地獄少女

アニメ作品・『地獄少女』、及び『地獄少女 二籠』を原作に、人の怨みを聞いてその相手を地獄流しにする地獄少女こと閻魔あいと、悩みを抱える依頼人たちの姿を描いたホラー漫画。設定はほぼアニメ版と共通しているが、ストーリーは漫画オリジナルのものが多い。また単行本には、普段はシリアスなあいたちの姿をコミカルに描いた四コマ漫画・地獄少女番外スペシャル四コマも収録されている。

正式名称
地獄少女
ふりがな
じごくしょうじょ
原作者
地獄少女プロジェクト
作者
ジャンル
ホラー
レーベル
講談社コミックスなかよし(講談社)
巻数
全9巻完結
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

清水まりは、CDショップで新曲の情報を確認していたところ、万引きの疑いをかけられる。無実の罪を着せられそうになったまりは、突然の出来事に呆然とするが、そこにクラスメイトの早瀬さつきが現れ、彼女の代わりに謝ったことでその場は解放される。しかし翌日、早瀬から万引きを黙っていることを条件に、レポートを写させられたり、授業のノートを代わりに取らされたりといいように使われるようになり、食事代を払わされるなど、金銭面でもたかられるようになってしまう。まりは、万引きの疑いをかけられたことをばらされたくない一心で早瀬の言いなりになるが、早瀬の要求はエスカレートするばかりで、まりの精神は疲弊していく。そんな中、地獄通信と呼ばれるサイトのことを知ったまりは、藁にも縋る思いで、早瀬を地獄に落とすよう書き込みを行う。しかし、特に変わった様子は見られなかったためにいよいよ絶望し、マンションの屋上から身を投げようとするが、クラスメイトである閻魔あいに助けられる。まりは、自らを地獄少女だと語るあいに対して、改めて早瀬を地獄に落とすように頼み込む。しかし依頼を行った場合、その代償として魂が死後地獄に落ち、永遠の苦しみに苛まれることを聞かされるが、現在と未来を秤にかけた結果、早瀬を裁くことを依頼する。翌日、あいは早瀬のもとを訪れ、まりからの依頼を受けて地獄に落とす旨を伝える。だが早瀬は悪びれることなく、彼女に万引きの罪を着せたのは自分であることを得意げに語る。これを聞いたあいは、彼女が地獄に落ちるべき人物であると判断し、仲間である輪入道一目連骨女と共に地獄へと追い込み、万引きの疑いをかけられる恐怖を植え付けると共に、逃れることのできない牢獄へと閉じ込める。こうして、早瀬の陰湿ないじめから解放されたまりは、死後に安息を得られなくなったことを覚悟しつつも、つかの間の安息が得られたことを今は喜ぶことを決める。一方のあいは、輪入道から依頼がまったく減らないことを聞かされ、渋い表情を見せるのだった。(エピソード「夕闇の彼方より」。ほか、4エピソード収録)

第2巻

フィギュアスケートクラブに所属している佐伯あずさは、日頃の練習不足がたたり、全国大会への出場権を逃してしまう。全国大会への出場を条件に高校への推薦を受けていたあずさは、自分が大会に出るために、出場権を手にした斎藤えりと石塚マリエを排除しようと画策する目論んでいた。そんな中、あずさは友人たちから地獄通信に関する情報を聞き、えりとマリエを排除するために利用できないかと考え始める。地獄に落とせる相手が一人限定という条件を前に悩んだ末に、えりとマリエの両方に対して陰で嫌がらせを始め、その罪を擦り付けた挙句、地獄通信の情報を流して、互いの名前を書き込むように誘導する。翌日、全国大会にえりとマリエが姿を現さないことを知ったあずさは、互いを地獄に落としたことを確信し、内心でほくそ笑む。そして、二人の代わりに大会に出場することになるが、そこであずさは、会場には人っ子一人いないうえに、スケートリンクにはムカデが這い回るなど、明らかに異常といえる状況であることに気づく。さらに、そこに輪入道骨女一目連が現れ、あずさが陰で行っていた嫌がらせをそのまま繰り返される。激昂したあずさは、彼らに対してえりやマリエのように地獄に落とすと息巻くが、そこに閻魔あいが現れ、地獄に落ちるのはあずさの方であることを宣言。えりとマリエは、クラブでは慣れ合わないようにしていたが、実際は十年来の親友で互いに嫌がらせをするような関係ではなく、逆に二人であずさを地獄に送ろうと、地獄通信を利用したのである。あいは、私利私欲のために地獄通信を利用しようとしたあずさに裁きを与え、スケートリンクを湖に変化させると、そこにあずさを落として溺れさせる。えりとマリエは、共に地獄に落ちることを誓い合うと、現世にいるあいだは一流のフィギュアスケーターになるべく努力を続けるのだった。(エピソード「銀盤の影」。ほか、4エピソード収録)

