30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい

30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい

30歳になるまで童貞のままだと魔法使いになれるという都市伝説に倣い、サラリーマンの安達清は、触れた相手の考えていることがわかるという魔法を使えるようになる。拗(こじ)らせ童貞の清と、彼に恋心を抱く会社一の爽やかイケメン・黒沢優一が織り成す、純愛ボーイズラブストーリー。「ガンガンPixiv」2018年9月から掲載の作品で、コミックス各巻には描き下ろしエピソードも多数収録されている。「全国書店員が選んだおすすめBLコミック2019」で1位を獲得している。

正式名称
30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい
ふりがな
さんじっさいまでどうていだとまほうつかいになれるらしい
作者
ジャンル
BL
 
ラブコメ
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あらすじ

第1巻

何事にも消極的で女性との交際経験もなく、童貞のまま30歳の誕生日を迎えたサラリーマンの安達清は、ある日、自分が触れた相手の考えていることがわかる魔法を使えるようになったことに気づく。しかし、清がたやすく女性に触れられるわけもなく、その力を有効活用することはできないでいた。それどころか、うっかり触れた相手の心の声が聞こえてくることの不快感に悩まされ、清はこの魔法を持て余していた。そんな中、会社一仕事のできるイケメン、黒沢優一の爽やかさに苛立ちを感じた清は、イケメンの心を読んでやろうと優一に触れてみる。すると、優一からの心の声は、誰かに対する真摯な恋心だった。女性には不自由しないであろう優一の、あまりにも強く、そしてストレートな恋心に意外性を感じた清は、いったい誰に向けられた感情なのかを探ろうと周囲を見渡す。そして次の瞬間、それが紛れもなく自分に向けられていることを悟る。予想しなかった状況に清は困惑し、優一と距離を取ろうとするが、それをきっかけに優一の心の奥にある優しさを知り、彼のことを見直すことになる。そんなある日、優一に手伝ってもらいながら残業を終えた清は、終電を逃してしまう。優一から、うちに泊まっていくかと声をかけられた清は大いに動揺し、下心があるかどうかを確かめようと優一に触れようとするが、その瞬間、清はバランスを崩して転んでしまう。そんな清に手を差し伸べた優一から流れ込んできた感情は、裏表なく清を心配する真っ直ぐな気持ちだった。それを知った清は、優一の家に泊めてもらうことを決断する。

第2巻

黒沢優一から注がれる真っ直ぐな感情に触れるうち、安達清は徐々に彼のことが気になり始めていた。部署内での飲み会の場では、清は悪ノリに巻き込まれて、優一からおでこにキスされるが、彼があわよくばという自らの邪念を反省していることを知り、優一とのキスが嫌ではなかったことを素直に明かす。これにより、清は優一の思いにゴーサインを出してしまったのではないかと身構えるが、翌日出社してみると、いつもどおりの何も変わらない様子の優一にほっと胸をなでおろす。だが、これは優一が清に対して配慮した末に、いつもどおりに振る舞うことを決めたためで、優一は既に鎌倉への1泊2日の社員旅行に向けて気持ちを切り替えていた。迎えた旅行当日、移動のバス中では離れた席に座った二人だったが、清のとなりに座っていた六角祐太に適当な理由をつけて席を代わってもらい、あっさりと優一は清のとなりの席をゲットし、ご満悦でバス旅を満喫する。だが清の、祐太のカラオケがうまいと称賛する言葉に反応して自慢の美声で張り合おうとしたり、宿では宴会の場で清と同席した事務の藤崎に嫉妬したりと、優一らしくない姿を見せ続ける。そんな優一の心の内を知った清は、完璧なイケメンというイメージが彼のすべでではないことに気づき、優一に対する思いを少しずつ変化させていく。

第3巻

安達清黒沢優一に、恋愛経験がないという自分のコンプレックスを打ち明けた。卑屈になる清に、優一はそれをプラスにとらえる言葉を返しながら、心の中では好きな人の初めてが全部俺なんてと喜びを爆発させる。自分だったら絶対に全部大事にするのにと語る優一の心の声を聞いた清は、誠実な彼の温かい気持ちを感じ、改めて優一への思いを自覚する。そんなある日、清は同じ会社に勤める藤崎に偶然触れた瞬間、「安達さんのこと好き」という彼女の心の声を聞いてしまう。以前から清は彼女に好意を抱いていただけに、心がぐらつき始めるが、自分が同性の優一のことを好きだと思う気持ちが、本物なのかどうかを悩み始める。だが、そんな最悪のタイミングで、清は優一から好きだと告白される。困惑顔の清に気づいた優一は、清の返事を待たずに一人自宅へと帰っていく。自分の気持ちが自分でもわからず、優一を引き止めることができなかった清は混乱するが、翌日、優一が出張で会社にいないことを知り、ほっと胸をなでおろす。しかし清は、藤崎の仕事を手伝いながら自分の気持ちに向き合い、改めて優一への揺るぎない思いを再認識する。そして清は、出張中の雄一に連絡を取り、自分の思いを伝えるために羽田空港に向かう。

