魔法少女「ダンデライオン」の誕生
高校生の御花見たんぽぽは、幼い頃に両親を怪人に殺されるも、怪人のシェイドに守られながら平穏な学生生活を送っていた。そんなある日、校長室に呼び出されたたんぽぽは、防衛省直轄の特殊組織《蝶》の本部司令官、繭山孔雀から、魔法少女にならないかと誘われる。自分に並外れた魔力があることを知ったたんぽぽは前向きに検討するが、シェイドはそれに反対し、姿を消してしまう。数日後、魚型の怪人に襲われたたんぽぽは、再びシェイドに助けられる。彼に戦いにかかわらないよう諭されるが、「シェイドと肩を並べて戦いたい」という強い願いが引き金となり、ついに魔法少女「ダンデライオン」へと変身。秘めていた凄まじい魔力を解放し、怪人を打ち倒す。この一件でその力を認められたたんぽぽは、《蝶》に所属する魔法少女として怪人との戦いに身を投じることになる。
怪人も救う魔法少女の戦い
世間では、怪人は人間の生気を吸い取る悪しき存在とされ、魔法少女は人類の希望と見なされている。実際、怪人によって命を落とす人々はあとを絶たず、たんぽぽもシェイド以外の怪人は倒すべき存在だと考えていた。そんな中、警察を定年退職し喫茶店を営んでいたたんぽぽの祖父が、木の特性を持つ怪人へと変異してしまう。シェイドから、すべての怪人は「核」と呼ばれる魔法具を埋め込まれて変異した元人間だと聞かされたたんぽぽは、核が心臓と融合する前に魔法で浄化し、祖父を元の姿に戻すことに成功する。この出来事をきっかけに、たんぽぽは人間だけでなく、怪人も救うための戦いを志すようになる。
魔法少女「ダンデライオン」と怪人・シェイドの共闘
怪人のシェイドは、たんぽぽを守ることを最優先に行動している。そのため、彼女が魔法少女「ダンデライオン」として危険な戦いに身を投じることを恐れていた。当初は、たんぽぽを特殊組織《蝶》から除名させるため、彼女の手柄を妨害するような行動をとっていた。しかし、怪人の正体を知ったうえでなお戦う覚悟を示すたんぽぽの強い意志を認め、共に戦う決意を固める。二人は鏡やトランプをあやつる怪人、アリスを倒すなど、着実に戦果を挙げていった。一方、たんぽぽの先輩である魔法少女「ピオニー」こと葉月ぼたんは、シェイドの存在を危険視していた。もし、たんぽぽや《蝶》に危害を加えるようなことがあれば、容赦しないと公言している。
登場人物・キャラクター
御花見 たんぽぽ (おはなみ たんぽぽ)
高校1年生の少女。魔法少女「ダンデライオン」に変身する能力を持つ。年齢は16歳。幼い頃、両親を怪人に殺され、自身も絶体絶命の危機に陥ったが、突如現れた怪人のシェイドに命を救われた。それ以来、シェイドに守られながら、警察官の祖父と共に暮らしている。明るく社交的な性格だが、家族を失った寂しさや、何もできない無力感に人知れず悩んでいた。しかし、魔法少女「ダンデライオン」に変身する力を得てからは、シェイドと肩を並べて戦える喜びを感じるようになる。また、先輩のぼたんが変身する魔法少女「ピオニー」にあこがれている一方で、彼女とシェイドの不仲に心を痛めている。変身後はパラソル型のステッキを武器に怪人と戦い、前方に紋様を発生させてビーム状の魔力を放つ「ダンデライオン・スパークルシャワー」や、魔力をまとって突撃する「ダンデライオン・スパークルメテオ」を駆使し、怪人を圧倒する。
シェイド
「影」の力を持つ男性型の怪人。人間を襲うことはなく、むしろ御花見たんぽぽを襲うほかの怪人たちを殺すことから、「怪人殺しの怪人」として恐れられている。ふだんは影の中に身を潜めており、その姿を認識できるのはたんぽぽだけ。たんぽぽの両親が怪人に殺された際には、彼女の命を救った恩人でもあり、それ以来、たんぽぽを危険から守り続けている。当初は、たんぽぽが魔法少女「ダンデライオン」として戦うことに反対していたが、「シェイドと肩を並べて戦いたい」という彼女の強い願いを受け入れ、共に怪人と戦う決意を固めた。強気で皮肉屋な性格で、気取った態度で悪態をつくことも多い。すべての怪人が元は人間であったことを知っており、シェイド自身もかつては人間だったが、その頃の記憶はほとんど失われている。
書誌情報
魔法少女ダンデライオン 3巻 小学館〈フラワーコミックス〉
第1巻
(2025-04-25発行、978-4098731114)
第2巻
(2025-07-25発行、978-4098731749)
第3巻
(2025-11-26発行、978-4098732593)







