概要・あらすじ
聖歴22年。人類はほぼ死滅し、ごくわずかに生き残った人間は、天然記念物並みに尊重される時代。獣人や魔物たちが跋扈する世界で、バウンティーハンター(賞金稼ぎ)をする笹原夏姫も猫又ハーフ。笹原夏姫は、ハンターの先輩でワーウルフのバタネン藤岡や、仕事の相棒で九尾の狐、穆淸院門前稲荷桜(ぼくせいいんもんぜんいなりさくら)とともに、犯罪を犯して賞金首となった獣人や魔物たちを追いかける毎日を送る。
登場人物・キャラクター
笹原 夏姫 (ささはら なつき)
長い髪を後ろで三つ編みにしていて、猫耳としっぽを持つ、猫又ハーフの少女。父親が人間で、有名な学者。バウンティーハンター(賞金稼ぎ)の私設会社新宿支店に勤めはじめて約1年、バタネン藤岡に指導されながら、ナンバー2の実力を持つようになる。メカに弱く、銃を使うのは不得手で、弾がバタネンの頭に当たったこともある。 そのため、彼女の得物はオリハルコンの剣で、接近戦を得意としている。また強い魔力を持ち、風神と雷神というモルモットのような生き物を使うことで、協力な雷撃を使うことができる。水が苦手で、お風呂も我慢して入るほど。ネズミが現れると、理性を失って追いかけまわすことがある。
バタネン藤岡 (ばたねんふじおか)
細長い顔にサングラス、とがった耳とフサフサの尻尾を持つ男。ワーウルフで、不死身。バウンティーハンター(賞金稼ぎ)の私設会社新宿支店のエースで、笹原夏姫を会社に誘った張本人でもある。まだ夏姫の教育係だった頃、夏姫の撃った銃弾が頭に命中し、脳の一部が飛び散るほどのケガをしたが、しばらく入院したあと元気に退院しており、満月ならもっと早く回復したと豪語する。 さらに、夏姫の雷撃で黒コゲになったり、千倉朔之進に片腕を切断されたりしているが、数日後には回復しており、異常なほどタフ。女好きで、夏姫に好意を持ってからはなるべく遊びをひかえているが、春の時期になると本性がうずいて苦しんでいる。
穆淸院門前稲荷 桜 (ぼくせいいんもんぜんいなり さくら)
背中まで伸びた髪ととがった耳、フサフサの尻尾をもつ九尾の狐の美女。九尾の狐だが、尻尾はまだ8本しかなく、子供の頃にそれを仲間からバカにされたトラウマがあり、今でも夢に出ることがある。魔力の強い笹原夏姫を見つけ、夏姫の肝を食べて尻尾を9本にしようと狙っていた。そして、夏姫のいるバウンティーハンター(賞金稼ぎ)の私設会社新宿支店に入り、彼女の隙をついて襲うことを考える。 だが、夏姫とコンビを組むうち、しだいにそのことを忘れて、家族の一員のように一緒に暮らすようになる。狐だが、化けることはできない。その代わり、空を飛ぶことは可能。満月の夜なら音速を超えるほど早く飛べる。 のちに、千倉朔之進に一目ぼれし、なかば強引に妻となり、3人の子供を作る。
トミィ
前髪を眉あたりでそろえて、後ろは刈上げたヘアスタイル。とがった耳と短めの尻尾をもつワーウルフだが、どちらかといえば犬のような顔の男。嗅覚に優れるが、目が悪い。バタネン藤岡を先輩と呼んで、いつもいっしょに行動している。博識で、しっかりとした性格。だが、好きになった水の精霊使いのポーに対し、真紅のハイヒールをプレゼントし、それで踏んでほしいと哀願するかなりのマゾぶりも発揮する。 のちに、彼の猛アピールが届き、ポーとは両想いになる。
近藤 (こんどう)