第4巻

安達清は、黒沢優一の思いに応えて自分の気持ちを告げ、二人はとうとう恋人同士となった。人生において初めての恋人という存在に、胸がいっぱいになる清だった。そして優一からの誘いで、週末に初デートをすることが決まる。しかし、そもそもデートで何をすればいいのか、どんな服を着たらいいのかなど、根本的なところでつまずいた清は、考えすぎてなかなか寝つけず、結局待ち合わせに遅刻してしまう。さんざん悩んだ末に、いつもどおりの服装に落ち着いた清は、合流した優一のオシャレぶりに感嘆する。そして、いっしょに服を見に行くこととなり、清は優一に選んでもらったジャケットに身を包んで、二人だけの時間を楽しむ。だがその姿を見た周囲の女子の、二人の距離感が友達にしては近すぎで、カップルみたいだという言葉を耳にした清は、その直後に「二人は釣り合わない」という強烈な言葉が胸に刺さり、自分を見失ってしまう。一方の優一は清の異変に気づかず、自分の思い描いた初デートを遂行しようと飛行場へと向かう。ヘリコプターで東京上空を散歩するナイトクルージングの予約をしていた優一は、おもむろにバラの花束を清に渡し、ヘリの中へと誘う。

第5巻

安達清黒沢優一は、まだまだ慣れないながらもほほえましく順調な交際を続けていたが、清は自分が魔法使いであることを優一に隠したままでいいのかと思い悩んでいた。しかし、気味悪がられたり、嫌がられたりするかもしれないと思うと、清は優一に打ち明ける勇気が出せない。そんな中、優一の誕生日が近いことを知った清は、プレゼントを用意しようとするが、どんなものをあげたら優一が喜ぶのか見当がつかず、頭を抱えていた。そういえば前に心を読んだ際、優一がイヤホンを失くしたことを知った清は、イヤホンをプレゼントすることを決める。魔法のおかげで優一に喜んでもらった清は、自分の魔法にもいいところがあることを実感するが、しばらくは優一に秘密にしておくことを決意。そんなある日、業務で新商品のモニターを一般から募ることになり、清から声をかけられた柘植将人が会場を訪れる。清はそこで、将人も自分と同じ魔法が使えるようになったことを知り、言葉だけでなく心を通じた会話を始める。だが、清となかよさそうに話す将人に、嫉妬心を抑えることのできない優一は、二人の話を盗み聞きし、二人の関係を勝手に勘違いしてしまう。その後も、沈黙したまま心で会話する二人の様子を隠れてうかがっていた。以前から、清が自分に心を許していないこと、何か隠しごとをしていることを感じていた優一は、いてもたってもいられなくなり、廊下を歩いている清を無理矢理人気のない資料室へと連れていく。そして優一は、清に対してずっと抱いていた疑問をぶつけるのだった。

メディアミックス

テレビドラマ

2020年10月9日から、本作『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』のTVドラマ版『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』が、テレビ東京系列で放送された。キャストは、安達清を赤楚衛二、黒沢優一を町田啓太が演じている。

ドラマCD

2019年10月、本作『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』のドラマCD『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』が、フロンティアワークスより発売された。キャストは安達清を阿部敦、黒沢優一を佐藤拓也が演じている。

登場人物・キャラクター

安達 清 (あだち きよし)

