まじっく快斗

まじっく快斗

マジック好きの少年黒羽快斗が、父親の死の謎を解くために大泥棒、怪盗キッドとなり、謎の組織に立ち向かっていく様を描いく怪盗を題材とした作品。青山剛昌の初連載作品だが、途中『YAIBA!』の連載が始まったため、未だ未完。同作者の『YAIBA!』や、『名探偵コナン』のキャラクターがゲストで登場していることも特徴。また、主人公である怪盗キッドは『名探偵コナン』にもゲストキャラクターとして登場している。

正式名称
まじっく快斗
ふりがな
まじっくかいと
作者
ジャンル
アクション
レーベル
少年サンデーコミックス(小学館)
巻数
既刊5巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

8年ぶりに現れた「怪盗キッド」の話で盛り上がる世間を、手品を特技とする男子高校生の黒羽快斗は不機嫌な目で見つめていた。そんなある日、快斗は尊敬する父親が「怪盗キッド」であったという事実を突き止める。そして真実を確かめるため、犯行予告を出した「怪盗キッド」と対決する事を決意。手品対決で「怪盗キッド」に勝利した快斗は、「怪盗キッド」に扮していた寺井黄之助から、自分の父親が何者かに殺された事を知らされる。父親の死の真実を知るために、快斗は自ら二代目「怪盗キッド」となる事を決めるのだった。 

第2巻

不思議な魔術の力をあやつる転校生の小泉紅子は、「怪盗キッド」の正体が黒羽快斗である事にも気づいていた。「怪盗キッド」に執心する紅子は、あの手この手を使って快斗の気を引こうとするが、快斗は全然なびかない。その事に業を煮やした紅子は、遂に快斗をこの世から抹消しようと計画する。怪しげな首飾りで中森銀三をあやつり、「怪盗キッド」を追い詰める紅子だったが、あと一歩のところでためらい、手を下せずにいた。そしてその本心を快斗に指摘される事で、紅子は動揺し、高層タワーから足をすべらせてしまう。そんな危機的状況を快斗に救われた紅子は、彼に悪態をつきつつも自分の心に折り合いをつける事に成功する。 

第3巻

「怪盗キッド」として活躍していく黒羽快斗だったが、頭脳明晰な探偵の白馬探との対決などにより、少しずつ日常に変化が訪れていた。そんな中、快斗はインド最大のサファイア「ブルーバースデー」を奪い、いつも通り警察を翻弄していたが、そこで謎の人物、スネイクから銃撃を受けてしまう。偽者の「ブルーバースデー」を用意していた事が功を奏し、快斗は九死に一生を得る事に成功。死んだと見せかける事で、スネイクの裏には謎の組織が存在する事、そしてその組織が父親の黒羽盗一の死にもかかわっている事を知る。そして快斗はスネイクの前に姿を現し、彼らの狙いであるビッグジュエルに隠された「パンドラ」を先に見つけ出して粉々に打ち砕く、と宣戦布告を行うのだった。 

第4巻

世間からの人気を集めている「怪盗キッド」こと黒羽快斗は、次の獲物に、街のシンボルである「時計台」を定めた。近い内に移築される事が決まっている「時計台」に盗難予告が届いた事で活気に湧く街を得意げに眺めながら、快斗は厳重に守られた「時計台」に侵入する。犯行は成功するかに見えたが、工藤新一の助言を受けた捜査員達に正体を見破られ、快斗はどんどん追い詰められていく。スクリーンを使った手品で一時は捜査の目から逃れるものの、それすらもすぐに新一に見破られ、絶体絶命の危機に陥った快斗は、「時計台」の文字盤に暗号を残し、何とか逃げおおせる。その頃、新一は快斗の残した暗号を解読して、まんまと「怪盗キッド」が目的を果たした事を察する。 

第5巻

「怪盗キッド」こと黒羽快斗は、世界最大のブラックダイヤモンド「真夜中の烏(ミッドナイトクロウ)」を狙っていた。だが、「真夜中の烏」を手にする寸前で罠にかかり、せっかくのチャンスを逃してしまう。宝石を守る中森銀三白馬探の裏に、助言する存在がいる事に勘づいた快斗は、調査を進めるうちに、ハリーの存在にたどり着く。ハリーの策略に警戒心を抱く快斗であったが、そこに怪盗・コルボーが現れ快斗に挑戦状を叩きつける。自分と目的を同じにするコルボーの挑戦を受け入れた快斗は、コルボーの手の内を見抜くべく下調べを開始。そして快斗は、コルボーハリーが敵対しつつも、実はグルであるという事実に気づく。 