第3巻

私立の進学校に通っている小島さおりは、父親のような教師になるために日々努力を重ねていたが、成績は伸び悩んでいた。ある日、苦手科目である数学のテストで赤点を取ってしまったさおりは、居残りで補修を受けていたが、そこに現れたクラス委員長の早坂正臣から勉強を教えてもらったことで、補修を早く終わらせることができる。これをきっかけに早坂にあこがれを抱くようになり、彼のようになりたいと考えたさおりは、この日を境に真剣に勉強に励むようになり、見る見るうちに成績を上げていく。それを見ていた早坂も、さおりの健闘を称えつつ、勉強を教えたり参考書を貸し出したりと応援し、二人の距離は徐々に近づいていく。そんな中、さおりは定期テストで早坂より優れた点数を取り、一位を獲得する。そんな中、早坂から告白され、晴れて彼女として付き合うことになる。幸せの絶頂にいたさおりだったが、ある日、早坂からプレゼントされた指輪をなくし、雨の中探し続けたことで風邪を引き、その影響で成績を大きく落としてしまう。さらに職員室に呼び出され、早坂の答案をカンニングしたという疑いをかけられる。相次いで不幸に見舞われたさおりは、早坂に助けを求めるが、実は早坂こそが、さおりに嫌がらせをしている犯人だった。早坂は、自分が優れた人間だという自尊心を満たすためにさおりに勉強を教えていたが、さおりが自分の成績を上回ったことに強烈な嫉妬心を抱き、好意を寄せられていたことを利用して悪事を働いていたのである。努力を否定されたうえに、居場所を完全に失ってしまったさおりは、地獄通信に早坂を地獄に落とすよう依頼し、閻魔あいから藁人形を受け取る。そして、さおりを陥れたことを自慢げにしゃべっていた早坂を目撃し、ついに藁人形の紐を引き抜く。その放課後、早坂は教師に扮した骨女によって落とし穴に落とされ、答えを間違えたら硫酸のプールに落とされるという罰を受ける。早坂はカンニングを駆使して乗り切ろうとするが、一目連はそれを見通しており、いよいよ窮地に陥る。早坂はそれでも、陥れたさおりを顧みることをせず、あいから自分のプライドのためにさおりを陥れようとしたことを告発された挙句、地獄へと落とされる。カンニングの疑いが晴れたさおりは、死後地獄に行くことを承知しつつ、大好きな父親を目指してさらなる勉強に励むのだった。(エピソード「偽りのテスト」。ほか、3エピソード収録)

