首幻想

首幻想

高校生・押切トオルが経験した異常現象と怪奇事件を描くホラー短編。押切が登場する作品は、『首幻想』『生霊の沼』『ペンフレンド』『侵入者』『押切異談』『押切異談・壁』の6話ある(発表順)。主人公の押切の設定はほぼ同じだが、各短編は基本的に独立したストーリーである。ただし、『侵入者』『押切異談』『押切異談・壁』は、自宅の屋敷に異次元の出入り口があるという設定で、連作の要素が強い。

正式名称
首幻想
ふりがな
くびげんそう
作者
ジャンル
ホラー
 
怪談・伝奇
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概要・あらすじ

高校生の押切トオルは親友の同級生中島を殺して、自宅の庭に埋める。殺害の理由は、自分と同じ低身長だった中島の身長が伸びて、相変わらずの押切に憐れみの態度を見せたからだ。死体を埋めている途中、押切は、中島の首が異常に伸びていることに気づくが、幻覚を見たのだと自分を納得させる。翌日、学校で押切は、中島のガールフレンドの堀田に、土曜日から行方不明になった中島の心当たりを聞かれる。

知らないふりをした押切だが、堀田は土曜の夕方、中島押切の家に入るのを見たという。押切が何とかごまかそうとしていると、堀田の首がどんどん伸び始める。

登場人物・キャラクター

押切 トオル (おしきり とおる)

背が小さいことにコンプレックスがある。同級生の中島は小学生からの親友で、彼の背も小さかったが高校になってどんどん伸び始めた。同じく同級生の堀田は中島のガールフレンドになるが、押切は彼女に密かな思いを寄せていた。押切は中島に背が低いままのことを慰められたことで、憐れまれたと思い、家に来た中島を殺して庭に埋めてしまう。 その時、中島の首が異常に伸びているのを目撃し、幻覚か現実か分からなくなる。

中島 (なかじま)

『首幻想』に登場する高校生男子。同級生の押切トオルとは小学生からの親友。2人とも背が低かったが、高校になって中島の身長がどんどん伸び始め、180cnを超えてかっこよくなり、もてはじめる。押切が密かに思いを寄せていた同級生の堀田がガールフレンド。身長が低いままの押切に慰めの言葉を言ったのが、逆にコンプレックスを刺激し、押切の家で絞殺された。 押切は庭に死体を埋めている時、中島の首が異常に伸びていることに気づく。

堀田 (ほった)

『首幻想』に登場する高校生女子。同級生に押切トオルと中島がおり、3人で仲が良かったが、やがて、中島と付き合うようになる。中島が行方不明となり、学校で押切に心当たりを尋ねるが、知らないと言われる。しかし、堀田は中島が押切の家に入るのを目撃していた。押切にそのことを問い質しているとき、押切には堀田の首がどんどん伸びていくように見え、恐怖心から頭を蹴り飛ばす。 騒ぎで周囲の人間が駆け寄って来た時、堀田の首は元のままだった。

隆幸 (たかゆき)

『首幻想』に登場する、押切トオルの従兄。心理学を専攻している大学生で、親のいる自宅暮らし。押切から、他人の首が伸びる幻覚について相談され、孤独感と低身長の悩みが原因ではないかと推測した。仕事で海外にいる押切の両親が日本に帰るまで、隆幸の家での同居を勧める。

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