作品の概要
基本情報
榎本あかまるの代表作。
要旨と舞台設定
お菓子メーカー「ツダ製菓」を舞台に、経理部の立石真直と、企画部の三ツ谷結衣による秘密の社内恋愛を描いた物語。社内では犬猿の仲として周囲に認識されているが、実際には恋人関係にあるという二人の二重生活がテーマとなっている。
ストーリー展開
以前から密かに互いに好意を抱いていた真直と結衣は、交際を始めることとなったものの、周囲の目を気にする結衣の意向により、「秘密恋愛」という形を選択する。そして二人は、職場では意図的に衝突しながら、プライベートでは互いを思いやる関係を続けていく。さらに、ツダ製菓で働く個性的な面々がかかわり、仕事と恋愛のバランスに二人は振り回されることとなる。
ジャンル的特徴と位置づけ
本作は、社会人のリアルな恋愛模様を描いたラブコメディ。大人の男女の関係性を中心に、仕事と恋愛の両立という現実的なテーマを扱い、コミカルな展開とピュアな恋愛要素を融合させている。
作品固有の表現技法と特徴
作中では、秘密恋愛という制約の中で生まれるコミカルなやり取りや、アラサー男女の等身大の心情が繊細に表現されている。特に職場での「演技」と「本心」のギャップが、独特の緊張感を生み出している。
世界観の構築と設定
作者の榎本あかまるが6年間会社員として働いていた経験を活かし、リアリティあふれる業務描写をバックボーンに、商品開発会議や営業活動、企業内の部署間連携に昇進制度など、組織の仕組みも自然に物語に組み込まれている。
連載状況
講談社「モーニング」2019年14号から2023年9号まで連載。
メディアミックス情報
テレビアニメ
2025年1月から3月までTOKYO MXほかにて放送。アニメーション制作はBLADE。立石真直を山下誠一郎、三ツ谷結衣を宮本侑芽が演じる。
癒しとスリル満載の社内恋愛ピュアラブコメ
本作は、お菓子メーカーの会社を舞台に、主人公のサラリーマン、立石真直と企画部に所属する三ツ谷結衣の秘密の恋愛を描いていたラブコメディ。しかし、この恋愛はふつうのものではなく、同僚や上司には内緒の社内恋愛で、その事情と関係性はかなり複雑。二人は社内では犬猿の仲として有名ながら、それは本当の関係を隠すための表向きの関係である。そんな設定をもとに、社内恋愛にありがちなトラブルやドキドキ感、癒し要素が満載のピュア社内恋愛ストーリーが展開される。
几帳面で健気なアラサー男子×勝気で辛辣なOL
几帳面(きちょうめん)で健気(けなげ)な立石真直と、勝気で辛辣な三ツ谷結衣だが、彼女の性格は社内だけの表向きの性格で、実際は真直のことが大好き過ぎる素直な女性である。真直もそんなギャップのある結衣の、プライベートでしか拝めない表情や魅力に翻弄されており、事あるごとに彼女のかわいらしさに悶(もだ)える日々を送っている。また自宅や二人きりのデートに限らず、旅行や社内イベントなどさまざまなシチュエーションでのエピソードが描かれる。
社内恋愛だからこそ生まれる悩みや苦労
立石真直と三ツ谷結衣には、秘密の社内恋愛ならではの高揚感の一方、苦労やさまざまな悩みも尽きない。職場では恋人として存分に恋愛を楽しめない制約はもちろんだが、同僚に関係がバレそうになるたびに、二人があの手この手で秘密を守ろうとする。また、ふだんはラブラブな真直たちのプライベートにもすれ違いやケンカが発生したりと、緊張感のあるストーリーも魅力的な要素となっている。
登場人物・キャラクター
立石 真直 (たていし ますぐ)
お菓子メーカーの企画部に所属している独身男性。年齢は28歳。社内の人間には同期入社の三ツ谷結衣とは犬猿の仲だと認識されているが、実は出会った頃からお互いに惹かれ合っていた。その後も一進一退の駆け引きを繰り返したのちに、交際をスタートさせた。社内への配慮や三ツ谷の希望もあり、二人が交際していることは秘密にしている。本来隠し事が苦手な素直な性格のため、社内恋愛に四苦八苦しながら、三ツ谷との絆を深めていく。
三ツ谷 結衣 (みつや ゆい)
お菓子メーカーの経理部に所属している独身女性。年齢は28歳。立石真直と同期入社で、社内の人間からは彼とは犬猿の仲だと認識されている。しかし、出会った頃からお互いに惹かれ合っており、一進一退の駆け引きを繰り返したのちに、交際をスタートさせた。テキパキと仕事をこなしているが、社内では神経質で高圧的なところがある。しかし、立石とのプライベートでは笑顔を浮かべ、甘えん坊で穏やかな本来の三ツ谷に戻り、そのギャップが立石の胸をたびたび高鳴らせている。社内への配慮とお互いの仕事がやりづらくなることから、自分たちが交際していることは絶対に公にしたくないと考えている。
書誌情報
この会社に好きな人がいます 15巻 講談社〈モーニング KC〉
第1巻
(2019-07-23発行、978-4065165089)
第2巻
(2019-12-23発行、978-4065179970)
第3巻
(2020-04-23発行、978-4065190838)
第4巻
(2020-08-20発行、978-4065201435)
第5巻
(2020-11-20発行、978-4065211700)
第6巻
(2021-02-22発行、978-4065221853)
第7巻
(2021-05-21発行、978-4065231937)
第8巻
(2021-08-23発行、978-4065249017)
第9巻
(2021-11-22発行、978-4065258897)
第10巻
(2022-02-22発行、978-4065267189)
第11巻
(2022-05-23発行、978-4065277645)
第12巻
(2022-08-23発行、978-4065286340)
第13巻
(2022-11-22発行、978-4065296981)
第14巻
(2023-02-21発行、978-4065306727)
第15巻
(2023-03-23発行、978-4065308783)