第4巻

とある中学校で、地獄通信に似せた偽物のサイトが流行する。事態を重く見た一目連は、閻魔あいとは別に真相を探るべく、「石元」と名乗って教師として潜入する。一目連が潜入していた学校に通う白石早苗は、髪の毛に関する校則違反で、教師の林晃子から説教を受けていた。口うるさい林に辟易する早苗だったが、その夜、彼女のもとへ偽の地獄通信へのリンクが貼られたメールが送られて来る。早苗は冗談半分に林の名前を書き記すが、エラーが出るばかりで、結局地獄通信は単なる噂に過ぎないと結論づける。一方、輪入道たちは、偽の地獄通信に林の名前だけが書きこまれていることを不審に思っていた。その夜、林が何者かの手によって階段から突き落とされてしまう。さらに、林の同僚である落合が、職員室で地獄通信のサイトを発見したと訴え、調査の結果、早苗が学校用のホストを使って作られたという可能性が浮上する。これにより、教師たちから早苗が林を突き落としたと疑われ、無実を訴える彼女をよそに自宅謹慎処分が決まってしまう。そこに落合から連絡が入り、偽の地獄通信は林が自分に逆らう早苗を罠にはめるために作った可能性が高いことを告げる。そして、本物の地獄通信にアクセスして、林を地獄に流すように早苗を導く。しかし、真相に気づいた一目連が林と共に現れ、早苗を罠にかけたのは落合の方であることを明らかにする。落合はかつて林の教え子だったが、厳しくされたために高校受験に失敗したと信じ込み、逆恨みを続けてきたのだ。そして、復讐を果たすために彼女が浮気をしているというデマを流して、離婚に追いやるが、それでも飽き足らずに生徒を利用して地獄通信を使わせようとしたのである。林は家族を奪われた挙句、早苗をも貶めようとした落合を許すことができずに彼女を地獄に流すよう、あいに依頼する。依頼を聞き届けたあいは、一目連と共に落合をパソコンの画面に閉じ込め、早苗に与えた恐怖をやり返す形で、彼女を地獄へと流す。早苗は、林が自分を信じてくれていたことを知り、ひたすらに反抗だけしていたことを恥じる。そして関係を改善させると、自らを改めるためにも、校則を守ることを決意するのだった。(エピソード「偽地獄通信」。ほか、3エピソード収録)

第5巻

小学校を卒業した大塚千春のもとに、死んだと思っていた新田恭子から卒業を祝う手紙が届く。千春は、母親の夕子に真実を問いただそうとするが、夕子は「知らなくていい」と言うだけで、恭子について何も教えてはくれなかった。恭子に一目だけでも会いたいと願う千春は、両親の承諾を得ることなく、単身で手紙に記されていた住所の場所へと足を運ぶ。恭子の住む村へとたどり着いた千春は、彼女の家に向かう途中、同い年くらいの女の子たちと出会う。女の子たちは千春を歓迎し、かつて村の中で行方不明事件が発生したことを語る。さらに女の子たちは、千春に何をしにきたのかを尋ねてくるが、恭子に会いにきたと答えると、途端に蜘蛛の子を散らしたかのように逃げ去ってしまう。千春はその様子を訝しみ、不安になりながらも恭子の家を訪ねるが、迎えてくれた恭子は非常にやさしく、千春は会いに行ってよかったと安堵する。だが、家の庭に出たところ、先ほど会った女の子たちが現れ、恭子に対して「人殺し」とののしり、千春に対しても罵声を浴びせてくる。さらに、家の中で地獄通信にかかわる手紙を発見し、恭子がかつて地獄流しの依頼をしたのではないかと彼女を問いただす。恭子は千春に対して、自身の過去を話し始める。40年前、夫を早くに亡くしていた恭子は、紙すきの仕事をしながら、千春の母親を女手一つで育ててきた。しかし、北村征次郎に騙されて多額の借金を負わされ、彼から村に人たちに恭子の作った紙を買われないよう嫌がらせをされるなど、次第に追い詰められていく。そして、家に放火をされて夕子の身に危険が迫ったことで、北村を地獄に流すよう、閻魔あいに手紙を出したのだという。恭子は、これで静かに暮らしていけると考えたが、村人たちからは証拠がないにもかかわらず、北村は恭子に殺されたと決めつけ、挙句の果てに夕子は村を出ていってしまう。恭子は、地獄通信に頼ったことは間違いだったのかもしれないと考え、あいに対して懺悔の手紙を送るが、届くことはついになかったのだ。それを聞いた千春は、夕子が恭子に会いに来るよう説得し、それを受け入れられる。しかし恭子の命はすでに限界を超えており、千春の言葉に微笑むと、そのまま息を引き取ってしまう。千春たちの様子を見ていたきくりは、地獄に落ちることを知りながら、地獄通信を使おうとする人間が絶えないことへの疑問を口にするが、あいはそれに答えず、きくりを伴い恭子の家をあとにするのだった。(エピソード「地獄へのたより」。ほか、3エピソード収録)

