雷火

雷火

古代日本を舞台に、特殊な能力とカリスマ性を持つ少年ライカの活躍を描いたヒロイックファンタジー。邪馬台国と周辺の国々を舞台に、魏をはじめ当時のアジア諸国を絡めた壮大な歴史ドラマの側面も持つ。

正式名称
雷火
ふりがな
らいか
作画
原作
ジャンル
バトル
 
時代劇
 
和風ファンタジー
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

魏国張政邪馬台国を自分の物としようと画策していた。そして女王卑弥呼を暗殺へと追いやり、幼い巫女壱与を女王に仕立て上げて自分の意のままに操ろうとする。山中で壱与と出会ったライカは、壱与を奪回しようとするが失敗。しかし、「国」というものを強く意識したライカ邪馬台国のみならず広い世界に目を向け、旅を始める。

登場人物・キャラクター

ライカ

邪馬台国と狗奴国の中間にある山の中で、老師に育てられた少年の一人。放射状に伸びた黒髪から、敵側には「カミナリ頭の小童」と呼ばれることが多い。強力かつ多彩な神仙術を使い、山中で出会った壱与を助けようとするうちに「国」というものを強く意識するようになる。時おり非凡なカリスマ性を見せるが、その出自は赤子の頃に棄てられた狗奴国の皇子だったと後に判明する。

壱与 (いよ)

13歳にして非凡な巫女であり、後に卑弥呼の跡を継いで邪馬台国の女王となる少女。山中でライカと出会って以来、互いに強く惹かれ合うようになる。卓越した巫女の能力を張政に利用され、張政には抵抗するものの、邪馬台国の民を思いやり自ら女王の座に就く。他者の傷を癒す、動物と心を通わせる、といった不思議な能力も備える。

オタジ

ライカと同様、老師のもとで神仙術を身につけた少年。快活で感情豊かな性格。山中でライカと共に壱与を救おうと際、キジノヒコに左腕を切り落とされるが、以後隻腕でも剣士として活躍する。老師の下を離れて山を出たライカに同行し、旅を続ける。

ウツキ

ライカと同様、老師のもとで神仙術を身につけた少年。冷静でライカの相談役的な存在。老師の下を離れて山を出たライカに同行し、旅を続ける。後に拷問を受けて盲目となるが、聴力と嗅覚を研ぎ澄ませて高い戦闘能力を維持し続けた。

老師 (ろうし)

山の中で孤児を集めて育てていた、神仙術を使う老人。元は大陸からの渡来人と思われる。孤児たちが邪馬台国などの「国」に関わることを禁じていたが、ライカを止めることができず彼が山を降りることを認める。以後、朝鮮半島に渡って張政の正体を探るなど、独自の行動でライカを支えた。

卑弥呼 (ひみこ)

邪馬台国を治める女王で、物語開始時には既に高齢の老女であった。張政に薬と偽った毒を与えられて徐々に衰弱し、最後はイキナメに謀殺される。晩年は自分よりも巫女の力量を持つ壱与に嫉妬していた。

キジノヒコ

邪馬台国の兵で卑弥呼の親衛隊長だったが、卑弥呼の死後に国を手中に収めるべく、壱与を手に入れようとする。神仙術を使い、オタジの腕を斬った優秀な戦士。連合国家の内乱で居場所を失い、狗奴国で登用される。狗奴国では逃亡中に出会った夜美と恋仲になった。

タキ

邪馬台国の少年で、卑弥呼が死去した際、父を殉葬に取られた。張政に復讐しようとするが力及ばず、母をも失う。ライカ達に助けられ、彼らの旅に同行するうち、少しずつ神仙術を身につけていった。

張政 (ちょうせい)

魏国から邪馬台国に派遣された、外交官と軍事顧問のような役割を持つ男。実際は邪馬台国の地下に眠る強大な力の存在を知り、自ら派遣されるよう仕向けていた。魏国の力を嵩に邪馬台国の支配を進めるが、魏国での政変を知り、より強引な手段をとる。イキナメら公孫七人衆を手駒とし、自らも神仙術のかなりの使い手。

イキナメ

張政につき従う側近で、神仙術の使い手。ライカとは何度も刃を交える。死者蘇生や人の精神操作といった特殊な術も使いこなす。

ワタハタ

魏国の政変で邪馬台国に逃れた公孫一族の一人。普段は長剣と幻術を用いて戦い、落ち着いた物腰だが、時おり人や獣の生き血を吸う衝動にかられる。長時間血を吸えないでいると暴走し「起屍鬼」と呼ばれる怪物に変貌する。

ムジン

魏国の政変で邪馬台国に逃れた公孫一族の一人。腕の長い猿のような風貌の男で、鈎針をつけたテグスを使い人を引き裂く技を得意とする。腕が伸びる、体内に大量の毒グモを収める、粘着性の唾を吐く、といった、公孫一族の中でもひときわ特異な能力を多数備えている。

シン

魏国の政変で邪馬台国に逃れた公孫一族の一人。怪力巨体の男で、肉体は硬軟自在。硬くした体には鉄の剣での攻撃も通らないが、ライカの雷をまとった剣に斬られ、体を破裂させて死亡した。

