「ファルコン」の異名を持つ天才ハッカー
主人公の高木藤丸は、表向きはふつうの男子高校生ながら、その裏では政府のコンピュータ・システムにも容易に侵入することができるほどの天才ハッカー「ファルコン」としての顔を持つ。藤丸の驚異的なハッキング能力は公安調査庁の一組織である「THIRD-i」でも重宝されており、テロ計画「BLOODY MONDAY」を目論む組織との戦いでも大きな活躍を見せる。原作者の龍門諒(樹林伸)は、米国国防省のコンピュータ・システムに侵入したハッカーが、10代の高校生だったというニュースに衝撃を受け、「もしその高校生が、正義感の強い日本人だったら」という着想から、このキャラクターが生まれたと語っている。
テロ行為やクーデターから国家を守る組織「THIRD-i」
高木藤丸の父親、高木竜之介が所属する公安調査庁第一部第三課、通称「THIRD-i」は、警察組織から独立した指揮系統で動く治安維持組織。選抜されたエリート揃いで、その存在は公には伏せられている。主な任務は治安維持のための諜報(ちょうほう)活動で、テロ活動や国家クーデターの阻止なども含まれる。竜之介はTHIRD-iの中心メンバーの一人で、その立場から危険にさらされることも少なくない。そのため、藤丸は持ち前のハッキング能力を活かして竜之介の力になることを望み、THIRD-iに所属することとなる。
ウイルスを用いて世界を脅かすテロ組織
ストーリーが進むにつれて、「K」と呼ばれる謎の人物が率いるテロ組織の存在が明るみに出る。彼らは実験で一つの街の人間を皆殺しにしたり、目的のためなら日本国内でも平然と殺人を繰り返すなど、極めて凶悪かつ危険な集団で、ウイルスを用いたテロ計画「BLOODY MONDAY」の実行を目論んでいる。組織の中でも、弥代学院高等部に教師として潜入している折原マヤは、並外れた美貌と情報収集能力、戦闘能力を備えており、長きに渡って藤丸のライバルとして立ちふさがる。
登場人物・キャラクター
高木 藤丸 (たかぎ ふじまる)
弥代学院高等部に通う2年生の男子。新聞部に所属している。ふだんは不真面目で協調性もないが、正義感は非常に強い。「ファルコン」と呼ばれる天才ハッカーとしての顔を持ち、国家レベルのコンピュータ・システムですら侵入、解析することができるほどのハッキング能力を誇る。父親の高木竜之介は公安調査庁の中でもエリート揃いの調査第三課の通称「THIRD-i」に所属している。九条音弥やTHIRD-iのメンバーからはファルコンであることを知られており、危険な任務に従事する竜之介をサポートするためハッキング能力を磨いている。テロ組織から竜之介を助けたことをきっかけにTHIRD-iに本格的に所属することになり、彼らと共にテロ計画「BLOODY MONDAY」を目論むテロリストたちに立ち向かう。テロ組織のメンバーである折原マヤからは早い段階で危険視され、その動向を注目されている。
九条 音弥 (くじょう おとや)
弥代学院高等部に通う3年生の男子。新聞部の部長を務めており、冷静沈着な性格と面倒見のよさから多くの人に慕われている。高木藤丸とは小学生時代からの親友同士で、彼がファルコンであることも知っている。また、高木一家の事情にも精通しており、藤丸の妹の高木遥とも親交がある。弓道の達人で、60メートル先にいる相手の身体に、しびれ薬の塗られた矢をかすめるように放つなど、卓越した射撃能力を持つ。藤丸との関係性や身体能力の高さから、THIRD-iの任務に助力することもある。だが、のちにテロ組織の一員である「J」と兄弟の間柄であることが発覚する。
クレジット
- 原作
書誌情報
BLOODY MONDAY 全11巻 講談社〈講談社コミックス〉
第1巻
(2007-08-17発行、 978-4063638745)
第11巻
(2009-05-15発行、 978-4063841398)