概要・あらすじ
宇宙都市・ダイソンスフィアの開発により、総人口の7割が宇宙で暮らす時代。世界はドルシア軍事盟約連邦と環大西洋合衆国(ARUS)の2大勢力により支配され、その中において小国・ジオールは中立平和を謳い、技術・経済力で独自の立場を築いていた。
そんなある日、ジオールは人型兵器ヴァルヴレイヴの奪取を目論むドルシア軍による奇襲を受け、無条件降伏。その中において区画モジュール77に所在する咲森学園の生徒たちは、時縞ハルトたちが起動に成功したヴァルヴレイヴを武器に、ジオール総理大臣の娘・指南 ショーコをトップとした新生ジオール内閣を発足させた。
月を拠点として活動し、ヴァルヴレイヴの機体が抱える秘密等が明らかとなっていく中、ハルトたちヴァルヴレイヴパイロットは地球降下作戦による敵陣営への威力偵察を開始する。
登場人物・キャラクター
時縞 ハルト (ときしま はると)
咲森学園の2年生で、ヴァルヴレイヴⅠのパイロットを務める少年。同級生で幼馴染みの指南ショーコに好意を抱いているが、言い出せずにいる。争いごとを嫌う優しい性格の持ち主だが、ドルシア軍侵攻の際にショーコが殺されたと勘違いし、復讐のため偶然見つけたヴァルヴレイヴⅠに搭乗。 見事に敵を撃破したものの、それにより人ならざるマギウスの力を取得してしまい、不死の体と噛み付き衝動によるジャック能力、更には凶暴化という人外的体質の「呪い」に葛藤するようになる。 地球降下作戦において父・時縞ソウイチと再会を果たすが、そこで彼こそがヴァルヴレイヴ計画の責任者であることを知る。
山田 ライゾウ (やまだ らいぞう)
咲森学園の2年生で、ヴァルヴレイヴⅢのパイロットを務める少年。不良グループのリーダーで、自らをサンダーと呼称する。友情に厚い熱血漢であり、ドルシア軍侵攻の際に失った仲間の復讐のため、ヴァルヴレイヴのパイロットとなる。
プルー
カインが所持する緑色の結晶体に潜在していたが、ヴァルヴレイヴIIに組み込まれ覚醒した、謎の少年。ジオール人に対し強い憎悪を抱いている。
アードライ
ドルシア軍の特務大尉。カルルスタイン機関の出身で、共に訓練を受けた仲であるエルエルフとはライバル関係にありつつも、信頼し合う関係。しかし咲森学園潜入時、時縞ハルトによりジャックされたエルエルフに左眼を撃たれてしまい、事情を知らないことから彼を裏切り者とみなして執拗に追いかけるようになる。 しかし流木野サキがジャックを行う現場を目撃したことでマギウスの存在を知ることとなり、エルエルフの潔白と真意を理解することとなる。
犬塚 キューマ (いぬづか きゅーま)
咲森学園の3年生で、ヴァルヴレイヴⅤのパイロットを務める少年。時縞 ハルトたちの気のいい先輩であり、相談相手。金持ちになることが夢で、常にそのための算段を欠かさない。好意を抱いていた櫻井アイナの死をきっかけに、ヴァルヴレイヴで戦う事を決意する。
クリムヒルト
ドルシア軍少佐で、カインの副官。女性士官ながら士官学校を優秀な成績で卒業した聡明な人物であり、カインの謎めいた行動に疑念を抱くようになる。ドルシアの旧体制に殉ずる王党派に属しており、所属不明の潜水艦ファントムの破壊任務を交換条件として提示し、リーゼロッテの救出とエルエルフらの月への帰還に協力する。
リーゼロッテ
ドルシアの幼い王女。アマデウス・K・ドルシアの革命により、現在は囚われの身。 幼い頃にエルエルフと出会い、彼の命を救った経験を持つ。ドルシア領に潜入したエルエルフらにより解放されるも、時縞ハルトに世界に暗躍するマギウスにまつわる真相を語った後、彼らを月へ還すために身を投げ出し落命する。
環大西洋合衆国 (かんたいせいようがっしゅうこく)
『革命機ヴァルヴレイヴ』に登場する架空の国。ARUSは「Atlantic Rim United States」の称。環大西洋の国々が経済協定を結ぶことで形成された超大国。ジオールとは友好関係にあるが、その技術力・経済力を虎視眈々と狙っている。