第6巻

女手一つで育ててくれた母親を尊敬する上原あすかは、彼女を少しでも助けられるようになりたいと考え、日々勉強に励んでいた。そんな中、あすかのクラスに男子生徒の片瀬が転入して来る。片瀬は前の学校で授業が遅れていたため、あすかから勉強を教えてもらっていたが、彼女の教え方がとてもうまいことや、つねに前向きな姿を崩さないことから、やがてあすかに惹かれていく。片瀬に片思いをしていた市田はこれに嫉妬し、グループを扇動してあすかに嫌がらせを始める。いじめは次第にエスカレートしていき、片瀬もあすかを心配するものの、助ける勇気を出せずにいた。あすかの母親にまで迷惑をかけてしまい、希望を失ったあすかは、やがて地獄通信に依頼して、閻魔あいから藁人形を受け取る。しかし、地獄に流せる相手がただ一人ということもあり、学校をはじめとした世界のほとんどが敵しかいないと考えるに至り、自分自身を地獄送りにすることを望む。そして学校の屋上で、現世から逃れるために藁人形の紐を解くが、そこに広がった光景は、市田の取り巻きに罵声を浴びせられるという、学校での生活となんら変わりのないものだった。さらに、市田の手によって殺害される幻を見せられ、命を絶ったところで絶望からは逃げられないことを悟り、ありったけの声を振り絞って助けを求める。すると、あすかは現世に引き戻され、屋上から落ちそうになるところを片瀬によって救われる。片瀬もまた、前の学校でいじめられていたが、あすかによって勇気づけられ、学校も嫌なことばかりではないと希望を抱く。しかし、あすかを助けることで同じ結果をたどることを恐れ、今まで助けてあげられなかったのだという。片瀬は、助けてあげられなかったことを謝罪すると、あすかを支え続けることをはっきりと宣言する。一方のあいは、地獄通信は自殺のために使うことはできないことを打ち明け、今後また、絶望することがあれば、今度は憎い相手を消すために使うよう忠告するが、内心ではあすかが二度と地獄通信を使わないことを確信していた。これを見ていたきくりは、あいがあすかにかつての自分を重ねていたのではないかと推測する。あいはそれに答えることなく、きくりを伴って静かにその場を立ち去るのだった。(エピソード「地獄への依頼」。ほか、2エピソード収録)

第7巻

ななえのクラスで持ち物検査をしようとした教師が、突然消滅するという事件が発生する。教師を消滅させたのはほかならないななえで、説教が長く鬱陶しいという理由で、地獄通信へ依頼して地獄に流していたのである。ななえは、嫌われ者だった教師を地獄に流したことを武勇伝のように語る一方で、地獄に落ちるのは死んでからなんだから問題はないと高をくくり、閻魔あいと共にそれを見ていた骨女を呆れさせる。ななえが教師を地獄に流したという噂が広まると、友人である咲に対しても、暗に地獄に落とすことをちらつかせて、言うことを聞かせようとするようになる。そのうえ、杏奈が身につけていたブレスレットを半ば強引に奪い取ったり、他校の男子とカラオケに行った際に、好みの男子であった水野をレイカから横取りしようとするなど、増長の限りを尽くす。そんなある日、登校してきたななえは、机の上に「お前は地獄に落ちる」と書かれた紙が置かれていることに気づく。さらに、携帯電話のストラップのリボンを藁人形の紐と勘違いして激昂し、水野からも地獄通信を誇らしげに語ることを糾弾するメールが届き、相次ぐ災難に強く苛立ち、咲たちからも「調子に乗っていると地獄に落とされるかもしれない」とからかわれる。しびれを切らしたななえは、再度地獄通信のサイトにアクセスし、「私を地獄に落とそうとする奴全員」と書き込む。そして、そこに現れたあいの胸ぐらをつかみ、藁人形を渡すように迫る。しかし、地獄通信は一生に一度、一人にしか使えないことを告げる。ななえはこれにもひるまず、あいに罵声を浴びせて顔を平手打ちするなどの暴挙に出るが、あいはまったく動じることなく、彼女を快く思わない人から、ななえ自身の地獄流しを依頼されていたことを語る。それを聞いたななえは、つまらない理由で依頼した相手を糾弾しようとするが、あいから「それは自分も同じだろう」と断ぜられる。そして、絶望の表情を浮かべたまま、地獄へと流されるのだった。(エピソード「いらだちの瞬間」。ほか、2エピソード収録)

