HEAT -灼熱-

HEAT -灼熱-

新宿歌舞伎町に突然現れ、男たちの心をつかみながら、闇社会を駆け上っていく唐沢辰巳とその仲間たちの熱い戦いを描く、ハードボイルドアクション長編。第47回(平成13年度)小学館漫画賞受賞。

正式名称
HEAT -灼熱-
ふりがな
ひーと しゃくねつ
原作者
武論尊
漫画
ジャンル
アクション
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概要・あらすじ

新宿歌舞伎町に突然現れた唐沢辰巳は、非常に強引な手段でホストクラブのオーナーになり、そこを根城にして様々な組織に支配された歌舞伎町に風穴を開けていく。唐沢の言動は熱い男たちの心を鷲掴みにし、仲間が増えていった。唐沢の戦いは、広域暴力団、政財界の黒幕や、香港黒社会の支配者たちへと向かい、彼は仲間とともに闇社会を駆け上っていくのだった。

登場人物・キャラクター

唐沢 辰巳 (からさわ たつみ)

ホストクラブ「新宿租界」のオーナー。「気に喰わない奴は殴る」が信条の男。大柄で筋骨隆々、背中に鶴の刺青を入れている。腕っ節が非常に強い上、敵の人間関係を逆手に取って立ちまわる頭脳も持つ。突然新宿歌舞伎町に現れ、極めて強引な手段でホストクラブの経営権を手に入れる。 闇社会でどれだけ自分の信条が通るか、試しているような節がある。歌舞伎町に来る前に、ロサンジェルスでロシアンマフィアを一人で壊滅させていた。彼と関係すると、どんな冷静・冷酷な男でも熱く燃え上がる想いにとらわれてしまう。歌舞伎町から始まり、広域暴力団関西山王会をかき回し、政財界の黒幕や、香港の黒社会の首領などに対し、仲間と一緒に戦い続ける。 父はアメリカで弁護士をしていた大城琉介だが、父の選んだ最後に納得がいかずに母方の姓を名乗る。

伊丹 (いたみ)

闇金融「伊丹商事」の社長。名前は不明。新宿歌舞伎町にオフィスがある。20代前半の男性で、現役の東大生。唐突に無担保で大金を借りに来た唐沢のやり方に動揺するが、やがて唐沢の財政を担当することになる。町工場を経営していた父が金策に失敗して自殺し、それをバネに成り上がろうとした。 インターネットの知識が深く、ハッキングの能力も高い。東大卒でキャリア組の、東新宿警察署副署長今泉を「先輩」と呼ぶ。

栗木 (くりき)

東新宿警察署署長。年齢・名前は不明。ノンキャリアで、叩き上げから現在の地位についた。妻を唐沢に寝取られ、広域暴力団関西山王会の新宿歌舞伎町参入を関東総本部長の村雨に要請する。しかし、唐沢が関西山王会に対して一歩も引かないどころか、時として内部抗争を触発する行動に対し、非常に高揚した気分を感じ、唐沢を手助けするようになった。 後に、妻との仲も元に戻る。

村雨 (むらさめ)

広域暴力団関西山王会の関東総本部長で、「村雨組」組長。年齢・名前は不明。オールバックの長髪で、眼鏡をかけている。東新宿警察署署長の要請で新宿歌舞伎町に入って唐沢辰巳と会い、組内部の階層にいらだちを感じるようになる。関西山王会四代目会長尾形市造の後妻、尾形佳乃をかつて愛したが諦めたことがある。 しかし唐沢の熱さに触れて、また彼女への情熱を取り戻す。五代目会長の座を巡って藤巻や石倉と争う。

藤巻 (ふじまき)

初登場時は広域暴力団関西山王会のNo.3。顔も肉体も肥大した巨漢で、武闘派、48歳。名前は不明。「闘牛の肉体に闘牛の脳ミソ」と村雨は評する。母の顔も知らず、9歳の時に父が死に、13歳の時点ですでに関西山王会の構成員だった。唐沢の策略に翻弄され、石倉と村雨によって関西山王会を破門されたのち、唐沢の仲間として歌舞伎町に入り「藤巻組」を立ち上げる。 以後、唐沢の戦いを支援した。部下思いで人情家の、気のいいオヤジという側面もある。

