概要・あらすじ
和服姿の女は暗闇のなかで目を覚ます。深い静寂の世界で、何も見えず、自分の手足の感覚もない。ときおり、視界が開けて通り過ぎる人を見るうちに、自分は嫉妬に狂って夫に絞殺されたことを思い出す。怨念を抱いたまま浄化されず、この暗闇の世界を彷徨っている身だったのだ。
登場人物・キャラクター
和服姿の女 (わふくすがたのおんな)
黒髪のパーマがかったミディアムヘアで、白装束を着ている中年女性。暗闇の中で目を覚まし、腕も足も何ひとつ感覚がない状態に恐怖するが、徐々に自分が既にこの世の者でないことを思い出していく。
絵里子 (えりこ)
和服姿の女が出会う少女。絵里子の霊感性ゆえか、彼女が見せるとり憑けそうな隙に引きずられ、和服姿の女は少女の家までついていった。だが、霊力のあるお祖母さんに跳ね返されてしまう。
嫉妬に狂った女性 (しっとにくるったじょせい)
嫉妬と怨みにはまり込んでいる女性。和服姿の女はこの女性に会って、自分の過去、夫に出来た憎い女に嫉妬で狂い、ついには夫に絞殺されてしまったことを思い出す。
その他キーワード
黄泉比良坂 (よもつひらさか)
『黄泉比良坂』の用語。日本神話のなかで、現世であるこの世界と死者の住む黄泉との境界にあるとされる”坂”をさす。和服姿の女は自分の怨念に縛られ、ここを彷徨っているようである。