世界観
ヒロインである綾之峰英里華は、1000年続く由緒正しい巫女の家系の跡継ぎ娘である。また同時にその生家は世界的大企業グループを束ねる家柄で、古来よりその地を治めてきた絶対権力者という設定を持つ。この類まれなるお嬢様と一般市民である主人公の身分違いの恋の行方が作品のテーマの1つになっている。
あらすじ
私立綾之峰学園に通う安田登郎は、同じ学園に通う綾之峰英里華に想いを寄せていた。しかし相手は学園の生徒会長であり、世界でも有数の巨大企業総帥の令嬢。所詮は叶わぬ恋であるはずだった。ところがある時、登郎はある泉の畔で偶然英里華の姿を見かける。その泉は周囲の環境から大声を出しても反響しない特殊な場所であり、「叫びの泉」という通称で知られていた。英里華はそこで暴言を吐いて、日頃の鬱憤を晴らす習慣があったのである。そんな淑女らしからぬ行動を見られた英里華は、口封じのため登郎に危害を加えようとするが足を滑らせ、泉に転落してしまう。するとその直後、泉から髪の色だけが異なる2人の英里華を伴って女神が出現。「金の彼女と銀の彼女、あなたが落としたのがどっちですか?」と登郎に問いかけるのだった。
メディアミックス
2015年4月17日、コミックス第3巻発売に合わせ、ドラマCDが発売された。内容はコミックス第1~2巻に収録されているエピソードをピックアップしたもの。主なキャスティングは安田登郎役を岡本信彦、綾之峰英里華役を堀江由衣、綾之峰銀華役を沢城みゆきが演じている。
アシスタント
各コミックスのクレジットには、制作協力として関係者の名前が並んでいる。代表的な人物として、「共同制作」名義でチャーリーにしなか、中島零。同じく「共同制作」及び「カラー色塗り師」としていちば仔牛。その他「Special Thanks」として剣崎ぢゅんの名前が挙げられている。
登場人物・キャラクター
安田 登郎 (やすだ のぼろう)
私立綾之峰学園の普通科に通う男子。頭が良いわけでも容姿が優れているわけでもないごく普通の男の子だが、唯一優れたクライミング技術を有し、5階建ての校舎の側壁を楽々登攀する腕を持つ。入学式で出会った綾之峰英里華に一目惚れして以来、なんとか仲良くなろうとしているが、彼女の取り巻きに邪魔されてばかりいる。ある時偶然にも叫びの泉で英里華と出会い、英里華が綾之峰銀華と分裂する原因の一端を作り、秘密を共有することになる。
綾之峰 英里華 (あやのみね えりか)
私立綾之峰学園の生徒会長を務める女子。綾之峰学園を創立し、その他にもさまざまな企業を持つ世界的企業「アヤノミネグループ」の総帥を親に持つ。長く美しい黒髪に整った容姿を持ち、常におしとやかで穏やかな性格の完璧な人物。しかし本心では家柄でしか自分を判断しない周囲の反応に辟易しており、自分の人生を悲観している。ある時、叫びの泉で日頃の鬱憤を晴らすため大声を出していたところを安田登郎に見つかり、隠蔽を図るも足を滑らせ泉に転落。 以降、泉の女神の力によって綾之峰銀華と分裂し、髪が金髪になる。なお、その後の付き合いから登郎に対しては素直に自分を見てくれる人物であり、身分の差を問わずにデートに誘ってくれたとして好ましく思っているが、さまざまな思惑から素直になれないでいる。 何かというと物事を恐竜にたとえるほどの恐竜好き。嫌いな食べ物は梅干し。
綾之峰 銀華 (あやのみね ぎんか)
泉の女神の秘術「金と銀」によって、綾之峰英里華と分裂したもう1人の英里華。見た目は英里華とまったく同じだが、髪の色だけが異なり、こちらは銀色の髪を持つ。また泉の女神いわく、英里華とは完全に同一人物だが構成する要素に偏りがあるとされており、性格や言葉遣いはかなり乱暴で粗野になっている。分裂後、一度は英里華とともに綾之峰家に帰ったものの、曾祖母であり家をまとめる綾之峰百合華の決定で幽閉されそうになって逃亡。 綾之峰学園で隠れていたところ安田登郎と出会い、家に匿ってもらうことになる。髪の色が銀色であることから英里華と分別して「銀華」と名付けられるが、登郎からは「偽之峰」と呼ばれたりすることもある。
泉の女神 (いずみのめがみ)
綾之峰家の所有する山にある叫びの泉に住まう女神。泉に向かって「綾之峰英里華をデートに誘うチャンスをくれ」と言った安田登郎の願いと、「こんな人生は嫌だ、自由になりたい」といった綾之峰英里華の願いを受け、泉に落ちた英里華を2人に分裂させた。実は綾之峰家が代々祀っている女神であり、瞳には綾之峰家の巫女たちがかぶる覆面と同様の模様が浮かんでいる。 なお、泉に住んでいるものの水があるところになら出現できる力を持ち、安田家の風呂場に現れたこともある。
バヤリー・芹沢・マクミラン (ばやりーせりざわまくみらん)
綾之峰学園の生徒で、綾之峰英里華親衛隊の隊長を務める女の子。髪型はミディアムボブで、メガネをかけている。親衛隊隊長の名は伊達ではなく、学園内のみならず私生活でも綾之峰英里華に付いて回り、身の回りの世話を担当している。英里華に不用意に近づく者に関しては男女問わずに高圧的な態度を示す苛烈な性格で、特に安田登郎に対しては敵意をむき出しにし、「下郎」と呼んで蔑む。 なお、英里華の専属執事でもあるジーヤ・芹沢・マクミランとは姉妹。ジーヤの妹であることから登郎には「バーヤ」と呼ばれている。