第8巻

親の教育が厳しい家に生まれ育った森頼子は、優しくできのいい姉の森英子を心から慕っていた。しかし、一年前に大学受験で失敗して以来、周囲からのプレッシャーと初めての挫折でショックを受け、部屋に引きこもるようになる。しかし見栄っぱりな両親は、英子が東京の大学に通っていると嘘をつき続け、当の英子は頼子が有名な私立中学校に合格すると、妬むあまり彼女に対して暴力を振るうようになっていた。それでも頼子は、いつかもとの英子に戻ってくれることを信じ、中学校でも熱心に勉強を続けて、やがて学年トップの成績を取るようになる。そんなある日、頼子は風邪を引いて学校を休むが、プリントを届けに来たクラスメイトの三木マリカに、英子が引きこもっていることを知られてしまう。マリカはこれを悪用し、ばらされない条件として自分より成績を落とすよう、頼子を脅す。家では英子から罵声を浴びせられ、学校ではマリカに脅されることで、頼子の精神は疲弊していく。それでも、英子のために必死に勉強に励むが、当の英子にはまったくそれが通じないどころか、英子は現在の環境に対して自暴自棄になり、毎日のように地獄通信のサイトにアクセスするようになる。地獄通信の噂はマリカも知るところとなり、頼子に英子の存在が重荷なのなら、いっそのこと英子を地獄に流せばいいのではないかと誘惑する。しかし英子を慕う頼子はこれを拒絶するが、いくら勉強を続けても罵ることをやめない英子を前に、ついに地獄通信のサイトにアクセスし、閻魔あいから受け取った藁人形の紐を、その場で解いてしまう。そして翌日、学校を訪れたマリカはクラスメイトたちから頼子を脅していたことを糾弾されたうえに、骨女によって地獄流しを宣言される。頼子はマリカの地獄流しを依頼しており、その理由も脅されたからではなく、英子を侮辱されたことによるものだった。頼子は、これで英子を守れると胸をなでおろすが、その英子が突然行方不明になったことを聞かされる。英子は、自分自身こそが最もどうしようもない存在と考えており、頼子に八つ当たりをしたことで自責の念が限界を越え、地獄通信に自分の名前を書き記してしまったのである。こうして、英子もまた地獄に流されるが、頼子はいつか地獄に落ちて英子に会えることに希望を見出し、今を一生懸命生きることを決意するのだった。(エピソード「自慢のお姉ちゃん」。ほか、3エピソード収録)

第9巻

生まれ育ったラブリーヒルズに帰ってきた紅林拓真は、動物を殺して楽しむ「悪魔の子」というレッテルを貼られ、さらに父親が重傷を負わされてしまう。その犯人は、父親の会社が倒産したことで自暴自棄となった柿沼ゆきのであることが判明し、ゆきのは拓真に謝罪すると共に噂がウソであることを周りに打ち明けようとする。しかし、その矢先にゆきのはクラスメイトから地獄に流され、拓真がその罪を擦り付けられる。ラブリーヒルズの住民たちは、悪魔の子とされた拓真を利用して思い思いに地獄流しを行い、閻魔あいに疲労を蓄積させていく。拓真の無実を信じる飯合誠一も、拓真を悪魔の子に仕立て上げようとする住民たちに襲われ、行方不明になってしまう。住民たちの陰謀により、逃げ道を失いつつあった拓真は、誠一の妹である蛍に助けられ、二人で地獄通信の大本となった地獄少女に関する調査を始める。そして、神社の境内で発見した一冊の本から、あいと仙太郎の顛末を知り、現在の拓真とあいの境遇が極めて似ていることを思い知る。そうしているあいだも、住民たちは拓真を追い詰めるために行動を続けていた。彼らはきくりから得た情報をもとに神社の境内に潜んでいた拓真と蛍を捕縛し、湖に落として殺害しようとするが、そこに誠一が現れて二人を救出する。誠一は二人を車に乗せ、集めた証拠を提出するために警察署に向かおうとするが、住民の一人が誠一の地獄流しを実行したことで、拓真たちは再び窮地に陥る。最愛の兄を失った蛍は、すべてを終わらせるために拓真を地獄に流そうとしたうえで、自らも入水自殺を図る。これに対してあいは、自らの意思で拓真の地獄送りを拒み、その影響から地獄少女としての記憶を失う。そして地獄少女としてではなく、一人の人間として拓真を守り抜き、やがて誠一が残していたレコーダーから住民たちの陰謀が暴かれ、拓真の無実が証明される。さらに、拓真を利用した住民たちも一人残らず消え去り、拓真は拓真の父親や、奇跡的に無事であった蛍と生還を喜ぶ。この事件によってあいの地獄少女としての役割は終わりを迎え、輪入道一目連骨女の三人は、それぞれ現世を巡る旅に出る。しかし、あいの地獄少女としての任務はこれで終わったわけではなく、拓真は近いうちに、あいが再び現れることを予感するのだった。(エピソード「彷徨」「あいぞめ」。)

