ジャヒー様はくじけない!

ジャヒー様はくじけない!

魔界復興を目指しながら人間界で、魔石集めに励む魔族のジャヒーと、周囲の人々とのにぎやかな日常を描いたシチュエーション・コメディ。スクウェア・エニックス 「月刊ガンガンJOKER」2017年9月号から掲載の作品。2021年8月にテレビアニメ化。

正式名称
ジャヒー様はくじけない!
ふりがな
じゃひーさまはくじけない
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
レーベル
ガンガンコミックスJOKER(スクウェア・エニックス)
巻数
既刊10巻
関連商品
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あらすじ

ジャヒー様とアルバイト

強力な魔族の女性・ジャヒーはかつて、魔界の魔族たちからは恐れられ、わがまま言いたい放題の贅沢したい放題で、我が世の春を謳歌していた。しかし、魔界は謎の魔法少女による襲撃を受け、不意を突かれたジャヒーは人間界の現代日本に飛ばされてしまう。魔力の源である魔石を砕かれて魔界を失ったジャヒーは、権力も美貌も消え去り、魔力がなければ元の姿に戻れない、無力な幼女の姿に落ちぶれてしまう。その後はボロアパートで貧乏暮らしを強いられ、風呂なし四畳半住まいで、夕食が水ともやしだけのみすぼらしい暮らしを送っていた。居酒屋でアルバイトしているジャヒーは、家賃の催促に追われながらも魔界復興を夢見て努力を続けていた。アルバイト先の店長は優しくしてくれるが、アパートの大家は顔を合わせるたびに厳しく家賃の催促をしてくる。今日も大家と激しい攻防を繰り広げ、生活費を稼ぐためのアルバイトに励むジャヒーは、大忙しの日々を送っていた。そんなジャヒーが魔界復興に向けて特に力を入れているのが、あらゆる魔法に欠かせない魔石を集めることだった。魔界から飛ばされたあとも唯一手元にあるのは小さな魔石のみで、それだけではアルバイトの時間だけ元の姿に戻るのが精いっぱいだった。大きな魔石の反応を見つけたジャヒーはさっそく高層マンションに乗り込もうとするが、そこに現れたのはジャヒーの忠実な下僕の一人・ドゥルジだった。

ジャヒー様と魔石の力

やっと魔石を手に入れたことで、元魔界No.2のジャヒーは少しだけ魔力を取り戻すことができた。それでも人間界での生活はまだまだ一筋縄ではいかず、警察に職務質問されたり、残高が数百円しかなかったりするときでもくじけずに地道な努力を続けるしかなかった。ジャヒーは魔石を手に入れた嬉しさのあまり周囲に自慢するものの、店長にはその偉業と苦労がいまいち伝わらないまま終わってしまう。魔界の事情もジャヒーの強さもよく知るドゥルジは褒めてくれたが、話をよく聞いてみると、魔石集めの功績は彼女の方が何倍も上だった。かつては見下していた相手が多くの魔石を集めていた事実に焦るジャヒーは、居酒屋でアルバイトをしているところをドゥルジに見られてしまう。威信を保つために苦しいウソを連発したジャヒーは、居酒屋料理に興味を持ったドゥルジに対し、見栄を張って食事を奢る羽目になってしまう。一方、魔界にいた頃からジャヒーに恨みを抱くサルワが、ジャヒーを蹴落として魔族の上に君臨しようともくろみながら、人間界を訪れていた。野望に対して肝っ玉の小さい性格のサルワは、何度もジャヒーへの挑戦を試みるものの、まったく気づかれる様子もなかった。しびれを切らしたサルワは、ジャヒー対策として作っておいた秘薬で魔力を増強しようともくろむが、トラブルが発生して失敗に終わった。後日、人間界で大会社を営むドゥルジに頼まれて初講演をすることになったジャヒーは、自分の威光を知らしめるいい機会だと思って出席するも、おいしいところを全部ドゥルジに奪われてほとんど話すことすらできなかった。今度は魔界を再現したパーティーに招かれ、かつてのやりたい放題と贅沢を思い出しながら懐かしいひとときを楽しむジャヒーだったが、終わった瞬間に痛感するのは寂しさと虚しさだけだった。