犬屋敷 愛怒歌 (いぬやしき まどか)
綾之峰学園の生徒で、綾之峰英里華親衛隊の一員の女の子。褐色の肌を持ち、常人の1.5倍はあろうかという巨体に筋骨隆々という規格外の体格を誇る。綾之峰英里華親衛隊の中でも力でならず者をねじ伏せる近衛班の隊長であり、安田登郎を片手で担ぎ上げ、数十メートル先まで投げ飛ばすことができるほどの怪力の持ち主。 彫りが深く、陰影の強調された相貌をしており、顔は常に影がかかっていて眼光と口元の表情しか読み取れない。しかし髪型はおさげの三つ編みで可愛らしく、また丸く可愛らしい文字を書く他、サインに犬のイラストを用いる乙女な面もある。語尾に「ブフォウ」と付けてしゃべったりすることから、安田からは「ブフォウ」とあだ名されている。
猿渡 静音 (さるわたり しずね)
綾之峰学園の生徒で、綾之峰英里華親衛隊の副隊長を務める17歳の女の子。前髪を下し、常に片目を隠した茶髪のロングヘアに鋭い目つきを持ち、いつもマスクを着用して竹刀を担いでいるという昔のヤンキー女学生風の出で立ちが特徴。しかし、綾之峰英里華関連のこと以外では常識的な発言が多く、また荒事はほぼ犬屋敷愛怒歌が担当するため、見た目に反して存在感は薄い。 そのせいか、第1話から登場していたにも関わらず、名前はコミックス第6巻が初出だった。本人の発言から安田登郎とクラスメイトであることが分かっている。
ジーヤ・芹沢・マクミラン (じーやせりざわまくみらん)
英里華様付教育係兼専属執事という肩書きを持つ女性。毛先を内巻きにしたミディアムヘアにカチューシャを付けた髪型と目つきの悪い瞳が特徴。バヤリー・芹沢・マクミランの姉であり、学園内では妹が、プライベートでは主に姉が、綾之峰英里華の付き人を担当している。妹とは違い、あまり感情を表に出さないタイプだが、英里華やその分身である綾之峰銀華への忠誠心は高く、また妹にも歪んではいるが深い愛情をもって接する。 そのため、この2人のことになると普段とは違う感情を見せることがある。英里華と銀華が分裂し、綾之峰家から脱走した銀華が安田登郎に助けを求めたのを聞きつけ、銀華とともに安田家に居候することになった。元軍属だった過去があり、ずば抜けた身体能力を誇る。 愛車はフェラーリ458スパイダー。
綾之峰 百合華 (あやのみね ゆりか)
綾之峰英里華の曾祖母。現在の綾之峰家の当主であり、その一言に逆らえるものはいない。泉の女神の力によって分裂した2人の英里華を見て、金色の髪を持つ英里華を本物とし、銀色の髪を持つ綾之峰銀華に関しては地下牢に閉じ込めて幽閉するようにと命を下す。叫びの泉の伝承について何か知っているような素振りを見せるが、その思惑は定かではなく、謎に包まれている。 なお、英里華の他、綾之峰家に関する人間は綾之峰百合華のことを、天皇の側に仕えた女性や天皇の妻について用いられる呼称である「大刀自」と呼ぶことがある。
綾之峰 万里華 (あやのみね まりか)
綾之峰英里華の叔母であり、綾之峰財閥の代理当主を務める女性。綾之峰家の行事などの一切を取り仕切る手腕を誇る女傑であり、英里華を養子に迎えて綾之峰の次期当主として厳しく躾ける役割を果たす。しかし、綾之峰家に関することには厳しいものの英里華のことを大事に思っており、その身に危険が及んだ場合は守る母性も持ち合わせる。
綾之峰 征綺華 (あやのみね ゆきか)
綾之峰征麻呂の長男だが、どう見ても女の子にしか見えない容姿を持つ男性。単純に女の子のように見えるというだけではなく、本人が望んで女性の恰好をしたがる性癖を持つ。レイヤーの際立ったロングヘアが特徴。神のお告げがあったとして、綾之峰英里華の見合い相手に選ばれ、結婚を迫る。性格面は男性的なのか女性的なのか分からず、お見合いの儀で英里華に関係を迫ったと思いきや、その際に見知った安田登郎にアプローチをかけたりとかなり混沌としている。 また英里華の曾祖母である綾之峰百合華と共謀している一幕が描かれるなど謎が多い。
綾谷 真琴 (あやたに まこと)
新学期から綾之峰学園に着任してくる予定の女性体育教師。着任に先駆けて日曜補習を担当することになり初登場する。褐色の肌と暴力的なまでの巨乳を持ち、ポニーテールの髪型が特徴。年齢は26歳で独身。授業に向かうため廊下を歩いていたところ安田登郎と衝突するが、この際勢いあまって胸にキスをされる。真琴が育った南米の片田舎では未婚女性の胸にキスをするのはプロポーズの意味合いを持つことから、登郎を恋人にすると宣言。 それを聞いた綾之峰英里華、綾之峰銀華と対立し、登郎をかけた勝負をけしかける。
当間 真珠 (とうま しんじゅ)
安田登郎の幼なじみである14歳の少女。登郎が綾之峰市に引っ越してくる前の知り合いで、毎年夏になると安田家が当時住んでいた村の近くの避暑地に家族で遊びに来ていた。遊びに来るたびに登郎が面倒を見ていたうえ、真珠がまだ小学校5年生の頃、山で遊んでいた最中に暴れ猪と遭遇。その窮地に登郎が助けに駆け付け、励ましてくれたことから、登郎を異性として強く意識している。 小学校6年の頃に両親の仕事の都合でアメリカへ留学したが、最近日本へ帰国してきた。なお、登郎から呼ばれるあだ名の由来は、名前の真珠を英語に変換し、女性の「子」を付けたもの。
安田 峰嶺 (やすだ みねね)
