あらすじ
第1巻
鳥羽まことと十和さくら、それに倉橋辰巳は高校のクラスメイト。そして、まことはさくらの事が好きで、さくらは辰巳の事が好きだった。しかし、まことがさくらに告白をしたその日、さくらはタイムスリップによって失踪してしまう。それから16年後、上牧みい子という恋人がいるまことの前に、さくらは突然姿を現す。まことは、みい子と同棲していた家にさくらを住まわせ、面倒を見る事になった。そんなある日、さくらは今度は過去へとタイムスリップしてしまう。
第2巻
十和さくらがタイムスリップした先は、鳥羽まことが大学生で、そしてさくらと瓜二つの、岸田梅子と名乗る女とセフレ関係にある時間軸の世界だった。さくらはそこで、まことが梅子に「さくらの恰好」をさせて、「さくらへの愛」を語らいながらただれた愛欲に溺れている姿を目撃してしまう。さくらはそこから再び未来の世界へと戻る事になったが、まことに対し複雑な思いを抱き始める。そんなある日、さくらはついにまことに告白同然の言葉を伝えるのだが、上牧みい子とさくらのあいだで板挟みになって悩むまことからは、拒絶されてしまう。
第3巻
十和さくらは未来の世界で再会した倉橋辰巳に、自分がタイムトラベラーである事を明かす。だが辰巳はそれを信じなかった。一方、鳥羽まことは上牧みい子の実家に遊びに行き、勢いで結婚の約束をしてしまう。そんなある日、辰巳がたまたま再会した元クラスメイトの澤を巻き込んで、みんなで南の島に海外旅行に行く事になった。旅行先で、みい子は澤から、かつてまこととさくらが彼氏彼女同然の関係であったという話を知らされ、激しいショックを受ける。さらに、さくらがまことに飛びついてキスをするのを目撃してしまう。
第4巻
十和さくらと鳥羽まことは、ずっと号泣している上牧みい子を伴って宿へと戻った。その後、女同士で何が話し合われたのか、さくらとまことはみい子公認でデートをする事になる。だが、そのデートの帰り際、もう一人のさくらが姿を現し、まことに対して、今いっしょにいるのは本当のさくらではないと叫ぶ。実は、さくらが小刻みにタイムスリップを起こすようになっていたために、いつの間にか「より未来の時間軸からやって来たさくら」が、過去の自分と成り代わっていたのである。この後、本物のさくらとまことは同時にタイムスリップする事となり、二人で16年後の未来に飛ばされたうえ、まことが記憶喪失になってしまう。同棲生活の末、二人はついに結ばれたものの、まことが記憶を取り戻し、日本に戻る事になった。アパートに戻ると、そこにはずっとまことを待っていたみい子がいた。その手を取るまことと、背を向けるさくら。そして、さくらは再び時間を遡行し、岸田梅子という存在になる道を選ぶのであった。
登場人物・キャラクター
鳥羽 まこと (とば まこと)
十和さくらと知り合った時は16歳の男子高校生。さくらがタイムスリップした16年後の未来の世界では、髪を金髪に染めた32歳のデザイナー。「重装機神ギガンニュート」を制作しているゲーム制作会社「ゲームアトランティス」の元社員であり、現在は外注スタッフとして働いている。元同僚たちからは「キンパツ」と呼ばれている。同社で上牧みい子と知り合った。 さくらへの絶ち難い恋情と、みい子への愛情の狭間で苦悩する。
十和 さくら (とおわ さくら)
鳥羽まことのクラスメイトの女子高校生で、16歳の少女。倉橋辰巳というクラスメイトの少年に恋をしていて、告白してうまくいきそうになったところを、まことに邪魔される。それについて怒りをぶつけた直後、16年後の未来の世界にタイムスリップし、寄る辺のない身の上となってしまう。
上牧 みい子 (かんまき みいこ)
未来の世界の鳥羽まことが、ゲーム制作会社「ゲームアトランティス」で出会い、恋人となった女性。まこととは婚約中で、同棲を始めたばかり。ゲーム「重装機神ギガンニュート」の大ファンであり、その点は十和さくらと気が合う。しかし、まことを巡る恋愛関係のうえでは、さくらに対してはっきりとした嫉妬心を抱いている。
倉橋 辰巳 (くらはし たつみ)
鳥羽まことと十和さくらの高校時代のクラスメイトの男性。髪を金髪に染めていることから、まことから密かに「キンパツ」というあだ名を付けられていた。さくらの失踪後にまことと親しくなり、16年後の未来の世界でも交流が続いている。未来の世界では黒髪になっている。
岸田 梅子 (きしだ うめこ)
学生時代の鳥羽まこととセフレ関係にあった女性。外見は十和さくらと瓜二つ。タイムスリップして来た十和さくらと遭遇した時点では、20歳でフリーターだと自称している。まことからは、実は梅子こそが、さくらなのではないかと疑われている。
澤 (さわ)
鳥羽まことと十和さくらの高校時代のクラスメイトの女性。倉橋辰巳の元カノ。既婚だが、夫が高校時代の同級生と不倫していたことが発覚し、離婚協議中だったところで倉橋と再会した。その後、まこととさくらとともに、同窓会のようなノリで一緒に旅行に行くことになる。
場所
豊海高の化け桜 (とよみこうのばけざくら)
女子高校生だった頃の十和さくらが、初めてタイムスリップした場所。当時はさくらは失踪したことになっており、ちょっとした事件となった。そのため、豊海高の化け桜は怪異スポットとして地域の噂になっていた。さくらが16年後の未来の世界に再び姿を現したのも、この場所だった。その後、さくらはこの木の下以外でも、タイムスリップを起こすようになる。
その他キーワード
重装機神ギガンニュート (じゅうそうきしんぎがんにゅーと)
十和さくらが愛好し、友人だった鳥羽まこととともに遊んでいたアクションゲーム。ゲーム制作会社「ゲームアトランティス」の作品。2人が高校生の頃に遊んでいたのは1作目で、16年後の未来の世界では、「重装機神ギガンニュート4 TIME DIVER」という4作目の作品が作られている。この4作目のキャラクターデザインは、まことが手掛けている。