株式会社豊川に勤務する男性。年齢は30歳で、おとなしくまじめな性格ながら、不器用で何かと要領が悪い。どちらかというと、ネクラ気味ないわゆる「陰キャ」で、自分に自信が持てないでいる。5年前、当時好きだった女性から、安達清の彼女歴ゼロという事実に対し、重いと言われたことがトラウマとなり、恋愛に対して臆病になった。そして、恋愛経験がまったくないことがコンプレックスとなり、30歳になるまで童貞という状況に至る。「30歳になるまで童貞のままだと魔法使いになれる」という都市伝説があり、30歳の誕生日を迎えた日、触れた相手の考えていることがわかるという魔法が使えるようになった。もともと奥手なタイプで、好きな子に触れることが容易ではなく、魔法が使えるようになったからといって、事はそう容易(たやす)くない。脱童貞を試み、風俗に足を運んだこともあったが、相手の風俗嬢が考えていることを知り、あまりのエグさに嘔吐(おうと)した。そんな中、その魔法がきっかけで、会社の同僚である黒沢優一が自分に思いを寄せていることを知る。当初は同性であることから、距離を取ろうとしたが、優一の気持ちを知るにつけ、彼の本質を知ることとなり、次第に優一に惹かれていく。同じ会社に勤める藤崎のことは、もともといいなと思っていたが、偶然彼女に触れた時に自分に思いを寄せているような心の言葉を知ってしまう。同じタイミングで、優一から告白されたことにより、藤崎と優一の気持ちのあいだで揺れることになる。しかし、最終的に自分の本当の気持ちが優一にあることを自覚することとなり、優一と結ばれる。大学時代からの友人の柘植将人とは、今でもいっしょに酒を飲んだりしているが、将人に魔法が使えるようになった事実を打ち明けたものの、信じてもらえなかった。しかしその後、将人も同じ魔法を使えるようになり、心で会話をすることができるようになる。

黒沢 優一 (くろさわ ゆういち)

株式会社豊川に勤務する男性。安達清とは同期で、年齢は30歳。仕事も料理もできる爽やか系イケメンで、誰にでも分け隔てなく接する気さくな性格のため、社内人気は断トツNo.1。女性からもモテるうえ、男性からも慕われている。実は、清を恋愛対象として見ており、片思いの真最中。妄想癖があり、自宅には清に着せたら似合うだろうと男性用パジャマを購入しているなど、意外とスケベな一面を持つ。物心ついた時から、つねにモテる状況にあった。小学生の頃に芸能界のスカウトを受け、そのことで自分の見た目がいいことに気づいた。それからも女子に不自由したことがなく、その外見のためにいろいろ得することも多い。大学時代は学外にファンクラブも存在するほどの人気ぶりで、女性との交際経験もそれなりにある。しかしその容姿のため、社会に出てからは、顔だけが取り柄で根性がないなどと、揶揄(やゆ)されることが多くなる。そのため、仕事も対人も完璧にこなそうと人知れず努力を続けてきたが、ある時、清から日々の努力を認めてもらったことがきっかけで、清に興味を持つようになった。清に恋心を抱いてはいるが、これまで付き合ったことがあるのは女性だけ。男性との交際経験はもちろん、肉体関係を持ったこともない。歌もうまく、その歌声は伝説とまでささやかれている。ジムにも通っており、ほどよい筋肉のついた美ボディの持ち主。

柘植 将人 (つげ まさと)

恋愛小説家を生業としている男性。安達清とは大学時代の同級生で、清にとって数少ない友人の一人。眼鏡をかけたイケメンで、職業柄モテるイメージを持たれがちだが、実は女性との交際経験はなく、童貞。しかし、清から恋愛相談を受けた際には、それを隠したまま、いかにもその道に精通しているかのような答えで清を納得させた。道で拾った猫に「うどん」と名づけ、いっしょに暮らしている。30歳の誕生日の翌日、自宅に荷物を届けに来た宅配便の男性、綿矢湊に触れたことで、相手の考えていることがわかる魔法が使えるようになったことに気づく。当初は混乱したものの、清から魔法が使えるようになったと聞いていたため、自分も魔法が使えるようになってしまったかと半ば納得した。同時にそれまで苦手意識があった湊が、猫好きという意外な一面を知り、彼の何気ない笑顔に心を奪われる。それ以来、湊に会いたいがために通販での購入が増え、ほかの宅配員が来ると虚無感を感じるようになる。さらに無自覚ながら自分の作品に登場するキャラクターにも影響が出始め、以前まではミステリアスな女性をヒロインにしがちだったが、最近では湊に似た、ヤンチャなタイプの女子をヒロインにするようになった。その結果、自分が湊に恋心を抱いていることを自覚し始める。

綿矢 湊 (わたや みなと)

