概要・あらすじ
パソコンオタクの少年、テルは親友である浅沼紀一郎(キイチ)の消息を求めて上京。人探しなどを引き受けているという青年、真島マコトとともに調査を開始する。その調査のなかで2人はキイチの住むアパートに手掛かりを求め、ノートパソコンの中にあるビデオメッセージを発見する。その映像に残されていたのは、キイチの変わり果てた姿だった。
登場人物・キャラクター
真島 マコト (まじま まこと)
池袋に住む果物屋の息子。正義感が強いが照れ屋な性格で、純粋な人間を苦手とする。人探しやトラブル解決の請負人として知られており、池袋の正義の味方と呼ばれている。その噂をを聞きつけたテルに懇願され、ともに浅沼紀一郎の消息を追うこととなる。パソコンやネット用語をまったく知らず、専門用語を使用するテルの話を聞いては、何を言っているのかわからないと突っ込む。
テル
親友の浅沼紀一郎(キイチ)の消息を追って上京してきた少年。自らを負け犬と見なしており、高校を卒業してからは引きこもってネットの世界に没頭していた。そのため、コンピュータの知識は豊富。ネット上で池袋の正義の味方である真島マコトの噂を聞きつけ、偶然にも彼と遭遇。ネットの知識を活かしてマコトをサポートしつつ、キイチの行方を追う。
浅沼 紀一郎 (あさぬま きいちろう)
テルの親友。真面目で向上心が強く、いじめられがちなテルをいつも守っていた。1年前に上京し、池袋にある映像関係の専門学校に入学。アルバイトを掛け持ちする生活を送っていた。しかし、ある時300万もの大金を残して突如行方をくらませてしまう。
安藤 タカシ (あんどう たかし)
カラーギャング集団「Gボーイズ」のヘッド。チームのメンバーからは「キング」と呼ばれ、慕われている。平穏な世界を疎んでおり、良くも悪くも個性的な人間を好んでいる。真島マコトとはかつての学友で、札付きの不良だったマコトが大人しくなったことをつまらなく思っているが、彼の請負人としての活動に注目している。浅沼紀一郎を探す時も「Gボーイズ」の総勢を挙げてサポートすることを約束している。
ギンジ
カラーギャング集団「Gボーイズ」のメンバー。気のいい人間ではあるが猟奇趣味の一面を持ち、地下SMクラブ「F&B」の存在についても早々に把握していた。その知識を買われて真島マコトへの情報提供や、潜入作戦のサポートを任される。不謹慎な行動をとることも多いが、マコトには信頼されている。
春木 顕治 (はるき けんじ)
地下SMクラブ「F&B」の主催者。古代から中世までの芸術に精通しており、身体の欠損を芸術作品に例える悪癖を持つ。クラブに潜入するために人体切断ショーのモデルとして現れた真島マコトの全身を見てダビデ像を連想し、500万円もの大金を払い、ショーの目玉として起用した。
遠藤 浩彰 (えんどう ひろあき)
春木顕治のボディーガード。かつては他のギャングチームに所属していたが、リーダーになれるほどの器ではなかったため池袋から姿を消し、現在は春木の部下に落ちぶれている。真島マコトを知っており、地下SMクラブ「F&B」にモデルとして潜入した彼を危険視し、独自に彼を消そうと企む。
医者 (いしゃ)
地下SMクラブ「F&B」に所属している女性。人体損壊ショーの進行を担当している。仮面と大胆なボンテージファッションに身を包んでいる。医師免許を持っており、ショーを実施するにあたっての麻酔を担当する。サディスティックな性格で、真島マコトにショーの説明をする最中も、終始うすら笑いを浮かべていた。
集団・組織
Gボーイズ
安藤タカシの率いるカラーギャング集団。池袋を拠点に、地元の盛り上げ役や自警団の役割を担っている。犯罪行為やそれに準ずる非道を働く者には容赦をしない。覗き行為をしようとした男性に脅しをかけたり、地下SMクラブ「F&B」に対して殴り込みをかけたりと過激な行動をとることが多い。真島マコトとは、距離を保ちつつも、時には共闘することもある。
F&B (ふれっしゅあんどぶらっど)
暴力団とつながりのある地下SMクラブ。金に困った人を言葉巧みに誘い、大金と引き換えに身体の一部を切断するショーを見世物にしている。ショーの様子を録画したDVDを同じ趣味の客に売り出す卑劣な組織。浅沼紀一郎が行方不明になった際も、この組織とのトラブルが示唆されていた。