概要
火事によって生きる術を失った母親に捨てられた双子の赤ん坊は、熊本から旅行にきていた王島夫妻と、老ヤクザ・火浦政に拾われる。政に拾われて成長した火浦健は高校野球で活躍するが、自分のために足を洗おうとした政を殺した相手を刺してしまい、刑に服することに。
出所後に立ち直った火浦は、テスト生として東京メッツに入団し、「北の狼」の異名を持つ新人エースとして活躍する。
そんな彼の前に立ちはだかる阪神の新人スラッガー・王島大介。「南の虎」と呼ばれる彼こそ、火浦と共に捨てられた双子の弟だった。
登場人物・キャラクター
五利 一平 (ごり いっぺい)
かつては捕手として岩田鉄五郎とバッテリーを組んでいた、東京メッツ監督。岩田鉄五郎のブレーキ役として彼の言動に振り回されながらも、共にチームを束ね勝利を目指す。
東京メッツ (とうきょうめっつ)
『野球狂の詩』の登場団体。東京都国分寺市にある国分寺球場を本拠地とする、セ・リーグ加盟のプロ野球チーム。球界最高齢選手である岩田鉄五郎を筆頭に、個性的な選手が揃い人気を集めている。
火浦 政 (ひうら まさ)
赤ん坊の頃の火浦健を拾い、不器用ながらも愛情を注ぎながら彼を育てた老侠客。彼の前途のためにヤクザから足を洗おうとするが、そのために命を落としてしまう。
火浦 健 (ひうら けん)
赤ん坊の頃に北海道で捨てられていた所を老侠客・火浦政に育てられる。育ての親である彼を殺した暴力団組長への報復で刑務所に服役。出所後に東京メッツの入団テストを経て入団し、「北の狼」の異名を持つ新人エースとして活躍。 阪神タイガースの王島大介と、互いに兄弟であることをわからぬまま競い合うことに。
岩田 鉄五郎 (いわた てつごろう)
50代を過ぎてもなお現役投手としてプレイする、プロ野球界最高齢選手。野球への情熱は年老いても衰えず、球団オーナーやプロ野球連盟総裁・犬神にもくってかかれる数少ない選手である。
加代 (かよ)
火浦健と王島大介の実の母親。女手一つで二人を育てようとするも、火事で生きる術を失い赤ん坊だった二人を捨ててしまう。時が経ち、ラーメン屋で働いている時に息子である火浦健と再会。実の息子と知らぬまま、彼を励まし心の支えとなる。
王島 大介 (おうしま だいすけ)
赤ん坊の頃に捨てられた火浦健の双子の弟。北海道旅行に来ていた熊本の王島夫婦に拾われ、息子として育てられる。野球選手としての道を歩み、甲子園で優勝した後に阪神に入団。「南の虎」の異名を持つ強打者として、火浦健と兄弟だと知らぬまま新人王を争うこととなる。