宅配便の会社でアルバイトをしている男性。目つきが悪くチャラい印象だが、笑顔がかわいい。実は猫好きで、無自覚ながらツンデレ。以前、道端に猫が捨てられていたが、声をかけることしかできず、猫がその後いなくなってしまったために心配していた。偶然にもその猫が、配達に行った柘植将人の家にいるのを目撃し、心の底から安堵する。将人に対しては、「いつも家にいる引きこもりのオッサン」という認識で、マイナスなイメージを抱いていたが、将人があの捨てられていた猫を保護し、「うどん」と名づけてかわいがっていることを知り、好感を持つようになる。そして部屋でうどんと遊ばせてもらううちに、将人がそこそこお金持ちで、猫の飼い主として相応(ふさわ)しい人物であると認識を変える。将人とは猫を介していっしょに過ごすことが増えていくが、時に悩み事においてアドバイスをもらうなど、将人の言葉に元気づけられることも多くあり、時間と共に将人に対する信頼度は上がっている。現在はダンスでプロを目指しており、歌手のバックダンサーとして踊ったり、オーディションを受けたりと修行中の身。大学時代に同じサークルだったダンス仲間はみんな就職し、きちんと働いている中で、自分だけがいつまでもアルバイトをしながらダンスを続けていることに負い目を感じており、限界を感じている。六角祐太もその時のダンス仲間の一人で、祐太と自分を比較し、いつまでも芽が出ない自分にコンプレックスを抱いている。

六角 祐太 (ろっかく ゆうた)

株式会社豊川に新卒で採用された男性。入社1年目のニューフェイスで、軽くてチャラい印象を与える。思ったことはストレートに言葉にするタイプだが、愛嬌があり、コミュニケーション力は意外と高い。社員旅行の時、実は車に酔いやすいという弱点があることが発覚するが、安達清以外は誰にも知られていない。同じ部署の先輩の清からは苦手意識を持たれていたが、社員旅行以来、なんとなく関係はよくなった。その後も清の家で、黒沢優一と三人でたこ焼きパーティをしたり、社外でいっしょに過ごすことが増えていく。大学時代はダンスサークルに所属していた。ダンスは大学卒業以来すっぱりとやめたが、未練を感じている。しかし、それを認めることは格好悪いと感じていたため、現実主義だからとごまかしている。それを清から見破られ、認めてもらえたことで、またサークル仲間に連絡してみようと考えるようになる。実は綿矢湊と同じサークルに所属していた仲間でもある。今でも夢を追い続け、ダンスを続けている湊には、嫉妬にも似た感情を抱いており、ダンスをやめてしまった自分に劣等感を感じている。入社当時から指導してもらっている先輩にもかかわらず、清の影が薄いため、清の名前すらうろ覚えで、最近まで安達を安土と呼び間違えることがよくあった。清と優一の関係性によく目を奪われることがあるが、勝手な思い込みから、二人は自分のためにアメとムチで育ててくれようとしていると自分中心に考え、自分が愛されていることに陶酔している。

藤崎 (ふじさき)

株式会社豊川で事務職を務める女性。安達清の同僚で、誰に対しても優しく、人当たりがいい。社員旅行で鎌倉に行った際、宴会中に一人で買い出しに出かけた。もともと外の空気を吸いたいために請け負った買い出しだったが、いかつい男二人組に絡まれ、困っていたところを通りかかった清に助けを求め、力を貸してもらった。その後、さらに黒沢優一が加わったことで問題は解決し、優一の印象だけが残る形となった。実はボーイズラブが大好きな生粋の腐女子。日頃、会社でまじめに勉強しているかのように読んでいる本は、基本的にBL本に別の本のカバーをかけたもの。会社では優一が清を見つめていることに気づいており、二人の関係を勝手に妄想しては、日々元気の源にして仕事に励んでいる。だが、そんな自分の心の中を、清が部分的に読み取るため、清からは藤崎が清に思いを寄せているものだと勘違いされている。

黒沢姉 (くろさわあね)

黒沢優一の姉。顔は優一そっくりの美人ながら、ちょっと気が強い性格で強引なところがある。ある時、交際中の彼氏とケンカになり、一泊でいいから泊めて欲しいと優一を頼ってやって来た。その時の押し問答を見た安達清からは、優一の元彼女と誤解されてしまう。その誤解はのちに解けるが、彼氏の方から謝って来るまで彼のもとには戻らないと心に決め、それまでのあいだ優一を清の家に追いやり、優一の家を黒沢姉が占領することを勝手に決めた。

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