KIMURA 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか

KIMURA 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか

昭和初期、15年間不敗のまま引退した、史上最強の柔道家木村政彦の生涯を描くセミドキュメンタリー。増田俊也のノンフィクション『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』を原作としており、物語の冒頭は、原作の誕生秘話が描かれる。また、原作の増田俊也と劇画担当の原田久仁信は、未完である梶原一騎の自伝漫画『男の星座』の続編と本作を位置づけ、その完結を目指している。

正式名称
KIMURA 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
ふりがな
きむら きむらまさひこはなぜりきどうさんをころさなかったのか
作画
原作
ジャンル
自伝・伝記
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概要・あらすじ

「昭和の巌流島決戦」と言われた、力道山対木村政彦。その闘いは、力道山の一方的な八百長破りで決着した。日本中に無残な敗北姿をさらした木村は、力道山の裏切りを許せなかった。武道家として生きてきたはずの木村は、なぜ力道山を刺し殺し、自ら切腹して決着をつけなかったのか。その謎を解き明かし、不遇な後半生を送った木村の仇を討つべく、原作者増田俊也は、木村の生涯を書き綴る。

--木村の物語は昭和2年夏から始まる。3年連続柔道日本一の牛島辰熊の凱旋に、熊本は湧いていた。人ごみをかき分け、牛島を見た木村政彦少年は、その姿に「虎」のような凄みを感じる。後に固いきずなで結ばれる師弟となる2人の初めての出会いであった。

登場人物・キャラクター

木村 政彦 (きむら まさひこ)

大正6年、熊本県に生まれる。幼少時より、父の砂利採りの仕事を手伝っていたため、強靭な足腰と怪力の持ち主となる。15歳のとき、全国中等学校大会の決勝で、立ったまま腕がらみを極め、怪童と呼ばれる。中学卒業後は、牛島辰熊に師事。拓殖大学商学部予科に入学。 講道館の昇段審査で8人抜きをなし、五段に昇進。一躍その名を世間に知らしめる。怪力を活かした柔道が得意だったが、天才児・阿部謙四郎に敗北した後は、しなやかさと強さを併せ持つ柔道を目指した。また、高専柔道の練習を重ね、腕がらみや横三角絞めなど、寝技、関節技でも秀でた存在となる。20歳1か月の最年少で全日本柔道選士権大会専門の部優勝。 日本一となる。同名の実在人物がモデル。

牛島 辰熊 (うしじま たつくま)

木村政彦の師匠。「鬼の牛島」の異名を持つ熊本の柔道家。3年連続日本一など、輝かしい実績を持つ。熊本の五高(旧制高校)柔道部の師範を務めていたが、のちに東京に引っ越し、牛島塾を開く。16歳にして四段を取得した木村政彦の話を聞き、木村の父に土下座して、木村を引き取る。 同名の実在人物がモデル。

木村 又蔵 (きむら またぞう)

竹内三統流の流れをくむ柔道家で三段。身長185cm、体重95kgの巨漢で酒好き。熊本で道場を開いており、木村政彦の最初の師匠。強くなりたいという、木村少年の入門を、焼酎1升で許す。同名の実在人物がモデル。

澤木 興道 (さわき こうどう)

熊本の大慈禅寺で、五校生たちと親交を持った僧侶。生涯、自分の寺を持たず、座禅に悟りを求めて全国の人々を救って回った。少年時代の木村政彦に、「武道の極意は負けることなし勝つことなし」と教える。同名の実在人物がモデル。

阿部 謙四郎 (あべ けんしろう)

中学3年で初段を取った、徳島県の天才柔道家。武徳会附属武道専門学校に入学し、栗原民雄六段の愛弟子となる。力に頼らない、しなやかな動きが特長。皇宮警察武道大会の五段選抜試合で木村と対戦し、判定勝ちをおさめる。しかし1年後には、特訓で成長した木村に完敗。 同名の実在人物がモデル。

小川 信雄 (おがわ のぶお)

鎮西中学柔道部顧問。熊本県小学校相撲選手権で優勝した木村政彦を、鎮西中柔道部にスカウトする。同名の実在人物がモデル。

栗原 民雄 (くりはら たみお)

武徳会附属武道専門学校教授。柔道六段の巨漢。1929年の第1回天覧試合で、牛島辰熊を破り優勝した経験を持つ。天才柔道少年、阿部謙四郎の師匠。同名の実在人物がモデル。

船山 辰幸 (ふなやま たつゆき)

鎮西中学柔道部の猛者。木村政彦の1学年上。新入りの木村をしごくが、その秘めた実力に舌を巻く。後に、木村、甲斐利之と共に、東京の牛島塾に入門。拓殖大学商学部予科入学。同名の実在人物がモデル。

甲斐 利之 (かい としゆき)

鎮西中学柔道部の猛者。木村政彦の1学年上。中学卒業後、木村、船山辰幸と共に、東京の牛島塾に入門。拓殖大学商学部予科入学。同名の実在人物がモデル。

山口 利夫 (やまぐち としお)

「満州の虎」の異名を持つ、満鉄柔道部大将。180cm、120kgの巨漢で柔道五段。拓大予科の選抜チームの満州遠征試合で、木村政彦と対戦して引き分ける。後に牛島辰熊が立ち上げた「プロ柔道」に、木村と共に参加する。同名の実在人物がモデル。

中島 正行 (なかじま まさゆき)

神奈川県警の警察官。柔道五段で、講道館トップの実力者。全日本柔道選士権大会専門の部の決勝で、木村政彦と対戦する。同名の実在人物がモデル。

嘉納 治五郎 (かのう じごろう)

柔道の総本山である講道館の創立者。柔道の国際化、スポーツ化を目指し、東京オリンピックの公開競技にしようとする。同名の実在人物がモデル。

力道山 (りきどうざん)

大正13年、朝鮮半島北部の小さな村で、6人兄弟の末っ子として生まれる。シルム(朝鮮相撲)の試合に出ているところを、日本の相撲界と関わりを持つ百田巳之吉らの目に留まり、スカウトされる。1939年、二所ノ関部屋に入門し、翌年、力道山として初土俵を果たす。 同名の実在人物がモデル。

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