概要・あらすじ
時は明治。文明開化により栄えた港町、横濱が舞台。異国人の血を引く16歳の少女の茉莉亜は、髪を黒く染め、碧眼を前髪で隠して生きていた。ある日、茉莉亜は母に連れられ、母が女中として働く事になった名家、黛家に挨拶に行く事になった。その道中、洋服に身を包む女学生たちに気を取られ、茉莉亜は思い切りガス灯に頭をぶつけてしまった。うずくまる茉莉亜に、一人の青年が声をかけ、手を差し伸べる。しかし茉莉亜は顔を真赤にし、逃げるようにその場を去る。青年は茉莉亜が落としたハンカチを拾うが、そこには「M」のイニシャルがあった。黛家にたどりついた茉莉亜は、女中頭に用を言いつけられる。学校にいる、黛家の子息の麟太郎に、忘れ物の本を届けてほしいという。学校に向かった茉莉亜は、そこでさっきの青年と再会する。彼こそが麟太郎だった。麟太郎は、拾ったハンカチを茉莉亜に渡すが、イタズラでそこにカエルを忍ばせる。茉莉亜のオデコにカエルが飛びつくが、彼女は慌てず騒がずその場を立ち去る。泣いたり怯えたりすると、相手をつけあがらせる。茉莉亜は幼い頃から母のそういう教育を受けていたのだ。翌日、図書館にいる茉莉亜のところへ、またしても麟太郎がやってくる。どうも、普通とは違う茉莉亜に興味を持っているらしい。図書館からの帰り道、二人は雨に降られる。雨は茉莉亜の髪の色を落としていく。慌てた茉莉亜は駆け出すが、足を滑らせて、助けようとした麟太郎共々、川へ落ちてしまう。茉莉亜を川岸に引き上げた麟太郎は、すっかり色が落ち、本来の金髪碧眼になった彼女を見て「人魚姫みたいだ」とつぶやく。自分の本当の姿を見られてしまった茉莉亜は泣きながら家へ帰るが、これが身分も出自も超えた恋の始まりであった。
書誌情報
金色ジャパネスク~横濱華恋譚~ 5巻 小学館〈フラワーコミックス〉
第1巻
(2019-02-26発行、 978-4098703968)
第2巻
(2019-06-26発行、 978-4098704934)
第3巻
(2019-11-26発行、 978-4098706594)
第4巻
(2020-03-26発行、 978-4098708062)
第5巻
(2020-07-27発行、 978-4098710713)