不思議な主従関係
浅野真一郎と島津朔邪は、同級生でありながらアルバイトと雇用主という関係にある。しかし、あることがきっかけで真一郎の「真眼(まがん)」の能力が発覚し、真一郎が朔邪の真名をうっかり唱えてしまったことから、朔邪は真一郎の命令や呼びかけには無条件で従ってしまうという、捻(ねじ)れた主従関係が形成されることとなった。またそれに伴い、真一郎は朔邪の婚約者になることを強要されるようになる。
ヒロインたちとラッキースケベの連続
本作は島津朔邪をはじめとするヒロインたちの衣服がたびたび破れたり、そもそも衣服の着用が習慣化していないなど、女性の肌の露出が非常に多い。そんなヒロインたちに対し、真一郎は意図せず胸を触ったり、全裸の股間に顔を埋めるなどのラッキースケベに遭遇する頻度が高く、そのたびに嫉妬した朔邪の怒りを買っている。
浅野真一郎に思いを寄せるヒロインたち
浅野真一郎と一番親密な関係にある島津朔邪のほか、真一郎と朔邪が親しくなったきっかけを作った妖魔、猫又のタマ子、朔邪と島津家当主の座を争う従妹の島津須世璃、真一郎の使う日本刀の付喪神である夜叉王など、魅力的なヒロインたちが多く登場する。
登場人物・キャラクター
浅野 真一郎 (あさの しんいちろう)
とある高校に通う2年生の男子。両親は仕事で海外に行っているため、一人暮らしをしている。しかし最近仕送りが途切れ気味で、生活のためやむを得ずアルバイトすることになり、担任の相馬撫子から島津朔邪の家政夫の仕事を紹介された。キスを介して妖魔の真名を看破することのできる「真眼(まがん)」の能力を持ち、島津家をはじめとする西洋魔術師の家系である朝比奈家からも、その能力を重要視されている。そんな中、朔邪の真名を唱えてしまったことで、前当主である島津那巳以外の島津家の人々からは、朔邪の婚約者と認知されている。戦う際は強い妖気を放つ日本刀、夜叉王を使用する。
島津 朔邪 (しまづ さくや)
浅野真一郎と同じ高校に通う2年生の女子。妖魔封じの家系である島津家の前当主である島津那巳の長女、島津伽耶と、島津家の仇敵(きゅうてき)であり西洋魔術師の家系である朝比奈時春のあいだに生まれ、島津家37代目当主の座を狙っている。高校では清楚(せいそ)な立ち振る舞いを見せているが、実は天真爛漫(らんまん)でわがままな性格をしている。他人に対して感謝する気持ちを持っていないため、島津家の人間からは嫌われているが、真一郎と行動を共にするようになり、他人に対する言動がわずかながら軟化している。真一郎に好意を抱いているが、自分の気持ちを素直に伝えることができないでいる。真一郎に真名である「イスカ」を看破され、言葉にして唱えられてしまったため、真一郎の命令に逆らうことができなくなる。島津家の当主の座を狙っているのは、8年前、突然姿を消してしまった両親の行方(ゆくえ)を追うため。
書誌情報
ISUCA 全9巻 KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉
第1巻
(2010-05-26発行、 978-4047154582)
第9巻
(2017-05-02発行、 978-4041054642)