関連作品

漫画

本作『地獄少女』の続編として、永遠幸の『新・地獄少女』と『地獄少女R』がある。『新・地獄少女』は、TVアニメ『地獄少女 三鼎』のコミカライズ作品で、三藁に次いで閻魔あいの使い魔となる山童や、キーパーソンの一人である御景ゆずきが登場する。一方、『地獄少女R』はアニメとは独立したオリジナルストーリーがメインとなっており、地獄通信を悪用して己の欲望を満たそうとする藤堂まりやが登場する。

登場人物・キャラクター

閻魔 あい (えんま あい)

午前零時にだけアクセスできるという地獄通信に地獄に流して欲しい相手を書き込むと、相手を地獄に流すとされる地獄少女の正体。地獄通信を行いそうな対象を観察するために複数の中学校や高校に潜入しており、その時はセーラー服に身を包んでいるが、地獄送りの際には花をあしらった和服を着ている。アイドルの吉井歩から「綺麗な人」と見惚れられるほどの美貌を誇る。また、傷をつけられても死ぬことはないうえに、戦闘能力も極めて高いが、特殊な能力を持たない人間に対しては、たとえ危害を加えられたとしても攻撃を仕掛けることはない。感情の起伏をめったに見せることはなく、会話をすることもほとんどない。しかし、感情が希薄なのは、地獄少女が地獄通信に私情を挟んではいけない掟によるところが大きく、本来は心優しい性格をしている。そのため、使い魔の三藁である輪入道、一目連、骨女からは慕われている。なお、身元が不祥ながら、学校に潜入しても誰からも怪しまれない。もともとは安土桃山時代にとある村で産まれた「あい」という名前の少女。儀式の生け贄として捧げられ、一度は幼なじみの仙太郎に助けられて生き延びたものの、数年後に捕まり生き埋めにされてしまう。その恨みから怨霊となって村を焼きつくし、その罰を洗い流すために「人面蜘蛛」と呼ばれる管理者から「閻魔あい」と名づけられ、それ以来数百年に渡って地獄流しを続けている。

輪入道 (わにゅうどう)

閻魔あいの使い魔である三藁の内の一人。本来は火の付いた車輪のような姿だが、普段は老人の男性のような容姿をしており、三藁の中では最古参。含蓄のある言葉を吐くことが多い。妖怪になる前はさる姫を運ぶ馬車の車輪だったが、敵勢に襲われた姫を守りきれなかったため、後悔の気持ちが強く妖怪となってしまった。 その後、行く宛もない気持ちを人を驚かすことで発散させていたところをあいと遭遇し、彼女の使い魔となった。

一目連 (いちもくれん)

閻魔あいの使い魔である三藁の一人で、片目を前髪で隠した美青年。隠された瞳を物体と同化させることで、離れた場所から物を見る能力を持つ。その正体は多くの人を殺めてきた刀の付喪神。ただし、見た目は人間とほぼ変わらず、ある学校で偽の地獄通信が作られた時は、犯人を探すために教師として潜入し、その際に「石元連」と名乗る。ふだんは斜に構えたような物言いをすることが多いが、内心では一目連なりの正義感を持ち合わせており、林晃子を陥れるために白石早苗を犠牲にしようとした落合に皮肉を言ったり、偽物の藁人形を用意して山崎有紗を弄んだ正木に対して、はっきりと不快感を口にするなど、時おり感情的になったり、私情を挟むこともある。また、三藁やあいのことを大切に思っており、あいが自分たちのことを忘れてしまった時は悲痛な表情を浮かべる。あいと同様に、学校に潜入しても誰からも怪しまれないという特徴を持つ。

