概要
11年に一度の祝祭が近づき、正十字学園町は活気に満ち溢れていた。そんな中祓魔師たちはというと、悪魔退治や結界の張り替えに大忙し。燐も例に漏れず、雪男やしえみと共に幽霊列車の討伐を任されたが、戦闘の最中古い祠を倒壊させ、悪魔の封印を解いてしまう。
祭りまでの間、その悪魔の監視役をすることとなった燐は、うさぎに似た容姿から、うさ麻呂という名前を付け、共に生活を送っていく。
登場人物・キャラクター
奥村 燐 (おくむら りん)
人間と、悪魔の王であるサタンとの間に生まれた少年。幼い頃に孤児となり、以降双子の弟の雪男と共に修道院の神父である藤本獅郎に育てられた。やや乱暴で短気な面もあるが明るい性格。 獅郎に告げられるまで自身の出生や悪魔のことについては何も知らずに過ごしてきたが、幼少の頃からその片鱗として並外れた怪力を持ち合わせており、それが災いして周囲からは浮いた存在であった。 悪魔としての力が覚醒した後は、降魔剣倶利伽羅に力を封じ込めているが、一度その剣を抜けばしっぽや牙など悪魔としての特徴が現れ、実の父であるサタンと同様に青い炎を全身に纏う。 自分を生かすために死んだ獅郎の仇を討つため、祓魔師になることを宣言し、正十字学園内部に設けられた祓魔塾へと通うことになる。悪魔であるうさ麻呂の封印を解いてしまったことから、謎の多い彼の監視役として祭りの期間中共に生活をすることとなった。 世話の焼けるうさ麻呂の面倒を見る中で、次第に弟のような存在だと感じるようになっていく。
霧隠 シュラ (きりがくれ しゅら)
上一級祓魔師の称号を持つ女性で、サタンに関係する燐の監視を命じられ、ヴァチカン本部より派遣された上級監察官。素性を隠すため山田という偽名を用い、祓魔塾生として潜入していた。 雪男とは、かつて獅郎の弟子として教えを受けていた頃からの付き合いである。非常に露出度の高い格好をしており、胸元から臍の辺りにかけて刻まれた入れ墨から、魔剣を抜き出し戦う。
杜山 しえみ (もりやま しえみ)
本作のヒロインで、祓魔塾に通う少女。祓魔師用品店の娘で、雪男とは彼が祓魔師になったころに知り合い、雪ちゃんと愛称で呼んでいる。人見知りの激しい性格だが、燐とは彼の持ち前の明るさもあり出会ってすぐに打ち解けることが出来た。 悪魔による傷、魔障を受けたことにより足が不自由であったが、奥村兄弟の尽力により解決、それによって祓魔塾へと通うようにもなる。手騎士(テイマー)の素質を持っており、体から植物を生やす力を持つ、緑男(グリーンマン)のニーちゃんを使い魔として使役する。
うさ麻呂 (うさまろ)
古い祠に封印されていた、幼い少年の姿をした悪魔。うさぎに似ているため、燐によってうさ麻呂と名付けられた。一見害はなさそうに見えるが、封印されていた理由や能力が不明のため、燐が監視につけられ、祭りの間共に暮らすこととなる。 燐が作るとろとろのオムライスに喜んだり、祓魔塾生の面々に遊んでもらい楽しむ姿は無邪気な子供そのものである。
勝呂 竜士 (すぐろ りゅうじ)
祓魔塾に通う少年。京都の由緒ある寺の出自であり、京都の方言で話す。同郷の廉造と子猫丸からは坊と呼ばれている。少々直情的な性格で、複数のピアスと前髪に金のメッシュが入った不良然とした風貌だが、祓魔塾での成績は優秀で態度も至って真面目である。
リュウ・セイリュウ (りゅうせいりゅう)
正十字騎士團台湾支部の上一級祓魔師であり正十字学園の結界の張り替えを手伝うために日本へやってきた。台湾で有名な、村一つを堕落させ滅ぼしたという伝説の悪魔を祓った一族の出自である。 クールな性格で、悪魔を祓うことは仕事であると割り切っている。