ハーノイン
ドルシア軍の特務大尉。カルルスタイン機関の出身で、イクスアインとは同期の陽気なムードメーカー。ジオール侵攻後、上官であるカインに対し疑念を抱き始め、秘かにその素生を調査するが、秘密を知ったためカインに殺されてしまう。
クーフィア
ドルシア軍の特務大尉で、いたずら好きな少年。いつも携帯ゲーム機を手放さず、軍での実戦や殺戮もゲーム感覚で行う。
連坊小路 サトミ (れんぼうこうじ さとみ)
咲森学園の3年生で、生徒会長を務める少年。プライドが高く成績も優秀だが、不測の事態や気の強い女性には弱く、どこか頼りなさが漂う。妹の連坊小路アキラには避けられているが、それでも彼女のことを大切に想っている。 かつてアキラを守ることができなかったことを悔やんでおり、アキラたちがカミツキである事実を知らされた後も、彼女らを信じ支え続ける。
咲森学園 (さきもりがくえん)
設立3年目にして、生徒数は約3000人の大規模な学校。ジオールスフィアのモジュール77に存在する。全寮制。その地下にはジオール軍の研究施設が隠されており、秘密裏にヴァルヴレイヴの研究・開発が行われていた。 新生ジオールの礎となる。
イクスアイン
ドルシア軍の特務大尉。カルルスタイン機関の出身で、ハーノインとは同期。冷静沈着で分析力に優れる。カルルスタイン機関時代の教官であり、現在の上司でもあるカインに対し、崇拝に近い尊敬の念を抱いている。 カインの命令で「帰らずの館」へと招かれ、その場でハーノインが裏切り者として処罰されたことを告げられる。
野火 マリエ (のび まりえ)
咲森学園の2年生で、指南ショーコの親友。見た目は幼く見えるが、精神的には大人びており、ツッコミ役に回ることが多い。記憶喪失により2年以上前の記憶を失っており、その真実は人類初のマギウスかつ、ヴァルヴレイヴIのテストパイロット。 ヴァルヴレイヴの動力源として、記憶は吸いとられてしまっていた。その事実を受け止めつつ、仲間を守るため再びヴァルヴレイヴIを操縦することを決意するも、記憶とともに命を吸いつくされ絶命してしまう。
エルエルフ
ドルシア軍特務機関に所属していたエージェントの少年。頭脳明晰で、目的のためなら手段を選ばず、また高い戦闘能力も持つ。ヴァルヴレイヴ拿捕の任務で咲森学園にアードライらと共に潜入し、時縞ハルトを殺害。 しかし、マギウスの力により生き返り暴走したハルトに体をジャックされ、その状態でアードライを銃撃したために裏切り者としてドルシアから追われる立場となってしまう。 そのため、以降はヴァルヴレイヴの能力を見込み、モジュール77に戦略面、軍事面で協力をしていく。命の恩人でもあるリーゼロッテの救出を最優先事項と捉えており、彼女をドルシア国から奪還すべく行動を起こす。
流木野 サキ (るきの さき)
咲森学園1年生で、ヴァルヴレイヴⅣのパイロットを務める少女。活動休止中の人気アイドルとして、世間に知られた存在。何事にも冷めた性格で、目的のためなら手段を選ばないというしたたかさを持つため、学園では孤立している。 自らの売名の為に時縞ハルトを利用しようとするが、彼の優しさに触れたことで好意を抱くようになる。新生ジオールにおいては広告塔的な役割を担っていたが、地球降下作戦においてドルシアに捕獲されてしまう。
ドルシア軍事盟約連邦 (どるしあぐんじめいやくれんぽう)
『革命機ヴァルヴレイヴ』に登場する架空の国。ARUSに対抗するため、ユーラシア・東欧を中心に結ばれた軍事同盟を基礎として形成された軍事国家。軍事政変「紅い木曜日」以降、統治機構が大幅に改変された。 中立国であるジオールに突如侵攻し、ジオール本土とジオールスフィアを占領する。
アマデウス・K・ドルシア
ドルシア軍事盟約連邦の総統。「紅い木曜日」と呼ばれる革命闘争により旧体制を崩壊させ、現体制を築く。高いカリスマ性で軍事国家としてのドルシアを力強く牽引する。
カイン