ジャヒー様と魔法少女

さまざまな出来事を通して魔界復興の決意を新たにするジャヒーは、ある日のアルバイトの帰り道、露出が多過ぎることを怪しまれ、いつものように警察官から職務質問を受けることになる。警察が怪しい人物の捜査をしている話を詳しく聞いてみると、それは明らかに魔法少女を思い出させる特徴だった。魔界を魔法少女に滅ぼされて恨みを持つジャヒーは仇を討とうと、目撃情報が寄せられた公園に急行するが、そこにいたのはただアニメキャラクターのコスプレをしているだけの、見知らぬおじさんだった。落胆するジャヒーだったが、後日自宅にいきなり訪ねてきたのは、今度こそ本物の魔法少女だった。因縁の相手に再会してしまったジャヒーは大家のおかげで難を逃れたものの、その時の恐怖感がよみがえり、日常生活でも怯える羽目になってしまう。魔界復興を目指していたジャヒーは、単に魔石を集めるだけでなく、魔石を狙う魔法少女に対抗する方法を考える必要ができたことから、対策を練ろうとする。そんな中、ジャヒーは見知らぬ女子高校生が大きな魔石をつかんでいる光景を目にする。彼女から直接魔石を引き取ろうとするジャヒーだったが、その正体は魔法少女が変身解除した状態の姿・神宮きょうこだった。さらにきょうこはもともと、魔石の有無とは関係なしにありとあらゆる不幸を引き寄せてしまう、超不運体質でもあった。

ジャヒー様とショッピングモール

因縁の魔法少女と再会したジャヒーは、光の力に目覚めた不幸体質の女子高校生・神宮きょうこが、よかれと思って魔界を攻撃していたことを知る。対抗するには体力をつけるしかないと張り切るジャヒーは、店長とトレーニングに励むもののあっさり飽きられて挫折してしまう。そんなジャヒーは、魔法少女を倒すための武器を手に入れるべく買い物をしたり、自室のあちこちに罠を仕掛けたりする日々を送っていた。試行錯誤の末にやはり魔石だけが最強・最短の手段だと考え直したジャヒーは、再び魔石集めに精を出すが、邪魔が入ってなかなかうまくいかない。アルバイトの疲労と魔法少女からのプレッシャーにメンタルをすり減らされる中、店長から風呂にあまり入れていないことを指摘されたジャヒーは、彼女と大家に連れられ、リフレッシュも兼ねて銭湯に行くことになる。一方、日頃の疲れの癒やしを求めて銭湯に来ていたサルワは、湯煙の向こうに見える女性がジャヒーであることに気づく。無防備な状態で戦いになってはまずいと気配を隠すサルワだが、なぜかとなりにジャヒーが座った挙句、お気に入りのシャンプーを大量に使われてしまう。今回は癒しを求めて来ただけで、ジャヒーに対して何もしていないにもかかわらず受難続きのサルワは、またもや心が折れそうになっていた。

ジャヒー様と海の家

幾多の困難を乗り越えながら魔石集めを続けるジャヒーは、家庭菜園に挑戦したり佐崎こころと協力して公園探索に励んだりする日々を送っていた。魔界を失い、人間界での生活に慣れてきたジャヒーは、当初は見下したり疑心暗鬼になったりしがちだった人間の中にも信頼できる相手が増え、特にこころは特別な友情を感じられる相手となっていた。それでも魔石がなかなか集まらない状況に焦りを感じるジャヒーは、外出中に偶然、マンホールの上に乗った大きめの魔石を入手することに成功。さらなる魔石を求め、海の家のアルバイトも兼ねて海水浴に来ていたジャヒーは、先日入手した魔石の反応を基に、海水浴場に潜む魔石を探し続ける。唐突に天気が荒れたりと、海にいる人々に不幸が押し寄せていることから、大量の魔石の気配を感じ取ったジャヒーが必死に泳いでも魔石は見つからなかったが、日が沈んだ頃になると、小粒の魔石がクラゲのように大量に輝き出した。バケツ一杯分の魔石の欠片を手に入れてすっかり満足したジャヒーは、店長の提案によってしばらくその魔石を彼女に預けることになる。

