機動戦士ガンダム アグレッサー

機動戦士ガンダム アグレッサー

TVアニメ『機動戦士ガンダム』を題材にした作品。『機動戦士ガンダム』のストーリーと同時期に別の場所で起こった戦闘が無骨かつ緻密に描かれている。PlayStation3用ゲーム「機動戦士ガンダム サイドストーリーズ」に収録されている「機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク」や、作者である万乗大智の別作品『機動戦士ガンダム 黒衣の狩人』の登場人物も出てくる。「週刊少年サンデーS増刊」の2014年12月号から連載された。

正式名称
機動戦士ガンダム アグレッサー
ふりがな
きどうせんしがんだむ あぐれっさー
原作者
矢立肇
原作者
富野 由悠季
作者
ジャンル
ロボット
レーベル
少年サンデーコミックス(小学館)
巻数
既刊20巻
関連商品
Amazon 楽天 小学館eコミックストア

あらすじ

民間人の人質救出作戦(第1巻)

宇宙世紀0079.11月、ジオン公国軍は戦争相手の地球連邦軍の本拠地ジャブロー侵攻を目指していた。ジャブローは南米の地下にあり、広大な洞穴を利用した天然要塞ともいえるものだったため、ジオン公国軍は空からモビルスーツを降下させる侵攻作戦を計画し、ジャブロー内部への入口の探索と対空火器の破壊を任務とした先行部隊を派遣する。それに対して地球連邦軍は先行部隊の進路上すべてにいくつかの部隊を出撃させた。南米の山脈越えルートの防衛を任されたアグレッサーに所属するチェイス・スカルガードは、レッドライダーを駆ってジオン公国軍と戦っていた。発見した先行部隊を上官のハインツ・ハイウェイたちと協力して撃退するものの、ジオン公国軍に娘を人質にとられた民間人のスパイ行動でキャンプ地が襲撃されてしまう。これも何とか撃退することに成功したチェイスとハインツは、人質を救出するためにジオン公国軍が駐屯する民間人の家に向かう。

03中隊救出作戦(第1巻~第2巻)

03中隊は、民間人を人質にとっていたがチェイス・スカルガードたちアグレッサーに追い込まれ逃げ出したジオン公国軍の軍人ブリックを追跡する。しかしブリックはバリーと合流後にドムに搭乗して反転攻勢に出る。ドムの圧倒的な性能に主力戦車が次々にやられた03中隊は街まで撤退。そのことを無線で聞いていたチェイスは、市街戦になると民間人に多くの犠牲が出ると予想して、応急処置中のレッドライダーで救援に向かう。

サノ・カオリの戦いのルール(第3巻)

絶体絶命のチェイス・スカルガード03中隊の救助に向かうために、アグレッサーへの出撃命令を偽装したサノ・カオリ。彼女を尋問するために地球連邦軍からグレイブ・ファントムが派遣される。そのことを知ったカオリは、グレイブ・ファントムの本当の目的が自分が秘かに匿っているターニャであると推測し、ターニャをチェイスに託す。カオリはグレイブ・ファントムのスマイリーから残虐な尋問を受けるものの、決してターニャのことは口にしなかった。そのさまを見てスマイリーは、より残虐な尋問を行うためにグレイブの民間研究施設にカオリを運ぶ。チェイスはスマイリーとカオリがいなくなったことを知り、ハングマンから教えてもらった場所で廃棄されたザクに搭乗して救出に向かう。

04部隊と05部隊の救出作戦(第3巻~第5巻)

ジオン公国軍先行部隊を追撃していた04部隊と05部隊は、アマゾン川下流域でグリフォン隊に返り討ちに遭って窮地に追い込まれる。救援信号を受けた地球連邦軍本部は、03中隊に本拠地ジャブローへの帰還、アグレッサーには04部隊と05部隊の救出命令を出す。アグレッサーは車両や弾薬、燃料などが不足していたが、03中隊から分けてもらい準備を整えて出発する。翌朝現地に到着したアグレッサーは作戦を実行に移し、レッドライダーに乗ったチェイス・スカルガードはグリフォン隊の面々と対峙する。チェイスと別行動していたハインツ・ハイウェイたちは、チェイスがグリフォン隊の注意を引いているあいだに作戦を進める。そして激流に浮き橋を作って次々に04部隊と05部隊を救助していく。そんな中、グリフォン隊も「コウノトリ」と呼ばれる作戦を実行に移そうとしていた。