安田登郎の23歳の姉。綾峰大学の大学院生で、考古学の研究に携わっている。喜怒哀楽が豊かで天真爛漫な性格。しかし、わくわくして感情が高ぶると、ついやってはいけないことをしてしまうという困った癖を持っている。そのため、高校時代には「わくわくテロリスト」という異名で呼ばれていた経緯を持つ。登郎が綾之峰銀華を回転寿司屋に連れて行った時にたまたま遭遇。 銀華に興味を持ち、わくわくしてセクハラを仕掛けた。なお、登郎によれば年齢的に彼氏がいないことを気に病み、露出の多い服装を選ぶ傾向にあるという。
佐東 加奈子 (さとう かなこ)
安田登郎のクラスメイトで、綾之峰銀華の友人。ショートカットの髪型をした活発な女の子。銀華が綾之峰英里華から分裂した人物とは知らないため、割とくだけた態度で気さくに接してくれる。銀華から見れば初めて対等な立場で接してくれる友人であるため、樹村志保とともに大事にしている。
樹村 志保 (きむら しほ)
安田登郎のクラスメイトで、綾之峰銀華の友人。ミディアムボブの髪型と、太い黒縁アンダーリムのメガネが特徴。普通科の生徒ながら非常に落ち着いた柔らかい物腰をしており、口調も丁寧。語尾を伸ばすゆるい感じの話し方をする。ちなみに普通科に通う女子生徒だが、のちに一般的に見ればかなりのお金持ちで豪邸に住んでいることが判明する。 このように一定以上の階級のお嬢様ではあるが、銀華から見れば対等な立場で接してくれる数少ない友人であるため、非常に大事にされている。
あいつらA
安田登郎のクラスメイトでメガネをかけている男子。登郎とはかなり仲が良く、中野東ふとしとともによく3人で絡んでいる。第1話から登場しているものの、名前が紹介されておらず、登郎の回想で「あいつらA」と呼ばれたのがせいぜいである。メガネをかけているだけで自称「知的メガネキャラ」と設定しており、それっぽいアドバイスを登郎に送ることもある。 モニターの向こう側に嫁がいる。
中野東 ふとし
安田登郎のクラスメイトで若干太り気味の体型が特徴の男子。登郎とは仲が良く、あいつらAとともによく3人で絡んでいる。綾之峰学園における数少ない同性のクラスメイトということで登場頻度はそれなりに多かったが、しばらくの間は登郎の回想で「あいつらB」と呼ばれ、名前がなかった。しかし、あることで親がメイドカフェを経営していることが発覚し、それがきっかけでついに名前が判明した。 すでに糖尿の気があり、医者から甘いものを控えるように忠告されている。
スズシロ
綾之峰学園の生徒で、綾之峰英里華親衛隊の一員の女の子。親衛隊では上級隊員でメイド班の副班長を務める。丸く大きな目を持つ穏やかな性格で、話す時は語尾を伸ばす癖がある。
ナズナ
綾之峰学園の生徒で、綾之峰英里華親衛隊の一員の女の子。親衛隊の見習い隊員であり、諜報班に所属する。巨乳が多い諜報班の中ではバストサイズが小さいほう。黒髪のショートボブにカチューシャを付けた髪型をしており、敬語を使用する際、「~っす」という言葉遣いをする。
キキョウ
綾之峰学園の生徒で、綾之峰英里華親衛隊の一員の女の子。親衛隊の中ではメイド班に属する。髪型は黒髪のショートボブ。かなり吊り上がった目つきが特徴で、見た目相応にハキハキと物をいう性格。時折時代がかった言葉遣いをする。
綾之峰 歌凛子 (あやのみね かりんこ)
当代の星読みの巫女姫であり、天文方を統べる女性。見た目は10歳前後の幼い容姿だが、綾之峰英里華も子供の頃から修行を受けてきた巫女の師匠であり、実際の年齢は不明。少なくとも十数年前には巫女の指導者として就任していることが分かっている。自身の見た目にコンプレックスを持っており、「ロリババア」と称したり、子供のような扱いをした者には特に容赦がない。 このことから綾之峰家の巫女の間では「ベビーフェイスの悪魔」と渾名され、英里華によれば過酷な修行を受けて挫折した者は二桁には収まらないという。星読みの巫女としての力は本物で、左目に綾之峰家の刻印が浮かぶ不思議な瞳を持つ。その瞳で未来を見通すことができるというが、なぜか安田登郎に関わることははっきりと占うことができないでいる。
御曹司 (おんぞうし)
綾之峰市内のファーストフード店でお茶を嗜んでいたたるんだ体格の男性。全身真っ白なスーツを着込み、武田川という巨漢の付き人を従えている。食事をしていたところ、店員のミスで靴にケチャップをかけられてしまい、その謝罪として一晩デートすることを要求した。武田川いわく「綾之峰ご本家の方より来られた遠い親戚筋の御曹司」というが、実は綾之峰の名を騙った偽物。 綾之峰銀華に行動を見咎められ、土下座して謝罪する。
武田川 (ぶたがわ)
御曹司に仕えている付き人の男性。逆立てた金髪に分厚い唇が特徴の巨漢で、スーツ仕立てのスラックスにベスト、蝶ネクタイをつけた執事風の服装に身を包んでいる。ファーストフード店で食事をしていた御曹司に対し、女性店員がケチャップをかけてしまったことを過剰に叱責し、口汚く罵って謝罪を要求した。その際、御曹司のことを「綾之峰御本家の方より来られた遠い親戚筋の御曹司」と騙っているが、実は綾之峰の名を騙った偽物。 綾之峰銀華に行動を見咎められ、土下座して謝罪する。なお、苗字のせいで「豚」という罵り言葉には過剰な反応を示す。
綾之峰 征麻呂 (あやのみね ゆきまろ)
