概要・あらすじ
父親の仕事の都合で聖学町に引っ越して来たばかりの西新井護は、大のゲーム好きで、新居から歩いて数分の場所にゲームセンターがある事に喜びを感じていた。そんな護が引っ越して早々にゲームセンター「GAME TOOYOKO」へ足を運ぶと、人気格闘ゲームの筐体に人だかりができていた。見物している野次馬達の話に耳をすますと、このゲームセンターでアルバイトをしている綾瀬由紀が、現在40連勝中だと知る。
ゲーマー達を相手に格闘ゲームで連勝を記録し続ける彼女に興味を抱いた護は、由紀が座る筐体のとなりに座ってお金を投入し、対戦を申し込む。接戦の末に護は勝利をおさめるが、勝利の喜びを体全体で表している護とは対照的に、試合に敗れた由紀は意識を失って倒れてしまう。
そして後日、護が新たに転校した聖学園高校に初登校すると、教室の片隅には先日格闘ゲームで打ち負かした由紀の姿があった。張り裂けんばかりに声を上げて驚く二人は、こうして運命の再会を果たし、護は由紀が入部している電脳研究部からの勧誘を受けるのだった。
登場人物・キャラクター
西新井 護 (にしあらい まもる)
聖学園高校に転校して来た1年生の男子。父親の仕事の都合で引っ越しが多く、聖学町にも引っ越して来たばかり。趣味はゲームをプレイする事で、好きな場所はゲームセンター。実は試合中の冷静な判断力とその戦いぶりから、ゲーマー界隈では有名なプレーヤーの一人。格闘ゲームでは全国大会への出場経験を持つ猛者で、1995年に中部地区代表として出場し、1996年には全国で第3位という実績をおさめている。 格闘ゲーム以外にも、RPGやSLG等も好んでプレイする。押しに弱く流されやすい性格で、よく周囲の人間に振り回されているものの、困った人を放っておけない、正義感あふれる一面も持っている。梅田古奈美に勧誘され、電脳研究部に入部する。
綾瀬 由紀 (あやせ ゆき)
聖学園高校1年生の女子。西新井護のクラスメイト。黒髪のロングヘアで、大きな丸眼鏡をかけている。普段はおとなしくてまじめな優等生だが、実は大のゲーム好きで、放課後はゲームセンター「GAME TOOYOKO」でアルバイトをしている。学校では電脳研究部に所属しており、ゲームの話になると急に生き生きし始める。 得意なゲームのジャンルは格闘ゲーム。ゲームのほかにも同人誌を読んだり、コスプレ活動を趣味としており、コスプレ衣装を自作するほどの裁縫技術の持ち主でもある。
梅田 古奈美 (うめだ こなみ)
聖学園高校2年生の女子。容姿端麗でスタイルがよく、ボブヘアで前髪を中分けにしている。電脳研究部に所属しており、西新井護の先輩にあたる。梅島奈夢子とはクラスメイト。明るく活発な性格で、転校して来たばかりの護の輝かしいゲーム歴に目をつけ、奈夢子と後輩の綾瀬由紀と共に、半ば強引に電脳研究部に勧誘した。 腕っ節が強く、女性なのにもかかわらず、時には体を張って行動する事もある。また、ノリもよく、由紀に誘われたコスプレダンスパーティにも嬉々として参加していた。
梅島 奈夢子 (うめじま なむこ)
聖学園高校2年生の女子。容姿端麗でスタイルがよく、長い黒髪をポニーテールにしている。電脳研究部に所属しており、西新井護の先輩にあたる。梅田古奈美とはクラスメイト。明るい性格で、転校して来たばかりの護の輝かしいゲーム歴に目をつけ、古奈美と後輩の綾瀬由紀と共に、半ば強引に電脳研究部に勧誘した。 また、ノリもよく、由紀に誘われたコスプレダンスパーティにも嬉々として参加していた。
寺門 (てらかど)
