概要・あらすじ
高校生の押切トオルは親友の同級生中島を殺して、自宅の庭に埋める。殺害の理由は、自分と同じ低身長だった中島の身長が伸びて、相変わらずの押切に憐れみの態度を見せたからだ。死体を埋めている途中、押切は、中島の首が異常に伸びていることに気づくが、幻覚を見たのだと自分を納得させる。翌日、学校で押切は、中島のガールフレンドの堀田に、土曜日から行方不明になった中島の心当たりを聞かれる。
知らないふりをした押切だが、堀田は土曜の夕方、中島が押切の家に入るのを見たという。押切が何とかごまかそうとしていると、堀田の首がどんどん伸び始める。
登場人物・キャラクター
押切 トオル (おしきり とおる)
背が小さいことにコンプレックスがある。同級生の中島は小学生からの親友で、彼の背も小さかったが高校になってどんどん伸び始めた。同じく同級生の堀田は中島のガールフレンドになるが、押切は彼女に密かな思いを寄せていた。押切は中島に背が低いままのことを慰められたことで、憐れまれたと思い、家に来た中島を殺して庭に埋めてしまう。 その時、中島の首が異常に伸びているのを目撃し、幻覚か現実か分からなくなる。
中島 (なかじま)
『首幻想』に登場する高校生男子。同級生の押切トオルとは小学生からの親友。2人とも背が低かったが、高校になって中島の身長がどんどん伸び始め、180cnを超えてかっこよくなり、もてはじめる。押切が密かに思いを寄せていた同級生の堀田がガールフレンド。身長が低いままの押切に慰めの言葉を言ったのが、逆にコンプレックスを刺激し、押切の家で絞殺された。 押切は庭に死体を埋めている時、中島の首が異常に伸びていることに気づく。
堀田 (ほった)
『首幻想』に登場する高校生女子。同級生に押切トオルと中島がおり、3人で仲が良かったが、やがて、中島と付き合うようになる。中島が行方不明となり、学校で押切に心当たりを尋ねるが、知らないと言われる。しかし、堀田は中島が押切の家に入るのを目撃していた。押切にそのことを問い質しているとき、押切には堀田の首がどんどん伸びていくように見え、恐怖心から頭を蹴り飛ばす。 騒ぎで周囲の人間が駆け寄って来た時、堀田の首は元のままだった。
隆幸 (たかゆき)
『首幻想』に登場する、押切トオルの従兄。心理学を専攻している大学生で、親のいる自宅暮らし。押切から、他人の首が伸びる幻覚について相談され、孤独感と低身長の悩みが原因ではないかと推測した。仕事で海外にいる押切の両親が日本に帰るまで、隆幸の家での同居を勧める。