アヤノミネグループ傘下企業の中でも5本の指に入るほどの大企業である綾之峰電子の社長を務める男性。綾之峰の分家筋の人間であり、綾之峰英里華の曾祖母である綾之峰百合華の長男の息子。下まつげの長い垂れ目が特徴で口髭を生やしている。かつて英里華の10歳の誕生日パーティーの場で、綾之峰家が女系一族であることに異を唱え、本来であれば自分が家督を継いでいたはずと語り、さらにその上で次代の家督を継承する英里華に対し、一方的な求婚をした経緯がある。 一度はそのかどで綾之峰電子USA支社長に就任させられるという、いわゆる国外追放処分が下されたものの、英里華のお見合いの儀の相手として、息子の綾之峰征綺華を伴って現れる。
鈴 鈴麗 (りん りんりー)
綾之峰征綺華のSPである征綺華親衛隊の隊長を務める女性。吊り上がった目つきと細く腰ほどまで編み込んだ後ろ髪が特徴。お見合いの儀から逃げ出した綾之峰英里華と安田登郎を追い詰めるも、目の前で取り逃がしてしまう。片言の日本語を話し、また言葉の一部に英語を用いる特徴的な話し方をする。
御船崎 (みふねざき)
綾之峰学園温室園芸部の部長兼英里華様非公式ファンクラブの会長を務める女の子。毛先をまっすぐに切り揃えた長い黒髪を持つ古式ゆかしい髪型をしている。綾之峰英里華に急接近した安田登郎を仇敵と見なし、偽のラブレターを送って呼びつけ、落とし穴にはめようと試みる。なお、温室育ちのお嬢様であるため、落とし穴を掘ったあとは腕が筋肉痛で悲鳴を上げ、登郎への罠が成功したかどうかを見る余裕もなかった。
佐江枝 鈴女 (さえぐさ すずめ)
綾之峰英里華の中等部からの友人で、実家は旧華族のお嬢様。髪型は花のモチーフのついたバレッタでまとめたポニーテール。恋愛事に興味津々で、英里華と安田登郎の関係がどこまで進んだのか気になって仕方がない。
神宮寺 神楽 (じんぐうじ かぐら)
綾之峰英里華の中等部からの友人で、実家が大寺院のお嬢様。毛先をキレイに切り揃えた和風のロングヘアと、古来の公家のような太めの眉毛が特徴。安田登郎のことを英里華の窮地を救った王子様的存在と信じ込んでおり、英里華の口から「まだ付き合っていない」という言葉を聞いて、自分にもチャンスがあるのではとはしゃいでいる。なお、あくまでちょっとした興味の対象として、自分を助け出してくれる王子様像に憧れているだけで、登郎本人に対して本気で入れ込んでいるわけではない。
海王子 (とりとん)
天鏡島の本島に住むブフォウ族の第1王子。高い身長に加え、引き締まった肉体を持ち、精悍な顔立ちと美しい長髪を持つ男性だが、その見た目に反してかなりの変態。自分の肉体美が何より美しいと考えるナルシストであり、その肉体を見せびらかしたいがため、裸体に腰蓑と巨大な獣の角で作った股間ケースのみを着用した姿を正装としている。 祖先であり、ブフォウ族の偉大な王であった武布王が綾之峰家の姫を妻に迎えていたことから、自分も綾之峰の姫を妻に迎えるべく、天鏡島でバカンス中だった綾之峰銀華をさらい、関係を迫った。
武布王 (ぶふぉう)
戦国の時代に、国を追われた綾之峰一族を助けたブフォウ族を治めていた王。綾之峰への助力の見返りとして当時の綾之峰家の姫を妻として迎え入れ、後世にまで脈々と伝わる綾之峰家と犬屋敷家の関係を築き上げた。
伝説のマッサージ師 (でんせつのまっさーじし)
かつて同人即売会などのイベント会場に現れたとされる人物で、体を治す整体ではなく、短時間のみの疲労回復に特化したマッサージを得意としていた。
集団・組織
アヤノミネグループ
古来より綾之峰市周辺を治めてきた綾之峰一族の末裔が運営している企業、またその傘下グループの総称。世界的にも有名な大企業であり、判明しているだけでも綾之峰学園の運営や、テレビなどのメディア、銀行、病院、ホテル、電子工業関連企業があり、世界各国に支社を持つ。グループの総帥は代々綾之峰一族が継ぐ同族企業。一族の歴史は千年におよび、戦国時代にはすでに綾之峰市周辺を治めた城主の血筋を持ち、また泉の女神を主神とした巫女を祖先に持つ。 このことから現在のアヤノミネグループのトップには女性が就くという習わしがあり、綾之峰英里華は次代のアヤノミネグループ総帥となるべく英才教育を施されている。
綾之峰英里華親衛隊 (あやのみねえりかしんえいたい)
アヤノミネグループの幹部を親に持つ子女たちで構成された集団。名前の通り、綾之峰英里華の親衛隊であり、身の回りの世話や護衛などを主任務としている。親衛隊の面々は綾之峰学園にも通っている生徒だが、綾之峰家の所有する特別な女子寮に住んでいる他、英里華が関係する綾之峰家の行事に参加するため、学園を休むこともある。 親衛隊は大きく3班に分かれており、日常の世話や公式業務の手伝いなどを行うメイド班、情報収集や各種工作を行う諜報班、周囲の危険からその身を守る近衛班があるが、その他参謀、事務方など裏方の班も存在する。また隊員の中にも序列があり、各班の班長らを除いて上級隊員、平隊員、見習い隊員に区別されている。隊長であるバヤリー・芹沢・マクミランをはじめ、隊員にボブカットの女性が多いことから「おかっぱ隊」と呼ばれることもある。 なお、登場している隊員は主要隊員を除き、春や秋の七草の名前が付けられている。
メイド班 (めいどはん)