三輪 子猫丸 (みわ こねこまる)
祓魔塾に通う少年。勝呂竜士の父の弟子にあたり、勝呂や廉造と共に上京して祓魔師になるための勉学に励んでいる。高校生としては小柄な体格で、坊主頭にやや大きめの眼鏡をかけている。 出身地である京都の方言で話す。優しく穏やかな性格で、感情的になりがちな勝呂を落ち着かせたり、皆のまとめ役になることが多い。
志摩 廉造 (しま れんぞう)
祓魔塾に通う少年。勝呂竜士の父の弟子にあたり、勝呂や子猫丸と共に上京して祓魔師になるための勉学に励んでいる。特徴的なピンク色の髪をしており、出身地である京都の方言で話す。 女好きでスケベな一面を持ち、飄々とした性格だが、虫だけは大の苦手。戦闘時はキリクという錫杖を使う。
クロ
獅郎の使い魔であった猫又。普段は通常の猫程の大きさだが、人を乗せられるまでに巨大化することが出来る。獅郎の死を知り、巨大化の末暴走するが、燐に宥められ悲しみを受け入れる。 正十字学園南裏門の門番であったが、後に燐の使い魔となる。
神木 出雲 (かみき いずも)
祓魔塾に通う少女。平安時代を思わせる麻呂眉が特徴的。巫女の血統で、手騎士(テイマー)としての才能を持ち白狐を2体使役している。自分の力に自信を持っているため、度々クラスメイトを見下すかのような言動が見られるが、その一方で、かわいい物が好きなどの女の子らしい面も持ち合わせている。
奥村 雪男 (おくむら ゆきお)
燐の双子の弟で、中一級祓魔師の少年。燐と同じく、幼い頃から修道院に引き取られ、その神父である藤本獅郎に育てられた。眼鏡をかけており、兄とは正反対の穏やかさと冷静さを合わせ持つが、怒りにかられ、根底に秘めた荒々しい性質を覗かせることもある。 燐とは違いサタンの力を受け継いではいないが、悪魔である燐から受けた傷「魔障」によって、物心がつく頃は既に悪魔が見えており、悪魔に狙われる燐を守るため祓魔師の道を志した。 その才能は7歳から祓魔について学び、史上最年少の13歳で祓魔師の称号を得た程に秀でており、現在では祓魔塾にて対悪魔薬学の講師も務めている。 当初は素性がわからない悪魔であるうさ麻呂を処分すると主張したが、燐が保護を望んだため、しぶしぶながら受け入れる。うさ麻呂と必要以上に仲を深める燐に対し、厳しい態度を見せる。
場所
物質界・虚無界 (あっしゃーげへな)
『青の祓魔師』に登場する場所の名称。物質界とは人間の住む世界を指し、虚無界とは悪魔の棲む世界を指す。本来、物質界と虚無界は互いに干渉することは不可能だが、悪魔は物質界の物質に憑依することで人間に干渉することが可能。
その他キーワード
祓魔師 (えくそしすと)
『青の祓魔師』に登場する役職。悪魔を倒すだけの力を持つ、悪魔払いを行う者たちのことを総称して祓魔師と呼ぶ。祓魔師を志す者は、まず「祓魔塾生(ペイジ)」として基礎を学び、その後「候補生(エクスワイア)」に進んだ後、技術資格である称号(マイスター)を取得することによって、晴れて祓魔師として認められる。 称号は計五種が存在しており、祓魔師は刀剣で戦う「騎士(ナイト)」、銃火器で戦う「竜騎士(ドラグーン)」、使い魔を使役し戦う「手騎士(テイマー)」、聖書や経典を唱えて戦う「詠唱騎士(アリア)」、そして魔障に対する知識を持ち医療を担う「医工騎士(ドクター)」のいずれかに分類される。 また階級によるクラス分けもあり、下から下二級、下一級、中二級、中一級、上二級、上一級、さらにこれらの上に名誉称号として「名誉騎士(キャンサー)」、「四大騎士(アークナイト)」、そして最強の称号としてただ一人にのみ与えられる「聖騎士(パラディン)」が存在している。