ジャヒー様と魔王様

大量の魔石を集めて準備を整えたジャヒーは、ついに魔界No.2のプライドを懸けて、魔法少女との決戦に挑む。魔法少女の正体である神宮きょうこの過去や思いに共感や悲しみを覚えながらも、ジャヒーは激闘の末に因縁の戦いに勝利する。すっかりきょうこに懐かれてしまったジャヒーは自宅に招かれることになるが、その家はきょうこの不幸体質と魔石の影響で誰も近づかない幽霊屋敷と化していた。今にも崩れそうな家の奥には、大量のカップラーメンときょうこが魔法少女として集めた数々の魔石、そしてジャヒーが魔界で崇め続けていた最強の魔族である魔王の姿があった。力を失っていた魔王はジャヒーと同様に幼女の姿と化していたが、それでも魔王復活に感動するジャヒーはその再会を喜び、きょうこの家で宴を開くことになる。久々のごちそうを楽しみながら魔王の意思を確認しようとするジャヒーだったが、魔王は食事ばかりに夢中なうえに、魔界復興に意欲的なジャヒーの言葉には不満な様子だった。それでも魔界復興への第一歩を確信したジャヒーは、宴のあとにきょうこから魔法少女になった過程を詳しく聞くことになる。

サルワと運命の戦い

大量の魔石を取り戻したことで生活にも余裕が出てきたジャヒーは、新しい布団を買って以前よりも少しだけゆとりのある生活を送れるようになっていた。そんなジャヒーは、謎の光の力を得てパワーアップしたサルワに遭遇するが、ジャヒーは魔界でも何度か会っていたサルワが一体誰なのか思い出せずにいた。光をまとったサルワは武器の刀を取り出して自信満々で攻撃してくるが、ジャヒーにはまるで効果がなく、かゆみを感じる程度の攻撃しか繰り出せなかった。ジャヒーは魔王と再会し、魔石も取り戻したことで、魔界にいた頃よりもパワーアップしていたのである。困惑しながらも結局ジャヒーには勝てなかったサルワはその場から逃げ出すが、彼女に光の力を与えた黒幕を探ろうとするジャヒーの目的も果たせずに終わった。ジャヒーは魔法少女とサルワに光の力を与えた黒幕は同一人物であると考え、魔界復興を脅かすその存在の正体を探ることになる。

メディアミックス

テレビアニメ

2021年8月から、本作『ジャヒー様はくじけない!』のテレビアニメが、朝日放送テレビ、テレビ朝日系列ほかで放送された。監督は湊未來、キャラクターデザインは仲敷沙織が務めている。キャストは、ジャヒーを大空直美、ドゥルジを花澤香菜が演じている。

登場人物・キャラクター

ジャヒー

かつて魔界のNo.2の魔族として君臨していた女性。褐色肌で、深い紺色のロングヘアを大きな三つ編みにまとめ、露出度の高い服を着ている。愛称は「ヒーちゃん」「ジャー子」。魔界では贅沢の限りを尽くし、大勢の配下に囲まれながら優雅な暮らしを送っていたが、魔界が滅んで人間界に落ちてからは、四畳半一間で築40年のボロアパートで居酒屋アルバイトをしながら生活している。魔王の側近も務めていた実力者であり、権力・魔力・美貌を兼ね備えている。また、忠誠心の薄い配下を自ら処分し、魔界で恐れられる一方で、多くの者から敬われてもいた。人間界ではそれらの力も立場もなくなったうえに非力な幼女の姿に落ちぶれ、貧しい生活を送りながら、魔石を集めて魔界復興を夢見ている。ふだんは幼女の姿のままで過ごしているが、手元に僅かながら残った魔石の力を使えば一定時間は元の大人の女性の姿に戻ったり魔法を使ったりできるため、その時間にアルバイトをすることで生活費を稼いでいる。元魔界No.2としてのプライドが強く、その頃の立場や立ち居振る舞いは人間界でも変わらないため、意地や見栄を張って失敗することが多い。一方で、人間界でうまくいかないことが多くいつもくじけそうになっているため、少しでもうまくいったり褒められたりするたびに感動している。魔界を滅ぼした魔法少女がトラウマとなり、彼女が人間界にいるのを知ったあとは、魔石を集めながら魔法少女対策を必死に練っている。人間を心底見下しているが、恩人である店長や大家には世話になっていることから信頼しており、魔界や魔石の話を疑いなく信じてくれる佐崎こころには特に心を許し、友情を感じている。幼女の姿のときは「魔界復興」の大きな文字が書かれたシャツを着ているが、元の姿になると露出度が高いために怪しまれやすく、よく職務質問されている。

店長 (てんちょう)