綾之峰英里華親衛隊の1部隊。綾之峰英里華の身の回りの世話や公式業務をサポートする役割を持つ。班長は親衛隊の隊長も務めるバヤリー・芹沢・マクミランが兼任しており、以下副班長としてスズシロが、一般の班員としてキキョウが所属している。
諜報班 (ちょうほうはん)
綾之峰英里華親衛隊の1部隊。情報収集や各種工作、またサイバー関連業務を取り行う役割を持つ。班長は親衛隊の副隊長も務める猿渡静音が兼任しており、以下副班長にナデシコ、その他エリンギや見習い隊員のナズナなどが所属している。班の任務内容とはまったく関係がないが、なぜか巨乳が多い。
近衛班 (このえはん)
綾之峰英里華親衛隊の1部隊。武力をもって綾之峰英里華に迫る危険を排除する役割を持つ。その性質から隊員は主にブフォウ族の出身者が選ばれる。班長は犬屋敷愛怒歌、以下ススキ、ハコベイランなどの隊員が所属している。
温室園芸部 (おんしつえんげいぶ)
綾之峰学園に存在する部活動の1つ。主な活動内容は「温室で育つ美しい花を愛でること」だが、部員たちいわく「美しい花」とは綾之峰英里華のことを指すという、かなり強引に曲解した活動を行っており、その実態は英里華様非公式ファンクラブである。ファンクラブとしての名称は「姫百合の園」。さまざまな理由から英里華と距離を縮めつつある安田登郎を害虫として攻撃対象にした。
天文方 (てんもんかた)
一族の繁栄のために綾之峰家が設立した特殊な部門。星を読み、未来を占うことを目的とし、古来より綾之峰家に関わりのある天鏡島に籍を置く。そのトップには未来を読み解くことができる星読みの巫女姫が就くことが習わしとされている。
天鏡島怒留不員 (あまかがみじまどるふぃん)
天鏡島周辺の海域でイルカに手綱をつけて暴れまわっている珍走団。首領である海王子を中心に構成員のすべてがブフォウ族で固められている。天鏡島でバカンスを楽しんでいた綾之峰銀華をさらい、海王子の嫁として迎え入れようとした。
近衛巫女 (このえみこ)
綾之峰家に仕える巫女集団のうち、特に綾之峰百合華の周囲に侍る者たちのこと。いくつかの組に分かれているようだが、現在登場しているのは山組のみ。1つの組の中で巫女大将を中心に小頭などの肩書きが付けられている。肩書きのない通常の近衛巫女でも一般人とは比べようのない実力を誇り、ブフォウ族と同等に戦うことのできる戦力を誇る。
しほかな本舗 (しほかなほんぽ)
樹村志保と佐東加奈子の2人が作った同人サークル。昔からの志保の趣味のせいでメイドものの同人誌ばかりを制作している。なお、毎回のように同人即売会に参加しているが、完売した経験は一度もない。
場所
綾之峰学園 (あやのみねがくえん)
アヤノミネグループが運営している私立学園。周囲では有名なお嬢様学校であり、アヤノミネグループ総帥の娘である綾之峰英里華が通学している他、由緒正しい家柄の娘らが通う女子校として知られていた。2年前から共学に変更されたものの、お嬢様学校のイメージは根強く、いまだに生徒の男女比は1:5。1学年では野球の試合もできないという発言があるほど男子生徒の数は少ない。 学科は普通科と特別科の2つがあり、いわゆる良家の令嬢たちはほとんど特別科に所属している。学科によって履修科目に違いがあり、同じ教室で授業を受けることはきわめて稀で、校舎も分かれているため、学科を超えて交友することは少ない。なお、校舎は中世の西洋城塞が移築されたもので、至るところに隠し通路があったりするが、一般生徒にはその存在が知られていない。
叫びの泉 (さけびのいずみ)
綾之峰家が所有している綾峰山にある寂れた神社の裏側に湧き出ている泉。泉の奥には注連縄の張られた洞窟が見える。周囲が岩壁と森に囲まれた僻地にあり、どれだけ大きな声を出しても辺りに反響することがなく、また人が来ることも少ない。このことから大声を出してストレス発散をするのにうってつけの場所として、安田登郎や綾之峰英里華が利用していた。 英里華はこの泉に誤って落ちてしまったことで泉の女神の力により綾之峰銀華と分裂することになった。
生徒会特別室 (せいとかいとくべつしつ)
綾之峰学園ロビー塔の最上階にある生徒会専用の部屋。しかしそれは表向きの話であり、実質は綾之峰学園生徒会長である綾之峰英里華の私室と化している。学園内では綾之峰英里華親衛隊に阻まれ、英里華と話をすることもできない状況だったため、安田登郎が特技のクライミング技術を活かして侵入。初めて言葉を交わして英里華をデートに誘った場所。
綾之峰市 (あやのみねし)
日本にある行政区域のひとつ。古来より綾之峰家が絶大な権力を持って治め続けてきた地域であり、市の名前にまで家名が使われるほどの影響力を誇る。また、周辺地域にある企業や店舗はそのほとんどがアヤノミネグループの傘下企業であり、綾之峰銀華いわく「日本という国の中にある、綾之峰という名前のもうひとつの国」というほどで、綾之峰市に住む者で綾之峰家に逆らおうとするものはいないという。 なお、安田登郎やその家族は綾之峰市に引越してきてまだ日が浅く、それほど綾之峰家に対して深い畏怖を持っているわけではない。
奥屋敷 (おくやしき)
綾峰山の山深くにある綾之峰家の別邸であり、主に綾之峰百合華の住んでいる場所。また綾之峰家全体で行われる祭事などに利用されることがある。かつて戦国時代に使われていた綾峰城の跡地をほぼそのまま使用しており、深い山に覆われ、周囲を高い城壁に固められた鉄壁の守りを誇る。
