概要・あらすじ
生まれ故郷の雨無村役場に就職した春野銀一郎は、再会した幼馴染み・谷恵に心惹かれるが、その恵は共通の友人でもある春野澄緒にひそかに恋しており、一方の澄緒は銀一郎に対して特別な感情を抱いていた。そんなある日、澄緒が村を出て行ってしまい、恵は落胆する。一方、銀一郎は、かつて3人で見た想い出の桜を名物として、村おこしのための祭りを立ち上げることを提案する。
登場人物・キャラクター
春野 銀一郎 (はるの ぎんいちろう)
山岡県雨無村役場産業課主事。東京の大学を卒業後、生まれ故郷である雨無村に戻ってきて、雨無村役場に就職する。大学の頃につきあっていた彼女とは、就職を機に別れる。雨無村に戻ってから、幼馴染みである谷恵に惹かれている。村おこしのために祭りを企画し、実現させるべく奮闘している。
春野 澄緒 (はるの すみお)
銀一郎の4つ年下。資産家の息子。コンビニでアルバイトをしている。村のアイドル的存在で、村中にファンがいる。実は昔から女の子が苦手で、銀一郎に対して特別な感情を抱いている。東京に行った際、銀一郎に「好きだ」と告白し姿を消す。その後、スカウトされて俳優としてデビューすることになる。
谷 恵 (たに めぐみ)
銀一郎の友人。地元の給食センターに勤める。ぽっちゃりした体型で、お団子結びにした髪型が特徴。言葉遣いは荒いが、料理上手で面倒見が良い。俳優の駒夫木君の大ファンで、しばしば東京に舞台を見に行っている。澄緒に恋をしているが、言い出せないでいる。
谷 タマ子 (たに たまこ)
雨無村役場産業課係長。恵の母。10年間、雨無村役場の戸籍係をしていた。役場では銀一郎の隣の席で、なにかと銀一郎の面倒を見ている。戸籍係としてのキャリアを活かして、銀一郎に嫁を紹介することを周囲から期待されている。
三竿 (みさお)
雨無村役場住民課。結婚しており、子どももいる。澄緒のファンの一人で、澄緒が働くコンビニまでお弁当を買いに行く。気さくな美人で明るく、役場のムードメーカー的存在。
八又 (やつまた)
猟友会所属の猟師で、ヌートリアなどを駆除している。元は銀行の支店長だった。子どもたちに「わし出没注意」などと言ってからかっている。
春野 カズエ (はるの かずえ)
雨無村の住人で、村役場によくクレームをつけにくる。澄緒の母サヨコが役場に乗り込んできて銀一郎に詰め寄った時は、自分のクレームを主張し、結果的に銀一郎を助ける形となった。
谷 龍也 (たに たつや)
恵の弟で、16歳の時に出来婚をして高校を中退した。リーゼントに髭という出で立ちで、とても17歳には見えない。言動もかなり大人びている。
マユ子 (まゆこ)
恵の高校の同級生。とてもふくよかでぽっちゃりした体型で、肌つやも良い。恵が銀一郎に紹介するつもりで会わせたが、偶然その場にやってきた澄緒を見て、一目でファンになってしまった。
春野 サヨコ (はるの さよこ)
澄緒の母親。澄緒が突然、姿を消してしまったことで狼狽し、村役場に乗り込んできて、息子の家出の原因は銀一郎に東京についてあれこれ吹き込まれたからだとして詰め寄った。
高岡 チイ子 (たかおか ちいこ)
銀一郎の大学時代の恋人。雨無村役場に就職するという銀一郎に対し、都会で働きたいと言って別れたが、のちに銀一郎の友人の本田と結婚する。
イベント・出来事
桜祭り (さくらまつり)
『雨無村役場産業課兼観光係』に登場する祭り。山の中腹にある樹齢500年以上の雨無村大桜を見どころとして、村おこしのために銀一郎が企画した。人気俳優となった澄緒が参加するとテレビで発表したため、1回目から予想以上の客が押しかけてきた。その後は雨無村の行事として定着した。名物は「恵の餅」。