居酒屋「まおう」の店長を務める若い女性。明るい茶髪のロングヘアをしている。ジャヒーをアルバイトとして店で雇っており、ジャヒーのことを愛称で呼び、非常にかわいがっている。面倒見がよくおっとりした巨乳美女で、少々天然気味なところがある。妹の大家のこともかわいがっているが、胸の大きさを巡って昔よりも嫉妬を抱かれることが増え、時折ケンカしている。人間界に来たばかりの頃に一人きりで路頭に迷っていたジャヒーを救い、アルバイトとして雇っただけでなく妹のアパートも紹介するなど、人間界に味方の少ないジャヒーにとっての恩人でもある。魔界や魔石のことはよくわかっていないものの、ジャヒーが悩んでいるときは相談に乗るなど、ジャヒーにとっては特に信頼のおける人物となっている。ふだんは温厚で優しい性格ながら、怒らせると非常に怖い。二の腕が太いのが悩みで、一時期はジャヒーを誘ってダイエットを兼ねたトレーニングに励んでいた。

大家 (おおや)

ジャヒーが暮らすアパートの大家をしている若い女性で、店長の妹。明るい茶髪のロングヘアで、三白眼が特徴。スエットTシャツにジーパンとラフな格好をしていることが多い。実は貧乳に悩んでおり、対策グッズを買っていたことがある。魔界から人間界に来たばかりのジャヒーを姉である店長から紹介されたことで、自分が大家をしているアパートに住まわせるようになる。ジャヒーの本来の姿が幼女ではなく大人であると知ってからは、毎月家賃を請求するもののなかなか払われないため、そのたびにジャヒーとケンカするなど犬猿の仲。それでも、ジャヒーが困っている際の面倒見はよく、ジャヒーのことを愛称で呼ぶなど、なんだかんだで仲はいい。幼少期は店長によく甘えていたが、店長が巨乳に成長したことで妬むようになり、短気で口の悪い毒舌家となる。店長からは「りょうちゃん」と呼ばれている。

ドゥルジ

ジャヒーの側近を務める魔族の女性。薄黄緑色のショートヘアで、長い前髪で右目を隠し、ゴスロリ風の衣装をまとっている。忠誠心が厚くジャヒーのことが大好きだが、人間のことは見下し、特にジャヒーの周囲にいる人間には敵意を抱いている。他者の心をあやつる能力を持つ。人間界では「堂島」と名乗り、大企業を営むなど成功を収めている。魔界にいた頃はジャヒーに見下され、奴隷のように扱われていたこともあり、ジャヒーに対してはドMな本性が出ることがあるなど、かなり心酔している。かつて自分の魔力に苦しみ、魔石を自ら手放して消滅しかけていたところ、ジャヒーに救われたことから部下となった過去を持ち、彼女に強い恩義を持つ。人間界で魔石をいくつか集めたあとに、経営コンサルタント会社の社長となり、ジャヒーとは対照的に高級マンションで優雅な生活を送っている。ジャヒーに再会する頃には魔石もかなり集めており、人間界における彼女が落ちぶれた生活をしているのを知らないままでジャヒーを慕っている。ジャヒーの言動や行動を勝手に拡大解釈して毎回称賛し、彼女になれなれしい者に対しては強烈な敵対心や対抗心をむき出しにすることが多く、特に魔法少女がジャヒーに付きまとっていると知った時は怒りをあらわにしていた。

魔法少女 (まほうしょうじょ)

魔界にある巨大な魔石を破壊し、魔界を滅ぼした謎の少女。ピンク色の衣装をまとっている。ウェーブのかかった金髪で、右目下に二つのホクロがある。魔石を回収するためにジャヒーの家にいきなり押しかけたが、大家と警察の介入によって失敗。その正体は人間界に住む女子高校生・神宮きょうこで、変身していないときは学生服を着用し、髪も切りそろえた黒髪で、地味な雰囲気を醸し出している。学生の姿でジャヒーに近づき、魔法少女と知らずに油断した彼女から大粒の魔石を奪った。元は魔石と関係なしに不幸を呼び寄せる不幸体質なこと以外はふつうの人間で、不幸な出来事が多いために友人もいなかった。その一方で、多少の不幸やケガにはめげず、繰り返し不幸を背負ううちにドMな性格になっていく。のちにジャヒーと一対一の直接対決を繰り広げるが、孤独な思いをしてきたことを案じるジャヒーの説得を受け、一転して彼女を慕うようになり、友達として接するようになる。溺れ死にかけていた時に謎の光の力を受け、人々を救う使命を授かり、魔族と対等以上に戦える力を持つ魔法少女となった。さらに、生きている実感を得るために他人の不幸を自ら背負おうとし、魔王のことも知らないまま、よかれと思って魔界の核となる魔石を破壊した。自宅に招いた際に、ジャヒーが魔王と再会したのをきっかけに魔石破壊の件を謝罪し、それ以降は自力で他人を幸せにするために魔法少女の力はほとんど使わなくなる。また、ジャヒーといっしょにいたいため、彼女のアルバイト先である居酒屋「まおう」でアルバイトを始めた。自宅に溜め込んでいた魔石から復活した魔王のことを引き取っていっしょに住んでいるが、食いしん坊でだらだらしているばかりの彼女には手を焼いている。

