女子校を舞台にした王道百合物語
本作の舞台となっているのは女子校。文武両道で見目麗しい2年生の日向夏月は、女子校の王子(プリンス)と呼ばれ、ファンクラブまで存在する人気者である。周囲からちやほやされているが、日向の心は満たされない。憧れが強いせいで、誰もまともに会話してくれず、空虚な日々を送っていた。そんなある日、転校生の呉竹春との出会いが、日向の日常を変えていく。春は日向を特別視することもなく、放課後に学校案内してほしいと言う。他の女の子と違ってフランクに接し「友達になってほしい」と無邪気に笑う春に、日向はときめきを感じる。本作は、初めての感情に戸惑いながらも仲よくなっていく、日向と春の姿をほのぼのと描いた、王道百合物語である。
王子様系女子×子犬系女子
日向は、成績もスポーツテストも学年トップを誇り、ファンからのプレゼントにも神対応で接する女子校の王子である。また、学校中の部活動からヘルプを頼まれることも多い。みんなから頼られ、慕われてはいるが、孤高の存在である。一方、明るく無邪気な春は天然なところがあり、みんなが遠巻きにしている日向にも遠慮なくグイグイ近づく。初めこそ面食らっていた日向だが、すぐに春の言動にワクワクするようになり、ある日衝動的にキスをしてしまう。その後、恋愛感情を自覚した日向は、春に交際を申し込む。答えがはっきりしない春だったが、日向とのキスは嫌じゃなかった。そして、自分の気持ちをはっきりさせたい春は、これまで以上に日向と一緒に時間を過ごすことを提案する。
恋のライバル登場で波乱の予感
自分の気持ちを保留し続けていた春だったが、初デートや海の家のバイト、夏祭りといったイベントを経て、日向に恋をしていることに気づく。日向の告白への返事をためらう中、突如現れたのが瑞木希咲という同級生だった。体が弱く久しぶりに学校に来た希咲は、「運命の相手だ」と言っていきなり春に抱きついた。夏休みに、道でうずくまっていたところを介抱された時に一目惚れし、それ以来春にゾッコンだという。「春は自分の恋人だ」と宣言する日向に対し、希咲は「春を奪う」と、真っ向から宣戦布告する。
登場人物・キャラクター
日向 夏月 (ひなた なつき)
女子高等学校の2年生。173センチメートルの高身長と黒のロングヘアーが特徴。成績は学年トップでスポーツ万能、美しい容貌からファンクラブまで存在し、「王子(プリンス)」と呼ばれている。放課後に教室で寝るのが日課で趣味はクロスワード。転校生の呉竹春に惹かれ、恋愛感情を抱く。
呉竹 春 (くれたけ しゅん)
女子高等学校の2年生。身長は149センチメートルと小柄で、八重歯と桃色のミディアムヘアーが特徴。元気で明るい性格。「ヘン・テコ」という変わったキャラクターが好きでグッズを集めている。2年生の夏休み直前に、日向夏月のクラスに転入してきた。王子様扱いされている日向にもまったく動じず、フランクに接したことで日向と仲よくなる。
瑞木 希咲 (みずき きさき)
女子高等学校の2年生。日向夏月、呉竹春の同級生。日向と同程度の高身長で、ショートカットと黒のチョーカーが特徴。病気のため、入学してほぼ登校しなくなっていたが、2年生の夏休み明けに復帰した。はっきりとした強気な性格で、春への好意をストレートに告白する。
書誌情報
雪解けとアガパンサス 4巻 KADOKAWA〈電撃コミックスNEXT〉
第1巻
(2023-03-25発行、 978-4049149524)
第2巻
(2023-10-26発行、 978-4049153330)
第3巻
(2024-05-27発行、 978-4049157543)
第4巻
(2025-01-27発行、 978-4049162530)