概要・あらすじ
刑務所から出所した森山は、自分の心酔していたボクシング界のレベルが、凋落の一途を辿っていることを知る。森山はこの事態を嘆き、自ら世界チャンピオンを育てることを決意する。やがて森山は知人であるマダムの導きで三上乱と出会い、彼が持つ天性の素質に惹かれることとなる。こうして2人は、数多くの障害と問題にぶつかりながらも、ともに協力しながらボクシング界で名を上げていく。
登場人物・キャラクター
三上 乱 (みかみ らん)
パーマのかかった派手な髪型が特徴的な少年。高速道路を走る車を自転車で追い抜くほどの、驚異的な脚力の持ち主。その天才的な身体能力に惚れ込んだ森山に誘われて、ボクシングを始める。その素質は本物で、非公式な試合ではあったが、何の準備もしていない状態で、現役のプロボクサーに挑み、見事なKO勝ちを収めた。さらにプロ公式戦でも、1ラウンド15秒KO勝ちという鮮烈なデビューを飾り、快進撃を続けていく。
森山 (もりやま)
薬物売買によって、過去に幾度も投獄されていた中年男性。投獄中に精神的な限界を迎えたことで、ボクシングそのものを神のように信仰するようになった。出所後は凋落の一途を辿るボクシング界を変えるため、三上乱を自らの手で世界チャンピオンに育てようと奔走する。
マダム
森山の裏社会における知人の女性。彼が薬物売買で儲けた大金を預かっていた。執事を雇うほどの豪邸に暮らしている。女性としての生殖能力を失った代わりに、水晶によって未来を占う不思議な力を得た。
鈴 (りん)
森山に惚れ込んでいる少女。もとは暴走族だったが、森山に忠告されて脱退した。現在はブティックで働きながら、時折森山の部屋に勝手に上がり込んで生活している。のちに森山の紹介もあり、三上乱と恋仲になっていく。
滝田 卓行 (たきた たかゆき)
森山の友人の男性。三上乱の試合を非公式に組むなどの協力をしている。ボクシングの元日本バンタム級チャンピオンだけあり、引退してもなお、チンピラ数人を瞬時に撃退できるほどの強さを誇る。
新藤 明男 (しんどう あきお)
「新藤ジム」の会長の息子。将来を期待される若手のボクサー。しかし三上乱のデビュー戦で、1ラウンド開始直後に強烈なパンチをくらい、わずか15秒でKOされてしまう。
峰 高志 (みね たかし)
ジャーナリストの男性。三上乱のデビュー戦を見て、森山に接触してきた。乱をスーパースターにするために、マスコミの力を使って協力することを提案する。
三上 明子 (みかみ あきこ)
三上乱の姉。絵画や彫刻など美術に打ち込んでいる。納得がいかない作品は壊してしまうほどストイックな性格。森山とは初対面の時から惹かれ合い、のちに結婚することになる。
アンダーソン
米軍の大佐を務める男性。森山にとっては裏社会にいた頃の知人。裏社会全体に強いパイプを持っているため、その人脈を利用して、三上乱をレベルアップさせるための対戦相手を探すことに協力する。
チコ・バルディアス (ちこばるでぃあす)
メキシコのフェザー級6位のボクサー。まだプロデビューを果たしたばかりでキャリアは浅いが、階級が上の上位ランカーさえも、いとも簡単にダウンさせてしまうほどの実力を持つ。アンダーソンも、その圧倒的な才能に注目していた。
チュチュ・エカリンド (ちゅちゅえかりんど)
メキシコ人のボクシングマネージャー。チコ・バルディアスのマネージメントを担当している男性。エルパソで三上乱の闇試合を見て、彼が持つ才能と将来性に気づく。
場所
エルパソ
アメリカとメキシコの国境にある町。毎日何百万もの貧困にあえぐメキシコ人が、ここから不法に国境を越えてアメリカに渡っている。また、月に一度ボクシングの闇試合が開催されている。
クレジット
- 原作