概要・あらすじ
冥府にある十王庁では死者の生前の罪業を裁いていた。その中の閻魔庁、召喚課では裁判に関する様々なトラブルを扱う部署。仕事は基本、死者を召喚する事からそこで働くものは「死神」と呼ばれる。都筑麻斗は九州地区を担当し、パートナーの黒崎密とトラブルを解決しに各地に派遣され、時には潜入捜査などもしていた。
ある事件の黒幕であった外科医である邑輝一貴と出会い、二人は自分達が忘れていた、また知らなかった事実を告げられ自分たちの過去が明らかになっていく。
登場人物・キャラクター
都筑 麻斗 (つづき あさと)
1900年2月24生まれ。26歳で自殺。血液型B型。左利き。閻魔庁召喚課、別名死神課に所属。閻魔庁にトップで入り、18人の死神の中で最も強い呪術力と、最高クラスの式神を12匹も従えている。しかし上を目指す事も無く、70年ヒラとして仕事の少ない第2領域の九州地区を担当。基本はスーツ姿で仕事をしている。 流架という姉がいて、社交ダンスを仕込まれている。甘い物好き。見かけは美味しそうだが、まずいものを作る。紫の瞳に、漆黒の髪。
黒崎 密 (くろさき ひそか)
1980年10月18日生まれ。16歳。血液型AB型。都筑麻斗のパートナー。霊力が非常に強く、治癒・防御系の能力がとても高い。自分の意思とは関係なく他人の感情にシンクロする能力があるが、霊力が強すぎて自分では制御することができない。触られるとさらに感情が流れ込んでくるために、触られる事を嫌う。 邑輝一貴が人を殺していた現場を見てしまったことにより、邑輝一貴に病死に見せかけて呪殺された。生前は鎌倉のとても古い旧家の17代目。
邑輝 一貴 (むらき かずたか)
1964年12月4日生まれ。血液型A型。銀髪に銀色の瞳。東京で勤務医をしている。他人の精気を吸収して自分の霊力として変換することができる力を持つ。昔事故で右眼をつぶしてしまって義眼になっている。自分が犯した殺人現場を黒崎密に見られ、彼を呪殺した。祖父の邑輝雪貴も医者で、生前の都筑麻斗の主治医であった。 祖父の研究を引き継ぎ、残された資料から都筑麻斗が人間のものではない遺伝子情報を持つ存在である事を知り、自分の目的のために都筑麻斗を欲する。
近衛 (このえ)
都筑麻斗の上司で、閻魔庁召喚課の課長。甘党で各地に出張する部下達にお土産をよく頼んでいる。都筑麻斗がよく建物などを破壊する事から気苦労が多い。
倶生神 (ぐしょうしん)
書庫の司書。兄弟同じ姿形をしている。とても真面目。くちばしを持つ鳥みたいな顔をしている。都筑麻斗のサポートを任されたときは、どちらかがついてきて、その間の仕事は残されたほうがしている。
巽 征一郎 (たつみ せいいちろう)
12月27日生まれ。29歳。血液型A型。近衛課長の秘書。都筑麻斗の3番目のパートナーだったが、都筑麻斗を見ると悲しそうな泣き顔で無理をして笑う母を思い出し、自分の心が壊れそうになってしまい、耐えられないので3ヶ月ですぐに別れた。都筑麻斗がいろいろなところで建物などを破壊するので召喚課はいつも赤字。 それに頭を悩ませた巽征一郎は節約の鬼となる。かつて十王庁に二人しか存在しなかったといわれる幻の術士、影使の一人。もう一人の影使は巽征一郎の師。
亘理 温 (わたり ゆたか)
1953年4月18日生まれ。24歳。血液型O型。京都生まれの大阪育ちで関西弁を話す。機械工学博士で第6領域の近畿を担当する死神。機械や絵など命を持たない無機物に魂を吹き込み進化させる能力を持っている。専門は機械工学なのだが、妖しい薬を精製したりするのが趣味で、都筑麻斗たちを実験台にしようとすることもある。
鳥居 さや (とりい さや)
閻魔庁召喚課勤務、第9領域の北海道担当。雪深い北海道のため、冬は北海道から出ることがほぼできない。パートナーは蕗屋弓真。都筑麻斗が作る、見かけは美味しそうだが味はまずい料理も、美味しいと思える味覚オンチ。黒崎密のことを気に入ってちょっかいをかけて、女装させようなどと考えたりしている。
