概要・あらすじ
父親である牧島ダンの描いた地図を頼りに、ニューヨークから日本へ帰って来た小学生の牧島だんくは、父親の友人の家をやみくもに探し回るうち、公園で開催されているストリートバスケ大会に迷い込む。そこには父親の友人の娘である新葉くるみが観客として観戦していた。こうしてくるみと出会っただんくは、彼女の家に住むこととなる。
やがて、だんくは日本人初のNBAプレイヤーになるという夢に向かい、父親から課せられた修行をこなし、数々のストリートバスケ大会に参加しながら、仲間とともに成長を遂げていく。
登場人物・キャラクター
牧島 だんく (まきしま だんく)
バスケットボールが大好きな小学4年生の男子。ニューヨークから単身で日本へ帰ってきた後、父親の友人の娘である新葉くるみの家に住みながら、鹿の子第五小学校に通うようになる。得意のドリブルと並外れた身体能力を駆使したダンクシュートが持ち味で、日本人初のNBAプレイヤーを目指している。ピンチになると、マキシマムパワーを使い身体能力を上げることで敵のディフェンスを突破していく。 「バスケはみんなで楽しんでやるもの」という信条を持つ。何度通っても学校への道順を覚えられないほど、極度の方向音痴でもある。
新葉 くるみ (しんば くるみ)
鹿の子第五小学校に通う4年生の女子。牧島だんくの父親・牧島ダンの友人の娘で、ストリートバスケ大会を観戦しに来たところ、試合に乱入しただんくと出会う。新葉くるみ自身はあまりバスケットボールをプレイしたことはないものの、方向音痴のだんくに道案内するために同行するなど、彼をサポートしている。
大迫 力男 (おおさこ りきお)
鹿の子第五小学校に通う5年生の男子。学校のボス的存在で、広島弁をしゃべる。最強のバスケットボールチームの結成を目指して、大迫力男自らが行う入団テストを繰り返し、合格できなかった者には学校のゴールを使わせないように邪魔をしている。巨体を活かしたブルドーザーのようなパワープレイを得意とし、そのプレイスタイルから、牧島だんくに「ブル」と呼ばれている。 中でも大迫の放つダンクシュートは「ブルドーザーダンク」と呼ばれ、シュートをブロックしようとしただんくの体ごとゴールに叩きつけるほどのパワーがある。だんくとの勝負に敗れてからは、持ち前の体格とパワープレイを活かし、だんくのチームメイトとして活躍する。その巨体と豪快な言動とは裏腹に、学校のクラブ活動では手芸部に所属している。 チームのTシャツを手作りする器用さと、女子の前では緊張で身動きが取れなくなる照れ屋な一面がある。
真軸 丈 (まじっく じょう)
得栄麗華に雇われ、ストリートバスケチーム「LAれいかーズ」のメンバーとして「ストリートHOOPグランドスラムJAPAN」に参加した少年。牧島だんくと同様の身長の低さながら、多彩な技や安定したボディーバランス、鋭い洞察力など高い能力を持つ。その能力の裏には、兄である真軸丈一と、ある組織の存在が大きく関わっていた。 「ストリートHOOPグランドスラムJAPAN」終了後もだんくの修行に付き合うなど、彼をサポートしながら自らの過去とも向き合い、成長していく。
下野 三太 (しもの さんた)
鹿の子第五小学校に通う4年生の男子で、牧島だんくのクラスメイト。ストリートバスケ大会の会場に向かっていただんくに自転車を奪われ、そのままだんくとともに大会に選手として参加することになる。相手の連携プレイに対して逆転の策を提案するなど、頭脳プレイでチームに貢献する。「ZBAオープン3ON3バスケットボール選手権大会」開催の際には、ZBAにさらわれた後、洗脳によって得た能力であるブロック不可能な弾道のシュートや、高い頭脳プレイでだんくたちを翻弄した。
得栄 麗華 (えるえい れいか)
日本一の大企業「LA産業」の社長令嬢。真軸丈らを雇ってストリートバスケチーム「LAれいかーズ」を結成した。学校やアミューズメントパークをまるごと買い取るなど、金に物をいわせる強引な行動をすることが多い。普段はおしとやかなお嬢様を演じているが、牧島だんくたちの前では高飛車な本性を見せる。性格が変わると髪の色も変化する。
牧島 ダン (まきしま だん)
牧島だんくの父親。だんくが日本に帰った来た数週間後に遅れて帰国したが、だんくが驚くほどの巨漢となって彼の前に現れた。だんくをバスケットボール修行の旅に出るよう促し、行く先々で修行をサポートしていく。実は牧島ダン自身もNBAのスカウトマンに追われるほどの優秀なプレイヤーであるが、スカウトの目を欺くため巨大な着ぐるみを着ている。
真軸 丈一 (まじっく じょういち)
ZBAの中でも最強レベルのA級者を超える、超A級者(スーパーAランカー)の1人。ZBAのメンバーに選ばれ、過酷な訓練に勝ち残ったのち「ブラック=マジック」と名乗るようになった。真軸丈の兄であり、幼少期の丈にバスケットボールを教えた。