登場人物・キャラクター

黒羽 快斗 (くろば かいと)

怪盗キッド(二代目)の正体。普段は江古田高校に通う二年生。ある日、父親の黒羽盗一が残した秘密の部屋の存在に気づき、彼の正体が大泥棒・怪盗キッドだったことを知る。そして怪盗キッドの衣装を受け継いで二代目怪盗キッドとなり、父親を殺した犯人を捜すために財宝を狙う。手先が器用で、世界的に有名なマジシャンの盗一から技術を教わったためマジックの腕は超一流。 鮮やかな手口で警察の裏を書き、完全犯罪を成し遂げる。高校生としての顔はイタズラ好きのスケベでお調子者だが、怪盗の時はクールでキザな二枚目風。幼馴染の中森青子とは頻繁に喧嘩をする仲だが、心の中では彼女のことを思っている。 魚が大の苦手であり、食べることは元より見るのすら厭う。青山剛昌の作品、『名探偵コナン』にもゲスト出演している。

中森 青子 (なかもり あおこ)

『まじっく快斗』のヒロインで、黒羽快斗とは幼馴染み。勉強が得意で、明るく元気な性格だが、一人称が「青子」だったり、感情に流されやすかったりと幼い所がある。またスマートな体つきで、男のようだと快斗から評されている。警視庁の警部、中森銀三を父親に持ち、彼が苦戦している怪盗キッドのことは快く思っていない。 快斗とはしょっちゅう言い争いをする仲だが、仄かな恋心を抱いている。

中森 銀三 (なかもり ぎんぞう)

中森青子の父親で、警視庁捜査二課の警部。喫煙者であり、パイプを愛用している。先代の黒羽盗一が存命の時から怪盗キッドを追いかけていた刑事で、怪盗キッドを捕まえることに情熱を傾けている。楽観的でおっちょこちょいな性格のため、幾度となく怪盗キッドを逃しているが憎からず思っている所もある。 黒羽快斗とは知人であり、彼のマジックの腕前を見込んで怪盗キッド対策を依頼したこともある。

黒羽 盗一 (くろば とういち)

故人。世界的に有名だったマジシャン。黒羽快斗の父親で、初代怪盗キッド。八年前に行った脱出マジックの失敗で事故死している。しかし、その事故は対立していた謎の組織により仕組まれたものだった。家の中に時限式で扉が開く部屋を設置しており、成長した快斗に怪盗キッドの衣装と伝言を残していた。 いかなる時もポーカーフェイスを崩さないことを信条とし、その心がけは快斗へも引き継がれている。

小泉 紅子 (こいずみ あかこ)

江古田高校に転校してきた美少女。男子から高い人気を誇り、敬意を持って紅子様と呼ばれている。実は赤魔術と呼ばれる魔法を使う魔女。自分の美貌に絶対の自信を持ち、 魔法の鏡から「怪盗キッドはあなたに靡かない」と言われたことから、怪盗キッドに興味を持つ。その後、自分になびかなかったことから黒羽快斗が怪盗キッドだと判断した。 快斗のことは、最初自分の自尊心を満たすために惚れさせようとしたが、次第に彼の人間性に惹かれていくようになる。涙を流すと魔女としての力を失ってしまうため、泣くことができない。

白馬 探 (はくば さぐる)

警視庁総監の息子で、数々の難事件を解決してきた高校生探偵。インバネス・コートと鹿撃ち帽を着用し、シャーロック・ホームズのような出で立ちをしている。決め台詞は「なぜこんなことを?」。美青年で、クラスの女子から人気を博すが、多少キザな性格をしている。怪盗キッドを捕まえることに執念を燃やし、卓越した推理力によって追いつめたことも何度かある。 科学捜査により、快斗が怪盗キッドであることに気づいているが、正体をばらそうとせずにあくまで怪盗として捕まえることを目的としている。