瑠璃紺の塔 (るりこんのとう)
綾之峰学園にある施設の1つ。正確には「女子多目的ホール」という名前だが、もっぱら瑠璃紺の塔という通称で呼ばれている。女子多目的ホールというだけあって男子生徒の立ち入りは禁止。中にはお嬢様専用のプール施設などが入っている他、最上階には綾之峰英里華のみが使用できる特別浴室が備えられている。綾之峰銀華によれば、英里華が校内で1人きりになれるのは入浴時ぐらいなもので、独りになりたい時は必ずこの場所を訪れるという。
学生食堂 (がくせいしょくどう)
綾之峰学園一般校舎にある食堂。学校関係者ならば誰でも利用することができるが、特別科の生徒らが使う通称お嬢様校舎には別の食堂があり、特別科の生徒が利用することはめったにない。
綾峰山 (あやみねさん)
綾之峰家の本家や奥屋敷、叫びの泉などがある山。山全体が綾之峰家の敷地となっており、山の麓にある正門から本家の離れに至るまででも車で10分ほどかかるほど広大な敷地を誇る。山内は常に厳重な警備網が張られており、関係者でなければみだりに山に入ることすら許されない。しかし、ジーヤ・芹沢・マクミランの情報によれば、綾峰山の北側にそびえる崖側のみ警備が手薄になっている箇所があり、綾之峰家の一部の者のみが知る秘密の抜け道なども多数存在する。
スイートほるすたいん
中野東ふとしの親が経営しているメイド喫茶。安田登郎が世間知らずの綾之峰銀華に頼まれて、「非肉体系で非単純系で、銀華の特技を活かせてクールで刺激的、しかも職場にエアコンがあるアルバイト」を探していて行き着いた。店内は空席が見当たらないほどの客で埋まっており、かなり繁盛している。なお、このメイドカフェでは綾之峰銀華の友人である樹村志保が前々から働いており、銀華が体験入店した際も彼女に引き留められ、しぶしぶ閉店まで働く羽目になった。
天鏡島 (あまかがみじま)
本州から南に数百キロメートル離れた場所に浮かぶ孤島で、綾之峰家の別荘のある地。本島と離島の2つの島からなる。その環境から非常に星が良く見えるため、本島には綾之峰家天文方という特殊な部門が置かれている。日曜補習における綾之峰英里華、綾之峰銀華、綾谷真琴の対決において、銀華が勝利を収めたことで安田登郎との一日デート先として採用された。
岬の洞窟 (みさきのどうくつ)
天鏡島最南端の岬にある洞窟。近くに海に向かってせり出した岩場があり、その先端に立つと周囲を海と空だけに囲まれた絶景を拝むことができる。かつて綾之峰英里華がまだ幼少の頃に母親とたまたま発見した場所で、その際に母親と2人だけの秘密の場所として、将来のお婿さん以外には紹介してはいけないと約束をしていた。しかし、綾之峰銀華はその思い出を忘れてしまっており、スコールを避けるために安田登郎を連れてきてしまう。
はまあやの展望台 (はまあやのてんぼうだい)
安田登郎たちが住む家から数駅離れた場所にある展望台で、海に隣接した高い崖の上に作られている。登郎に想いを寄せていた当間真珠が、その想いを伝えるために選んだ場所。しかし、実際に行って告白をしようとしたところ、思わぬアクシデントによって台無しになってしまう。
綾之郷美しの湯サブーンパレス (あやのごううつくしのゆさぶーんぱれす)
安田登郎たちの住む街から電車1本で行ける場所にあるアミューズメント一体型スーパー銭湯。園内では20種類の温泉が楽しめる他、さまざまなアトラクションが併設されており、水着を着て男女一緒に楽しむことができる画期的なシステムになっている。また美容と健康に効果の高い泉質になっているため、若い女性を中心に人気が高い。本来は日本に帰国した当間真珠を歓迎し、姉の安田峰嶺からもらったチケットで登郎が招待する予定だった。 しかし向かう道すがら2人が偶然綾之峰銀華に出会ったため、3人で訪れることになる。
イベント・出来事
世紀の大恐竜展 (せいきのだいきょうりゅうてん)
綾之峰市から電車で行ける下綾野駅の近くで行われていた展示会。目玉はティラノサウルスの実物骨格。とある事件で鬱憤を貯め始めた綾之峰英里華の姿を見かねた安田登郎が学校をサボッて無理やり連れて行った。なお、英里華によれば、その展示会が行われたアトランティカ下綾野展示ホールは綾之峰家の所有物件であり、主催もアヤノミネグループだろうと予測されている。
お見合いの儀 (おみあいのぎ)
急遽行われることになった綾之峰英里華のお見合い行事。綾之峰家は代々女系の一族であり、結婚する場合は必ず婿を取ることになること、そしてお見合いとは名ばかりで断ることの許されない取り決めであることから「婿取りの儀」とも呼ばれる。見合いは結婚相手と初めて顔を合わせる「顔合わせの段」、次に見合いの本番である「会食の段」を経て、初夜に向けて身を浄める「入浴潔斎の儀」、そして結婚する2人で契りを交わす「初夜の儀」をもって終了となる。 なお、結婚相手は綾之峰家の主神である泉の女神によって決められるとされているが、泉の女神本人によれば、綾之峰家に絡んだのは先々代当主である綾之峰百合華の時代までのことであり、今回の英里華の結婚相手に関しては神託を下していないと語っている。
日曜補習 (にちようほしゅう)