M=J (えむじぇい)
ZBAの創設者である男性。NBAのチームを倒せるバスケットボールプレイヤーを育てるためにZBAを創設した。実在のNBAプレイヤーであるマイケル・ジョーダンがモデル。
ジャッジ
SLAM HOOP TOWNの争いごと裁き人。牧島だんくと背格好の似た少年。街で揉めごとが起きると、軍配を投げつけ「裁き」を開始させる。ジャッジの持つ権力は絶対的なものであり、住人は彼に対して畏怖の念を抱いている。「裁き」に巻き込まれただんくに興味を示しており、その正体は謎に包まれている。
ボールヘッド
SLAM HOOP TOWNの仕置人。常にジャッジに付き従う、屈強な肉体と常人を遥かに上回る身長を持つ寡黙な男性。「裁き」の際にはジャッジの指示に従い、対決の場にポールを突き刺しゴールを立てる。エレベーターの天井を突き破ってゴールを立てられるほどの怪力の持ち主だが、そんな力を持つボールヘッドが、少年のジャッジに対してなぜ従順に付き従っているのかは不明。
エマニエル ボイヤー
ロサンゼルスのストリートギャング「シャーク団」のリーダーである少年。CANNON BALLに参加し、NBAプレイヤーを目指している。牧島だんくとの勝負後に警察に拘束されるが、CANNON BALL参加者を取り締まる収容所で死刑宣告されただんくを救う。のちに、NBAプレイヤーになるという夢も叶えた。
アーノルド B (あーのるど ぼいやー)
エマニエルボイヤーの弟。バスケットボールが得意な兄を慕い、尊敬している。兄の代わりとしてCANNON BALLに参加した牧島だんくとともに、試合に参戦した。
D=Rマン (でぃーあーるまん)
CANNON BALLの理事を務めている男性。かつてのCANNON BALL優勝者であり、D=Rマンが優勝して以来1人もNBA入りする者が出ていない。実在のNBAプレイヤーであるデニス・ロッドマンがモデル。
レイア=フープ
牧島だんくが4歳の時にアメリカで出会った、11歳の少女。父親とはぐれただんくの面倒を見ながら、彼にバスケットボールを教えた。世界初の女性NBA選手になるのが夢。
集団・組織
DAN DAN DUNK (だんだんだんく)
ストリートバスケ大会である、ストリートHOOPグランドスラムJAPANに参加する際に結成されたチーム。3人以上のチームでなければ参加できないと知った牧島だんくの独断により、大会当日に急遽結成された。メンバーは、だんく、大迫力男、新葉くるみ、下野三太の4人。
NBA三兄弟 (えぬびーえーさんきょうだい)
牧島だんくが迷い込んだストリートバスケ大会で、注目度No.1の3人組。それぞれ顔に「N」「B」「A」と記されている。ストリートHOOPグランドスラムJAPANでは決勝前に乱入したLAれいかーズに敗れ、決勝進出を逃した。
LAれいかーズ (えるえーれいかーず)
得栄麗華が率いるストリートバスケチーム。ストリートHOOPグランドスラムJAPANの決勝戦直前に乱入し、無理矢理NBA三兄弟と対戦。16対0という圧倒的な点数差で決勝進出を決めた。チームの得点源は麗華が放つ2ポイントシュートだが、10本に1本しか決まらない低い精度である。しかし8分間の試合中、約80本ものシュートを麗華1人で打っており、その高いボール支配率の陰には、彼女以外の2人のメンバーの能力が関わっている。
ZBA (ぜっとびーえー)
日本各地から選りすぐられたエリートのみが所属を許される、日本最強のバスケットボール集団。一般に、この集団の目的はわかっていない。選ばれたエリートたちは、ピッチングマシーンから繰り出されるボールをブロックするなどの過酷な基礎訓練を課せられた後、メンバー同士の試合に勝った者だけが集団に残り、敗者は追放される。メンバーには階級があり、下位の構造は明らかにされていないが、最強レベルのプレイヤーは「A級者(Aランカー)」、更にその中でも能力の高い者は「超A級者(スーパーAランカー)」と名付けられている。 「スーパーAランカー」は、翼の形とバスケットボールを組み合わせたデザインの「フライングZ」と呼ばれるマークを身に着け、その階級の証として誇示している。 山岳地帯に造られた本部には、実在のNBAプレイヤーであるマイケル=ジョーダンの顔が彫刻されており、内部への入口となっている。
場所
鹿の子第五小学校 (かのこだいごしょうがっこう)
牧島だんくや新葉くるみたちの通う小学校。のちに得栄麗華の父親によって買い取られ、麗華の趣味に合わせて、実在の建造物であるディズニーランドのシンデレラ城を思わせる外装に改築された。
籠球ハイランド (ろうきゅうはいらんど)
富士山のふもとにある、バスケットボールを修行するための施設。施設内には、コーヒーカップなど遊園地のアトラクションがあり、そのアトラクションごとにゴールが設置されている。来園者は腕にゴールの点数をカウントするリストバンドを付け、アトラクションの乗り物に乗りながらゴールにシュートを決め、点数を競う。点数争いに負けた者には、アトラクションの案内人であるラリーマウスに罰を課せられることとなる。