聖学園高校3年生の男子。黒髪で前髪を中分けにし、眼鏡をかけている。電脳研究部の部長を務めており、西新井護の先輩にあたる。ゲームを愛するあまり、ゲームのキャラクター以外の女性には一切興味を抱かない。ゲーム全般に関しての知識も豊富で、入部テストと称して、護にさまざまなゲームのクイズを出題した。卒業後はゲーム関係の会社に就職する事を望んでおり、間久部字楽から就職先の候補の一つとして、秘密結社グランドクロス団の極東支部首領を務めている、ブラック亮太郎将軍を紹介される。 得意なゲームジャンルは麻雀。
寺門 司 (てらかど つかさ)
小学6年生の男子。茶髪のロングヘアを中分けにして、帽子を前後逆にかぶっており、チェック柄の襟付きシャツを着用している。寺門の弟で、兄と同様にゲームが大好き。特にRPGに詳しく、熱中するとうんちく話が止まらなくなる。口が悪く、西新井護達に対しても、初対面時から「コワッパ」「ガキ」等と、上から目線で会話をした。 護と知り合った事をきっかけに、電脳研究部へ頻繁に顔を出すようになる。
竹の塚 ヒロシ (たけのつか ひろし)
北千住高校に通う男子高校生。髪型はキツめのパーマを当てたリーゼントで、口ひげを生やし、サングラスをかけている。周辺では不良と知られ、未成年でありながら喫煙している。西新井護が足繁く通っているゲームセンター「GAME TOOYOKO」を、友人とのたまり場にしている。格闘ゲームが好きで、特に『鉄拳3』が得意。格闘ゲームの対戦で護に打ち負かされ、因縁を付けた事がきっかけで、護と知り合いになる。
間久部 字楽 (まくべ あざらく)
聖学園高校の男性教師。電脳研究部の顧問も務めている。髪型はオールバック、首から十字架のペンダントをぶら下げ、スータンを着用している。右目に傷跡、両瞼の下にクマがあるなど極端に人相が悪く、全体的に邪悪な雰囲気をまとっている。さらにさまざまな黒い噂がささやかれており、生徒達からつけられたあだ名は「悪魔さん」。卒業後の進路に悩んでいた寺門に、就職先の候補の一つとして、知り合いのブラック亮太郎将軍が極東支部首領を務める秘密結社グランドクロス団を紹介した。 特技は字楽流超絶催眠術「平成無敵ドリーム伝説'98冬」で人を眠らせる事。
ブラック亮太郎将軍 (ぶらっくりょうたろうしょうぐん)
秘密結社グランドクロス団で極東支部首領を務める男性。黒い長髪をポニーテールにし、額と両手の甲に五芒星のマークがある。間久部字楽とは知り合いで、彼が顧問を務める電脳研究部の部長である寺門に興味を抱いている。寺門が卒業後の就職先を探しているのを知り、字楽の協力のもとに、秘密結社グランドクロス団へ無理やり入団させる。
集団・組織
電脳研究部 (でんのうけんきゅうぶ)
西新井護が通う高校にある部活動。通称「電脳研」。テレビゲームをはじめとするゲーム全般を研究している。護は転校初日から勧誘され、この部活動に所属する事になった。
秘密結社グランドクロス団 (ひみつけっしゃぐらんどくろすだん)
世界各国に支部を構える巨大な秘密結社。ブラック亮太郎将軍が極東支部首領を務めている。結社員はいずれも規定の制服を着用し、頭部に十字架のマークが付いた黒い覆面をかぶっている。結社の代表は「大統領」と呼ばれる。結社員はさまざまな場所でスパイ活動を行い、こうして得た機密情報を定期的にメールで報告する義務がある。社訓は「裏切り者には死を」。
場所
GAME TOOYOKO (げーむとおよこ)
西新井護の新居から数分の場所にあるゲームセンター。護が頻繁に通っており、綾瀬由紀がここでアルバイトをしている。格闘ゲームの筐体が多く、連勝をするプレーヤーが現れると、野次馬が集まる。また、不良の溜まり場にもなっていて、竹の塚ヒロシが不良仲間を連れて頻繁に来店している。
聖学園高校 (せいがくえんこうこう)
西新井護の転入先の高校。ゲーム部という個性的で珍しい部活動がある事で知られている。また、カトリック系の学校で、生徒達には週に1回の礼拝が義務付けられている。授業にも神学という科目が存在し、校内の名物教師、間久部字楽が授業を担当している。