あらすじ
夢の一軒家に引っ越すことになった神木家。新しい生活に胸躍らせる一家七人だが、喜びも束の間、徐々に奇妙な現象が彼らの周りで起こり始める。まず一家の大黒柱・昭雄が急死、さらに祖父の章造が倒れ、三男の俊が謎の失踪。突然の悲劇にふさぎこむ次男の則雄の前に、霊感が強いという同級生の少女・住田奈緒が現れ、則雄の家を訪れる。そこで彼女が目にしたものは、家に取り憑いた少女の怨霊だった。次々と家族が死んでいくなか、突如ボケていたはずの則雄の祖母が覚醒。生き残った則雄を奮い立たせ、家族を奪った怨霊に壮絶な逆襲を始めるのだった。
実写映画
登場人物・キャラクター
神木 則雄 (かみき のりお)
中学三年生。高校受験を控えた平凡な少年。父・昭雄が買った家に引っ越してから次々と怪現象に見舞われて家族を失い、絶望に陥りかけていた。だが、則雄の祖母に鍛えられて生命力を取り戻し、家族の仇・サユリに立ち向かう意思を見せていく。
則雄の祖母 (のりおのそぼ)
則雄の祖母。作中に名前が登場せず、則雄からは「ばあちゃん」と呼ばれていた。ボケ気味だが、昔は気が強く、則雄からも恐れられていた。則雄以外の家族がサユリに殺された頃かつての気丈さを取り戻し、家族の仇を討つ決意をする。人間が怨霊たちに対抗できる唯一の武器を「生命力」だと考えており、則雄にもよく食べて毎日運動をし、きっちりとした生活を送って「命を濃く」するように教えた。
神木 昭雄 (かみき あきお)
則雄の父。サラリーマン。念願のマイホームを買って、一家で引っ越した。しかし、新居では眠れない日々が続き、ある日苦悶の表情を浮かべたまま死亡。死因は心筋梗塞だった。
神木 正子 (かみき まさこ)
則雄の母。家族を次々と失い、絶望して首を括ってしまう。
神木 径子 (かみき けいこ)
則雄の姉。少々ワガママなところがあるが、家族との仲は良好。父・昭雄の死後おかしなものを目にするようになり、部屋に閉じこもりがちになる。徐々に精神的に追い詰められ、自分の舌を噛み切ったのちに姿を消してしまう。
神木 俊 (かみき しゅん)
則雄の弟。小学五年生で、則雄によく懐いている。一軒家に引っ越してすぐ、何か不吉なものを感じ、暗がりを恐れていた。ある日の晩、則雄の隣で眠っていたところ、忽然と姿を消してしまう。
神木 章造 (かみき しょうぞう)
則雄の祖父。ばあさんと二人暮らしをしていたが、昭雄が家を買ったことで同居するようになった。昭雄の死後、庭先で何かに恐怖し気を失い入院、その後回復するも、家に帰ったとたん心不全を起こし死亡した。
住田 奈緒 (すみだ なお)
則雄の同級生の少女。霊感が強く、則雄に「女の人が見える」と言った。則雄の手助けをしようと彼の家を訪れ、そこでサユリが怨霊となった原因を幻視するも、則雄の目の前で姿を消してしまう。
九条 小百合 (くじょう さゆり)
則雄の家にかつて住んでいた少女。登校拒否の末に引きこもりとなり、母親にも手を上げていた。ある日、耐えかねた家族全員の手で殺され、死体は庭に埋められた。その恨みから怨霊と化し家に取り憑き、幸せそうな家族を次々と襲っていた。
九条 夏彦 (くじょう なつひこ)
サユリの父。部屋に引きこもり、家族に暴力を振るうサユリを見かねて、首を絞めて殺害した。
九条 美里 (くじょう みさと)
サユリの母。サユリのことは気にかけていたが、暴力に耐えかね、彼女を殺す手助けをした。
九条 香奈 (くじょう かな)
サユリの妹。母に暴力を振るうサユリを止めようと彼女を包丁で刺し、一家全員でサユリを殺すきっかけを作った。