チェイス・スカルガードとハインツ・ハイウェイの過去(第5巻~第7巻)

グリフォン隊と地上部隊の猛攻をしのぎ、04部隊と05部隊を救出したアグレッサーは地球連邦軍の本拠地ジャブローに帰還する。その中には地球連邦軍に扮したジオン公国軍のミリア・シェルもいた。久しぶりにジャブローで保護された子供たちと触れ合って心を癒すチェイス・スカルガードハインツ・ハイウェイ。建物の外からチェイスを発見したミリアは、一緒にジャブローに侵入した黒鳥(ブラックスワン)からの連絡を受けて、警備の注意を分散させるためにチェイスの部屋にある端末からコンピュータウィルスを流すことを思いつく。ミリアは無事にチェイスの個室に侵入しウィルスを流そうとするが、そこでチェイスがハインツの名誉のために真実を書き記した遺書を発見する。それを読んで、ミリアは今まで聞いていたことがデタラメだったことを知る。

コウノトリ作戦(第7巻)

ジャブローの育児センターで子供たちを眺めていたチェイス・スカルガードは、女の子が「コウノトリ」と言ったことで、戦闘中にマクシミリアンが「コウノトリ作戦開始」と命令したことを思い出す。そのことをハインツ・ハイウェイに伝えると、ハインツは顔色を変えて基地に戻りサノ・カオリエルザに協力してもらい潜入したスパイを捜索する。そんな中、ジオン公国軍は赤い彗星のマッドアングラー隊が見つけた宇宙艦艇用大型ゲートへ集中攻撃する作戦を実行。スパイを特定したチェイスたちは、ジオン公国軍のモビルスーツが上空から襲撃して来る状態で、チェイスはスパイの確保、ハインツはスパイを迎えに来るマクシミリアンのグリフォン隊がいる場所の特定を試みるだった。

登場人物・キャラクター

チェイス・スカルガード (ちぇいすすかるがーど)

アグレッサーに所属する地球連邦軍の男性軍人。階級は伍長。ジオン公国軍に所属していた時はグリフォン隊として活動しており、ザクのテストパイロットもウォルフガングのもとで行っていた。そのためモビルスーツの操縦技術は若いながらベテランパイロットの域に達している。子供の頃に乗った地球行きのシャトルバスがテロリストと覆面警備員との戦闘で爆発して父親を失う。 宇宙に1人で投げ出されたところをハインツ・ハイウェイに助けてもらい、以降はハインツにさまざまなことを教わりながら生きる。ハインツに絶対の信頼を寄せており、ハインツがダイアン・ノイスの策略によって反逆罪で拘束されたときも即座に救出して母艦から脱出し、そのまま地球連邦軍に亡命する。 亡命後はアグレッサー所属となり、レッドライダーのパイロットを務める。

ハインツ・ハイウェイ (はいんつはいうぇい)

アグレッサーに所属する地球連邦軍の男性軍人。階級は軍曹。ジオン公国軍に所属していた時の階級は中尉で、グリフォン隊として活動していた。息子のマットと一緒に地球行きのシャトルバスに乗っていた時にテロリストに乗っ取られ、テロリストと覆面警備員との戦闘によりシャトルバスが爆発して顔を負傷する。さらにマットを見失い、船外を探している時にチェイス・スカルガードを発見する。 マットを見つけることはできなかったが、チェイスを救うことはでき、以降はチェイスを息子同然に思ってさまざまなことを教える。民間人や子供などを犠牲にするような作戦を嫌っており、軍上層部が住民を虐殺して住んでいるコロニーを武器に使おうとする計画に反対を唱え続けるが、危険分子として反逆罪で拘束されてしまう。 しかし拘束された場にいたチェイスによって助け出されて母艦を脱出し、地球連邦軍に亡命する。亡命後はアグレッサー所属となり、優れた戦術眼を活かして61式戦車に乗り最前線で部隊の戦闘指揮を執る。

サノ・カオリ (さのかおり)

