疲れきった女が死ぬほど癒やされるために。

疲れきった女が死ぬほど癒やされるために。

スランプ中の小説家の坂井千尋は、癒やしを求めて入ったペットショップで、自らを「ペット」と称する女性のナギと出会う。陰気で対人関係を苦手とする千尋と、なんでもできるがストーカー気質のナギの同居生活を描く、癒やし系ストーリー。「ジーンピクシブ」で2019年5月から配信の作品。

正式名称
疲れきった女が死ぬほど癒やされるために。
ふりがな
つかれきったおんながしぬほどいやされるために
作者
ジャンル
百合
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あらすじ

第1巻

3日も徹夜続きで作業していた小説家の坂井千尋は、担当編集者からの電話でボツを出され、完全に心が折れてしまった。自分を見失った千尋は、朦朧とする意識のまま、癒やしを求めてペットを飼おうとペットショップに駆け込む。そこで千尋は一匹の猫を気に入るが、その際に自分が猫アレルギーであることが発覚。それでも、どうしても癒されたいのだと千尋が店員に懇願していると、彼女の前に一人の女性が姿を現す。その女性は店員を無視し、自分を飼わないかと千尋にアピール。判断力の低下している千尋はその女性を撫で回し、気に入って家へと連れ帰るのだった。翌朝、ベッドで目を覚ました千尋は、昨日の荒唐無稽な出来事を思い出して夢だったのかと納得しそうになるが、そこに昨日の女性が朝食を手に姿を現す。彼女の手料理のおいしさに心の底から感動した千尋は、さらにゴミ屋敷のようだった部屋の中がピカピカになっていることに気づく。当初は彼女を説得して帰ってもらおうと考えていた千尋だったが、現状を見て世間体よりも癒やしを取り、彼女を「ナギ」と呼んで同居することを決めるのだった。そんな千尋にナギは、自分が千尋のストーカーであることを告げ、自分を千尋の小説のネタにしてはどうかと持ち掛ける。

登場人物・キャラクター

坂井 千尋 (さかい ちひろ)

小説家を生業とする女性で、年齢は32歳。黒髪のショートカットで胸が非常に小さく、サイン会に来たファンに男性とまちがえられることもしばしば。丸3日風呂にも入らず徹夜を続け、食事はカップラーメンに栄養ドリンクのみだったりと生活リズムも非常に乱れており、慢性的に目の下に濃く大きなクマができている。デビュー作がヒットしたが、現在はスランプに陥り、二作目の構想に煮詰まっている。担当編集者の柴田にせっつかれたことにより、精神的に追い詰められて、癒やしを求めてペットショップを訪れ、そこで自らを「ペット」と名乗るナギと知り合う。そのまま彼女の勢いに押されて家へと連れ帰り、同居生活を送るようになった。ナギには「ちーちゃん」と呼ばれている。陰気で自己肯定感が非常に低く、押しの強い相手にはついつい流されてしまうところがある。だが、酒を飲むとすぐに酔って明るく強気で饒舌になり、人に対して簡単に好意を表現しては、ドギマギさせる小悪魔的なところがある。ただし、坂井千尋本人は、自分が酔っているあいだのことはいっさい覚えていない。

ナギ

坂井千尋の押しかけペットとなった女性で、年齢は26歳。本名は「綿谷凪沙」。淡い色のふんわりとしたロングヘアで、耳の上あたりで外はねさせた特徴的な髪形をしている。かわいらしい顔立ちをしているが身長が高く巨乳の持ち主で、人懐っこく、千尋には「大型犬のようだ」と評されている。ある日、ペットショップを訪れた千尋の前に姿を現して、徹夜や仕事へのプレッシャーで判断力の低下している彼女に、動物ではなく自分をペットとして飼うようにアピール。そのまま千尋の家にお持ち帰りされることとなり、同居生活を開始した。炊事、洗濯、掃除はもちろんマッサージに至るまで、ありとあらゆる家事においてプロ並みの知識と腕前を誇り、同時に千尋の仕事を完璧にサポートしたりと、ペットというよりは千尋の保護者兼家政婦のような立場となっている。一方で自分のことを「千尋のストーカー」と公言し、千尋の方はまったくナギのことを知らなかったにもかかわらず、千尋の身長や体重、スリーサイズはもちろん、学歴から性格、食べ物の好き嫌いまですべてしっかりと理解している。ほかに、千尋の担当編集者である柴田の性格や考え方に至るまで事細かに把握していたりと、千尋に関するもので知らないことはないレベル。また、仕事をしているように見えないうえ、20代の若さであるにもかかわらず、買い物の支払いはブラックカードで済ませるなど、その素性には謎が多い。

柴田 (しばた)

坂井千尋の担当を務める男性編集者で、年齢は37歳。無造作なショートヘアで無精ひげを伸ばし、眼鏡を掛けている。目つきが非常に鋭いことに加え、低い声で威圧的に話すうえに話す内容は基本的に千尋の人格否定。さらに千尋と二人で打ち合わせをする際には、彼女の注文も勝手に決めてしまったりと独善的なため、千尋には非常に恐れられ、苦手に思われている。実は千尋に思いを寄せており、これらの行動は、千尋の好みが「リードしてくれる男性」であることを知って、それに合わせていたためである。酔い潰れた千尋を迎えにきたナギに、敵意丸出しでそのことを指摘されて罵倒され、以降は千尋に対する態度も少し丸くなる。なお、千尋との打ち合わせはつねに居酒屋で行っているが、これは彼女が酔わないと本心を明かしてくれないためで、千尋がナギと知り合うまでは、柴田が毎回酔い潰れた千尋を家まで送っていた。

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