クロイツ

クロイツ

ピアニストの夢を断たれて絶望した少年、東本陽の心の穴を埋めてくれたのは、暴走族「レッドクロイツ」の総長、乙黒由郷だった。由郷に執着する陽と、求められる事で次第にその思いを受け入れていく由郷の揺れ動く心をシリアスに描いたボーイズラブ作品。

正式名称
クロイツ
ふりがな
くろいつ
作者
ジャンル
BL
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概要・あらすじ

指のケガによりピアニストの夢をあきらめる事になった東本陽は、暴走族「レッドクロイツ」の集会で目にした乙黒由郷に心を奪われる。以降、陽は「レッドクロイツ」に入隊して抗争に参加するなど、由郷のために力になろうと尽力する。そんな熱い思いをぶつけてくる陽に対し、由郷はキスを受け入れるなど曖昧な態度を取りながら、陽を思うがままにあやつっていた。

一方の陽は、ピアニストとしての夢をあきらめた事で空いた心の穴を埋めるように、由郷に陶酔していく。そして陽は由郷を自分だけのものにしようと画策し、ついに彼を監禁してしまう。その事が「レッドクロイツ」のメンバーにばれ、陽は除隊処分となる。陽と由郷の関係は断たれたかに思われたが、由郷は陽を特別に感じていた自分に気づく。

そんな時、陽はピアノ講師の久米から、個人レッスンを受けてコンクールを目指さないか、と声をかけられる。

登場人物・キャラクター

東本 陽 (はるもと あきら)

音楽の名門校と知られる京北音大付属高校に通う高校2年生の少年。裕福な家の一人息子であり、両親に大切に育てられてきた。3歳からピアノを始め、ピアニストとして将来を嘱望されていたものの、指をケガして思うように動かせなくなってしまう。ピアノを弾く事には支障はなかったものの、東本陽本人は、ケガにより自分の納得のいく演奏ができず、絶望していた。 そんな中、高崎に誘われて暴走族「レッドクロイツ」の集会に参加して、そこで総長の乙黒由郷に一目惚れをする。その後は「レッドクロイツ」に入り、ますます由郷に心を奪われていく。

乙黒 由郷 (おとくろ ゆごう)

暴走族「レッドクロイツ」の8代目総長を務める少年。年齢は17歳だが、18歳の誕生日を間近に控えている。もともと存続を危ぶまれていた「レッドクロイツ」を、その圧倒的なカリスマ性によって見事に復活させた。まるでモデルのような高身長に、整った顔立ちで、何もしなくても目立つ存在である。巷では不良少年として知られている。澄んだ目をしており、向かい合った人は、誰であっても吸い込まれそうになってしまうほどの不思議な魅力を持っている。 東本陽から好意を寄せられている事に気づいており、陽をうまく利用している。

八木 (やぎ)

暴走族「レッドクロイツ」の幹部を務めている少年。大人びた雰囲気を漂わせている。乙黒由郷を尊敬しているが、間違っていると感じる事があれば、由郷に対してもはっきり意見する。言葉や態度には出さないものの、本来であれば暴走族に入るようなタイプではない東本陽の事を心配している。

さおり

暴走族「レッドクロイツ」のメンバーと親しい女子高校生。不良少女ではあるが、人の気持ちに敏感な優しい性格の持ち主。育ちがよく、本来であれば暴走族に入るようなタイプではない東本陽の事を気にかけている。陽が乙黒由郷に好意を抱いている事にも気づいており、「心だけでなく魂を持っていかれている」と心配している。実はさおり自身も由郷に好意を抱いているが、彼の周りに誰もいなくなって、一人になった時に初めて手を貸そうと決めており、現在は彼の行動を静観している。

六哉 (ろくや)

暴走族「レッドクロイツ」の元メンバーの男性で、故人。乙黒由郷に好意を抱いていたが、由郷にその好意を利用され、駒のように扱われていた。由郷の命ずるままに動いた結果、最終的に命を落とした。

木崎 (きざき)

警官の男性。10年以上も前から、暴走族「レッドクロイツ」を解散させる事を目的に動いており、実際に7代目総長の際には弱体化に成功している。しかし、8代目総長に乙黒由郷が就任してからは「レッドクロイツ」の勢力が増してしまい、頭を悩ませている。

久米 (くめ)

音楽の名門校として有名な京北音大付属高校のピアノ講師を務める男性。東本陽と同様、将来を嘱望されたピアニストだったが、腕の腱を痛めて教師としての道を選んだ。同じような絶望を味わっている陽には親近感を覚えつつも、彼が暴走族「レッドクロイツ」に入り、まともに授業を受けなくなった事に苛立ちも覚えている。

高崎 (たかさき)

音楽の名門校として知られる京北音大付属高校に通う高校2年生の少年。東本陽と同じくピアノを専攻している。陽とは親友であり、指のケガのせいで元気のなかった陽を元気づけようと、埠頭で集会を行っている暴走族「レッドクロイツ」を見に行こうと誘った。非日常的な時間を味わえば、陽が吹っ切れると思っての行為だったが、奇しくも陽が「レッドクロイツ」に入るきっかけを作ってしまった。 その事を後悔し、陽に対して「レッドクロイツ」から抜けるよう、何度も説得をしている。

集団・組織

レッドクロイツ

東京都内を中心に活動する暴走族。警察から目をつけられており、7代目総長の代までは弱体化しつつあったが、圧倒的なカリスマ性の持ち主である乙黒由郷が8代目総長に就任した事で復活を遂げた。週末には埠頭で集会を開いており、メンバー以外のギャラリーが見学に来る事も多い。東本陽も高崎と共に見学に行き、由郷に一目惚れする事となった。 総長とは別に幹部として八木がいる。

横須賀スティンガー (よこすかすてぃんがー)

横須賀周辺を中心に活動する暴走族。暴走族「レッドクロイツ」のライバルであり、互いに勢力を伸ばすために、たびたび小競り合いを起こしている。

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