを持つユーリナ・タ・カラが乗り込むと、タ・カラの持つ神の武器を修繕する力を、ある程度引き出すことができる。