1999年七の月 ~上海

1999年七の月 ~上海

対立する2つの組織に属する少年が、お互いの正体を知らぬまま恋に落ちる。しかし激化する抗争が2人を引き離してしまう。中国上海に住む少年たちの悲恋物語。「花音」1995年3月号から1998年2月号にかけて連載された。

正式名称
1999年七の月 ~上海
ふりがな
せんきゅうひゃくきゅうじゅうきゅうねんしちのつき しゃんはい
作者
ジャンル
BL
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概要・あらすじ

1999年7月。上海の繁華街は「都蘭」と「翔龍記」と呼ばれる2つの組織が仕切り、対立する彼らは争いを繰り返す日々を送っていた。そんな折、翔龍記の次期幹部候補の大武は、7月7日の七夕祭りで謎の美しい男性に助けられる。互いに強く惹かれあい、再会を望む大武だったが、恋した相手の正体は対立組織都蘭の狙撃手を務めるであった。

登場人物・キャラクター

大武 (たう)

「翔龍記」の構成員で、次期幹部と噂される16歳の少年。年齢は若いが非常に頭が切れ、すでに首領の片腕となりつつあるほどの存在でもある。中立地区の担当として活動していた際に雪と知り合いすぐさま恋に落ちるが、彼の正体を知り以後は秘密の部屋でこっそりと会うようになる。元はマフィアの息子なため、母親的存在の星沙は、「翔龍記」に属するストリートチルドレンと大武は本来別世界の存在であると考えている。 酒は苦手。

(しゅえ)

大武が七夕祭りの日に中立地区で出会った19歳の美しい少年。「都蘭」の構成員で、狙撃手として活動している。百発百中と言われるほどの素晴らしい腕を持つ実力者。出身は湖南省の農村地帯で、生まれてすぐに親に捨てられたため施設で育った。「都蘭」の副長である宜春とはその頃からの付き合いで、やがて2人は揃って裕福な家に引き取られたが、そこで事件が起き、逃げる形で7年前に上海にやってきた。 宜春とは常に行動を共にし、住まいも同じくしており、唯一の肉親のように思っている。

宜春 (いーちゅん)

「都蘭」の副長で、軍師役を務める若い男性。真ん中で分けた長髪を1つに結んでいる。雪とは施設にいた頃からの付き合いで、周囲には兄弟のような関係として認識されている。実際は長らく雪に想いを寄せているが、家族同然に思われているため想いを告げられずにいる。7年前、雪と共に上海にやってきた頃に希馬と出会い、当時希馬が作っていた組織に雪と2人揃って加入することを条件に希馬と交際していた。

翔龍 (しゃんろん)

「翔龍記」の首領を務める若い男性で、年齢は20歳。4年前に起きた抗争でマフィアの家族を殺害した際、マフィアの一人息子である大武を助け出し「翔龍記」に入れた人物でもある。首領としての地位を築く前は、陳光明に身体を売りながら戦いの技術を教わっていたが、大武を助けた際に陳光明のもとを去った。現在は星沙と交際している。

星沙 (しんしあ)

「翔龍記」の副長を務める若い女性。翔龍の恋人でもある。胸のあたりまで伸ばした長い髪と、左目の下のほくろが特徴。武道の心得もある勝ち気な性格で、大武の母親的存在。不審な行動の目立つ大武が雪に利用されているのではと考え、大武を監視するようになる。

希馬 (しいま)

「都蘭」の首領を務める若い男性。7年前、雪と宜春が上海にやってきた頃にはすでに小規模な組織を結成しており、宜春の色仕掛けに乗って彼と雪を組織に迎え入れた。そのため当時宜春とは関係を持っており、別れた後も彼を想い続けていた。しかし偶然翔龍と2人きりになったことで彼と親しくなり、両組織の人間には秘密で関係を持つようになる。

(りゅい)

「都蘭」の構成員の少年。左耳のみに付けたピアスが特徴。行くあてのないところを宜春に拾われて組織に入った。以来宜春に懐いており、ファンを公言し一途に慕っている。ある事件の処理を手伝って以降その想いはさらに強くなり、死ぬなら彼の役に立ってからと考えている。

(まお)

「都蘭」の構成員の少年で、緑の友人。電話の盗聴活動を行っており、その際に大武と雪の親密な会話を聞いてしまう。雪のことは前から良く思っておらず、雪が組織を裏切ったと考え希馬に報告しようとする。

陳 光明 (ちぇん くあんみん)

「翔龍記」のパトロンを務める若い男性。元マフィアで現在は怪しい芸能プロダクションを経営しており、翔龍記と都蘭の争いに対しても資金援助をして首を突っ込んでいる。翔龍とは以前関係を持っており、大武の家族を殺すよう命じた人物でもある。

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