綾之峰学園において、成績不足だったり出席日数の足りない者が必ず受けなければならない補習授業。本来、普通科クラスと特別科クラスの補修は別のカリキュラムだが、稀に両科合同で行われる例外的措置もある。綾之峰英里華や綾之峰銀華、安田登郎の他、綾之峰英里華親衛隊の面々は、お見合いの儀の一件で長期欠席をしてしまったため、補習を受ける羽目になった。
その他キーワード
華の姫 (かのひめ)
綾之峰家において、次代の当主たるべく選ばれた者のみに許される称号。綾之峰家は千年続く巫女の血筋であるため、家督を継ぐのは女性と決まっている。そして当主となるべく育てられる娘は名前に「華」の1文字を冠するという取り決めがある。綾之峰英里華によれば、華の姫を受け継ぐものはもはや個人ではなく綾之峰家そのものであるため、その身全てを御家のために尽くさねばならない運命だという。
俺調べ英里華七癖観察メモ (おれしらべえりかななくせかんさつめも)
安田登郎が綾之峰英里華の一挙手一投足を観察、調査することで得られた、英里華の癖に関する情報をまとめたもの。一部内容が判明しており、メモその3は「強がっている時は高確率で髪をいじる癖」、その8には「エッチな気分の時は内股になる癖」があるとされている。しかし、その情報の真偽のほどは定かではない。
やまわろ
人里離れた深い山奥に住むとされる妖怪。人の子供の姿をしているといわれる。山における河童のような存在であり、山に入ってきた子供にイタズラをしたり、時にはその身をさらって食べることもあると伝えられている。綾之峰英里華は過去に過酷な英才教育を詰め込まれて心神喪失になった際、1人で山中を彷徨い歩いて崖から転落し、やまわろに出会ったことがある。
ブフォウ族 (ぶふぉうぞく)
天鏡島の本島集落に存在する一族。かつて天鏡島に住んでいた鬼を祖先に持つとされ、男女を問わず、およそ全員が褐色の肌と筋骨隆々の巨体を持つのが特徴。戦国時代、武士の興隆によって国を追われた綾之峰一族が、ブフォウ族の力を借りて国を取り戻したという歴史があり、それ以来、ブフォウ族は綾之峰一族の「守り鬼」として武力による守護を司っている。 そしてその大恩に報いるため、綾之峰一族は天鏡島にブフォウ族の国を作り、また犬屋敷という苗字を与えて現在に至るまでさまざまな便宜を図っている。
星読みの巫女姫 (ほしよみのみこひめ)
綾之峰家における天文方を統べる巫女のこと。星を読み、未来を見通す力を持つとされている。また泉の女神を祀る巫女の性質を持っており、綾之峰家の巫女たちのトップ。巫女たちの育成も任されている。
復活の呪文 (ふっかつのじゅもん)
作家が過去にまだ稚拙だった頃に作った作品を朗読すること。未熟だった頃の作品は、多くの作家にとってかなり気恥ずかしいものであり、朗読することで絶大な精神へのダメージと引き換えに強烈な覚醒効果を与えることができる。同人誌の執筆作業で徹夜を続け、ついに倒れてしまった樹村志保を起こすために用いた。
バブルザヘブン
安田登郎の家にあった入浴剤。1箱15袋入り。パッケージに「強力!!! 爆炭酸入浴剤」とあり、浴槽に入れるとシュワシュワした炭酸が立ち上る。登郎の家に居候することになった綾之峰銀華が初めて風呂に入ろうとしたところ、たまたま目につき、本来1回につき1袋が適量のところを箱に残っていた7袋を全て投入して入浴。その結果、かなり気に入った様子で、以降安田家の浴室に常備されるようになっている。
海老天南蛮麻婆カレーうどん (えびてんなんばんまーぼーかれーうどん)
綾之峰学園の学生食堂で提供されているメニューの1つ。見た目は、麻婆カレーの入ったうどんに海老天が乗ったものに、おにぎりが2個と漬物がつく。名称から南蛮要素もどこかにあると思われるがどこにあるのかは不明。安田登郎のお気に入りのメニューであり、綾之峰銀華が初めて正式に綾之峰学園に登校した際、綾之峰英里華として生活していた頃には食べることがなかったものを味わいたいとして頼んだ。
トキメキセンサー
綾之峰征綺華が趣味で作ったスマホアプリ。人間の心臓は、驚きやトキメキによって心音が早くなるが、感情によって鼓動の動きが異なる。これを利用し、アプリを起動したスマホを対象の胸に当てることで、トキメキ度合いを「LOVE」という単位で数値化して表示するというもの。なお安田登郎が見た目だけは美少女である征綺華に抱きつかれた状態のトキメキ指数は「102LOVE」。 対して綾之峰英里華に膝枕で耳かきをしてもらった時は「2615LOVE」を記録した。
ブラック・ダイヤモンドシャーク (ぶらっくだいやもんどしゃーく)
海王子が身に着けている特殊な股間ケース。ケース全体を鮫にたとえ、ボディは黒曜石で、瞳はダイヤモンドで作られた超硬度を誇る代物。ブフォウ族の始祖であり、偉大な王であった武布王に倣って、ブフォウ族の王家の男子は代々槍で戦うことが定められており、ブラック・ダイヤモンドシャークは海王子にとっての槍であり、戦闘用の特別仕様だという。
ネコ穴付き試作ネコミミメイド服バージョン2 (ねこあなつきしさくねこみみめいどふくばーじょんつー)
樹村志保たちが参加した同人誌即売会で、綾之峰銀華に売り子として客を集めてもらおうという算段で着せたもの。親がメイド喫茶を経営する中野東ふとしが、流行のネコランジェリーにヒントを得て試作したもので、メイド服の胸の部分に猫の顔の形をした穴が開けられている。