背中まである髪を後ろで束ねた人間の女性。右の額から、目、頬にかけて大きなひっかき傷を持つ。バウンティーハンター(賞金稼ぎ)の私設会社の八王子支店から、笹原夏姫のいる新宿支店に赴任してきた。幼い頃に魔物に両親を殺されて以来、魔物が嫌い。新しくコンビを組むことになった猫又ハーフの夏姫にも反発するが、あるトラブルがきっかけで、夏姫のことを認めるようになる。 銃を使うのが得意。
ポー
髪を腰まで伸ばした、人間の美女。24歳。ジャスミンの香水を愛用している。警視庁第8班に所属する警部補。四大精霊のうち水の精霊を使い、犯人逮捕時には相手を氷漬けしてしまう。実力は高く、上司からも厚い信頼を受けており、ある事件で大きな失敗をするも、彼女ならと軽く処分された。 また、高価な魔法の専門書が欲しいからと、占い師のアルバイトをしたことがある。バウンティーハンター(賞金稼ぎ)のトミィからは熱烈な感情を向けられ、最初は困惑し迷惑にも感じていたが、しだいにトミィの優しさに傾いていく。水の精霊使いだが、実はかなづち。
フォンヌ
ショートヘアの人間の美女。24歳。バウンティーハンター(賞金稼ぎ)の民間企業MPC(マットポリスコーポレーション)に所属し、笹原夏姫たちの私設会社とはライバル関係。実は社長の娘。警視庁役人の天下り先でもあり、かなり規模が大きく、資金も豊富。エアーバイクを使って賞金首を捕まえる。 子供の前で賞金首を蜂の巣にするような冷酷な一面があり、とある事件から知り合ったトミィに対しても、下僕扱いをするが、のちに笹原夏姫たちと親しくなるにつれ、温和な面をのぞかせていく。
千倉 朔之進 (ちくら さくのしん)
天正10年から、聖歴22年の現代へタイムスリップしてきた侍。織田信長の家臣で、明智光秀が謀反したと知って駆つけようとするが、光秀の放った忍者によって阻まれる。そこへ落雷があり、聖暦22年へやってきた。かなり剣の腕が立ち、持っているのは村正ブレード。ある時、ちょっとした行き違いで、バウンティーハンター(賞金稼ぎ)のバタネン藤岡と争いになり、瞬時にバタネンの片腕を切り落としたことがある。 また、穆淸院門前稲荷桜(ぼくせいいんもんぜんいなりさくら)が一目ぼれし、強引に結ばれて子供を3人授かる。
笹原教授 (ささはらきょうじゅ)
笹原夏姫の父。人間。小太りで鼻の下にひげをつけた、丸眼鏡の男。奇抜な行動や、大胆な仮説によって学会からは異端視されている考古学者。研究で2年ほど留守にしていたが、娘に対する愛情は人の数倍ある。夏姫がオートバイに乗っているだけでも、危険だから乗らないように諭すほどなので、当然、愛娘がバウンティーハンター(賞金稼ぎ)をしていると知ったときは、仕事を辞めるよう説得している。
場所
らんぷ新宿店 (らんぷしんじゅくてん)
人間の立花夫婦が営む喫茶店。笹原夏姫やバタネン藤岡が所属するバウンティーハンター(賞金稼ぎ)の私設会社のそばにある。そのため、夏姫やバタネンなどハンターたちがひんぱんに訪れており、のちに私設会社が倒産したときも、彼らはこの喫茶店で会い、情報交換などをするようになる。
聖歴22年 (せいれきにじゅうにねん)
人類の大半は死滅し、獣人や魔物、妖怪が跋扈する世界。地軸がずれており、夏でも寒いときがある。また、わずかながら人間も存在しており、かなり手厚い保護がある。たとえば、笹原夏姫の父は人間だが、住む場所は保護され、家が破壊されても、無償で政府が修理する。また、千倉朔之進の場合も、すぐに高級マンションが支給されている。
その他キーワード
ミスリルチップ
銃の弾丸。殻の固い相手には、通常の弾丸ではキズも付けられず、このミスリルチップで対応する。妖精が精製したもので、ヨーロッパ地方で入手可能。