骨女 (ほねおんな)

閻魔あいの使い魔である三藁の内の一人。本来の姿は名前の通り骸骨であるが、普段は肉付きの良い妙齢の美女の姿をしている。妖怪となる前はつゆという名前の娘だったが、男に裏切られて遊郭に売られた挙句、信頼していた妹のような娘にも裏切られた末に殺害されている。その恨みから妖怪と化してしまい、人々を驚かしていたところをあいと出会い、彼女によって救われたためにあいを強く慕っている。

きくり

幼女の外見をした妖怪。突如として閻魔あいらの前に現れて行動を共にするようになる。子供っぽい発言をする一方で、どこか大人びた面もかいま見える。

仙太郎 (せんたろう)

閻魔あいが人間の少女だった頃、同じ村に住んでいた少年。あいと親しくしており、彼女が7年に一度行われる儀式の生け贄として選ばれた時、彼女を救出する。しかし、その数年後にあいの存在が村人に発覚すると、あいは両親共々生け贄として生き埋めにさせられ、村人から強制的にあいを埋めさせられたせいで仙太郎自身もあいからの恨みを買ってしまう。脅されたとはいえ、あいに対する行いを深く後悔しており、のちに彼女を供養するための寺を建てる。一目連はこのことを知っているが、仙太郎の意思を尊重し、あいに直接伝えずにいる。

その他キーワード

地獄通信 (じごくつうしん)

深夜零時にのみアクセス可能なwebサイト。地獄少女である閻魔あいに依頼をすることで、憎い相手を地獄へ流すことができる。依頼内容があいに認められると、彼女から赤い紐が付いた藁人形を手渡され、その紐を引き抜くことで契約完了となり、あいの手により対象への地獄流しが行われる。対象の記述は名前である必要はなく「つきまとう人」や「お父さん」など、抽象的な表現でも問題はない。地獄流しが行われた人間の身体は現世から完全に消滅し、世間では行方不明として扱われる。また、依頼の対象者が地獄に流される時に、行ってきた悪行を三藁の手によって再現されることもある。地獄流しを依頼した人は、現世における生を全うすることこそ許されるが、死を迎えたのちは地獄に落ち、永遠に苦しみ続けるという代償を支払わなければならず、その証として依頼人の胸元には印が付けられる。しかし、地獄での責め苦に関しては詳しく説明されないため、依頼者からは軽く見られることも少なくない。基本的には恨みを晴らすための手段であるとされているが、人間の恐ろしさがより顕在化した現代では、悪党から身を護ったり、憂さ晴らしに使われることも多い。また、ごくまれに依頼を断られることもあり、雅絵や正木、上原あすか、飯合蛍など、地獄通信に書き込みながら、契約できなかった人間もわずかながら存在する。なお、地獄通信に書き込みを行い、藁人形の紐を解くまでのあいだに対象が死んだ場合は、あいから藁人形を回収されるが、依頼者が地獄に落ちることはなくなる。また、自殺の手段として、自分自身を地獄へ流すことも可能だが、その場合は特例として、あいや三藁から本当にそれを行うか確認を取られるようになっている。あいが怨霊になってから数百年以上に渡って存続してきた制度で、インターネットが無い時代は手紙という形式を取っており、時代と共に進歩している。

クレジット

原作

地獄少女プロジェクト

書誌情報

地獄少女 全9巻 講談社〈講談社コミックスなかよし〉 完結

第1巻

(2006年1月発行、 978-4063641011)

第2巻

(2006年7月発行、 978-4063641141)

第3巻

(2006年10月発行、 978-4063641240)

第4巻

(2007年3月発行、 978-4063641387)

第5巻

(2007年7月発行、 978-4063641554)

第6巻

(2007年12月発行、 978-4063641684)

第7巻

(2008年3月発行、 978-4063641813)

第8巻

(2008年7月発行、 978-4063641912)

第9巻

(2008年10月発行、 978-4063641974)

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