地球連邦軍の女性軍人。階級は少尉。新型モビルスーツ・レッドライダーのデータを集めるテスト部隊を指揮する。一年戦争開戦時には宇宙艦隊に所属しており、自分が乗艦していた船にチェイス・スカルガードとハインツ・ハイウェイが亡命して来たことで知り合う。その後、テスト部隊に転属になり、絶体絶命の危機をチェイスたちに救われて再会する。 何度も命を助けてもらい、チェイスのモビルスーツ操作技術の高さもあってレッドライダーをチェイスに預ける。そのためチェイスが所属するアグレッサーと行動をともにしている。アグレッサーの人間と地球連邦軍の正規軍人を区別せずに対応する優しい性格。8年前に海難事故に遭った際に幼い妹のミユと手をつないで船から脱出したが、いつの間にか手が離れていてミユを亡くしてしまう。 レッドライダーのテストパイロットを務めるターニャが自分に助けを求めた時は、ミユのことを思い出し今度は助けると決意して匿う。ターニャのことでスマイリーから拷問を受けても沈黙を貫く。

ダグラス・トランブル (だぐらすとらんぶる)

アグレッサーの部隊長を務める地球連邦軍の男性軍人。階級は大尉。アグレッサーはジオン公国軍を裏切った人間で構成されるが、ダグラス・トランブルは地球連邦軍の正規の軍人で、アグレッサーの人間を監視する役目を担う。出世欲の権化で、手柄は一人占め、失敗は他人のせいにしてしまう。グレイブ・ファントムのスマイリーがサノ・カオリの調査に訪れた時も、自分の出世のために躊躇なく差し出す。

ロッコ

アグレッサーに所属する地球連邦軍の男性軍人。妻とウォルターという名前の一人息子がいる。ジオン公国軍の軍人だったが、国内で武器の横流しをしていたため地球まで逃げて、妻子を養うために地球連邦軍に入りアグレッサーに配属される。お調子者だが常にチェイス・スカルガードの背中を守り続け、04部隊と05部隊の救出作戦ではブルーチームを率いて激流に浮き橋を作る。

ローストン

地球連邦軍の男性軍人。階級は大尉。アグレッサーと行動をともにする03中隊の部隊長。61式戦車に搭乗して最前線で戦闘指揮を行う。当初はアグレッサーのメンバーのことを仲間と思っておらず、何かと挑発しては争いを引き起こしていた。しかし、ジオン公国軍の軍人を追跡したところ返り討ちに遭って窮地に追い込まれたのを、チェイス・スカルガードの奮闘と駆けつけたハインツ・ハイウェイたちによって助けられたのを機に、認めるようになる。 自分たちはジャブローに帰還、アグレッサーは戦える状態でないまま味方の救援に向かうという命令を受けた際には、自分たちの装備や弾薬を譲り無事を祈って送り出す。

エルザ

地球連邦軍の新型モビルスーツ・レッドライダーのテスト部隊に配属された新人技術仕官の女性。配属3日でほかの技術士がジオン公国軍の襲撃で死亡したため技術主任を務めている。ジオン公国軍の技術にも詳しい。最前線に出るのは今回が初めてで、満足に整備できない状況に四苦八苦している。実は中立国のサイド6から地球連邦軍に潜り込んだスパイで、武力のないサイド6が情報戦で負けないように情報を送っている。 両親がジオン公国軍の毒ガスによって殺されていて、ジオン公国を滅ぼさなくてはまた同じような惨劇が起こるかもしれないと思っている。

グレイブ

地球連邦軍の高官の1人とされる人物のコードネーム。レビル将軍を崇拝していて、ペイルライダーというモビルスーツを完成させるためにレッドライダーを使ったデータ収集を行わせている。さらに独自の研究施設や表に出せないようなことを行う特殊部隊を持つなど絶大な権力を持つ。しかし正体は謎に包まれている。

スマイリー

サノ・カオリの尋問に訪れた男性。グレイブ・ファントムの1人。他人をいたぶるのが好きなサディストで、過去の尋問では女性の顔を判別できないほど殴ったりしていた。表向きはカオリの出撃命令の偽装への尋問だが、本当の目的はカオリが匿っているターニャの行方を知ること。カオリが口を開かないため激痛を伴う拷問を繰り返す。 本名は「デニス・ミューレン」で、地球連邦軍に所属していた時、地上作戦中に民間人の女性や子供ばかりを13人死傷させている。夜間戦闘中の混乱による誤射と結論されて銃殺ではなく除隊処分だけですみ、その後、グレイブによって極秘にグレイブ・ファントムに引き抜かれる。チェイス・スカルガードからは対モビルスーツ戦を教わっていて、チェイスが士気向上のために模擬戦でわざと負けたのに気づかず、チェイスのことを見下している。

