惨めな人生から堅実な人生への転換
小百合は、タイムリープ前の人生では権力と金銭に依存し、享楽的な生活を送った結果、家族と共に破滅を迎えてしまう。その反省を踏まえ、タイムリープ後は浪費を控え、人脈を大切にし、勉強を怠らないことを最優先にして日々の生活を送るようになる。当初、小百合の改心を疑っていたクラスメイトたちも、慎二をいじめから守るために体を張る姿や、追試勉強のために友人の家でアルバイトに励む姿を目にするうちに、次第に心を開いていく。
小百合の記憶と過去の世界のズレ
小百合がタイムリープした1990年の日本は、バブル経済の終焉を迎えつつあったが、バブル崩壊を予期する者は誰一人いなかった。小百合自身は、バブル崩壊やそれに伴う地価の急落、銀行経営の悪化を経験していたため、これらに依存しない堅実な生き方を模索していた。しかし、彼女の周囲にいる少年少女たちや、政治家である祖父さえも、未来の社会についての小百合の考えを子供の妄想だと一蹴し、信じようとはしなかった。それでも小百合は未来の出来事を語り続けるが、次第に彼女は困惑することになる。この1990年の世界では、自分が知っている企業が存在しなかったり、かつて家電業界を牽引していた企業が中堅企業に甘んじていたりと、自らが経験した世界とこの世界とのあいだにズレが生じていたのである。
小百合と仲間たちが挑む未来の再構築
自らの経験から世界のズレに気づいた小百合は、バブル崩壊や政治スキャンダルが必ずしも起こるわけではないという可能性を考慮し、より堅実な人生を歩むために二ノ宮家の没落の原因を探り始める。そんな中、祖父の健一の政敵である西定幸の息子、西彰吾と出会ったことで、二ノ宮家の没落が健一の秘書、竹勇三と定幸との密談に関係していることが次第に明らかになっていく。彰吾や、財界のトップ企業の令嬢、西園寺千桜など、これまで築いてきた人脈を頼りに、小百合は家族と自身の未来を守るために奔走する。
登場人物・キャラクター
二ノ宮 小百合 (にのみや さゆり)
私立蘭華学院に通う女子高校生。年齢は17歳。ピンクブラウンの長髪をカチューシャで留めている。かつては与党幹事長を務める祖父の健一や、ビルオーナーの父親の財産を贅沢に使いながら生活していた。しかし、バブル崩壊と祖父の政治スキャンダルによって家族は没落し、46歳になる頃にはホームレスに転落してしまう。17歳の時にタイムリープしてからは、「浪費しない、サボらない、頼らない、いつも感謝」をモットーに、両親の浪費癖を正しながら、小百合自身の未来のために人脈を築き、勉強に励んでいる。しかし、タイムリープ前の悪行はそのまま引き継がれており、改心と努力を重ねても周囲に受け入れてもらえず、苦悩の日々を送っている。
尾上 慎二 (おがみ しんじ)
私立蘭華学院に通う男子高校生。年齢は17歳。黒髪に黒縁メガネをかけている。クラスメイトの小百合とは、席が近かったことがきっかけで友人になった。当初は小百合の悪評に怯えていたが、彼女の言動に触れるうちに信頼を寄せ、親しい関係を築いていく。母親の形見であるカメラを大切にしており、写真撮影を趣味としている。クラスメイトの白石とは幼なじみで、ある出来事をきっかけに関係が途絶えていたが、高校で再会してからは、いじめの対象となってしまう。小百合には全幅の信頼を寄せており、白石が姿を消した際には真っ先に彼女に相談を持ちかけた。
クレジット
- 原作
-
林 達永
書誌情報
JKからやり直すシルバープラン 13巻 キルタイムコミュニケーション〈ヴァルキリーコミックス〉
第8巻
(2022-09-08発行、978-4799216828)
第9巻
(2023-01-07発行、978-4799217252)
第10巻
(2023-05-08発行、978-4799217672)
第11巻
(2023-09-08発行、978-4799218105)
第12巻
(2024-02-08発行、978-4799218648)
第13巻
(2024-09-06発行、978-4799219515)







