サイレンの村

サイレンの村

毎夜、大音量で鳴り響くサイレンによっておかしくなった村人たちが、恐ろしい儀式を繰り広げる表題作「サイレンの村」をはじめ、5つのエピソードを収録したホラー短編集。「眠れぬ夜の奇妙な話」平成2年Vol.1 ~平成5年Vol.11 に不定期に掲載された。

正式名称
サイレンの村
ふりがな
さいれんのむら
作者
ジャンル
オカルト
 
グロテスク・エログロ
 
ホラー
 
怪談・伝奇
 
スプラッター・猟奇
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概要・あらすじ

全国各地で頻発する赤ん坊誘拐事件。犯行時刻はいずれも深夜で、これまでにさらわれた赤ん坊の数は300人を越えるという。そんななか、両親の様子を見るため数カ月ぶりに故郷の白部村(しろべむら)を訪れた京一は、村ぐるみで行われる恐ろしい儀式を目撃してしまう。(エピソード「サイレンの村」)

登場人物・キャラクター

京一 (きょういち)

エピソード「サイレンの村」に搭乗する。N市で働く青年。故郷の白部村(しろべむら)で農業を営む両親の様子がおかしいため、村へ一時的に戻る。そこで変わり果てた村を目にし、夜中に繰り広げられる恐ろしい悪魔の儀式を目撃してしまう。

近藤 (こんどう)

エピソード「煙草会」に搭乗する。男子学生。友人の白井に誘われて、中谷が主催する煙草会に参加する。そこで皆が吸っている煙草の異様さに気づき、白井を連れて逃げ出す。その後、煙草会で使われている煙草の原料となる草を取りに行くという白井に嫌々付き合う。

赤坂 (あかさか)

エピソード「黴」に登場する。20代の独身男性。家を建てた直後に海外勤務が決まり、1年間日本を離れる。その際、中学時代の理科の教師だった呂木島夫の一家に嫌々家を貸すことになる。海外勤務を終えて日本へ戻った赤坂は、たったの1年で黴と垢だらけに変貌した自宅を目にし、やがて恐ろしい事実を目の当たりにする。

里恵 (りえ)

エピソード「記憶」に登場する。20歳の美しい女性。両親と実家暮らし。ヒトシという恋人がいる。7歳から14歳までの記憶がなく、代わりにとても醜い少女が鏡を見つめる姿が脳裏に焼き付いている。それがかつての自分なのではないかと思い、いまの自分の顔が本物なのか不安を抱えている。

彩子 (さいこ)

エピソード「道のない街」に登場する。バスケットボール部に所属する女子学生。両親、兄、弟との5人暮らし。クラスメートが切り裂き魔に殺される夢を見た翌日、その夢が現実のものとなる。その後も家族の全員が自分の部屋を覗き続けるという異常事態に見舞われ、家出して叔母のもとへ向かう。

祥子 (しょうこ)

エピソード「サイレンの村」に搭乗する。白部村(しろべむら)出身の女性。東京で働いていたが、村長を務めていた父の具合が悪いため、村に戻ってくる。灰山に目を付けられ、儀式のいけにえとして魔神に捧げられることになるが、京一によって助け出される。

灰山 (はいやま)

エピソード「サイレンの村」に搭乗する。白部村(しろべむら)の村民。自分は魔術師の生まれ変わりだといつも吹聴している変人。まだ30歳前だが、白部村の村長に就任し、村の活性化のためにと工場を誘致し、村民の支持を集めている。400年前、村に現れた魔術師ドルマンの生まれ変わりとして、夜な夜な村人を使って悪魔の儀式を進めている。

谷山 ユカリ (たにやま ゆかり)

エピソード「サイレンの村」に搭乗する。京一の幼なじみの少女。オカルトに詳しい。村に現れた魔物に両親が食われるのを目撃したという。毎夜流れるサイレンが村人をおかしくさせることに感づいており、耳かきで自分の耳をつき刺した。いけにえとして、魔物に捧げられそうになる。

白井 (しらい)

エピソード「煙草会」に搭乗する。男子学生。友人の近藤を誘って、中谷が主催する煙草会に参加する。中谷から、煙草の原料が近所の火葬場わきに生えている植物だと聞き、横取りを企む。

中谷 (なかや)

エピソード「煙草会」に搭乗する。男子学生。自宅に友人を集めて、自作の煙草を吹かす煙草会を主催する怪しげな青年。学校でも友人に配り、教師にバレて停学処分を受けている。埋められた火葬した骨の残骸を養分として育った葉っぱを使って、妖しげな煙草を作っている。

呂木 島夫 (ろぎ しまお)

エピソード「黴」に登場する。赤坂が中学時代に理科を教えていた教師。赤坂が海外勤務のあいだ、彼の家を借りる。黴の研究に熱心で、生徒からは「カビ」と呼ばれていた。醜い妻と、それにそっくりな娘、そして決して姿を見せない謎めいた赤子の4人家族。

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