概要・あらすじ
入院中の少年・瞳と知り合った郁美は、その寂しい境遇に同情してしばしば見舞いに訪れるようになる。彼氏である大輔を伴ってお見舞いに行った後、大輔の周囲で奇妙なことが起こり始める。高橋留美子が発表した初のシリアス作品。出口の見えない孤独の中で超能力を暴走させる少年の姿を描くホラー短編。
登場人物・キャラクター
大輔 (だいすけ)
ラグビー部に所属する男子高校生。バイク乗り。郁美と交際をしている。
郁美 (いくみ)
大輔と交際をしている女子高生。病院の窓から落ちたボールを拾って届けたことがきっかけとなって、瞳と知り合う。寂しい境遇の瞳に同情して、その後もお見舞いに訪れるようになる。
瞳 (ひとみ)
病院に入院している少年。母親は死に、父親は仕事がいそがしいため、いつも病室にひとり。病気でベッドから起き上がれないため、友だちと呼べる存在は小鳥のピーピングトムだけである。ひょんなきっかけから見舞いに訪れるようになった郁美を独占したいと考える。毎晩、熱を出して、日に日にやつれていく。
ピーピングトム
『闇をかけるまなざし』に登場する動物。瞳が病室で飼っている小鳥。カゴと外界を自由に行き来できる。