寺井 黄之助 (じい こうのすけ)

黒羽盗一の付き人をしていた老人で、ビリヤード場の店主という表の顔も持っている。黒羽快斗からはジイと呼ばれている。生真面目な性格をしており、盗一のことを主人として慕っていた。盗一の死に不信感を抱いており、八年経った現在に犯人を誘き出すために怪盗キッドに扮し、銀行に予告状を送った。 その際、同じく怪盗キッドに扮した快斗に遭遇。彼に盗一が大泥棒だったこと、何者かに殺害されたことを告げる。その後は快斗のことをサポートしているが、人使いが荒いと愚痴をこぼすこともある。

スネイク

「パンドラ」を狙う謎の組織の一員の男性で、つねに帽子をかぶり、コートを羽織っている。初代「怪盗キッド」の正体が黒羽盗一である事にも気づいており、8年前の盗一の事件にもかかわっている。現在の「怪盗キッド」が二代目で正体が黒羽快斗である事までは気づいておらず、盗一と勘違いして快斗にビッグジュエルを狙わないよう警告をした。 その後、快斗に宣戦布告をされた事で「怪盗キッド」から「パンドラ」を横取りすべく、たびたび現場で対立している。

ハリー

モノクルをかけた鋭い目つきの老人。マジック破りの達人で、手品師の弱点を突いた罠で黒羽快斗を一度は退けた。大きなマジックショーの前に必ずネタ晴らしをするほどのマジック嫌いで、怪盗・コルボーを追って日本にやって来た。実はコルボーと通じており、裏で彼をサポートするアシスタント役を務めていた。

コルボー

最近、ラスベガスに出没し始めた怪盗。コルボーはフランス語で「烏」を意味し、黒いスーツにシルクハット、マントを身につけ、白ずくめの「怪盗キッド」とは対照的な格好をしている。黒羽盗一の弟弟子を自称しており、彼の復讐のため戦うと黒羽快斗に挑戦状を叩きつけた。裏で敵対しているように見せていたハリーと実はつながっており、彼との連携によるマジックを快斗に見破られて敗北。 その後は快斗の実力を認め、スネイクから彼を助けて潔く去った。変装術の達人でもある。

工藤 新一 (くどう しんいち)

殺人事件を次々と解決している、男子高校生の探偵。「怪盗キッド」が「時計塔」に予告状を出した際に、たまたま目暮警部とヘリコプターで遊覧していて事件にかかわる事となった。的確な助言で黒羽快斗をあと一歩のところまで追い詰めたものの、逃げられてしまう。その後、「怪盗キッド」が残した暗号を解読し、彼の真の目的が「時計塔」の移築阻止である事に気づく。 青山剛昌の別作品『名探偵コナン』の登場人物。

集団・組織

謎の組織 (なぞのそしき)

『まじっく快斗』に登場する集団。あの方と呼ばれる人物を中心に、多くの人員と数個のアジトを抱えている巨大組織。八年前に初代怪盗キッド黒羽盗一を殺害しており、黒羽快斗にとって父の仇。あの方のために、不老不死の力が手に入ると言われる宝石、パンドラを探している。

その他キーワード

パンドラ

不老不死の力を秘めていると云われる宝石で、謎の組織が執拗に探している。世界中に散らばったビッグジュエルの一つに内蔵され、月光に翳すことで赤く光ると言われている。ボレー彗星が近づく時に、満月の光に晒すことで、不老不死の力を宿した涙を流す。

アニメ

まじっく快斗1412

マジック好きの高校生黒羽快斗は、事故死したと思われていた父が、実は何者かに殺害されていたことを知る。マジシャンにして、キッドを名乗る怪盗であった父の仇を探すため、2代目怪盗キッドとなった快斗は、やがて... 関連ページ:まじっく快斗1412

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書誌情報

まじっく快斗 5巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉

第1巻

(1988-04-18発行、 978-4091220813)

第2巻

(1988-10-18発行、 978-4091220820)

第3巻

(1994-09-17発行、 978-4091220837)

第4巻

(2007-02-16発行、 978-4091210050)

第5巻

(2017-07-18発行、 978-4091277640)

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