進め! ギガグリーン

スーパーヒーローとヴィラン(悪役)が存在する世界。憧れのヒーローチーム、ギガスクワッドに就職した新米ヒーロー、ギガグリーン事緑川リュウセイは、気持ちばかりが先走り、毎回怒られてばかりだった。今日も一人で敵幹部の中に突っ込んでしまい、ボコボコにされる始末。無敵を誇るギガレッドの赤井ヨウタの活躍で勝利を得たものの、基地に帰ってから、ギガブルーの青島ヤクモにこってり絞られるのだった。

そんな緑川の夢は、レッドになる事。ヒーロー序列一位の人気者で、敵の幹部からも一目置かれる赤井は、彼の憧れである。ギガレッドの中でも、赤井は特別な存在だった。それ故に赤井のスケジュールは多忙を極めていた。毎日大量のサインを書き、首相との会談やテレビ討論会への出演もこなす。

また、同僚の尻拭いや武器開発会議への参加要請もあった。身を粉にして働く赤井だったが、もっとレッドのファンサービスを増やしてほしいというのが国民の声だった。ある日、悪のチーム「カンパニー」が出現。珍しく赤井が遅刻する中、緊急出動要請を受けてギガスクワッドの出動となった。懲りずに暴走する緑川はあっさりやられ、赤井不在のヒーローチームは苦戦を強いられていた。

基地内は、赤井と連絡が取れずに大騒ぎだったが、やっとその居場所がわかった。赤井は決戦ロボのコクピットにいた。外からの呼びかけに対し、赤井は、扉の下からそっと1枚の紙を差し出した。そこには大きな文字で「もう無理」と書かれていた。決戦ロボは外宇宙でも耐えられるほどの密閉性と頑丈さが売りで、外からは決して開ける事はできない。

赤井は最強の引きこもりとなってしまった。