霧雨が降る森

霧雨が降る森

フリースマホゲーム『霧雨が降る森』のコミカライズ作品。阿座河村という僻村にある霧雨の森に棲む、「ことりおばけ」と呼ばれる幽霊の引き起こす怪異を描くホラー作品。原作となるゲーム版では描かれていないオリジナルのストーリーも一部含まれている。「月刊コミックジーン」2014年4月号から2015年11月号にかけて連載され、名束くだんのデビュー作にあたる。

正式名称
霧雨が降る森
ふりがな
きりさめがふるもり
原作者
真田 まこと
漫画
ジャンル
ホラー
レーベル
MFコミックス ジーンシリーズ(KADOKAWA)
巻数
既刊2巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

事故で両親を亡くして天涯孤独の身となった神崎シオリは、両親の遺品を手掛かりに阿座河村を訪れる。しかし、最寄りの駅から阿座河村に向かうバスは廃線になっており、シオリは警察官の望月洋介にパトカーで阿座河村資料館へと送ってもらう。資料館を探索していると、たまたま見つけた書類から、ここが確かに自分の父親の故郷である事を知る。さらにシオリは佐久間美夜子須賀孝太郎と出会うが、孝太郎はつれない態度で、シオリに早く村から出て行くように告げる。結局、資料館にしばらく滞在する事になったシオリだったが、ある夜、美夜子が行方不明になるという事件が起こる。シオリは孝太郎から止められるが、美夜子を探すために霧雨の森の中に入ってしまう。そこでシオリは多くの亡霊に追い掛け回されながらも、美夜子を発見する。しかし、亡霊の意志を理解できる美夜子は、シオリがかつてことりおばけに命を捧げる約束をしていた事を告げるのだった。

第2巻

神崎シオリ佐久間美夜子は、霧雨の森を出ようとするが、途中の橋が落ちてしまっていた。その橋の近くで、美夜子は謎の蔦に絡め取られ、身動きが取れなくなってしまう。シオリは古い洞窟の入り口から井戸の底に辿り着き、たまたま井戸の傍にいた望月洋介に助けを求める。洋介は井戸を降りて霧雨の森に辿り着き、美夜子を救出しようとするが、謎の蔦は拳銃で撃っても傷一つ負わせる事ができなかった。だが、そこに現れた須賀孝太郎は、夜光石の刀の力で謎の蔦を一刀両断し、美夜子を救出する。そのまま四人で脱出しようとした矢先、シオリはことりおばけの声に誘われて霧雨の森の奥深くに彷徨(さまよ)い込んでしまう。孝太郎は亡霊達を刀で打ち払いながらシオリを追い、その救出に成功。そしてシオリは夜光石の力によって消されていた、かつて自分が阿座河村で暮らしていた頃の記憶を思い出す。

第3巻

須賀孝太郎神崎シオリは、霧雨の森からの脱出を試みる。しかし井戸の底へと通じる古い洞窟は、雨で増水した地下水脈によって寸断されてしまっていた。洞窟を探索すると、卒塔婆と仏像に囲まれた小さな棺桶を見つける。そして、シオリが以前洞窟で見つけた小さな骨のかけらを棺桶に入れると、赤ん坊の幽霊が現れ、お母さんのところへ連れていくよう求める。その幽霊をことりおばけに引き合わせると、怨霊と化していたことりおばけは正気に戻り、成仏する。霧雨の森にはそのほかにもことりおばけを母親と呼ぶ多くの亡霊がいたが、その者達もすべて、夜光石の力によって成仏する。そして孝太郎とシオリは、望月洋介に発見されて無事生還するのだった。

