あらすじ
日常生活に違和感を感じながら過ごす真夏ダイチ。彼はある日、偶然ニュース番組で見かけた丸い虹に、過去の記憶を重ね合わせ、真実を確かめるために種子島へとやって来た。そこで出会った謎の少女に導かれ、ダイチは地球に迫る宇宙からの侵略者のことを知る。いつの間にか自分が謎の銃を手にしていることに気づいたダイチは、それが地球を守るための力になると確信し、アースエンジン・インパクターを起動させて「キルトガング」と呼ばれる侵略者に戦いを挑むのだった。
メディアミックス
TVアニメ
本作『キャプテン・アース』の原作として、2014年4月から9月までMBS、TOKYO MX他で放送された同名のTVアニメ版がある。この作品は、監督の五十嵐卓哉やシリーズ構成の榎戸洋司をはじめ、TVアニメ『STAR DRIVER 輝きのタクト』のスタッフが再集結して制作された。
TVゲーム
PlayStation Vita用ゲームソフト「キャプテン・アース Mind Labyrinth」が2015年2月26日にバンダイナムコゲームスから発売された。ゲームの内容はミッドサマーズナイツと遊星歯車装置のキャラクターにスポットを当てたもので、TVアニメ第23話から派生した夢世界の物語が描かれている。
登場人物・キャラクター
真夏 ダイチ (まなつ だいち)
幼い頃に母親を病気で、父親を宇宙事故で亡くした少年。それ以来、どこか満たされない日々に違和感を覚えながら過ごしている。エーリアルの導きでライブラスターを手にしたことから、アースドライバーとしてキルトガングとの戦いに身を投じることになる。やがてミッドサマーズナイツのキャプテンにも任命され、アースドライバーとしても人間的としても成長を遂げていく。
嵐 テッペイ (あらし てっぺい)
真夏ダイチが幼少期に種子島の施設で出会った少年。手に丸い虹を出現させる特殊能力を持ち、そのことを受け入れてくれたダイチに強い友情を感じている。その出生には秘密があり、「テッペイ」という名前も本名ではなく、遺伝子提供者の嵐エイジによって付けられたもの。
夢塔 ハナ (むとう はな)
褐色肌と長い黒髪が特徴的な少女。幼少期の真夏ダイチと嵐テッペイが、種子島の立ち入り禁止区域の地下に侵入した際に、液状の球体の中で眠っていた。歌を通してオルゴンエネルギー(リビドー)を操る能力を持っているなど、テッペイと同じく、その出生には多くの秘密が隠されている。
ピッツ
夢塔ハナが連れているリスに似た小動物。言葉は話せないが、ハナとは意志疎通ができている。また、オルゴンエネルギー(リビドー)を察知する能力があり、キルトガングの出現位置を予測するのに役立てていた。
夜祭 アカリ (よまつり あかり)
西久保ツトムと夜祭ツバキの娘。天才的なハッキング能力を持つ。ミッドサマーズナイツのブレーンとして、ハッカーとしての能力を情報収集や後方支援に役立てている。その能力は確かだが、自らを「魔法少女」であると語るなど、変わり者の一面も持つ。
エーリアル
無言でリコーダーを携える正体不明の少女。種子島の施設内で真夏ダイチが出会った。ダイチをアースエンジン・インパクターのもとへと導き、ライブラスターを託した。ダイチの前にだけ姿を現すが、その理由は謎に包まれている。
西久保 ツトム (にしくぼ つとむ)
GLOBE種子島基地の司令官を務める男性。真夏タイヨウとは親友の関係で、彼の戦死を見届けた人物でもある。ミッドサマーズナイツの面々を自宅で預かることになり、彼らにとっては上官というより保護者のような立場になっている。
日野 リタ (ひの りた)
GLOBE種子島基地の副司令を務める女性。西久保ツトムによってスカウトされた。そのことから、彼と恋愛関係にあるのではないかと、夜祭アカリに疑われている。
ピーター・ウエストビレッジ (ぴーたーうえすとびれっじ)
GLOBE種子島基地の科学部長を務める男性。常に冷静沈着な性格だが、モコが地球へ侵攻して来た際に、真夏ダイチをアースエンジン・インパクターに乗せて戦わせるといった大胆な指揮を執ることもある。熱くなりやすい西久保ツトムとは対照的な性格で、その冷静さゆえに、全幅の信頼を寄せられている。
広末 レイト (ひろすえ れいと)
ソルティドッグの監察官兼内務調査官を務める男性。嵐テッペイと夢塔ハナを監視するために、種子島へ出向して来た。高圧的な性格で、自身の意向に沿わない場合は、リードギアと呼ばれる機械による制裁もためらわない。
久部 マサキ (くべ まさき)
マクベス・エンタープライゼスのCEOを務める男性。神田タカシから役職と人工知能のパックを引き継いだ。自らが選んだ人間だけで理想郷を築き上げるという、「マクベス革命」を起こすため暗躍する。
パック
マクベス・エンタープライゼスが擁する人工知能。デザイナーズチャイルドやマシングッドフェローを発案した存在で、実は大きな野望を秘めている。口癖は「パックは嘘を申しません」。
