共通に推しを持つ二人の賑やかな日常
三好藍美と染谷波は、クラスメイトの霧尾堅に熱烈な片思いをしている。しかし、ふだんは思いを寄せていることを隠し、二人きりになった時だけに霧尾の好きなところを語り合ったり、勝手な妄想を口にしたりと、気持ちを共有している。まるでアイドルの推しを共有しているかのような関係性ながら、それぞれに霧尾を好きになった理由があり、お互いに遠慮をして打ち明けられずにいる。しかし物語が進むにつれ、少しずつ二人が霧尾を好きになった理由が明らかになっていく。
霧尾堅への愛が抑えられない二人
三好藍美は霧尾堅への愛が強すぎるため、暴走しがちな一面を持つ。「目の前に霧尾がいると想定して本気のシミュレーションをする」「霧尾が夢に出てくるように怪しげな儀式を行う」など、霧尾への愛を放出するアイディアを次々と生み出す。だが積極的なタイプに見えて、いざ霧尾と接点ができると挙動不審になったり、緊張のあまり変顔になったりと、なかなかうまくいかない。一方の染谷波は、クラスでも目立たない存在ながら、藍美と霧尾への愛を共有する時にはテンションが上がり、一気にノリがよくなる。藍美と波のギャグの応酬と共に、二人の心が揺れ動く姿が見どころとなっている。
霧尾堅を通してつながる人間関係
本作には個性豊かな人物が多数登場し、密かに二人の恋が成就するように願う者もいる。たとえば科学部に所属する同級生の満田充は、見た目の陰気さとコミュニケーション能力の低さで周囲から距離を置かれ、孤立している。そんな中、藍美と波から霧尾堅に呪術をかけてほしいと依頼されたことから、二人とかかわりを持つようになる。さらに霧尾が所属するサッカー部のマネージャーの田代星羅は、二人の霧尾への思いが自らがゲームキャラクターに向ける情熱と同じ方向を向いていることに気づき、いつか気持ちを共有したいと願っている。
登場人物・キャラクター
三好 藍美 (みよし あいみ)
とある高校に通う女子。クラスメイトの霧尾堅に思いを寄せている。染谷波とも同じクラスで、よき友人であり恋のライバルでもある。霧尾への一方的な愛が暴走し、突拍子もない発言や行動、妄想を口にしてしまう。また見た目はクールな雰囲気を漂わせているが、気持ちがすぐに顔に出るため、窮地に陥るとふだんからは想像もつかない変顔になることがある。まるでアイドルを応援するかのようなテンションで霧尾を推しているが、彼への恋心は本物。
染谷 波 (そめや なみ)
三好藍美と同じクラスに在籍する女子。クラスメイトの霧尾堅に思いを寄せている。藍美とは霧尾を巡るライバル関係であるが、よき友人でもある。霧尾への一方的な愛が暴走し、突拍子もない言動をとる藍美に振り回されることが多い。おとなしく控え目な性格ながら、非常にノリはよく、藍美の暴走や妄想を何の躊躇(ちゅうちょ)なく受け入れている。藍美との関係を気に入っており、霧尾とは両思いになりたいと思いつつも、現在の関係が続いてほしいと願っている
書誌情報
霧尾ファンクラブ 6巻 実業之日本社〈リュエルコミックス〉
第1巻
(2022-12-15発行、 978-4408640761)
第2巻
(2023-05-18発行、 978-4408640938)
第3巻
(2023-10-19発行、 978-4408641072)
第4巻
(2024-04-18発行、 978-4408641324)
第5巻
(2024-07-18発行、 978-4408641416)
第6巻
(2024-09-19発行、 978-4408641508)