金と銀 (きんとぎん)
泉の女神が使う秘法。水面に映し出された姿を実体として分裂させることができるという術。安田登郎と綾之峰英里華が叫びの泉にかけた願いを聞き届け、秘法を用いて、泉に落ちた英里華を2人に分裂させた。この秘法によって分かれた2人は基本的に同一人物なのだが、多少構成する要素などに違いがあるとのこと。実際、分裂した後、金の髪を持つ英里華はドロドロとした気持ちが晴れたような気分がすると言い、銀の髪を持つ綾之峰銀華は言葉遣いや対応が暴力的になっている。
ブラホック外し (ぶらほっくはずし)
安田登郎が使う特技。対象のブラジャーのバックホックを探り当て、服の上から片手の指先のみで一瞬のうちに外すことができる。小学校6年生頃に使用していたものの、学級会でつるし上げられて以来封印していたが、綾之峰英里華からひと時も離れないバヤリー・芹沢・マクミランに対して使用し、怯んだ隙に綾之峰英里華を連れ去ることに成功した。
禁断の脇腹アタック (きんだんのわきばらあたっく)
安田登郎が使う特技。対象の脇腹を絶妙なタッチでつつき、その反応を楽しむ技。学校を抜け出して訪れた世紀の大恐竜展で、展示物に夢中になって追っ手に気づかないままだった綾之峰英里華を正気に戻すために使われた。ちなみにブラホック外し同様、過去に学級会で吊るしあげられた過去があり、禁断シリーズの第2弾と銘打たれている。
校長室に呼ばれたスカートずらし (こうちょうしつによばれたすかーとずらし)
安田登郎が使う特技。何のひねりもなく、対象のスカートをつかんでずらし、脱がしてしまう技。登郎と綾之峰英里華が学校を抜け出して訪れた世紀の大恐竜展で、英里華を連れ戻しにきたバヤリー・芹沢・マクミランをまくために使われた。ちなみに、ブラホック外しや禁断の脇腹アタックに続き、禁断シリーズ第3弾と銘打たれているが、中学校の時に使って校長室に呼ばれた時はわざとではなかったと弁明している。
奥義・ミズカマキリ爆弾 (おうぎみずかまきりばくだん)
安田登郎が使う特技。水中にいるミズカマキリを捕まえて対象に向かって投げつける。小学校4年生の夏にプールの授業で、誤ってクラスメイトの女の子に投げつけ、それを原因に反省文を書かされて以来封印してきたという。爆弾と名前が付いているが爆発するわけではない。
必殺布団蒸しボディプレス (ひっさつふとんむしぼでぃぷれす)
安田登郎が使う特技。掛布団を前面に大きく跳ね上げて対象の視界を奪い、その掛布団ごとボディプレスで押しつぶす。なお、正式名称は「中学校の修学旅行で女子に誤爆して一晩正座させられた必殺布団蒸しボディプレス」である。過去に同じ技を使った時の出来事をそのまま技名にしているだけの様子。
布団ごとジャーマンスープレックス (ふとんごとじゃーまんすーぷれっくす)
安田登郎が使う特技。必殺布団蒸しボディプレスからの連続派生技。必殺布団蒸しボディプレスによってダウンした相手を掛布団ごと抱え上げジャーマンスープレックスをかける。過去にこの連続技によって中学校時代の同級生であり、修学旅行で見回り委員をしていた東雲という女生徒を気絶させてしまっている。
股間真空斬 (こかんしんくうざん)
海王子が使用する技。腰を高速で横に振り、身に着けた股間ケースで空を斬りさく。その速度によって真空を生み出して離れた相手にも斬撃を与えることができる。応用技として「トリプルアクセル真空斬」があり、空中で横回転することによって幾重にもかまいたちを生み出すことができる。
股間ジャベリン (こかんじゃべりん)
海王子が使用する技。股間ケースを付けた状態で鋭く腰を突き出すことで、股間ケースを槍に見立てて刺突を放つ。応用技として「股間ジャベリン三叉撃」がある。こちらは高速で何度も股間ジャベリンを突き出すことで目にもとまらぬ連撃を放つ技。
安田流疲労回復マッサージ (やすだりゅうひろうかいふくまっさーじ)
安田登郎が使う特技。過去に姉である安田峰嶺によって仕込まれたもので、絶妙なタッチのマッサージを施すことで、受けた者の疲労を回復することができる。その効果は、精神と肉体両方の疲れでまともに線すら書けない状態の人間を10分間のマッサージだけで2時間元通りに体が動くように戻すことができる。しかし副作用があり、制限時間を超えた後は強烈な疲労感に襲われるという。
ローマの休日2014 (ろーまのきゅうじつにせんじゅうよん)
安田登郎が綾之峰英里華をデートに誘うために観に行こうと提案した映画作品。以前に英里華が観に行きたいと話していたのを聞き、チケットを用意して英里華に渡そうとした。しかし、生徒会特別室に忍び込んで、デートに誘っていたところを綾之峰英里華親衛隊の面々に見つかり、バヤリー・芹沢・マクミランによってチケットは没収、その場で破り捨てられた。
ロシアン銀髪メイドは帰国子女 (ろしあんぎんぱつめいどはきこくしじょ)
樹村志保と佐東加奈子が所属する同人サークル「しほかな本舗」が制作した同人誌。ロシア帰りの帰国子女で銀髪を持つ主人公の銀子が、見た目のそっくりな大富豪の黒髪お嬢様にメイドとして雇われるという内容のもの。お色気描写はあるが、成人向けではない健全な同人誌。