蕗屋 弓真 (ふきや ゆま)
閻魔庁召喚課勤務、第9領域の北海道担当。雪深い北海道のため、冬は北海道から出ることがほぼできない。パートナーは鳥居さや。都筑麻斗が作る、見かけは美味しそうだが味はまずい料理も、美味しいと思える味覚オンチ。黒崎密のことを気に入ってちょっかいをかけて、女装させようなどと考えたりしている。
寺杣 始 (てらずま はじめ)
閻魔庁召喚課勤務、第4領域の中国地方担当の死神。パートナーは閂若葉。生前は警察に勤めていて、弓道に秀でている。すごい女嫌いで、女性に触られると体に取り憑いた火眼黒狻猊(かがんこくしゅんげい)に変身してしまう。そしてその暴走を止める役割をパートナーの閂若葉がしている。また天候が崩れると、湿度によって膨張し体の外に出ようとする。 能力があるのに、だらだらとしている都筑麻斗のことが気に入らない。
閂 若葉 (かんぬき わかば)
閻魔庁召喚課勤務、第4領域の中国地方担当の死神。パートナーは寺杣始。セーラー服を着て天然パーマの長い髪をしている。雨の日は髪がまとまらなくて悩んでいる。代々巫女の家系で、幻想界へと続く門の開閉の権限をもつ「鍵(キーパー)」と呼ばれる存在。門は玄武、蒼龍、朱雀、白虎の4門あり、閂若葉は朱雀門の「鍵(キーパー)」。 「鍵(キーパー)」は左右の眼の色が違う人間で、閂若葉の右目は綺麗なオレンジ色をしている。
伯爵 (はくしゃく)
冥府のはずれにある、人間たちの命を管理し記録する役割をもつロウソクの館の主。透明で仮面と手袋をしている手のみが見える。都筑麻斗のことを大変気に入っていて、なにかと都筑麻斗のお願いをきいてあげる。そしてそのツケの返済に都筑麻斗に体で払えと要求するが、いつも踏み倒されている。ロウソクの館にはワトソンという本場イギリスから来た、ゾンビのおじいちゃん庭師がいる。
壬生 織也 (みぶ おりや)
表の顔は老舗の高級料亭・鼓鶴楼の若旦那。裏の顔は高級官僚や政治家御用達の隠し女郎部屋の総元締め。邑輝一貴の大学時代の友人。和服を着ている長い髪の男性。武道にかなり精通している。霊力が高く、霊体になった死神の姿も見ることができる。
マリア・ウォン
日本でも活躍する香港の歌姫。母親とは義理の親子。財産目当ての結婚をした母親に苛められ、何度も自殺をはかっている。十王庁のデータには彼女は手首を切って自殺したことになっているが、なぜか生きていて都筑麻斗と出会う。
東城 緋冴 (とうじょう ひさえ)
19歳。鬼籍に名前が載って3ヶ月も死なずに生き続けていることから十王庁で問題になる。両親とは幼い頃に死別していて、唯一の肉親の兄、蘇芳も最近事故で亡くなった。苦労をかけて育ててくれた兄の遺志を継ぐために、この世に強い思いが残って生きながらえていた。
水無瀬 聖 (みなせ ひじり)
私立の音楽学校に通う天才バイオリニスト。両親は死亡している。外見は黒崎密にそっくりだがアカの他人。角膜の病気で失明しかかっていたが、事故死した音無達也という男性の角膜提供により治る。しかしその角膜には音無達也が悪魔サーガタナスとかわした契約書が刻印されていた。
華京院 椿 (かきょういん つばき)
椿の花が大好きで、いつも髪や服につけていたことから椿姫みたいだからと、椿姫と呼ばれるようになる。心臓が弱く数年前に心臓移植手術をうけている。そのときの執刀医が邑輝一貴。
その他キーワード
十王庁 (じゅうおうちょう)
『闇の末裔』に登場する機関の名前。死後の世界といわれる冥府で、死者の生前の罪業を裁く機関。その中でも閻魔庁は閻魔大王が治める十王庁の筆頭。都筑麻斗が勤めるのは閻魔庁の中の召喚課で、裁判に関する様々なトラブルを専門に扱う部署。召喚課の職員は18名で「死神」と呼ばれ、地位は高いが給料は安い。