タルバ

魏国の政変で邪馬台国に逃れた公孫一族の一人。小柄の太った男で、全身を球体にして高速で回転しながら体当たりする技を得意とする。また、敵の体を手を触れないまま自在に操り、捻じ切るなどして殺す術も使用する。キジノヒコと夜美を相手に戦い、敗れる。

ユン

魏国の政変で邪馬台国に逃れた公孫一族の一人。長髪の優男で、硬化する髪を針や刃のように使う。キバ率いる狼の群れに襲われ、奮戦の末死亡する。

ラトウ

魏国の政変で邪馬台国に逃れた公孫一族の一人。張政に変装し、影武者として老師と戦い、首をはねられた。ワタハタらの計らいにより、首は変装を解かれて素顔で埋葬される。

ヒメキコソ

狗奴国国王。勇猛さと情、決断力を併せもつ大人物。病を押して邪馬台国との戦いを続けていた。開かれた国を理想とし、越(ベトナム)をはじめ外国と積極的に交流しようとしていた。ライカがかつて棄てられた皇子と判明するも感情のしこりが残っていたが、父子の繋がりを実感した直後に病没。 ライカに狗奴国を託すことになる。

夜美 (よみ)

女性でありながら高い実力を持つ、狗奴国の騎馬部隊隊長。邪馬台国から逃亡するキジノヒコを拾い、狗奴国へ連れ帰った。後にキジノヒコと恋仲になる。

リン

戦を逃れて狗奴国に流れ着いた難民の少女。ライカを愛し、戦になれば二人で逃げることを望む。ライカが出陣することを知って思いを改め、髪を切り兵士として戦陣に加わる。元は馬の世話をしており、越(ベトナム)の商人が遺した象を使いこなして大きな戦力となる。

クコチヒコ

狗奴国近くの山中にある砦で「お頭」と呼ばれていた青年砦は鉄器製造の技術を持っており、クコチヒコは鍛冶で鍛えた強靭な肉体と腕力を持つ。山童との戦いを通じてライカに惚れ込み、砦をあげて彼に同行する道を選ぶ。

キクナ

狗奴国近くの山中にある砦の少女で、クコチヒコの妹。集落の敵である山童を憎み、男に混じって戦おうとする。タキと気が合い憎からず思うようになるが、砦と山童の戦いの中で死亡する。

オババ

かつて邪馬台国で卑弥呼に女王の座を奪われた老婆。山童を使って人間の精気を集め、その力で女王に返り咲こうとしていた。巫女としての能力に加え、猫股が憑いており、人間離れした能力を発揮する。

山童 (やまわろ)

『雷火』に登場する生物。人型の凶暴な生き物で、しばしばクコチヒコの砦を襲っていた。人間の大人より小柄だが数が多く、武器を使う。巨大な個体もおり、ライカたちを苦戦させた。オババの呪術で統制されており、オババの死で解放された後は本来の住居である川へ帰り、河童となった。

キバ

『雷火』に登場する狼。親子二代に渡り壱与に仕える忍狼で、いずれも同名。親子共々、額に星型のアザを持つ。父キバは壱与に託された任務を果たすためイキナメと戦い、達成した後絶命する。息子キバは忍狼として優れた能力を発揮し、ユンを抹殺、ワタハタ・シン・ムジンの三人と互角に渡り合う、壱与に代わり張政への対抗勢力の連絡を取るといった、八面六臂の活躍を見せた。

タマキ

身分の低い邪馬台国の女だったが、美貌と権力欲を買われて張政の手駒となる。壱与の付き人との名目で監視役となり、次第に残忍性を目覚めさせていった。

場所

邪馬台国 (やまたいこく)

『雷火』の舞台のひとつ。紀元前3世紀頃の、『雷火』においては九州北部に存在した国。二十以上の国からなる連合国家で、卑弥呼を女王としていた。魏国と交流して人材や技術を提供されていたが、張政による事実上の支配を受けてしまう。卑弥呼の死後、連合国家の内乱が発生したが鎮圧され、壱与を新しい女王として表向きは平定されていた。

魏国 (ぎこく)

『雷火』で存在が語られる国。邪馬台国を属国とすべく張政を派遣した大陸の強国だったが、司馬懿仲達の叛乱により滅亡寸前となる。これにより多くの人々が邪馬台国や狗奴国に逃れ、またワタハタら公孫一族が張政の下に参じた。

狗名国 (くなこく)

『雷火』の舞台の一つ。山に囲まれた地形を利用し、都を堅牢な砦とした軍事国家。交易を重視し、馬や新型の青銅剣を輸入して邪馬台国を攻めようとする。

その他キーワード

神仙術 (しんせんじゅつ)

『雷火』に登場する、魔法や忍術のような技術。作中では、中国からの渡来人がもたらした先進文化を基礎とし、忍術の前身と解説されている。ライカなどの老師に教わった者、イキナメなどの渡来人や渡来人に教わった者などが使用。戦闘時に攻撃手段とされることが多いが、通信や治療の術も存在する。

竜炎の剣 (りゅうのほむらのけん)

『雷火』に登場する技。ライカが戦闘でしばしば使う神仙術。剣に火炎を纏わせて斬りつける。

発勁 (はっけい)

『雷火』に登場する技。自分のエネルギーを離れた敵にぶつける神仙術で、「遠気当て」とも呼ばれる。老師・張政・イキナメ・卑弥呼など多くの使い手がいる。

SHARE
EC
Amazon
logo