第4巻

ことりおばけが成仏したあとの霧雨の森で、佐久間美夜子は一人の男の子の幽霊と出会う。男の子が言うには、ずっと昔から霧雨の森にいるが、その理由は自分でもわからず、成仏する事ができないのだという。美夜子はその男の子と親しくなり、成仏するための手助けをしようと考える。そんなある日、美夜子が学校で友達とうまくいっていない事を話すと、男の子は自分の過去を思い出す。男の子は、霧雨の森で事故死する前に友達と喧嘩をした事が気がかりで、成仏できなくなっていたのだ。美夜子は、その男の子と友達を再会させて成仏へと導く。そして美夜子自身も、学校の友達と仲直りする事に成功するのだった。そんな中、騒動のあとも阿座河村に滞在していた神崎シオリが、ついに出立する日がやって来る。

登場人物・キャラクター

神崎 シオリ (かんざき しおり)

大学生の女性。事故で両親を失い、遺品の中から阿座河村にまつわる品を見つけて、自分のルーツを探しに阿座河村へとやって来た。神崎シオリ自身は記憶を失っていて覚えていないが、実はもともと阿座河村の出身で、須賀孝太郎とは幼なじみの関係。

須賀 孝太郎 (すが こうたろう)

阿座河村資料館で管理人を務める青年。しゃべる事ができないため、他人とは筆談でコミュニケーションを取っている。つねに刀を携えているが、これは夜光石から造られた模造刀であるため、警察官の望月洋介からは目こぼしをされている。料理の腕は壊滅的で、なにを作ろうとしても炭になってしまう。神崎シオリとは幼なじみの関係。

佐久間 美夜子 (さくま みやこ)

阿座河村で暮らす、土地の名士の娘である中学生の少女。霊感が強く、幽霊を見たり、会話をする事ができる。家族や学校のクラスメイトとの関係があまりうまくいっておらず、よく学校をサボって阿座河村資料館に遊びに行っている。

望月 洋介 (もちづき ようすけ)

阿座河村の派出所で巡査をしている中年の男性。霊感はまったくなく、村に伝わる伝承やことりおばけの事も信じてはいないが、巻き込まれる形で霧雨の森の怪異にかかわってしまう。ふだんから学校を抜け出した佐久間美夜子を連れ戻しに行く事が多い。

ことりおばけ

阿座河村の霧雨の森に現れる怨霊。元は阿座河村に暮らす人間の女性だった。ある日、村の掟を破ったという濡れ衣を着せられて霧雨の森に閉じ込められ、村人達を呪ったまま亡くなり、幽霊となった。黒い影をまとったような茫洋とした姿をしている。名の「ことり」とは「子取り」または「子捕り」の意である。

場所

阿座河村 (あざかわむら)

とある県にある山奥の僻村。須賀孝太郎達が暮らしている。コンビニや民宿もなく、バスすらも利用客の減少により廃止されている。産業は農業しかないが、かつては夜光石の産地として鉱業が栄えていた。

阿座河村資料館 (あざかわむらしりょうかん)

阿座河村にある3階建ての洋館。須賀孝太郎が管理人を務めている。前は人が暮らす屋敷であったが、持ち主の老人が死んだため、資料館として保存されている。佐久間美夜子はよく阿座河村資料館を訪れているが、阿座河村は観光業も盛んではないため、外部から訪れる者はほとんどいない。阿座河村で唯一の、臨時宿泊施設も兼ねている。

霧雨の森 (きりさめのもり)

阿座河村の中にある、幽霊達の棲む森。阿座河村資料館の裏手に入り口があるが、そこにはことりおばけをはじめとする亡霊の群れを、この霧雨の森に縛り付けておくための巨大な夜光石が置かれている。子供は決して入ってはならないという村の掟があり、実際に霧雨の森に入った子供がそのまま行方不明になる事件も起こっている。

その他キーワード

夜光石 (やこうせき)

阿座河村の特産品。さほど珍しいものではなく、民芸品に使われる程度で、貴石としての価値は認められていない。しかし魔を払う力があり、使い方によっては人間の記憶を操作するという力を秘めている。

クレジット

原作

真田 まこと

書誌情報

霧雨が降る森 2巻 KADOKAWA〈MFコミックス ジーンシリーズ〉

第1巻

(2014-06-27発行、 978-4040668031)

第2巻

(2014-11-27発行、 978-4040672076)

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