神田 タカシ (かんだ たかし)
マクベス・エンタープライゼスの前社長だった壮年の男性。デザイナーズチャイルドの存在が明るみが出て一大スキャンダルとなり、自殺した。実際には別の人物によって殺害されていた。
夜祭 ツバキ (よまつり つばき)
天海道の知事を務める女性。夜祭アカリの母親でもある。夫の西久保ツトムとは既に離婚しているため独身。業務中の凛とした態度とは裏腹に、アカリの前では母親らしい優しい笑顔を見せる。
アマラ
キルトガング「アマロック」のアバター。青い髪の青年。遊星歯車装置のリーダー的な存在。他のメンバーよりキルトガングの方が優れていると考える、強い選民思想の持ち主。地球にはモコとともにクレープ屋として潜入しつつ、マクベス・エンタープライゼスでマシングッドフェローの開発も手伝っている。
モコ
キルトガング「モールキン」のアバター。ピンク色の髪とグラマラスなスタイルが特徴的な女性。アマラに対して恋愛感情を抱いているものの、恋愛に興味がない彼に、その想いを打ち明けられずにいる。
ジン
キルトガング「ジンバルド」のアバター。神田事件で行方不明になったデザイナーズチャイルドの1人。左目を半分覆っている赤髪が特徴の青年。神田事件後は警察に保護されて、養護施設で育った。
アイ
キルトガング「アイアタル」のアバター。神田事件で行方不明になったデザイナーズチャイルドの1人。アイドル歌手として活動している少女で、ファンの前では明るい姿を見せるが、実際には気弱な性格。
リン
キルトガング「リーバン」のアバター。神田事件で行方不明になったデザイナーズチャイルドの1人。水色のショートヘアが特徴的な少女。バイクにのめり込んでおり、高速道路でスピード勝負による賭けを行っている。
バク
キルトガング「バグベア」のアバター。神田事件で行方不明になったデザイナーズチャイルドの1人でもある少年。事件後は奴隷市場に売られていた。日本のヤクザに拾われてからは、非合法な地下闘技場で、チャンピオンとして君臨するようになった。
セツナ
キルトガング「セイレーン」のアバター。神田事件で行方不明になったデザイナーズチャイルドの1人。キルトガングの王族でもあり、オルゴンエネルギー(リビドー)を操る能力を持つ少女。語尾に「なのです」を付ける特徴的な話し方をする。
真夏 タイヨウ (まなつ たいよう)
真夏ダイチの父親。「キャプテン」と呼ばれて慕われていた宇宙飛行士。物語の始まる9年前に、地球侵攻を目指していたアマラを迎撃するため、インパクターのスターエンブレム号で出撃し戦死した。
真夏 トシアキ (まなつ としあき)
真夏ダイチの叔父。真夏タイヨウの死後は、ダイチを引き取って保護者を務めていた。単身、種子島にやって来たダイチを連れ戻そうとするが、彼の決意を悟って静かに見守ることを選ぶ。
嵐 エイジ (あらし えいじ)
キヴォトス計画の選抜メンバー。嵐テッペイに遺伝子提供を行った男性。天海道の方舟ブロックでコールドスリープさせられていたが、保護するためにやって来たテッペイたちの手によって目覚める。
集団・組織
GLOBE (ぐろーぶ)
世界各地に支部を持つ国家組織。キルトガングの侵攻に気付いた人類によって立ち上げられた。キルトガングとの戦いを提唱する「迎撃派」と、キヴォトス計画を推進する「方舟派」という2つの派閥に割れている。
ミッドサマーズナイツ
GLOBE種子島基地における、対キルトガング用の独立遊撃部隊。真夏ダイチがキャプテンを務める他、嵐テッペイ、夢塔ハナ、夜祭アカリらが隊員として所属している。
ソルティドッグ
広末レイトが所属しているGLOBEの監察セクション。幹部の大半は方舟派に属しており、計画遂行のためなら他者を傷つけることも厭わない過激な行動が目立つ。
マクベス・エンタープライゼス (まくべすえんたーぷらいぜす)
GLOBEへの技術協力を行っている日本の大企業。現在のCEOは創業者の一族である久部マサキ。軍需産業にも深く関わっており、デザイナーズチャイルドやマシングッドフェローの開発を独自に進めている。
キルトガング
強大な力と永遠に近い寿命を持つ完全機械生命体。生命を維持するにはリビドーが不可欠だが、自らリビドーを生み出すことはできない。そのため、人類のリビドー摂取を目的として、地球へと侵攻するためにやって来た。地球で活動する際は、人間の形をした「アバター」と呼ばれる分身体になっている。
遊星歯車装置 (ゆうせいはぐるまそうち)
組織的に活動するキルトガングたちの名称。知的生命体のリビドー収集を目的として。数千年にわたって、銀河の星々を滅ぼしてきた。その全容は明かされておらず、作中で登場するのはセツナが率いる7名の遊星歯車装置となる。一定の年齢になるまでは、キルトガングであることを知らずに成長するが、「遊星作印」と呼ばれる印が掌に浮かび上がると覚醒を果たし、本来の記憶を取り戻す。
場所
天海道 (てんかいどう)