石倉 義信 (いしくら よしのぶ)

初登場時は関西山王会四代目代行で、組織のNo.2。40代後半から50代の、尋常でなく優秀な頭脳をもった男。学生時代は全共闘の闘士だったが、留置場で関西山王会の組長と知り合い、自分の権力志向が収まる場所として関西山王会を選ぶ。京介という息子がおり、時として彼の弱点となる。 五代目会長の座を巡って藤巻や村雨と争い謹慎処分を受ける。だが、海崎元一郎がらみの事件で香港黒龍族ボスのレイモンド・タオが介入して関西山王会の屋台骨が揺らいだ戦いに参入、その後に次のステップへ移行する。

尾形 市造 (おがた いちぞう)

関西山王会四代目会長。60-70代の男性。「癌で余命一年」と石倉に言われていた。石倉や藤巻そして村雨の抗争と、海崎元一郎がらみの騒動の中、「欲」を優先して「信念」「義」のない決断を行ったため、妻、佳乃からの信を失う。

尾形 佳乃 (おがた よしの)

関西山王会四代目会長の後妻。尾形市造が、「欲」でなく「信念」で四代目を継いだと信じ、妻となる。かつては村雨と情を通じあったことがあったが、尾形市造の「信念」に従って村雨と別れた。老いた尾形市造の「欲」のみの決断に対し、激しい言葉を投げる。

中谷 里見 (なかたに さとみ)

唐沢が「オレの女(恋人)」と宣言する若い女性。唐沢がアメリカにいた頃、留学中の里見がレイプされかかったところを助けてから縁が生じる。帰国後にある理由で海崎へ制裁を行い、その罪のため関東刑務所で服役していた。

海崎 元一郎 (かいざき げんいちろう)

表向きは政治経済研究所の開設者だが、莫大な闇の資金を所有し、政財界や裏社会に影響力を持つ60-70代の男性。日本をおかしくした「膿(うみ)」の元のような男。唐沢からは「おのれの欲望のために、他人の「義」を平気で喰らう」と評された。異常な性欲を持ち、その報いとして中谷里見より制裁を受ける。 刑務所から出た彼女に復讐しようとする。

クーリー・タオ

唐沢排除の命を受けて、香港から捜査官として来日。香港黒社会の中でも恐れられる黒龍族のボス、レイモンド・タオの息子。感情を持たないよう、父親の忠実な下僕として生きるように教育され、冷酷な殺人機械として機能していた。しかし、唐沢たちと出会い、また中谷里見の愛に接して感情を知り、人としての生き方を取り戻す。

レイモンド・タオ

香港黒社会で恐れられている黒龍族の首領。80歳前後の老人だが、冷酷で強欲な上、敵となる人間の精神を弄び、崩壊させて服従させることを何よりの喜びとする最悪の人物。海崎の莫大な裏金の元を握っている最深部の黒幕である。自分に服従したものの家族を、全て人質にしている卑劣漢。 意外な出自の秘密を持つ。

大城 金吾 (おおしろ きんご)

唐沢辰巳の祖父で漁師。1945年、沖縄に上陸してきた米兵を怯むことなく素手で殴り倒したり、たった一人で沖縄中の極道を足下においた。唐沢の背中に鶴を彫った進藤千代と、昔付き合っていた。存命であり、沖縄を訪ねた千代とその孫の優香に、唐沢辰巳の父の話をする。

大城 琉介 (おおしろ りゅうすけ)

唐沢辰巳の父。沖縄復帰前に米国に渡り、弁護士になる。銃の乱射による有色人種殺害事件の犯人である白人青年を弁護せざるを得ない状況に追い込まれ、壮絶な解決策を選択する。「義のなき信念は無に等しい」という言葉を息子に贈る。

集団・組織

関西山王会 (かんさいさんのうかい)

『HEAT-灼熱-』の登場組織。構成員約三万人の広域暴力団。本部は大阪にある。

クレジット

原作

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