A・O・N（漫画）- マンガペディア

概要・あらすじ

人気プロレス団体「赤鴉」の入門テストに飛び入りで参加した、プロレスラーを志す少年ギュン。しかし、プロレスを小馬鹿にした不遜な態度がレスラーである笠松の不興を買い、あえなく失格となる。その4日後、赤鴉に所属する人気覆面レスラーのアオンを務めている亀口が、一般人と喧嘩したうえ、傷害罪で逮捕されるという事件が発生。

赤鴉の社長・鉤爪は亀口を見捨て、アオンに成りすませる人材として、亀口と体格が似ていたギュンに白羽の矢を立てる。念願のプロレスラー、それも当代の人気覆面レスラーであるアオンとなったギュンは、初試合で対戦相手のプロレスラーを叩きのめし、「日本全国のプロレスラーを倒し、自分が最強であることを証明する」と宣言するのだった。

登場人物・キャラクター

ギュン

プロレスラーを目指している15歳の破天荒な少年。明るく天然な性格をしており、物事に動じない図太い神経の持ち主。思っていることを正直に言ってしまうため、飛び入りで強引に参加したプロレス団体「赤鴉」の入門テストでは、「どうせプロレスはインチキなんだし!!!」と嘯き、怒った笠松に思い切り蹴飛ばされていた。身長は168センチと小柄だが、プロレスをはじめとする格闘技のセンスは抜群で、筋力も非常に強い。幼さが残る見た目とは裏腹に知略にも長けており、人気覆面レスラー・アオンの正体である亀口に喧嘩を売って傷害罪で逮捕させ、体格の似た自分がアオンの代役として選ばれるように工作していた。狙い通りアオンに成り代わった後は、初試合で海外のプロレスラーを叩きのめしたうえで、日本全国にいる336人のプロレスラーにすべて勝利して、自身が最強であることを証明すると宣言。賞金の6億円と自身の引退をエサにして世間の注目を集めたうえで、立ちはだかる猛者たちとの勝負に打ち勝っていく。子供には好かれるタイプで、保育園に入りびたって園児から昼食をもらうという、ノラ犬のような生活を送っていた。

浄明 (じょうあきら)

「赤鴉」に所属しているプロレスラーの男性。若手のエースで、WWR世界ジュニア・ヘビー級のチャンピオン。日本プロレス界でも有数の実力者だが、チャンピオンになってからはかつての殺気を失っており、日本全国のプロレスラーと戦うというアオンの宣言を聞いても、まったく興味を示さなかった。しかし、行きつけのキャバクラでギュンが扮するアオンに会った際に発破をかけられ、アオンが別人に入れ替わったことを察すると、その実力を確かめるために独断でアオンに挑戦する。キックに対するこだわりが非常に強く、新弟子時代は先輩に隠れてキックボクシングのジムに通っていたほど。

アオン

プロレス団体「赤鴉」に所属する覆面レスラーの男性。168センチという小柄な体格で190センチ近い大男を倒し続ける超人中の超人で、全国的な人気を誇るスター選手。鉤爪によって作られたビジネスライクなレスラーにすぎず、内実を知るほかの所属レスラーからは見下されている。その正体は亀口であり、亀口の逮捕後はギュンが成り代わってアオンとなった。

鉤爪 (かぎづめ)

日本一のプロレス団体である「赤鴉」の社長。おかっぱ頭にメガネをかけた陰気な男性で、「金で動く人間が一番信用できる」をモットーとしている冷徹なビジネスマン。覆面レスラーのアオンを作り上げ、スターダムにのし上げた仕掛け人でもある。所属レスラーのことをビジネスの駒としか見ておらず、アオンの正体であった亀口が警察に捕まったという知らせを受けた際には、彼のことをすぐに切り捨て、代役を探していた。そのため、所属レスラーからは「悪魔」呼ばわりされている。

牧一蹴 (まきいっしゅう)

「赤鴉」に出入りしているメガネをかけた17歳の少年。プロレスラー志望だが、太れない体質のせいで書類選考すら通らなかったため、お手伝い係として赤鴉に通っていた。真面目で一本気な性格をしており、プロレスこそが最強であると信じている。飛び入りで赤鴉の入門テストを受けたギュンの破天荒な生き方に惹かれ、のちにアオンとなったギュンの付き人的な役割を果たすことになる。

露華 (ろか)

プロレス団体「格闘忠臣蔵リボルト」に所属するプロレスラーの男性。最後まで客を楽しませるのがプロであると考えており、浄明との試合で彼の意を汲み、ひたすらキックの応酬を続けたギュン扮するアオンに対しては「プロ失格だ」と断言していた。自分ををプロレスラーにしてくれた社長に強い恩義を感じており、本物のプロレスを見せるために、高層ビルの間に設営した特設リングの上でギュンと対決する。

社長 (しゃちょう)

プロレス団体「格闘忠臣蔵リボルト」の社長。もともとは「赤鴉」に所属する男性レスラーだったが、赤鴉の株主である芸能プロのタレントが運転する自動車にはねられて重症を負い、レスラー生命を絶たれてしまった。口止め料として受け取った巨額の金を元手に格闘忠臣蔵リボルトを立ち上げ、覆面レスラーの社長として、才能ある若手プロレスラーを育てている。

梁雪花 (りょうせっか)

世界一強い女になることを夢見ている女子高生。ギュン扮するアオンとの手合わせを願い、彼に手紙を送る。その熱意に応え、梁雪花の高校まで出向いたギュンと死闘を繰り広げることになった。ギュンと出会ったことで、自分が本当に望んだ夢をつかむことを決意する。

亀口 (かめぐち)

人気覆面レスラー・アオンの正体でもある男性レスラー。ギュンに喧嘩を売られた際に手を出し、傷害罪で逮捕されてしまう。そのため、鉤爪から見捨てられ、ギュンにアオンとしての役割を取って代わられてしまう。作中では一度もその姿を見せなかった。

笠松 (かさまつ)

プロレス団体「赤鴉」に所属する男性レスラーで、黒々とした髭を生やした巨漢。入門テストでプロレスをインチキであると断じたギュンを、テストを口実に蹴り飛ばした。赤鴉の社長である鉤爪を苦手としており、非情な手段を平然と行う彼のことを内心では「悪魔」呼ばわりしている。

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