ドルシア軍の大佐。カルルスタイン機関ではエルエルフたちの教官として指導にあたっていた、非常に優秀な軍人。指揮官としてアードライらエージェントを統率しており、またヴァルヴレイヴIIに搭乗することが出来る。
指南 ショーコ (さしなみ りょーこ)
咲森学園2年生の少女。同級生の時縞ハルトとは幼馴染で、好意を抱いているが言い出せずにいる。明るく社交的で友人も多い。ジオール総理大臣・指南リュージの娘であり、自身も高い行動力と統率力をもって咲森学園の危機を退けるカリスマ性の持ち主。 選挙で当選したことから新生ジオールの総理大臣となるが、その重責に悩ませることとなる。
ピノ
ヴァルヴレイヴⅠのコクピットモニターに表示される、謎の少女。言動が過激であったり、一般常識に欠ける部分がある。
ジオール
『革命機ヴァルヴレイヴ』に登場する架空の国。大国ドルシア軍事盟約連邦と環大西洋合衆国にはさまれつつも、中立の立場で独自の平和主義を守ってきた東アジアの国家。技術力・経済力に優れる。時縞ハルトたちの祖国。
連坊小路 アキラ (れんぼうこうじ あきら)
咲森学園の2年生で、ヴァルヴレイヴⅥのパイロットを務める少女。学園の生徒会長・連坊小路サトミの妹であり、学園内のみならず、世界規模で利用されているSNSシステムWIREDを開発したプログラマー。 人との交流が苦手で、学園内で引きこもり生活を続けている。偶然から指南ショーコと友達となり、彼女を助けるためにヴァルヴレイヴに乗り込む。ヴァルヴレイヴⅥの特殊能力と自身の能力を生かしたクラッキングにより、マギウスによる陰謀を世界に曝く。
場所
ジオールスフィア
人が宇宙で暮らすための施設ダイソンスフィアのうち、ジオール領のもの。中心部に人工太陽を有する直径200～300kmほどの巨大な球体状の構造物。外郭はハニカム構造で覆われた球体で、多数のモジュールの集合体から構成されている。 月と地球のラグランジュポイントに存在している。
モジュール77
ジオールスフィアのモジュールのうち、77番目に建造されたもので、咲森学園が所在する。直径約10kmの円形プレートの周囲に六角形の支柱が取り囲むように設置されており、その上に巨大なガラス状の天蓋が置かれた構造をしている。
その他キーワード
ヴァルヴレイヴ
『革命機ヴァルヴレイヴ』に登場する兵器。ジオールが秘かに研究、開発していた人型兵器で、霊長兵器と呼ばれる。モジュール77内で複数体が発見される。操縦するには登録認証が必須で、その際に操縦者はマギウスとなってしまう。 現行兵器を遙かに上回る性能を持つが、熱に弱く、長期稼働や外部の環境により一定値を超えると一時的に機能停止に陥るという弱点がある。そのため、モジュール77には専用の冷却設備も用意されていた。 各機体ごとに特殊兵装、機体特性が異なる。
ルーン
『革命機ヴァルヴレイヴ』に登場する用語。マギウスの糧であり、ヴァルヴレイヴのエネルギー源でもある情報原子。人間が多く保有するが、ルーンを搾取されることで記憶が消失していき、一度に過度に奪われると記憶のみならず命まで失うことになる。
キルシュバオム
『革命機ヴァルヴレイヴ』に登場する兵器。ヴァルヴレイヴⅡの解析データを元に、対ヴァルヴレイヴ用兵器としてドルシア軍により開発された。同軍の戦略兵器イデアール級機動殲滅機をベースとしているが、可変機構を有し、人型となる殲滅出力形態ではヴァルヴレイヴと互格以上の戦闘能力を発揮する。
マギウス
『革命機ヴァルヴレイヴ』に登場する用語。時縞ハルトら、ヴァルヴレイヴと搭乗契約を果たしたもののこと。人とは異なる存在となり、普通は致命傷となるほどの傷を受けても、数分で蘇生するという異常な回復能力が特徴。 また他人を噛み付くことで、相手の体、意識に乗り移るジャックと呼ばれる能力も持つ。 その際には、自分の身体は意識を失った抜け殻のような状態となる。
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