概要・あらすじ
オカルトファンタジー作品「復讐(リベンジ)ドール」でかつてヒットを飛ばした漫画家・油田仙太郎は、自分勝手な振る舞いと投げやりな手抜き原稿で人気を低迷させていた。うまくいかない現状に苛立ち、周囲の人間を逆恨みする油田のもとに、人を呪い殺せるという人形・サンジュサマが送られてくる。性格最悪な漫画家のもとに送られた、呪いの人形を巡る騒動を描いたホラーコメディ短編。
登場人物・キャラクター
油田 仙太郎 (ゆだ せんたろう)
33歳男性。週刊少年ヒート誌で「J-1女学園」を連載中の漫画家。かつて「復讐(リベンジ)ドール」というオカルトファンタジー作品をヒットさせたが、現在は鳴かず飛ばずで、少年ヒート誌の読者アンケートでも最下位を記録するなど、人気を低迷させている。二日酔いで連載を落とす、編集者である冷水の確認を無視してまったく違う内容に原稿を仕上げるなど、いい加減で自分勝手な上に、嫉妬心が強く、八方ふさがりの現状を周囲の人間のせいにして逆恨みしている。 新人アシスタントの風見俊介が仕上げアシスタントの美月に好意を抱いていることを知った上で、美月と男女の関係になるなど、性格が非常に悪い。
冷水 (ひやみず)
漫画誌・週刊少年ヒート誌の編集者。油田仙太郎を担当するが、気弱な性格で、自分勝手な油田に振り回されている。サンジュサマの呪いにより、タクシー乗車中に追突事故に遭い、ムチウチになる。
美月 (みつき)
23歳女性。漫画家・油田仙太郎の仕上げアシスタントを勤める。油田とは男女の関係。サンジュサマの呪いにより、ものもらいになる。
風見 俊介 (かざみ しゅんすけ)
21歳男性。漫画家・油田仙太郎の新人アシスタント。才能にあふれる若者で、油田が落とした連載の穴埋めとして掲載された読み切りが好評で、少年ヒート誌で集中連載することが決定している。
火村
漫画誌・少年ヒートの編集長。十数年前、「復讐(リベンジ)ドール」連載中の油田仙太郎を担当していたが、油田とそりが合わず、油田の直訴により、青年誌に異動した過去がある。読者アンケート最下位の「J-1女学園」を終了させ、態度の悪い油田をお払い箱にしようとする。
サンジュサマ
『リベンジドール』に登場する人形。旧家の土蔵から発見された呪いの人形で、「復讐(リベンジ)ドール」のファンだった読者により、作品のアイデアに使ってほしいと油田仙太郎に送りつけられた。その目を黒く塗りつぶして、呪う相手の名前を口にすることで、対象に呪いが降りかかる。呪いの程度は塗りつぶす目の大きさに比例して変わり、縦に3つ並んだ目のうち、一番大きな目に願うことで、対象を呪い殺すことができる。 3つの目を黒く塗りつぶし、呪いが完了するまでは、捨てても捨てても元の場所に戻ってくる。