スノーマン

サノ・カオリの尋問に訪れた男性。グレイブ・ファントムの1人。薬漬けとなった女性を富裕層に売りつけており、スマイリーの尋問で廃人となった女性も対象にしている。モビルスーツでチェイス・スカルガードと戦ってピンチとなったスマイリーを携帯武器で助ける。

ハングマン

サノ・カオリの尋問に訪れた男性。グレイブ・ファントムの1人。部下を見捨てて敵前逃亡した上官の首を折ったが、上官が政治家の息子だったためグレイブ・ファントムに転属となる。スマイリー、スノーマンと一緒に行動しているが、本当の任務は2人の監視で、任務外で面倒を起こした時に始末するようにグレイブから命令を受けている。 諜報部隊に所属していたことがあり、エルザがターニャのことでサイド6に暗号送信したことでエルザの正体を見破る。しかしエルザから自分の命も危ないことを知らされ、サイド6への政治亡命を見返りにエルザに協力する。

ターニャ

戦災孤児の少女。地球連邦軍の新型モビルスーツ・レッドライダーのテストパイロットとして使えるようにGや痛みに対して常人以上に耐えられる肉体強化が施されている。ほかのテストパイロットがテストに出るたびに死んでいく中、自分がテストを行う日にジオン公国軍に襲撃される。その際にサノ・カオリに助け出され、以降はカオリに匿われている。

ダイアン・ノイス (だいあんのいす)

ジオン公国軍の女性軍人。階級は少佐。「公国の目」という異名を持つ。国の指導者であるザビ家のキシリア・ザビ直属の親衛隊の1人で、軍内部の不穏分子の暗殺も任務の1つ。母親の胎内で宇宙線に被爆したため生まれつき視力がなかったが、人の存在だけは光として認識できた。マクシミリアンが持って来た軍の研究を活用したメガネをかけた時だけ見えるようになる。 幼い頃から親切にしてくれたマクシミリアンに懐き、大人となった今は好意を抱いているが、想いを告げることはなく、親衛隊として影ながらマクシミリアンのために動いている。軍上層部からマクシミリアンとハインツ・ハイウェイに反逆の疑いにより暗殺命令が下ると、ハインツのみが危険だと説得してハインツを拘束する。 ハインツがチェイス・スカルガードに助け出されて逃亡したことを知るとザクを駆って処刑しようとする。しかし、チェイスやハインツの抵抗にあって逃がしてしまう。自分の処刑から逃げたのはチェイスとハインツだけなため、2人の行方を執拗に追う。モビルスーツの戦闘では敵意を敏感に感じ、死角から撃たれても避けることができる。

ダガー

ジオン公国軍の男性軍人。階級は大尉。地球連邦軍の本拠地ジャブロー内部へのゲート捜索と対空兵器の破壊を担った先行部隊として南米の山脈ルートを進んでいた時に、アグレッサーと遭遇し、統率のとれたダガー隊を率いながらチェイス・スカルガードとモビルスーツ戦を繰り広げる。

ブリック

ジオン公国の男性軍人。階級は軍曹。スパイ行動する民間人が裏切らないように、人質にした民間人の娘ミーシャの見張り役と世話役を担う。アグレッサーと03中隊が人質を救出に来て劣勢に追い込まれるとミーシャを連れて逃げ出す。ミーシャを殺して逃亡しようとするが、自分にも同じくらいの歳の娘エリザベスがいるため情が移り、結局そのまま解放して抜け道を使って逃げる。 仲間のバリーと合流後はドムに搭乗して、追跡に来た03中隊を返り討ちにする。

バリー

ジオン公国の男性軍人。人質をとっていた家から退却して来たブリックと合流後、ドムに搭乗して、ブリックを追跡して来た03中隊を返り討ちにする。その後はダガーの隊を壊滅させたチェイス・スカルガードのレッドライダーに対して、ブリックとともに攻撃を仕掛ける。