サルワ

魔界エリートの女性。紫紺のショートヘアで軍服のような衣装をまとっており、少年に間違えられることがある。魔界No.3の実力の持ち主で、No.2の座を奪うためにジャヒーを狙い続けている。一人称は「僕」。魔道具の発明や作戦立案など知略面に関する才能を持つが、臆病で慎重過ぎるために実行できずに終わったり、ジャヒーとは関係ないトラブルに遭ったりして失敗することが多い。人間界に来たジャヒーが幼女姿になっていることを知らず、公園で偶然出会った幼女が、ジャヒーと知らないままに励まされたことがある。ジャヒーを見つけるたびにこっそり尾行しては何か仕掛けようとするものの、犬に邪魔されたり開発した魔道具の使い方を間違えたりして失敗に終わるうえに、いつもサルワの方が酷い目に遭っている。のちに謎の光の力を受けてパワーアップし、元の姿のジャヒーと再会して勝負を挑むが、名前すら覚えられていなかった。さらに、魔石を手に入れていたジャヒーが魔界にいた頃よりもパワーアップしていたことで逆転され、ほとんどダメージを与えられないまま終わった。

魔王 (まおう)

魔界の創造主で、魔石や魔力そのものとされる謎の存在。魔法少女によって魔界の核の魔石が破壊されたことから姿を保てなくなっていたが、魔法少女が人間界で大量の魔石を家に集めていたことによって復活。しかし力が不完全であり、ジャヒーと同様にツノが生えた色黒の幼女の姿をしている。非常に無口でマイペースな性格の持ち主。しゃべることがほとんどないうえに、何を考えているかわからないところがあり、側近のジャヒーですら意思疎通は困難で、彼女が魔界復興に積極的な発言をした時はなぜか不満そうな顔を見せるなど、その真意は謎に包まれている。復活後は幼女姿のままで魔法少女の家で居候し、好きなものを食べながら気ままな引きこもり生活を送っている。かなり食い意地が張っており、いつも家でだらだらしているため、魔法少女を困らせている。魔界ではツノが生えた巨大な魔物のような姿だったが、自分が何者なのかわからないうちからジャヒーと出会い、彼女によって魔界の象徴として勝手に称えられていた。このため、魔王らしい功績を何一つ挙げておらず、実力も不明。

佐崎 こころ (ささき こころ)

女子小学生で、魔石探しをしていたジャヒーと公園で出会った。明るく優しい性格の少女で、出会った当初から魔石や魔界の話を疑うことなく、ジャヒーのことを純粋に尊敬している。魔石探しをはじめ、ジャヒーのことを何かとサポートしており、いつも褒め称えることから、彼女からも非常に気に入られている。次第にジャヒーにとっては数少ない人間の友人の一人となり、信頼されている。

その他キーワード

魔石 (ませき)

魔力の源となる不思議な石。魔界の核としても機能していたが、魔法少女によって破壊されたために魔界は消滅し、ジャヒーをはじめとする魔界の住人たちは人間界に落ちた。その正体は魔王と魔力そのものであり、魔王の心臓ともいえるアイテムで、力の量は大きさに影響される。人間界にも多数散らばっているが、見つけづらいうえに、人間が所持していると不幸や危険を招いてしまう。魔石から与えられる魔力の特質は個人によって異なり、ジャヒーは力の増幅、サルワは魔道具の開発、ドゥルジは人の心をあやつる能力に使用している。魔族は魔力を失うと消滅するため、小さくても一つ以上の魔石を所持していなければ存在できない。このため、魔族には魔石を必死に集めている者が多い。

書誌情報

ジャヒー様はくじけない! 10巻 スクウェア・エニックス〈ガンガンコミックスJOKER〉

第1巻

(2018-02-22発行、 978-4757556348)

第9巻

(2022-10-21発行、 978-4757582125)

第10巻

(2023-09-21発行、 978-4757588042)

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