3つの人工衛星による宇宙ステーション。地球の衛星軌道上に浮かんでいる。日本の48番目の都道府県として登録されており、正式名は「低軌道衛星基地エリア48」。各人工衛星には、「エンジン」シリーズのパーツが収容されている。
オーベロン
キルトガングの太陽系戦略拠点。天皇星衛星軌道上に存在する要塞空母の名称。GLOBE迎撃派による殴り込み作戦「オペレーションサマー」の攻略対象となった。
イベント・出来事
神田事件 (かんだじけん)
マクベス・エンタープライゼスが起こした、デザイナーズチャイルドに関わるスキャンダルの通称。最終的に神田タカシが自殺したことから、「神田事件」と呼ばれるようになった。事件の際に、5人のデザイナーズチャイルドが行方不明になっている。
その他キーワード
ライブラスター
宇宙上で唯一、無限のエネルギーを生み出すことができるとされる銃。オルゴンエネルギー(リビドー)を利用した攻撃のほか、「エンジン」シリーズを起動させるためのキーとしても使用される。全部で3挺存在しており、手元になくても、所有者の意志に応じて呼び出すことが可能。
リードギア
広末レイトが嵐テッペイと夢塔ハナを監視するために使っていた機械。起動させると、頭を締め付けるような激しい痛みを装着者に与えて、行動を封じることができる。
インパクター
キルトガングを迎撃するために、地球で開発された兵器の総称。大きく分けて操縦者が必要な有人タイプと、遠隔操作により戦う無人タイプの2種類が存在する。アースエンジン・インパクターをはじめとする「エンジン」シリーズは、GLOBEが開発したインパクターを指している。
アースエンジン・インパクター (あーすえんじんいんぱくたー)
GLOBE種子島基地で秘密裏に開発されたインパクター。当初は嵐テッペイが搭乗者になる予定だったが、エーリアルからライブラスターを託された真夏ダイチが搭乗することになる。「アースエンジン」という名称は、真夏タイヨウによって付けられたもの。
ネビュラエンジン・インパクター (ねびゅらえんじんいんぱくたー)
嵐テッペイが搭乗する有人インパクター。アースエンジン・インパクターのプロトタイプだった機体を改造して生まれたもので、「エンジン」シリーズの中で最初に完成した機体。
フレアエンジン・インパクター (ふれあえんじんいんぱくたー)
敵本拠地での戦闘を想定して開発された機体。アースエンジン・インパクターとネビュラエンジン・インパクターの予備機。アイとの戦いにおいて、夢塔ハナが搭乗して出撃した。
リビドー
人類をはじめ、肉体を持つ知的生命体の根源と呼べるエネルギー。キルトガングが狙うものは「リビドー」、メカの動力源となるものが「オルゴンエネルギー」と呼ばれている。
デザイナーズチャイルド
マクベス・エンタープライゼスが、非合法な遺伝子工学技術によって生み出した人造人間。表向きはマシングッドフェローの操縦を最適化するための存在とされているが、実際にはキルトガングが、地球での侵略活動を行うための媒体として利用されていた。
マシングッドフェロー
神経操作装置を使った汎用性マンマシンインターフェイス。マクベス・エンタープライゼスによって開発されている。デザイナーズチャイルドの脳や神経をシンクロさせることにより、高い戦闘能力を発揮するが、真の存在意義はキルトガングの野望を遂行するためである。
マルチモーダル・ビッグデータ・アナリシス・システム (まるちもーだるびっぐでーたあなりしすしすてむ)
マシングッドフェローの出現ポイントを予測するシステム。世界各地に設置されたセンサーを用いて作動する。マシングッドフェローがオルゴンエネルギー(リビドー)を放出する際に起きる地震動や電磁波伝達の変動を読み取ることにより、変化の中心点となる出現ポイントを予測するという仕組み。
ネオテニー
未成熟な性質が残る生物のことを指す言葉。作中では遊星歯車装置のメンバーが、真夏ダイチや嵐テッペイのようなライブラスターを撃つことができる者たちを意味する呼称として使用している。
エゴブロック
キューブ状の物体。キルトガングの魂や精神に関する情報が記録されている。これが破壊されない限り、キルトガングは何度でも蘇ることが可能。本人の意志なしには破壊不可能で、たとえインパクターの攻撃でも傷つけることはできない。
キヴォトス計画 (きゔぉとすけいかく)
志願者による長距離宇宙旅行。しかしそれは表向きで、実際は選ばれたエリートだけを人工冬眠させて宇宙船キヴォトスに乗せ、地球を脱出させる計画のこと。GLOBEの方舟派によって推し進められている。
レガシー
久部マサキが所有していた人工衛星。マクベス・エンタープライゼスの子会社である「シートン・カンパニー」が建造を担当した。アマラとモコが、種子島基地を壊滅させる目的で地球へ落下させようとする。
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