あしたのジロー

あしたのジロー

ボクシングで人生をやり直そうと懸命に生きる青年と、その恋人がたどる数奇な運命を描くヒューマンドラマ。「ヤングチャンピオン」と「漫画アクション」の2誌で交互に週刊ペースで掲載されるという前代未聞の形式で連載された作品。「ヤングチャンピオン」2017年11号と「漫画アクション」2017年12号より連載された作品。

正式名称
あしたのジロー
ふりがな
あしたのじろー
原作者
森高 夕次
作画
ジャンル
ボクシング
関連商品
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概要・あらすじ

傷害容疑で逮捕された凶暴・獰猛の荒ぶる少年・樺島次郎。刑事の佐治は保護司となって、そんな次郎を引き取り、自分の家に連れて行った。佐治の手配でボクシング・ジムに入会した次郎は、ボクシングでとてつもない才能を発揮し始める。一方で、佐治の娘・佐治清子は、ボクシングにうちこむ次郎のひたむきな姿を目の当たりにして、彼に恋心を抱くようになる。

そんなある日、とうとう次郎に告白する清子。「自分の立場上、清子のことを見つめることは許されない」と答える次郎であったが、彼女の思いは彼の胸に深く届いていた。その後、次郎は難なくプロテストに合格し、プロボクサーとしての第一歩を踏み出し始める。世界戦経験者たちが口をそろえて「世界チャンピオン間違いなし」とまで語る、恐るべき次郎の才能。

彼の前途は洋洋たるものに思われた。だが、デビュー戦の前日、警察から脱走した強姦殺人犯・鈴木浩に、清子が山で強姦されてしまう。その現場に遭遇した次郎は、怒りに任せて鈴木を撲殺。「殺人」というあまりに重い罪科を背負ってしまった次郎。次郎は清子とふたりで鈴木の死体を山に埋め、罪を隠して生活し始める。

登場人物・キャラクター

樺島 次郎 (かばしま じろう)

凶暴・獰猛の暴れ者の少年。ケンカ以外では、社会のルールを破ることはしない。傷害罪で逮捕された後、保護司をかって出た刑事の佐治の家に引き取られる。その後、佐治の手引きでボクシング・ジムに入会し、とてつもない才能の輝きを見せ始める。世界戦経験者が口を揃えて「世界チャンピオン間違いなし」と語るほどの力を持つ樺島次郎は、天才を超えた「怪物ボクサー」と呼ばれるようになる。 ボクシングにストイックに取り組んで更正した次郎は、佐治の娘・佐治清子と相思相愛の関係となる。しかし、ずっと彼女には指一本触れない清い間柄のままであった。ところが、ボクシング・デビュー戦の前日、清子は山で連続強姦殺人犯の鈴木浩に犯され、処女を散らしてしまう。 この現場を目撃した次郎は、怒りにまかせて、鈴木を撲殺してしまう。この時、次郎は自首して出ることを考えた。しかし、清子に「一生、ボクシングができなくなる」と言われ、やっと見つけた生きがいを失うことを恐れた彼は、ふたりで死体を山に埋めてしまう。

佐治 清子 (さじ きよこ)

樺島次郎の保護司である佐治刑事の一人娘。人生をやり直そうとストイックにボクシングに打ち込む次郎に惹かれ、彼への思いを告白した。だが、次郎のプロデビュー戦の前日、清子は山で連続強姦殺人犯の鈴木浩に犯され、処女を失ってしまう。この光景を目撃した次郎は、鈴木を撲殺した。佐治清子は自首しようとする次郎を止め、ふたりでその死体を山に埋めてしまう。 清子は、生来正義感の強い少女で、子供の頃から空手を習っており、腕っぷしには自信があった。この清子という名前は、殉職した佐治の同僚村上清に因んで名づけられたものである。

佐治 (さじ)

佐治清子の父親。傷害罪で逮捕された樺島次郎を、思うところあって保護司として引き取った刑事。次郎をボクシング・ジムに入れ、その才能を開花させるきっかけを作った。次第に次郎に引かれていく娘・清子のことを暖かく見守り、ふたりの美しい未来を望んでやまない優しい父親でもある。連続強姦殺人犯・鈴木浩を失態により逃がしてしまった矢島広喜に、刑事のいろはを叩き込んだ先輩。 鈴木脱走後は、彼と共に協力して捜査にあたった。

鈴木 浩 (すずき ひろし)

連続強姦殺人犯の男性。警察から脱走し、山で佐治清子を強姦。そこを、樺島次郎に見つかって撲殺され、その後、ふたりによって山に埋められた。最初に女性を強姦したのは15歳の時。その後、18歳の時、はずみで女性を殺してしまい、以来30歳になるまで10人を強姦して殺した、と本人は語っている。30歳にになってやった殺しで足がつき、警察で取り調べを受けていたが、矢島広喜を含むふたりの警察官を倒して、脱走した。

会長 (かいちょう)

樺島次郎が所属するボクシング・ジムの会長。額の広い眼鏡をかけた年老いた男性。佐治に連れてこられた次郎を見て、その才能にほれ込む。次郎が将来世界チャンピオンになることを確信している。

矢島 広喜 (やじま ひろよし)

樺島次郎の保護司である佐治が育てた直属の後輩刑事。強姦殺人犯鈴木浩を、生きている価値のないクズとみなし、取り調べる。しかし、すきをつかれて、かかと落としでノックアウトされ、脱走されてしまう。その後、佐治とともに鈴木を死に物狂いで追い続けた。高校、大学とボクシング部に所属していた。

村上 清 (むらかみ きよし)

樺島次郎の保護司である佐治の同僚だった刑事。佐治清子が生まれる前日、ふたりは一緒に張り込みをしていた。翌日、その現場で犯人は逮捕されたが、その際、発砲された拳銃の弾丸を受け、村上清は殉職してしまう。享年36歳。佐治はその後、彼から「清」の文字をもらって、娘を「清子」と名づけた。

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