B・B

B・B

本気になれる物を探す少年・高樹翎がライバル・森山仁との戦いをきっかけにボクシングを始め、様々な強敵と戦いながら成長していく様を描いたスポーツ漫画。第34回小学館漫画賞少年部門受賞作品。ボクシングを主題としていながら、途中アメリカの傭兵に所属して戦争に参加するなど、翎が特殊な経験を積んでいくことも特徴。コミックス31巻という石渡治を代表する大長編であり、後に主人公翎の娘・愛を主人公とした作品『LOVe』も描かれている。小学館「週刊少年サンデー」1985年24号から1991年9号まで連載。

正式名称
B・B
ふりがな
びー びー
作者
ジャンル
ボクシング
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

さまざまな分野で才能を発揮させるも何事にも本気になれないでいる少年・高樹翎は、ある日暴走族と喧嘩の最中に生涯の天敵とも言える森山仁との邂逅を果たす。森山に完敗した翎は再び彼と戦うためにボクシングを始め、コーチの乙部誠や幼馴染の松原小雪らの協力を経て日々進歩していく。やがて翎は関東高校ボクシング大会に出場、必殺技の10cmの爆弾を引っ提げて森山との戦いに臨む。

しかし、森山は性根の腐ったボクサー・木地本研太郎の策略に嵌り準決勝で敗北、そのことに怒った翎は木地本を殴り殺してしまう。罪悪感を覚える翎だが、森山と再び戦うためにアメリカに亡命を決意。

戸籍を得るために翎は裏ボクシング界で活躍、全米制覇を果たす。しかし、最後の相手がマフィアの御曹司だったために翎は裏社会からも追われる身となってしまう。逃亡生活の中、翎は友人・ マジシャンの提案に乗り傭兵・スリーピング・シープの一員となって米国市民権を得るために殺戮機械と化していく。

途中で敵軍の捕虜となり洗脳されてしまうも、作戦を成功させて自己を取り戻すことに成功した翎はアメリカの国籍を貰い受けてブライアン・バクスター・ガーギルとしてボクサーへの復帰を果たし、森山との決戦に向かうのであった。

登場人物・キャラクター

松原 小雪 (まつばら こゆき)

高樹翎の同級生であり、恋人関係にある少女。活発でややお転婆気味。翎のことを心から愛しており、彼がボクシングを始めた際にも協力を惜しまなかった。やがて翎がアメリカへ亡命する前日に結ばれることとなり、彼の子供を授かった。

森山 仁 (もりやま じん)

天才ボクサーの卵であり、成績も優秀な文武両道の少年。ある時高樹翎と拳を交え、圧勝するものの頬に一撃を喰らったことで彼の才能に気が付く。それ以来翎とはお互いに天敵と言いあう仲となり、決着を付けることを望むようになる。翎がアメリカへと亡命している間に、元世界チャンピオンで実父の早瀬大を初めとする協力者たちの下で実力を更に伸ばしていく。 翎の10cmの爆弾に対抗するために、相手のパンチに合わせて身を引き、インパクトの瞬間に全筋肉をバネのように緊張させることでダメージを極限にまで抑える究極の防御法・「鋼鉄の肉体」を会得しており、早瀬の死を乗り越えた後は数々のタイトルを獲得していく。

加藤 稔 (かとう みのる)

高樹翎の同級生であり、彼の悪友。翎や松原小雪からはソーリーと呼ばれる。お調子者で度々問題を翎に持ち込む問題児ではあるが、翎とは熱い友情で結ばれた仲であり彼に助力を惜しまない。

乙戸 誠 (おとべ まこと)

高樹翎らが通う高校の教師で、当初は校則を無視する翎を敵視していた。しかし、実は翎にボクサーとしての資質を見出しており、また彼自身も元ボクサーであったことが判明。ボクシング同好会の会長となる。

木地本 研太郎 (きじもと けんたろう)

閃光とも称されるパンチを武器とする関東高校ボクシング大会に出場したボクサー。自己中心的で勝つために手段を選ばない卑劣漢。自分の邪魔をする森山仁を敵視し、あらゆる策を巡らして森山を下すことに成功する。しかし、そのことを知った高樹翎によって殴り殺されてしまった。