マクシミリアン

ジオン公国軍の男性軍人。階級は大尉。グリフォン隊の隊長を務める。ハインツ・ハイウェイとダイアン・ノイスからは「マックス」と呼ばれている。ハインツとは親友の間柄で、チェイス・スカルガードは元部下。ハインツ同様、民間人が住むコロニーを地球に落下させる作戦に異を唱えており、上層部に抗議した過去がある。 抗議は受け入れらず、代償として大佐まで上がれるほどの結果を残しつつも昇進できない状態となる。今でも最前線で戦っており、地球連邦軍の本拠地ジャブロー内部へのゲートの捜索と対空兵器の破壊を担った先行部隊では河川ルートを担当。ガーランド、ブライアンとともに04部隊と05部隊を追い込み、救援に来たチェイスと死闘を繰り広げる。 戦闘中の混乱に乗じて、撤退する地球連邦軍の部隊に3人のスパイを紛れ込ませ、入手したジャブローの地図データをもとに、グリフォン隊が宇宙艦隊専用発射ゲートで核爆発を起こす「コウノトリ作戦」を実行に移す。

ガーランド

ジオン公国軍の男性軍人。グリフォン隊の一員としてマクシミリアン、ブライアンとともにモビルスーツで04部隊と05部隊を追い込み、救援に来たチェイス・スカルガードと死闘を繰り広げる。チェイスがグリフォン隊にいた時の同僚で、チェイスがクーデターを企み、民間人に犠牲を出す爆破テロを引き起こした後に地球連邦軍に逃亡したというジオン公国軍の情報を信じきっている。

ブライアン

ジオン公国軍の男性軍人。グリフォン隊の一員としてマクシミリアン、ガーランドとともにモビルスーツで04部隊と05部隊を追い込み、救援に来たチェイス・スカルガードと死闘を繰り広げる。チェイスがグリフォン隊を抜けた後に入って来たため、チェイスには裏切り者という認識しか持っていない。

ミリア・シェル (みりあしぇる)

ジオン公国軍の女性軍人。階級は伍長。グリフォン隊の一員で、隊長のマクシミリアンの娘。「白鳥」というコードネームを持ち、戦闘中の混乱に乗じて撤退する地球連邦軍の部隊にスパイとして紛れ込み、入手したジャブローの地図データをもとにグリフォン隊が宇宙艦隊専用発射ゲートで核爆発を起こす「コウノトリ作戦」でスパイ役を担う。 チェイス・スカルガード、ハインツ・ハイウェイとは2人がグリフォン隊にいる時からの知り合いで、特にチェイスには好意を抱いていただけに裏切られた憎しみが強い。

ウォルフガング

ジオン公国軍の男性軍人。階級は少佐。搭乗するモビルスーツが黒いため「黒衣の狩人」という異名がある。独立遊撃部隊・狩人部隊の隊長を務めている。チェイス・スカルガードがザクのテストパイロットをしていた時の教官でもあり、モビルスーツの操縦技術は超一流。チェイスの腕を買っており、自分の背中を守って一緒に戦ってほしいと思い、チェイスを自分の部隊にスカウトしようとした。 ジオン公国軍の軍人が軍を裏切ったという報告を受けてホルウィックの援護のために急行する。しかしホルウィックには後方待機を命令されていたが、敵の動きに気になる点を発見しザクに搭乗して出撃する。右手にザク・マシンガン、左手にヒートホークを持った戦法を得意としている。

ホルウィック

ジオン公国軍の男性軍人。階級は中佐。代々軍人一家の出身だが、銃の安全装置もかけられないほどで勲章を1つも持っていない。そのため逃亡したジオン公国軍の1機のモビルスーツの追撃という任務に、戦艦3隻にモビルスーツ6機という圧倒的戦力で挑みながらも舐めてかかって返り討ちに遭う。

集団・組織

アグレッサー

地球連邦軍が、ジオン公国からの亡命者や脱走した人間、戦争によって流れ込んだジオン系不法滞在者を集めて作った部隊。部隊章は剣とドクロ。ジオン公国軍が地球連邦軍の本拠地ジャブローを攻撃するために派遣した先行部隊を撃退するため南米の山脈に配備されている。名目上は正式な部隊となっているが、正規の地球連邦軍の軍人からは認めてもらえず、最前線に送られることが多い。 また戦果を挙げてもアグレッサーの部隊長で、メンバーの監視役を務める地球連邦軍の軍人ダグラス・トランブルに一人占めにされている。

