誤解から始まった共同生活
本作の舞台となるのは、モンスターや亜人(犬人、猫人、人狼など)、魔法が存在する「ロクス・ソルス」と呼ばれる異世界である。最も大きな大陸「セプテントリオ」の西部には、ヒトの帝国「ユースティティア」があり、主人公の一人であるアストラは、そこの聖騎士団1番隊隊長だった。しかし、スローライフ志向が強いアストラは、早期退職して大陸の西の果てに念願のマイホームを購入する。やっとの思いで手に入れたマイホームへの引っ越し当日、窓を割って部屋に飛び込んできたのが、8歳の魔法少女、ノアだった。邪神に仕え、強くて悪い魔女を目指すノアは、アストラを邪神だと勘違いし、下僕にしてほしいと熱心に頼み込む。誤解を解いて帰ってもらおうとするアストラだったが、ノアの孤独を知り「対等な友人」としてマイホームに招き入れる。こうして魔女と元騎士の不可思議な同居生活が始まるのであった。
孤独を抱えた年の差コンビ
巨漢のアストラは、仮面で顔を隠している35歳の男性。幼少時からマイホーム生活を夢見ていたアストラは、資金を貯めるため騎士になり、25歳という若さで隊長に抜擢される。しかし、周囲の人間は出世を妬み、アストラは親友をはじめ友人たちを失ってしまう。それから10年、孤独に耐えるために仮面を被(かぶ)り隊長の役割に徹してきた。一方ノアは、強い魔力を持つアンティキティラ族でありながら、魔法が苦手で友だちができない8歳の少女。強い魔法が使えれば、孤独ではなくなると考え、本で読んだ邪神を探してアストラの家にたどり着いた。本作は共に孤独を抱えた中年男と幼女が、年齢差を乗り越え、かけがえのない友人になる様子を描く。
ノアの中に眠る巨大な力
様々なハプニングに翻弄されながらも、何とか共同生活を送るノアとアストラ。そんな二人のもとに、突然現れたのが、ノアの姉だというエリザベス(エリーゼ)である。アンティキティラ族の族長であるエリーゼの登場により、ノアの生い立ちが少し明らかになる。ノアは3年前、里から離れた聖域、倒壊した「聖女の神殿」に佇(たたず)んでいるところをエリーゼに拾われたという。ノアは魔法が使えなかったが、それは彼女の中に眠る力が強すぎてコントロールできずにいるだけだった。また、ノアは、しばしば不思議な夢を見ることから、500年前に邪神を倒した伝説の大魔女、アークティカと何らかの関係があると推測される。
登場人物・キャラクター
アストラ・ルドガー・ドゥームズデイ
元・帝都ユースティティアの聖騎士団の1番隊隊長の男性。身長202センチメートルという35歳の巨漢で、常に仮面を被っていて素顔を見せない。セプテントリオ大陸中東部にある小村、タカカルヴィ出身。両親を早くに亡くし、祖父母に育てられた。25歳という若さで隊長に抜擢され、10年間勤めた後、最果ての断崖に立つ築500年のマイホームを購入。惜しまれながらアーリーリタイアし、スローライフを目指すが、突如現れた魔法少女のノアと同居することになり、ドタバタな毎日を送る。
ノア・オ・アンティキティラ
少数民族のアンティキティラに属する8歳の少女。身長は121センチメートルで、桃色の髪と白銀の瞳が特徴。魔法が下手くそで、一族の中で疎まれていたため、強くなってみんなを見返したいと考えている。図書館で見つけた本で「邪神」の存在を知り、悪くて強い魔女になるため、邪神を探して旅をする。ところが、地図を上下逆さまに見ていたため、誤ってアストラの家に到着。アストラを邪神だと勘違いし、弟子入りを熱望する。一人で過ごす時間が長かったため家事スキルが高い。得意料理はオムライスで、掃除が好き。趣味は読書。
書誌情報
IT’S MY LIFE 11巻 小学館〈裏少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2015-03-12発行、978-4091257970)
第2巻
(2015-06-12発行、978-4091261830)
第3巻
(2015-10-09発行、978-4091265876)
第4巻
(2016-02-12発行、978-4091270252)
第5巻
(2016-06-10発行、978-4091273048)
第6巻
(2016-10-12発行、978-4091273918)
第7巻
(2017-02-10発行、978-4091275165)
第8巻
(2017-07-19発行、978-4091276575)
第9巻
(2017-12-12発行、978-4091280480)
第10巻
(2018-06-19発行、978-4091283191)
第11巻
(2018-10-19発行、978-4091286994)