不忍ケ山 (しのばすけやま)
バスケットボール修行「不忍ケの業」を行うための山。修行者は山頂にあるゴールを目指すが、山頂が近づくにつれ傾斜が急になり、足場も酷くなる。山の入口には巨大な山門が建てられ、入門した者は業をクリアするまで出られない。
SLAM HOOP TOWN (すらむふーぷたうん)
バスケットボールですべてが決まる世界で、帝王「スラムキング」が支配する街。街で起きた揉め事は「裁き」と呼ばれるバスケットボールの試合で解決するシステムで、住民の賭けの対象にもなっている。ただし、「裁き」で賭けられるのは金銭ではなくお菓子。街では年に一度「スラム横断ウルトラバスケ」と呼ばれるイベントが開催され、それに優勝して「スラムキングダム」と呼ばれる理想郷に行くことが住民の憧れである。
スラムキングダム
バスケットボールですべてが決まる世界で、帝王「スラムキング」が作った理想郷。SLAM HOOP TOWNから東の方角にある。普段は山を模したドームに覆われており、そのドームが開いた時にのみ外部の者が入れる。街の中心には実在の建造物である「サグラダ・ファミリア」を模した建物「スラムキング城」が建っており、内部には街の動力に関わる秘密が隠されている。
イベント・出来事
ストリートHOOPグランドスラムJAPAN (すとりーとふーぷぐらんどすらむじゃぱん)
日本最強を決める、3ON3のストリートバスケ大会。数ある大会の中でも日本最高峰とされている。牧島だんくたちDAN DAN DUNKチームは、この大会の小・中学生の部に参加した。
ZBAオープン3ON3バスケットボール選手権大会 (ぜっとびーえーおーぷんすりーおんすりーばすけっとぼーるせんしゅけんたいかい)
ZBAが主催するバスケットボール大会。川に浮かんだコート上で行われる試合や、さまざまなトリックを駆使した攻撃、対戦相手と1対1で足を鎖で繋ぐなど、過酷な状況での試合を強いられる。さらに、対戦相手としてZBAの中から選りすぐりの精鋭が立ちはだかる。
スラム横断ウルトラバスケ (すらむおうだんうるとらばすけ)
SLAM HOOP TOWNにおいて、年に一度行われるバスケットボールのバトルロイヤル。街のあちこちに設置されたゴールにシュートを決め、得点を競う。1つのゴールにシュートできるのは一度のみであり、より多くのゴールにシュートを決め、最高得点を得た者だけが、街の住民すべての憧れである理想郷「スラムキングダム」に行くことができる。
CANNON BALL (きゃのんぼーる)
バスケットボールの試合に勝ち抜きながら、ロサンゼルスからニューヨークまでアメリカ大陸を横断する、闇のグランプリ大会。参加資格のあるプレイヤーには、ロゴの入ったカードが配られる。参加すると勝つごとに賞金が上がり、優勝すると莫大な賞金とともにNBAでプレイする資格が得られる。
その他キーワード
マキシマムパワー
牧島だんくがバスケットボールの試合中、突破が困難なブロックに阻まれるなどのピンチになると発動するパワーアップ能力。発動させるには、だんくが履くバスケットシューズ「NIKEエアレイド改MAXIMAスペシャル」のストラップをクロスし、足首で固定させる必要がある。発動すると、通常の百倍のパワーを発揮することができ、通常より速いスピードや高い跳躍力、自分より数倍大きな体格の相手を引きずるほどの筋力を得られ、相手のブロックを撃破する。
NIKEエアレイド改MAXIMAスペシャル (ないきえあれいどかいまきしますぺしゃる)
牧島だんくが履くバスケットシューズで、だんくが4歳の時に出会ったレイア=フープから貰ったもの。実在のバスケットシューズである「NIKE AIR RAID」をモデルとしたデザインとなっている。シューズのサイドには長いストラップが付けられており、これをシューズ前面でクロスして足首で留めることで、だんくの能力を高める「マキシマムパワー」を発動する。 「マキシマムパワー」を発動していない時はストラップを留めず、サイドに垂らしている。
不忍ケの業 (しのばすけのぎょう)
日本古来より忍びの世界に伝わるとされている、バスケットボールの修行法。足場が悪く、ドリブルをするのが難しい山道を進み、山頂のゴールにシュートを決めると業のクリアとなる。その途中では、不忍ケ山で日頃から修行をしている忍者姿の敵チームが現れ、ゴールまでの道を妨害してくる。
裁き (さばき)
SLAM HOOP TOWNで揉め事が起きた際、決着をつけるために行われるバスケットボールの試合。争い事裁き人ジャッジの号令により開始される。試合中は、第三者を巻き込んではいけないというしきたりがある。