03中隊

アグレッサーと一緒に、ジオン公国軍が派遣した先行部隊が通る南米の山脈ルートを守る部隊。部隊長はローストン。隊員全員がお揃いのベレー帽を被っている。敵側から寝返ったアグレッサーのことを認めておらず、何かと挑発を繰り返しては衝突している。

グレイブ・ファントム (ぐれいぶふぁんとむ)

地球連邦軍の高官の1人であるグレイブが組織した部隊。非合法なことを任務としており、罪の免除を条件にされた犯罪者で構成される。階級章や部隊章はつけずに行動し、メンバーもコードネームで呼び合う。

グリフォン隊 (ぐりふぉんたい)

ジオン公国軍が派遣した先行部隊の1つ。グリフォンを部隊章にしており、かつてチェイス・スカルガードとハインツ・ハイウェイも所属していた。部隊長はマクシミリアン。統率のとれた精鋭揃いで、ジオン公国内での人気も高い。

その他キーワード

レッドライダー

地球連邦軍の新型モビルスーツ。額部分のバイザーが赤いことから、ジオン公国の軍人からは「赤帽子」と呼ばれる。グレイブが主導する「ペイルライダー」というモビルスーツを開発するために、データを集めることを目的とした実験機でもある。ジムを素体としているが性能は段違いで、エルザが考案したヒートソード付きの100ミリマシンガンや、対艦でも使えるシールドと一体化した専用武器「ツヴァイ・ハンダー」などを持つ。 グレイブによって肉体強化を施された戦災孤児たちをテストパイロットとして使い捨てながらテストを繰り返し、ターニャに順番が回った時にジオン公国の襲撃を受けてターニャが気絶し、サノ・カオリに保護される。その後はカオリの独断でチェイス・スカルガードに預けられ、誰よりも上手に乗りこなし、また貴重なデータを収集することから、軍上層部もチェイスが乗り続けることを認めることとなる。

ドム

ジオン公国軍の新型モビルスーツ。腰回りが広がった形状になっているため、地球連邦軍からは「スカートつき」と呼ばれる。ホバー走行で従来のモビルスーツより素早く動くことができる。ブリックやバリーが搭乗して03中隊を追い詰めたり、2機でチェイス・スカルガードのレッドライダーに連携攻撃を仕掛ける。ジャブローに攻め入る時はダイアン・ノイスも自分用にカスタマイズされたドムに搭乗した。

ザク

ジオン公国軍の量産モビルスーツ。チェイス・スカルガードがテストパイロットを務めていた。ジオン公国が宣戦布告した日にサイド5に駐留する地球連邦軍の第3艦隊と戦闘に入り、地球連邦軍側に「今までの対艦砲撃戦の時代は終わった」と思わせるほど、今までとは異なる戦法をみせる。

クレジット

原作

矢立肇 ,

書誌情報

機動戦士ガンダム アグレッサー 20巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉

第1巻

(2015-02-18発行、 978-4091257567)

第2巻

(2015-07-17発行、 978-4091262585)

第3巻

(2015-12-18発行、 978-4091266477)

第4巻

(2016-05-18発行、 978-4091270870)

第5巻

(2016-11-18発行、 978-4091273994)

第6巻

(2017-05-18発行、 978-4091275998)

第7巻

(2017-10-18発行、 978-4091280091)

第8巻

(2018-02-28発行、 978-4091282002)

第9巻

(2018-07-30発行、 978-4091284471)

第10巻

(2019-04-26発行、 978-4091292254)

第11巻

(2019-08-30発行、 978-4091294067)

第12巻

(2020-02-28発行、 978-4098500284)

第13巻

(2020-09-30発行、 978-4098502172)

第14巻

(2020-09-30発行、 978-4098502189)

第15巻

(2021-09-30発行、 978-4098507160)

第16巻

(2022-09-30発行、 978-4098512478)

第17巻

(2023-02-28発行、 978-4098515479)

第18巻

(2023-08-30発行、 978-4098520855)

第19巻

(2024-02-29発行、 978-4098531080)

第20巻

(2024-07-30発行、 978-4098534586)

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