マジシャン

高樹翎がアメリカの裏ボクシング界で出会った男性。飄々とした性格で自らを手品師と称しており、掴みどころがない。翎の試合を見て彼に興味を持つ。翎がマフィアを敵に回したあと、自らが傭兵部隊・スリーピングシープだと正体を明かし、彼をチームへと招いた。

早瀬 大 (はやせ だい)

過去世界チャンピオンに輝き、「リングの狙撃手」という異名を持つプロボクサー。森山仁の実父ではあるが、栄光に酔いしれ家族を蔑ろにした挙句、事故まで起こしてしまった自分を恥じて家族の前から姿を晦ましていた。その後奇妙な縁から森山と再会、正体を隠して彼のコーチとなるも、重病に侵されており長くは生きられないことを自覚している。

中野 泰明 (なかの やすあき)

関東高校ボクシング大会に出場した、口ひげと弁髪のような髪型が特徴的なボクサー。フットワークの軽快さと槍と称されるストレートパンチが武器。最初は高樹翎に敵と認識されていなかったが、試合では彼と接戦を繰り広げ、負けてはしまったが友情を深めた。その後、翎の必殺技・10cmの爆弾と、森山仁の究極の防御法・鋼鉄の肉体を習得し、トップクラスのボクサーへと成長していく。

高樹 源太郎 (たかぎ げんたろう)

高樹翎の父親であり、元ヤクザ者であり、背中には鷹の入れ墨が彫り込まれている。短気な性格だが、親として翎を思いやる気持ちも強い。

高樹 愛 (たかぎ あい)

高樹翎と松原小雪の間に産まれた少女。翎がアメリカに居た時に産まれたため、最初彼のことを父親と知らずびーびーと呼んでいた。同作者の『“LOVe”』の主人公でもある。

若林 浩一 (わかばやし こういち)

元暴走族の頭だが、チームを森山仁に潰されてからバンド活動に打ち込むようになった青年。トランペット奏者としての高樹翎の才能に惚れこみ、彼と共に活動するために様々な手段を取る。やがてボクシングの道を進むと決めた翎と決別するも、木地本研太郎を殴り殺した彼をアメリカへと逃亡させる手引きをする。 航海途中で米兵に裏切られ海に放り投げられてしまい行方が知れなくなるも、意外なところで翎との再会を果たす。

高樹 翎 (たかぎ りょう)

高い運動神経と器用さから各分野で才能を発揮させるも、何事にも本気を出せないでいた少年。ある時、天才ボクサーの卵・森山仁と出会ったことをきっかけにボクシングを始めていくことになる。優れた動体視力と高い闘争心を武器に数々の強敵と戦いながら成長。やがてショートレンジから放つパンチ10cmの爆弾という必殺技を手に入れる。 しかし、関東高校ボクシング大会にて勢い余って木地本研太郎を殴り殺してしまったことからアメリカへの亡命を余儀なくされ、そこで市民権を得るために裏ボクシング界で戦ったり、傭兵になったりと数奇な運命を辿っていくこととなる。B・Bとは高校時代に暴れる彼を見て米兵が呟いた「His blood is burning(奴の血は燃えている)」という言葉に由来する。 「Best Boxer」という意味や、アメリカ人としての名前・ブライアン・バクスター・ガーギルの頭文字でもある。

集団・組織

眠れる羊たち (ねむれるひつじだち)

『B・B』に登場する組織。アメリカに亡命し、更にはマフィアからも追われる立場となった高樹翎が入った傭兵部隊。一人一人が百人分の戦力とも称される、優秀な傭兵が揃う。

その他キーワード

10cmの爆弾 (じゅっせんちのばくだん)

『B・B』に登場する必殺技。高樹翎が使用する。相手の懐に入り込み、わずか10cmのショートレンジから放つパンチであり、相手の体内を破壊するほどの威力を持つことから爆弾と形容される。

SHARE
EC
Amazon
logo